第五週の長文の解説
「少年のころは」
要約のヒント
(1)桜の花びらが散るときの表現が見つからなかった
(2)からまつの葉が落ちるときの表現も見つからなかった
(3)これらの美しさを表現する言葉が日本語には必要だ
似た話のヒント
うまく言い表せない表現の例を考えつくといいと思いますが、ちょっと難しいでしょう。この長文に出てくるような「桜の花びらが散る様子」を自分なりに表現してみるとどうなるか、と考えて書いてもいいですね。
意見のヒント
ありきたりの表現ではなく、自分なりに納得できる表現を工夫してみることが大切だ、のように書けるでしょう。反対理解は、「表現のニュアンスにこだわってなかなか言い表せないよりも、間に合わせの表現であってもいいから早く伝えることが大切だ」または、「表現のニュアンスよりも中身が大切だ」のように考えられると思います。第六週の長文を読んでいる人は、反対理解を第六週の長文から引用してみましょう。
名言のヒント
名言では、「36、すべてにきくという薬は……」などが使えそうです。ことわざでは、「帯に短し、たすきに長し」なども使えるでしょう。
「いったい私たちは」
要約のヒント
(1)人が学ぶのは、自由と愛を獲得するためである
(2)知ることは、主体的に関わる場合、責任と苦痛を伴う
(3)私たちは、人間らしい人間になるために学ぶ
意見のヒント
意見は、学ぶことの大切さで考えていくといいでしょう。または、もっと絞って、「点数や成績のために学ぶのではなく、自分の成長のために学ぶ」と考えてもいいかもしれません。このように絞って考えると、反対理解は、「確かに義務教育までは基礎的な知識をしっかり身につけること自体を目的として勉強することも大切だが」のようになるでしょう。
名言のヒント
この長文の中にある「知は力なり」が使えそうです。また、「50、哲学者は世界をさまざまに……」や「28、辞書のような人間に……」なども応用できるでしょう。
合格速報(3)
蔵本奈那子さん(中三)が鶴見女子高校に推薦で合格しました。
田中早織さん(中三)が横浜英和女学院高校(旧成美女学院)に推薦で合格しました。
布施聡子さん(小六)が新潟大学教育学部附属新潟中学に合格しました。
田中さんと布施さんの受験科目には作文がありましたが、二人ともうまく書けたようです。おめでとう。
広場には清書とひとことを中心に掲載します
これまで、広場には、毎週の全員の作文を掲載し(清書は掲載せずにそのまま投稿)、そのかわり作品の原本の返却は学期に数回としていましたが、作品の返却が毎月一回というかたちで軌道に乗ってきましたので、これから、広場には、毎月全員の清書を掲載し、毎月の練習の作文は掲載せずに月に一回本人に返却するというかたちにしていきたいと思います。
また、言葉の森のホームページも、これまでは毎週の全員の作文を掲載していましたが、これからは、毎月の全員の清書を掲載していきたいと思います。
したがって、「学習の手引」に清書の書き方が書いてありますが、掲載される清書に自分の名前を出したくないという人は、清書の場合、本名は表に記載せず、裏に記載してくだされば結構です。清書は、新聞社に送りますので、表にペンネームを書くことはできるだけ避けてください。(新聞社の人が混乱すると思いますので)
二月の体験学習受付中
そろそろ新年度が近づいてきます。生徒のみなさんのご兄弟やお友達の中で、言葉の森の勉強に関心がある方は、二月の体験学習にご参加ください(通学教室のみ)。三月以降になると、生徒の移動が多くなり、教室も忙しくなりますので、二月のまだ落ち着いている時期に参加されることをおすすめします。
体験学習は、通常の授業時間で、現在勉強している生徒と一緒に、二回まで無料で受けられます。その後、受講をされるかどうかは自由ですので、お気軽にご参加ください。
通信生の場合には、郵便のやりとりに時間がかかるために体験学習は行なっておりませんが、言葉の森の通信指導は、受講後一ヶ月以内に受講を取り消される場合、教材費の実費以外をすべて返金するクーリングオフ期間を設けていますので、この一ヶ月が体験学習のような扱いになります。
お問い合わせは、電話0120−223987 言葉の森まで。
力の伸びる節目、小六、中三、高三
生徒の実力の伸びる時期には、節目のようなものがあります。
最初が小六の後半です。これまで、「一般化の主題」という大きい感想をどうしても書けなかった生徒が、急に無理なく大きな感想を書けるようになってきます。大きな感想とは、例えば「私の友達」というような題名の場合に、「友情とは……」「真の友達とは……」という、自分の個人的な範囲を超えたより大きな視点でことがらをとらえて書くことです。
次の節目が中三の後半です。中三になると、それまで、苦しい勉強はなるべく避けてすぐに楽な方向に向かうという傾向にあった、勉強に対する姿勢が、急に自覚的で前向きなものになってきます。この中三のころからの勉強が、ある意味で本当の勉強になります。中三というのは、昔の元服の時期ですから、年齢的にもこの時期から、まわりのものごとを自分の人生との関連で考えることができるようになるのだと思います。
次の節目が高三の後半です。小論文で言うと、高二のころまでは一応内容は要求されたとおりに書いていても、主題全体が自分のものとして十分に消化されていないという印象の文章を書く生徒がかなりいます。これが高三の後半から急に、自分の言葉で書けるようになってくるようです。ですから、大学生のころに書く文章は、読み手に対して訴える力を持ってきます。
現在、小学校低中学年の生徒のみなさんは、いま行なっている長文の音読などの自習が、こういう長い展望につながっているのですから、焦らず休まずじっくりと力をつけていきましょう。