1998年4月4週号 通算第567号

言葉の森新聞

住所 234横浜市港南区港南台4-7-29-A201 電話 0120-22-3987 ファクス 0120-72-3987 留守電 0120-64-3987

http://www.mmjp.or.jp/shine/index.html  (Yahoo!で"言葉の森"と検索してください)

  第4週は清書です

第4週は、清書です。担当の先生のアドバイスを参考にしながら、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選んで、水色の罫線(けいせん)の原稿用紙(以下、清書用紙と呼びます)に清書してください

今回、返却した作文は、2月の終わりごろから3月の始めごろにかけて書いたものです。3月や4月に教室に入ったばかりの人は、返却される作文がない場合もあります。また、返却された作文の中に清書するようなものがない場合もあります。そのときは、清書用紙に直接、自由な題名で作文をていねいに書いて送ってください。

清書の仕方は、課題集の中の「学習の手引」に書いてありますが、原稿用紙の一枚めの左上に小さく自分の生徒コードを書いておくことをわすれないようにしてください名前を載せてほしくない人は、表には名前を書かずに裏に書いてください。また、清書用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。

この清書は、全員の分を6月から7月にかけて発行する「広場」に掲載し、そのあと新聞社に送ります。

  4月29日(水)から5月5日(火)までお休み

 4月29日(水)から5月5日(火)まで教室はお休みになります。

 5月4日(月)・5日(火)の生徒は、5月1週の課題が宿題になります。先生からの電話の説明を聞いてから書きたいという人は、別の日の平日4時〜8時、土曜2時〜4時半に教室のお電話をして聞いてください。

  むずかしかった感想文

 先週4.3週に、小学3年生の人は、はじめて感想文の練習をしました。また、小学4年生の人は、はじめて三文抜き書きという練習をしました。感想文のもとになる長文は、小学3年生の人にとっては習っていない漢字も多く、読むのにも苦労したようです。似た話を考える以前に、長文が読みきれないという生徒もたくさんました。

 小学5年生は、今学期からむずかしい説明文が長文に入り、意味のよくわからない言葉もたくさん出てきていると思います。

 4〜6月の作文・感想文の課題は、新しい学年になったばかりなのに急にむずかしくなり、どの学年の生徒もそれぞれ苦労しています。はじめのうちは、項目表に書いてあるとおりには、とうていできません。だんだんとできるようになればよいと考えて、しばらくは途中までしかできなくても気にせずに提出するようにしてください。

  光る表現

■厚仁さん(ねに/小3)の作文より(ミルクティ326)

 ぼくは、いっぱいころびました。お兄ちゃんもそれにつられていっぱいころびました。お兄ちゃんはぼくに「あつひとのせいだぞ。」ともんくをいいました。するとぼくは、「なんだとう。」とおこっておいかけました。お兄ちゃんは、ぼくよりアイススケートがうまいのでおいつけませんでした。ぼくは、そう思ってぼやーんとたっていると、お兄ちゃんに一周おくれでつかまってしまいました。なんとかにげだせてからぼくは、ダッシュをしてたらまるで風のような気がしてきました。評:はじめて行ったスケートですべれたなんて、すごいね。お兄ちゃんとのおいかけっこのようすが、会話やたとえをつかってじょうずに書けたね。「まるで風のような気がした」という文は、詩のようでステキなたとえだね。

■ユカリンさん(あえる/小4)の作文より(ゆらぎ)

 「ゆっちゃん、たんぽぽさいてるよ!!」奈緒子ちゃんが大きな声で呼びました。一番うれしかったのは、もうすぐあたたかい春がくるからです。寒い冬はもうばいばい!...すみれはげんきいっぱいさいていました。チューリップはらんらんらんとさいています。たんぽぽはのびのびとさいていました。結ちゃんもたんぽぽをつみました。「これ先生にあげる。うふふふふ...」...すみれは一番キラキラ光っていて、やさしい花の感じを、心いっぱい感じました。わたしは本当に春がきたから草花がさいたと思います。いい春になるとおもいました。これからも草花はいっぱい咲くから、まだまだ春はこれからです。評:なんという作者の明るさでしょう。作者は北海道に住んでいます。春の訪れを喜ぶ気持ちが、作文の中からあふれてきそうです。きっといいこといっぱいの春になるよ! そんなメッセージが、作文の中から聞こえてきます。

けずったクレヨンを、こなごなにしたろうに入れて、湯であたためました。少しずつまぜていきました。においが、少しこがしてしまったケ−キみたいです。評:どんなにおいがしたのか、このたとえで良くわかりますね。

■風花さん(あかり/小4)の作文より(ゆらぎ)

 1ヶ月くらい前におうぼしたクッキーセットがとどきました。私はさっそくつくってみることにきめました。わたしは1年生くらいの時お母さんとクッキーをつくったくらいで、全部一人ではありませんでした。わたしがついてきた本を見たら、いろいろなしゅるいがありました。一番いいなあと思ったのが、プチパイです。私が大きな声で「これにきめたあ。」といいました。弟が、おいしそうな目でこちらをみています。評:はじめてのクッキー作りのこと、生き生きと書けていますね。弟の表情の入れ方も、とてもじょうず。

■隆太さん(あさそ/小4)の作文より(めもま312)

 たまごが広がって、だんだん白くなっていきます。それから、ジュワジュワ、プクプクとめだまやきがしゃべったみたい。やけたかなと見て、でおさらにもってできあがりです。評:目玉焼きが焼けていく様子が、とてもおもしろく書けましたね。目玉焼きって生きているみたいですね。

■ふるばさん(あすら/小4)の作文より(ゆらぎ)

 はじめにぼくが「ヒャッホウ。」と言いました。次に大地君が、飛びました。そしたら「いてえ!」とさけびました。ぼくは心配して、近寄ってみると、ちんこをおさえていました。「いってえ。自転車の座るところにちんこをぶつけた」とさけんでいました。ぼくが、「すわってとぶからだよ。」といってあげました。評:自転車でジャンプして遊んでいる場面です。会話、自分のしたこと、友達の表情、動作の様子、よく描写できています。

■じゅんさん(とぬ/小4)の作文より(ゆらぎ309)

 「あっ、おかあさん、うめがさいているよ。」ぼくがよんだらお母さんが来て、「あら、もうそんな時期なの。」と言いました。ぼくは、もう春が近いのかな、と思いました。いつも、4月5日の入学式の時、決まって必ず学校の桜がきれいに咲きます。ぼくは毎年毎年、やっぱり春だなあと思います。ぼくは梅干しが大好きです。だから毎年作ってくれます。売っている梅干しと、おばあちゃんの梅干しでは、おばあちゃんが作ったうめぼしがいちばんおいしいです。...ぼくの家には、みかんの木、ゆずの木、かきの木、梅の木があります。中でもいちばんきれいな花が咲くのは梅です。なぜなら、他の花とちがって、葉が広がってなく、花だけたくさんさくからです。実がなったら、木をゆらして落とします。ことしはいつもより倍に実がなってほしいです。たくさんなったら、お母さんが梅ジャムを作ってくれるそうです。今年は、梅干しと梅ジャムが楽しみです。評:今年だけのことでは無くて、毎年の繰り返しのことが書けたことがとても良かったと思います。作文の中に時間の流れが書けていて、高学年らしい作文になったよ。会話が二つ続いた出だしも良かった。思ったことが詳しく書けたのは、なぜなら...という理由を書く書き方ができたから。

■ファーブルさん(なか/小4)の作文より(もとばと406)

 (そうじのときに生徒がまとまらないので)そして、なんと先生はそうじ会社というのを作りました。ピロキン、ダスキン、モスキンというへんてこな名前の、いかにも倒産しそうな会社でした。そして、社長選挙をした結果、みごとぼくが社長にえらばれました。そしていろいろなところを、すみずみまできれいにしまくりました。

■ピカチューさん(なき/小4)の作文より(ミルクティ323)

 『かがくせんいをよんで』「あ、たすかった。ようふくがいっぱいあって。もし糸をぜんぜんとんなかったら、ようふくなんて、二万円ぐらいだと、ぼくは、思うんだ。だからかいこをそだててる人は、えらいかも。」…(中略)…だからようふくは、ひつじゅひんです。糸をなにかにする人は、すごくすごくたいへんなのにすごいと思います。ぼくは、その人たちにかんしゃします。評:じぶんの思ったことを、友だちに話すようなかんじで書いた書き出しが、光ってるね。さいごの思ったことも、翔くんの「本当にたいへんなんだろうなぁ」という気持ちが「すごくすごく〜」という表現に、よく出ているよ。わたしたちが生きていけるのもいろいろな人たちのおかげだという感謝(かんしゃ)の気持ちを、これからもわすれないでね。

■奈未さん(なみ/小4)の作文より(もとばと316)

 しかも、花だんにも、「ポピー」という花、「ヒヤシンス」などきれいな花が手品のようにパッパッパッとあっというまにさきました。評:春の到来が良く分かりますね。

■奈未さん(なみ/小4)の作文より(もとばと324)

 「お父さん。ハエってすごいよね。だって、すごーく速くとんでもピタッって止まることができるんだもん。」と私が父に話すと、「そうだなあ・・・。なあ、なみ、何でハエってそんなにすごいことができるんだか、しっているか。」と聞かれたとき、父の顔を見ないで、かがみのほうを向いて、「そんなのしーらない。」と下くちびるをだしてぶうたれました。そしたら父が「そこをかんがえなきゃ。そこがちょっとしたポイントなんだから。」といわれて、田中先生か、中根先生に聞いてみようと思いました。

■慶一さん(ねる/小4)の作文より(洋子325)

 ぼくは、給食を楽しみにしています。でも……(中略)……グリンピースがきらいなので、グリンピースがでる日は、入っていないどうかをフォークでかき回しながら見つけたりグリンピースを口に入れて牛乳を飲んでグリンピースごとのみこんでしまいます。たまにグリンピースをかんでしまうと「うえー」といってしまいます。評:きらいなグリンピースを注意深くよけながら食べている様子、間違って食べてしまった時の様子が、「ます」を使ってうまく描写していて目に見えるようです。

■小西さん(あおに/小5)の作文より(めもま313)

 となりにいた子がかわをくっていたのでぼくもだめもとでたべてみたら、とてもおいしかったです。まるで、世界のルールがかわったみたいだと思います。評:「だめもと」で何でもやってみる。そうすると、新しい発見ができるのですね。素晴らしいことだよ!!

■ギップルさん(けら/小5)の作文より(ひかり303)

 「ゴホゴホ、ゴホゴホゴホ。」私は、今年の冬かぜをひきました。評:ユニ−クで、読み手の興味をひく工夫された書き出しです。