書くこと、読むことが
好きになる
求められる思考力・読解力・表現力
この9月に公表された文部省の「学習達成度調査」によると、子供たちの学力は、12年前に比べて「知識や計算能力はほぼ前回並みに着実に身に着いているが、自分で考え、表現する力が弱い」(朝日新聞)と指摘されています。 日本の社会では、戦後、欧米に追いつくことを中心に勉強の目標が組み立てられていたために、与えられた知識をできるだけ多く覚えていることがそのまま学力評価の物指になっていました。今、小中学生の子供を持っている親の世代の勉強に対する発想もその多くが、知識をどれだけ持っているかというところにおかれています。その結果、子供の勉強に対する意識もまた、その親の意識を反映したものになっており、人のまだ書けない漢字が書けたり、人のまだ知らない社会や理科の知識を知っていたりすることが学力的に価値あることのように考える子供が増えています。 知識は、どのような学問をするにせよ、その学問の基礎として欠かすことのできないものですが、大事なのは知識それ自体ではなく、その知識の上に築く自分なりの考えです。 今、日本の社会は大きな曲がり角にさしかかっています。欧米にすでに経済的にも技術的にもキャッチアップした現在では、知識よりもヴィジョンを持つことのできる人材が求められています。
今後、少子化社会が進むにつれて、大学入試を頂点とした今日の受験制度は大きく変わっていくことが予想されています。大量の受験生をマークシート方式で採点し、点数の高い順に合否を決めるというやり方は、工業化社会の大量生産を担う人材を育成することに対応したものでした。ポスト工業化社会は、単なる情報化社会ではありません。美や個性や創造に価値を置く社会です。そこで大切になってくるものは、単なる知識ではなく、知識に支えられた思考力・表現力なのです。
これから増える作文・小論文受験
入学試験で、作文・小論文を課す大学や学部が年々増えています。教科の試験は、ある程度短期間に成績を向上させることができますが、文章を読み取ったり書き表したりする力は、一朝一夕には身につきません。 小論文には、書いた人の思考力や感受性がはっきり表れてきます。教科の成績を見るよりも、小論文の内容を見る方がその生徒の実力がよくわかるとは、多くの大学人が共通して認めるところです。それにもかかわらず、小論文がこれまであまり試験科目に採用されなかったのは、採点に手間がかかるという単純に技術的な理由からでした。 しかし、今後、子供の数が減るにつれて、受験の際も本人の実力をじっくり見る余裕が出てくると、小論文や面接の試験を採用するところは、次第に増えてくると予想されます。 文章を書く力は、数ある勉強の中で、いちばん伸びるのに時間がかかるものだと言われています。それは、まず書く習慣そのものが日常生活の中で身につけにくいものだからです。友達に書く手紙や日記のようなものは自由に書けても、自分の意見を論理的に説明するような文章を書く機会は、子供たちの日常生活の中ではなかなかありません。 今、さまざまな情報が映像でわかりやすく手に入るようになっています。逆に、そういう時代だからこそ、自分で考えて文章を読み書きするという力が必要になっているのです。
社会人になってからも必要な文章力
高校生と話していると、「理科系だから国語や小論文はできなくてもいい」という生徒がときどきいます。確かに、現在の学校で行われている国語を見ると、文学的なものや情緒的なものに偏りすぎているので、そういう印象を持つのかもしれません。しかし、国語や小論文とは、本来、文系の勉強ではなく、考える力を育てるという点ですべての教科の勉強の中心になるものです。 社会に出れば、文系・理系の区別とは関係なしに、さまざまな情報を読み取り、さまざまな考えを自分なりに表現していかなければなりません。特に、責任ある立場に立てば、「文章を書くのは苦手ですから」ということは言ってはいられません。 すでに、先進的な企業では、トップが部下に電子メールで直接指示をするというかたちの組織運営が日常的なものになっています。(言葉の森でも、講師間の話し合いは、会議や電話よりも電子メールが中心になっています)。事務的な連絡だけならば箇条書きでも済みますが、複雑な問題を文章で伝えるためには、やはりある程度の文章力が必要になってきます。 英数国理社の勉強は「学生時代に勉強したけど、今は忘れちゃったなあ」でも済ませられますが、社会で活躍している人が、「文章を書くのは苦手なので、ちょっとだれか代筆を」では話になりません。
文章を書く力は、社会に出てから、より一層重要になってくるのです。
生涯続けられる勉強を
言葉の森では、小学1年生から、中学生、高校生、大学生、社会人まで幅広い年齢層の人が勉強をしています。学校や塾で今行なっている勉強の多くは、受験が終わればそれで終了してしまいます。文章を書く勉強は、学生時代に身につけた知識を基礎にして、その人の思考力の発達に応じて生涯向上していくものです。 言葉の森では、現在、言葉の森の卒業生を中心に、そのときどきの話題でディスカッションをするサークルを作っていく予定を立てています。具体的には、インターネットのメーリングリストなどを利用して、毎日、話し合いのできる場を設け、年に数回は一同に集まって話し合いをするというかたちのものです。
文章を書く勉強は、対話と結びつくことによって生涯続けられる勉強になっているのです。
英数国理社指導も併設
言葉の森の作文指導は、「教科の勉強は独学でもできるが、作文の勉強は独学ではできない」というところから出発しました。作文には正解というものがないので、自分で書いた文章を自分で読んでいる分には、それがうまいのか下手なのか、考えが深いのか浅いのか、どういう長所や弱点があるのか全くわかりません。だから、作文は第三者に評価されるかたちでなければ勉強が進まないのです。 これに対して、英数国理社などの教科の勉強は、参考書や問題集があれば独学でも十分にできます。このため、言葉の森では、教科の勉強にはこれまで取り組んできませんでした。しかし、今、小中学生の勉強の様子を見ていると、その学年で必要な学力が十分についていないまま進学してしまう生徒がかなりいるようです。 小学校高学年になると、多くの生徒が学習塾に通うようになります。それは、学校の勉強だけでは必要とする学力がつかないと多くの人が感じているからです。しかし、学習塾の勉強の仕方は学校と同じで、講義や宿題やテストが多いから勉強する時間が増えた分だけ成績が上がるという仕組みになっています。 小中学校の勉強は、すべて基礎学力として必要なものですから、全部できるようにならなければなりません。その際、自分のわからないところや苦手なところを重点的に勉強するかたちでなければ、勉強そのものに大きな無駄が生まれます。学校や学習塾のほとんどは、わかる生徒もわからない生徒も同じように一斉に指導するかたちをとっています。また、宿題も、できる生徒にもできない生徒にも同じように一斉に出します。このため、学校や学習塾のペースで勉強をして成績を上げようとすると、勉強の時間を次々と増やしていかなければならなくなるのです。 子供たちは、本を読んだり、友達と遊んだり、何かに挑戦して失敗したり成功したりという、豊かな環境の中で育っていくものです。勉強が忙しくて本を読む時間がないなどという小学生を見ていると、何のための勉強かと疑問を持たざるを得ません。
言葉の森の英数国理社指導は、こういう子供たちの状況を見て、「すべての勉強ができるようにする」ことと「その生徒の苦手なところだけを徹底して勉強する」ということを柱としてスタートしました。勉強の仕方は、一斉指導とは正反対のものです。その生徒のできなかった問題だけを中心に説明し、繰り返し学習していきます。言葉の森で英数国理社の勉強をすれば、作文の勉強との時間の調整もしやすくなります。
言葉の森とほかの作文教室との違い
中学受験や高校受験でも、文章力が評価される機会が増えてきました。それに伴い、学習塾などでも作文指導を行なうところが増えています。 言葉の森とほかの作文教室との違いは、その内容にあります。言葉の森の教材はすべてオリジナルで、小学生から高校生まで継続して勉強することを前提にして作られています。この長期間にわたる学習ができるかどうかが作文教室を評価するいちばん大きなポイントです。
言葉の森の受講生の保護者の中には、自身が学習塾を経営していたり、全国的にもトップクラスに入る塾や予備校の国語の教材製作部門を担当している方もいらっしゃいます。このことは、私たちの作文指導が他には見られない優れた内容のものであることを示しています。
学習塾よりも国語の力がつく
言葉の森の勉強の目的は、作文を書くことを通して、個性・知性・感性を育てることです。したがって、私たちは、ただ点数を上げるためだけの勉強はしません。 しかし、それにもかかわらず、中学受験をした小学6年生の多くの生徒が、ほかの塾の勉強よりも言葉の森の勉強で国語の力がついたと言っています。
言葉の森の勉強は、点数を上げる勉強ではなく考える力をつける勉強です。このため、小学生時代から始めて、中学入学後も、高校入学後も、さらには大学に入学したあとも、言葉の森の学習に魅力を感じて継続している生徒が多いのです。
レベルの高い授業
国語の勉強は、ほかの教科の勉強とは違い、易しいものをいくらたくさんやっても力はつきません。難しい教材をその生徒の力に応じてわかりやすくかみくだいて指導するところに言葉の森の指導の特徴があります。 生徒の作文のうち、よく書けたものは、本人の希望に基づいて朝日小学生新聞や毎日小学生新聞に送っています。これは子供たちの作文に発表の機会を与えるためのもので、決して入選を目的としたものではありません。しかし、それにもかかわらず、多くの生徒がこの作品欄に入選しています。
中学生の作文は、あまり発表の機会がありませんが、現在、言葉の森で勉強している中学生の一部は、すでに大学受験小論文にも対応できる力をつけています。
読む力を育てよう
小学校低学年のころは、学力の差はそれほどはっきりしたものではありません。どの子も同じようにのびのびと勉強しています。 しかし、小学校高学年から、思考力を要求される勉強が増えてくると、学力のある子とない子の差が次第にはっきりしてきます。小学校低中学年の勉強は、時間をかければだれにでもできるようになる勉強です。この時期に、漢字や計算の練習をしていれば確かに成績はよくなります。しかし、ここで目に見える成績を上げることにとらわれるあまり、本を読んだり自分で考えて行動したりする機会を少なくしてしまうと、肝心の考える力が育ちません。 今、小学校高学年の生徒を見ていて共通して感じるのは、難しい本を読む力のない子が年々多くなっているということです。読む力を育てることは、学校の勉強の成績を上げるよりもずっと大切なことです。逆に、読む力がしっかりついてさえいれば、高学年になって成績を上げることは容易にできます。
あふれる受験情報に流されず、大人が勉強の本質をしっかりつかんで子供たちを育てていきましょう。
安心できるクーリングオフ制度
通信の授業が本当に続けられるかどうか心配な方のために、言葉の森では、受講開始後一ヶ月は無条件のクーリングオフ期間としています。また、休会・退会は、一ヶ月単位でいつでもできるようになっています。さらに、曜日や時間の変更は、いつでもできるようにしています。
これらは、いずれも、指導や運営に自信があるからこそできる特色ある制度です。
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