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言葉の森新聞
2004年5月1週号 通算第837号
文責 中根克明(森川林) |
http://www.mori7.com/mori/ |
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■1.連休中の予定(再掲) | ||||
教室の休みは、課題フォルダに書いてあるとおりです。 5月1日(土)は授業があります。 5月3日(月)4日(火)5日(水)は休み宿題です。 5月1週の言葉の森新聞と山のたよりは、4月28日ごろに発送する予定です。 |
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■2.来週5.2週に作文のテスト | ||||
来週5.2週に、作文進級テストを行います。課題フォルダの項目表の●印が全部できることが合格の条件になります。キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いていってください。中学生以上の時間制限については、今回は採点の基準にしませんが、できるだけ時間内に書き上げる力をつけていきましょう。 手書きで作文を書く人は、項目ができたところにシールをはっておいてください。 パソコンで作文を書く人は、キーワードを入れておいてください。 小学生の場合は、提出する前に、おうちの方が字数と項目シールをチェックしてあげてくださるとよいと思います。 小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。4月以降に受講を開始した生徒も、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。ただし、いずれの場合も、賞状は出ますので、できるだけ字数と項目ができるように書いていってください。 |
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■3.検索の坂で必要なページをほとんど表示 | ||||
パソコンで作文を書く人のために、検索の坂で、必要なページがほとんど表示されるようにしました。 http://www.mori7.com/kennsaku/index.php 検索の坂で、自分を検索すると、岩(課題のページ)、苗(項目のページ)、池(解説のページ)、声(ヒントの声のページ)、林(同じ課題を勉強しているほかの生徒の作文)などを見ることができます。 |
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■4.れもんさん小6が朝小の年間盾賞 | ||||
れもんさん(小6)が、朝日小学生新聞の年間盾賞を受賞しました。 年間盾賞は、1年間に3回以上特選に選ばれた人に送られます。 |
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■5.桜によせて(まあこ先生(ゆた)) | ||||
新入学を迎えるスミレさん、エイミーさん、萌さん、弘太郎くん、おめでとうございます。中学時代は笑いあり涙あり、いろいろなことがあります。とにかくおもしろい3年間です。期待していてください。今は少し緊張しているかもしれませんね。ピカピカの制服やカバンは、誇らしくもあり、照れくさくもある。すぐに体になじみますよ。自信を持って、夢をいっぱい持って、一歩をふみだしてください。応援しています! 入学式といえば桜が似合います。今年は早めに咲き始めましたが、3月25日現在では、花冷えが続き、足踏み状態です。このまま少しずつ開花して入学式のころまで楽しめるといいですね。 桜は遠くからながめてもよし、近づいて一花一花をめでるもよし。なんとすばらしい花なのでしょう。その日まで足早に歩いていたいつもの道が、急にぱあぁっと明るくなって、思わず立ち止まってしまいます。ゆったりとした時間が流れます。 そして、桜は散りぎわがいさぎいいですよね。咲いていたことさえ忘れてしまうほど、あっさりと散りきってしまいます。そして落ち着きを取り戻した私たちは、また歩み始めます。 昔、大学の合格発表は、電報が多く使われていて、合格は「サクラサク」だったそうです。満開の桜が目にうかび、合格の喜びが倍増するようなうまい電文ですね。一方、不合格は「サクラチル」。さみしそうではありますが、「来年の開花を待っているよ」と言われているようでもあり、温かみがあるように思えます。 桜は花が散ったすぐ後、夏には次の花芽が作られているそうです。秋にはおしべやめしべもできあがっていて、いつでも咲ける状態なのだそうです。でも、まだ咲きません。それは、冬の寒さを体験しないと眠りから覚めない仕組みになっているからです。厳しい寒さにたえなければ花が咲かないなんて、そんなところも受験勉強に似ています。 しかし、桜にとって花を咲かせることが目的ではありません。花を咲かせるのは実を結び子孫を残すためです。そして、それをくり返して、自分の体を生き生きと存在させるのです。人も、大学に合格することが目的ではありません。たった18・19才で人生の目的を達成してしまうわけではないでしょ? 受験とは、実を結ぶための、自分自身が生き生きと存在するめの、通過点なのです。 私たちが目にする桜の多くは、人の手によって植えられたものです。桜の苗は人に運ばれ「ここで花を咲かせるんだよ」と植えられます。気候も土のようすもいろいろですが、桜はその環境の中で花を咲かせ、人々の目をひきます。みなさんも、桜のように、それぞれの場で精一杯花を咲かせ、将来、立派な大木になってください。 毎年、桜が咲くとうかれてしまいます。桜の花は取り囲む人々を幸せにします。人生の出発点にふさわしい華やかな景色です。 |
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■6.私と読書(しろくま先生(いのこ)) | ||||
私は、小さい頃とても体が弱く、しかも今の私からは想像もつかないほどおとなしかったので、本がいちばんのお友だちでした。本を読んでいるだけで、とても幸せでした。小学校に通うようになってからも、いつも本を抱えて歩いているような子供だったようです。そのうちに登場人物になりきって、声を出して読んだりするようになりました。登場人物によって声色を変えたり、ナレーションに凝ってみたりと、かなり熱中していたことを覚えています。日ごろの成果が表れたのは、やはり国語の時間です。音読はいつもほめられ、おとなしかった私はいつの間にか積極的な女の子に変身していました。(演じる楽しさを知ってしまった私は、その後演劇に熱中することになります。) 変身した私は、お友だちもたくさんでき、楽しい学校生活を送ることになります。でも、やはり本がいつも傍らにありました。どんな本を読んでいたかというと、いわゆる「乱読」です。「図書室にある本をはじからはじまで読みつくす」ことを目標に、手当たり次第に読んでいたのです。これは高校を卒業するまで続きました。あまりたくさんの本を読んだので、どんな本があったのかすべて覚えているわけではありませんが、そのころの読書体験が今の私に様々な影響を与えているのは事実です。 「どんな本を読んだらいいかわからない。本を読むのはすきじゃない。」という話をよく耳にします。でもそのままにせず、とにかく本を手にしてみましょう。学校の図書室でも、近所の図書館でも、本屋さんでもかまいません。たまたま手に取った本が、おもしろかったら大成功。そうでなくても、何回かチャレンジしていたら好きな本にめぐりあえるかもしれません。 いのこ組のみんなに紹介したい本があったら、封筒の「みんなへのひとこと」に書いてくださいね。このしろくま通信で発表していきます。 |
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■7.三ヶ月で100回の音読(ふじのみや先生(ふじ)) | ||||
音読。みなさんは音読の効果を実感していますか? 私は、最近、おもしろい話を聞きました。 人間が一定の行動を無意識に繰り返せるようになるためには、大脳細胞に同じ刺激や興奮が100回ばかり与えられなければならないそうです。 また、100回というのは、短時間に100回行うのではなく、ある一定の期間のうちに繰り返される100回でないと効果があらわれません。 なぜなら、行動の効果は、大脳細胞から伸びている細い繊維状の細胞が刺激や興奮によってさらに伸びほかの大脳細胞と連結し活動することで、定着するためです。 一定の期間とは、約三ヶ月程度であると言われています。 つまり、長期間かけて行う100回だからこそ、価値があるのです。「三ヶ月!? 100回!? 気の長い話だなぁ」と、思うかもしれませんね。 しかし、一度細胞のネットワークが完成すると、それからは「頑張ろう」と思わなくても、楽に一定の行動が取れるようになります。運動の基本的な技をマスターするのも、早起きの習慣がつくのも、勉強の習慣も同じだそう。 「また新しい長文が来た。短文を暗唱しなくては」 同じことをやり続ける三ヶ月は長く、飽きそうになったりつらく感じることもあるでしょう、しかし、大脳ネットワークが作り上げられるまでの大切な期間だと考えてみましょう。 三ヶ月続くと、長文のような文章が「頑張らなくても」書けるようになる。 そのようなイメージを持ち、音読を続けてみてくださいね。 今月はめずらしく科学的だったなぁ…… |
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■8.お母さんに聞いた話(むり先生) | ||||
わたしは先生としてみなさんの作文を読ませてもらってえらそうなことを書いていますが、実はいつも本当に感動(かんどう)したり、感心(かんしん)したり、びっくりしたりして楽しんでいます。それが楽しくて先生の仕事をしていると言ってもいいくらいです。 ですからこれからときどき私が心を動かされた作文をここでしょうかいしていきたいと思います。しょうかいするのはわたしがおもしろいなぁと思った文章です。いつもの評価項目とは全く関係ありません。つまり、みなさんの作文をネタにわたしが思ったことを書こうということなので、しょうかいされても、しょうかいされなくてもあまり気にしないでくださいね。 今回しょうかいしたいのは小学3年生のパンダさんの作文です。「どんな子だったんだろう」という題名で自分が生まれたときのことをテーマに書いてもらいました。その中でこんな文がありました。 『わたしが生まれた時、お母さんはかわいくってしょうがなくて、足の指が五本ずつ、手の指五本ずつ、手も足も二本ずつあるなと思ったそうです。』 どうしてこの文に感動したかというと、わたしもこどもがうまれたとき同じことをしたからです。同じことをしたことのあるお母さんは多いのではないでしょうか。別にこどもの体に異常(いじょう)がないか調べたかったのではありません。うまれたばかりの小さい赤ちゃんの体をすみずみまで確認したかったのです。本当にかわいくて仕方のなかった気持ちを思い出しました。 こういう話をこどもにしてあげられたお母さんはえらいなぁと思いました。(わたしはパンダさんの作文を読むまでそんなことはすっかり忘れていました。)お母さんにその話を聞いて作文にしたパンダさんもえらいなぁと思いました。きっとこの作文を書くにあたって、この他にもいろいろな話をしたでしょう。そんなようすがこの一文からも伝わってきますね。 お父さん、お母さんは「前の話、聞いた話」「似た話」の宝庫(ほうこ)です。作文を書くときには題材(だいざい)の項目に困っているときも困っていないときも、「ねぇ、ねぇ、こんなことはなかった?」と聞いてみてください。きっとおもしろい話が聞けるはずですよ。 |
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■9.森リン得点アップ作戦(メグ先生(じゅん)) | ||||
手書きで作文を書いている小学生のみなさんにはまだあまりなじみがないかもしれませんが、言葉の森では、「森リン」という自動採点ソフトで瞬時に作文の採点をすることができます。手書きの作文を誰かにパソコン入力してもらって、ホームページの自動採点のページから送信すればすぐに採点することができますから興味のある人はやってみてください。ただ、小学生の人には少しからい点数が出ると思いますから、点数が低くてもがっかりしないでね。ちなみに、パソコンで書いている小学3年生と4年生の平均点はどちらも40点台です。 森リンの得点を高くするためにはどうしたらよいのでしょうか。小手先だけの技術では得点アップは望めません。毎日の音読や読書の積み重ねがいちばん大切です。でも、工夫次第で今ある実力で得点をアップさせることができます。 その一つは、修飾語を使うということです。そうすれば語彙の数を増やすことができます。たとえなどを工夫しながら書いてみましょう。たとえば次の二つの文を比べてみると得点にも差が出ることがわかります。 わたしは、今日、7時に起きました。朝ごはんは、パンと卵焼きでした。とてもおいしかったです。わたしは、お母さんに 「行ってきます。」 と言って、家を出ました。 (7点) わたしは、今日、7時に目を覚ましました。朝ごはんは、ふわふわのパンと菜の花色の卵焼きでした。ほっぺたが落ちそうなくらいおいしかったです。わたしは、お母さんに 「行ってきます。」 と手をふって、家を出ました。 (10点) ただ、ここで注意しなければいけないのは、字数を増やせば得点が上がるわけではないということです。語彙の数が増えなければ得点はアップしません。 もう一つは同じ言葉を繰り返さずに、同じ意味でも違う言葉で言いかえるということです。 今日、雪が降りました。雪はいつまでも降り続けました。(2点) 今日、雪が降りました。白い妖精は、いつまでも舞い続けました。(3点) わずかの点差ですが、「塵も積もれば山となる」です。(笑)作文を書くときには、同じ言葉が何度も出てきたら、他の言葉に言いかえられないかどうか考えてみましょう。 語彙の種類が増えれば得点が上がります。音読や読書を続けていれば自然と語彙の数は増えるのですが、今、頭の中につまっている語彙を掘り出して、なるべくいろいろな言葉を使って作文を書いてみましょう。ちょっとした頭の体操になりそうです。森リンでの得点アップを目指してがんばりましょう。 |
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