第六週の長文の解説
「日本語は」
要約のヒント
(1)日本語は日本人だけが使っているので、外部からの目にさらされる機会が少なかった。
(2)英語やフランス語は、国際化するために人工的に整理された歴史を持つ。
(3)日本語を国際化するのはこれからの仕事である。
似た話のヒント
似た話は、日本語の微妙な表現の例など。外国の人にはわかりにくい複雑な表現などがある。例えば敬語や謙譲語などは、その例。日本語が国際的になるにつれて、こういう表現は今後整理されてくることが予想される。
ことわざや名言のヒント
名言は、「74、もともと地上に道は……」「43、脱皮できないヘビは……」など。
「生物界の中で」
要約のヒント
(1)動物は限られた環境で適応した体を持っている。
(2)人間は、学習によって力を身につける。
(3)人間の学習は、また社会的な学習でもある。
意見のヒント
意見は、学習の大切さ。反対理解は、勉強のし過ぎの弊害などを考えていくといいが、そういう心配はあまりないかもしれないね。
ことわざや名言のヒント
名言は、「28、辞書のような……」「45、短所をなくす……」など。
どうしたら本を読むようになるか
保護者のみなさんから質問の多い「どうしたら、本を読むようになるのか」ということについて、説明したいと思います。
まず、読書を、勉強の一部としてしっかり位置づけることが、親にも子どもにも、また先生にとっても重要です。
子どもの読書にくわしい評論家の多くは、「読書は強制するものではなく、自分の好きなときに好きな本を読んでいれば、自然に読書の楽しさに目覚めるものだ」と述べています。このように述べる人の善意を疑うものではありませんが、これらの人たちは、子どもの読書状況の実態を知らないと言わざるをえません。
今の日本の子どもたちは、人類がかって遭遇したことがないほど(という表現が決してオーバーでないほど)、豊かな読書環境に恵まれています。その豊かさは、プラスの面としては、読みたい本がすぐに手に入るというかたちで現われていますが、マイナスの面としては、読む価値のない本の大量の発行というかたちで現われています。
かつては、軽い娯楽中心の本を読んでいるうちに、だんだん読む力がつき、次第に難しい内容の本に進んでいくということができましたが、今の子どもたちは、軽い本をいくらでも読み続けることができる環境にあります。このため、高校生になっても、軽い本しか読めない、ちょっと難しい本を読むとすぐに眠くなってしまう(笑)、という生徒が驚くほど増えているのです。
この難しい本のレベルというのは、新聞の文化欄に載っている評論文程度のレベルです。決して、ヘーゲルの「大論理学」のような重たい本ではありません。新聞の文化欄の評論文が十分に読みとれないまま高校を卒業して大学生になって、果たしてどういう学問ができるのか、と言いたいところです。
このように書くと、「あ、ぼくは理系ですから、現代文はいいんです」と言う生徒が毎年必ず一名ぐらいいます。しかし、理系・文系と勉強の分野が分かれているのは実は日本だけで、世界の常識は、「大学で学ぶ人は、トータルな教養のもとに、専門の分野を深めているものだ」ということになっているのです。
読書は、次のような位置づけで行なうものではありません。すなわち「勉強が終わって暇があったら、好きな本を好きなだけ読む」。もちろん、読書の好きな子はこれでいいのです。こういう読書が昔からのいちばん自然な姿ですから。しかし、今は、このやり方では、本を全然読まない子や、漫画や学習漫画しか読まない子が増えてしまうのです。
読書の位置づけは、次のようなものであるべきです。「勉強がひととおり終わったら、勉強の最後の仕上げとして、この本を何ページまで読もうね」。読むに値する本を毎日必ず一定以上読むことが最低の条件で、それができたあとに初めて、自由に好きな本を好きなだけ読むという読書の楽しさを味わってほしいと思うのです。
第二、三、四週の長文の解説
2週「里山を歩いていると」
似た話は、田舎の自然や、うちの近くの自然など。
名言は、「41、大切なのは健康らしい外見でなく……」など。
3週「実験してみますと
似た話は、動物のすぐれた力など
名言は、「21、子供は大人を小さくしたものではなく……」
4週「人間は生きてゆくかぎり」
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2週「ふだん私たちは」
意見は、いろいろな見方の必要性。反対理解は、ひとつの視点でないと行動できない。
名言は、「89、悪いことそのものが……」など。
3週「いつからか世の中が」
意見は、ありきたりの表現がよくないというところで。
名言は、「54、何事もしないものだけが……」「58、人間は求めているかぎり……」など。
4週「数年前」