1998年5月1週号 通算第568号

言葉の森新聞

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  4月29日(水)から5月5日(火)までお休み

 4月29日(水)から5月5日(火)まで教室はお休みになります。

 5月4日(月)・5日(火)の生徒は、5月1週の課題が宿題になります。先生からの電話の説明を聞いてから書きたいという人は、別の日の平日4時〜8時、土曜2時〜4時半に教室のお電話をして聞いてください。

  今週 5.1週のヒント

 5.1週は、作文の中間テストという扱いです。これまでに勉強した項目表の●印ができるように書いていきましょう。高校生・大学生・社会人は、制限時間75分で書きましょう。作文用紙の空いているところにかかった時間を書いておいてください。

 小学生 5.1週「家族でスポーツをしたこと」

 お父さんやお母さんとスポーツをしたことを書いていきましょう。連休中なので、家族でハイキングに行ったり、潮干狩りに行ったりしたことでもいいでしょう。また、お父さんと遊んだとか、お兄ちゃんと遊んだというような話でもいいと思います。自分のしたことを中心に、お父さんやお母さんの会話もできるだけ入れながら書いていきましょう。

 小学5・6年生の人は、家族やスポーツに対する感想でまとめていくのがコツ。ことわざは、家族がやっぱり一番という意味で「90、血は水よりも濃い」、年はとっても昔野球をやっていたお父さんはやはりうまいという意味で「40、腐っても鯛」(おいおい)、スポーツ大会でがんばりすぎて「71、過ぎたるは及ばざるがごとし」など。

 中学生・高校生・大学生・社会人 5.1週「勉強の意味」

 勉強と遊びを対比して考えていくとよいと思います。遊びのよい面は、息抜きになるし幅広い経験を作るのに役立つというようなところ。勉強のよい面は、……もちろんわかるよね。「勉強の意味」という題名だと「よいか悪いか」というかたちになりにくいので、「勉強の大切さ」というような題名に直して考えてもいいでしょう。名言は、「28、辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である」「46、知識がはしごを作ったのではなく二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ」「17、経験は最良の教師である」など。

 中1の複数の理由は、第一に「勉強のよい面」、第二に「遊びのよくない面」又は「勉強をしないことのよくない面」のように考えていくと書きやすいと思います。

 中2の総合化は、「勉強にせよ遊びにせよ、その中で自分自身が成長していることが大切だ」というような感じになるかな。

 中3の複数の方法は、第一は「心構えのような個人的なこと」、第二は「社会のあり方のような社会的なこと」と、構成の幅を広くして書いていくとよいと思います。

 高校生以上の人は、今日の社会の問題と結び付けて考えてみましょう。途上国から日本に留学に来ている大学生の声が、ときどき新聞の投稿欄などに載ることがあります。それを見ていると、共通する意見は「日本の大学生は贅沢で遊びすぎ」だそうです。ことわざの加工は、故事の中から使えそうなものがありそうです。「少年老い易く学成り難し」「学びて思わざれば則ちくらし」など。ことわざのかわりによく知られている名言や流行語を加工してもいいでしょう。ことわざの引用のコツは、ことわざ辞典などで調べるのではなく、自分の頭のなかに浮かんだことわざを意見に合わせて加工していくことです。「百聞は一見にしかず」のような、意見とは直接関係なさそうなことわざを加工して結び付けていきましょう。

  来週 5.2週は……

 小学3・4年生 5.2週「飼っている生き物のこと」

 季節がら、ザリガニやオタマジャクシをつかまえて……というのもありそうです。飼っている生き物の色・音・動きなどをよく観察しておきましょう。

 小学5.6年生 5.2週「『これまでの人の』を読んで(感)」

 読書の面白さ、読書と通して学んだこと、「韋編三絶ほどではないが、ぼくもこの本なら何度も読んだ」などというところが似た話になりそうです。お母さんやお父さんに聞いてくると、さらにいい話が見つかると思います。お母さんやお父さんが子供のころに感動した本を聞いてみましょう。押し入れの中から、その本を探して読んでみてもいいかもしれませんね。

 中学生以上の人は、

 感想文課題が続きます。授業のある日になってはじめて長文を読むという人も、まだいそうです。(君のことよ^_^;)長文は事前に読んでおき、自分なりに内容を理解しておいてから、先生の説明を聞くようにしましょう。

  漫画と読書

 勉強でいちばん効果のあるやり方が、少数のものを繰り返し勉強することです。5冊の参考書を一度ずつ読むよりも、1冊の参考書を5回読むほうが効果があるというのは、勉強の得意な人はだれもが認めているところです。

 この効果のあるやり方を漫画に適用するのは、実はあまりいいことではありません。「漫画は少ししか買わないかわりにそれを繰り返し読む」という読み方をすると、漫画の中身がしっかり頭に定着してしまいます。

 漫画は、小学校低学年のころまでは思考力を伸ばす方向に働きます。しかし、小学校中学年ごろからは、かえって思考力を抑制する方向に働きます。同じことが、軽い読書にも言えます。会話体の多い軽い小説は、小学校中学年のころまでは思考力を伸ばす役割を果たしますが、小学校高学年のころからはかえって思考力を抑制する役割を果たすようになります。漫画や軽い小説は、娯楽としては必要なものです。しかし、その接し方は「たくさん読んでもいいから、読むのは一度だけにする」というようにしていったほうがいいようです。

 ちょっと過激なやり方のように聞こえるかもしれませんが、漫画は読んだらすぐ捨てるというのがいちばんいいと思います。古新聞を大事に保存する人はいません。どうせ二度目は読まないものならば、いつまでもとっておくことはありません。

 漫画の中には、優れた内容のものもたくさんあります。特に日本の漫画は、芸術や文学のひとつのジャンルを形成しつつあるといってもいいほどです。しかし、いくらおいしいからと言って、チョコレートやアイスクリームを朝食の前に食べて、肝心の朝食があまり食べられないというようなことを認める家庭はありません。漫画はチョコレートやアイスクリームのようなものです。「食べてもいいけど、おやつの時間になってからね」というけじめが必要だと思います。

  光る表現(4.4週号で、ちーくんさんの光る表現が途中できれていました。失礼しました)

■ちーくんさん(ふち/小5)の作文より(ゆらぎ)

 「トーリッセ」..友達とどろけいとおにごっことキックベースをしました。..ぼくのチームは全員足の速いひとなのでうれしかったです。..ぼくはみんなをふりきりました。うまくにげられました。ぼくは仲間を助けるために相手がいっぱいいるところにとっしんしていきました。しかしつかまってしまいました。..ぼくとさかもとくんはすごくいいところににげました。がけです。がけといっても土でだんになっています。そこで下から来たら右の通路と左の通路に逃げ、もう少しでタッチされそうになると、3メートルちかくで、小さな木と枠があるところにとびおります。これは、ぼくとさかもとくんしかできないので、いいにげみちです。こわれかけた板で、アスレチックのさくと橋を作り、にげる道ができています。全部で5このうち、3こはきけんなので、ぼくとさかもとくんのとっておきの道です。評:作者が作文の中で生き生きとしていますね。文章の長さも、くふうできました。

 『ランディと行ったキャンプ』 バーベキューをしている間、ランディーは、自分のじんちに人が入ってくるのでなかなかおちつかず、まわりをきょろきょろ見ていました。少し落ち着くと今度は、バーベキューのにおいにつられ、「クウン、クウン。」とないて、しょうがなくお肉を一枚あげました。……ランディーも、「みんな、これを食べているんだな。」と思い、安心して食べていました。....その後ランディーは走ってテントにもどってきました。そのとき、ぼくは「ランディーはテントの場所をおぼえたんだな。」と感心しました。評:ランディーの表情、動作の様子、よく観察して書けています。作者のランディーへの愛情がよくわかりますね。

■太一さん(あうけ/小6)の作文より(みち317)

 この文章(がんばること)を読んだ後、こう言われました。「太一、おまえ何のために勉強してる。」「えっ、中学受験のため?」「今度からこの文を読むときいつも考えよう」「うん」ということで、この文章を要約するとき、やっと自分の勉強の仕方が分かりました。評:家族で話題にし考えが深まっていく良い例です。

■大樹さん(たろ/小6)の作文より(洋子326)

 ぼくは、みんなにへたといわれても真剣に書けばうまく書けるということが分かった。評:難しかった習字の作文の終わりの思ったことでの感想です。何事にもこの真摯な態度がたいせつですね。進級してもいつもこの気持ちを忘れずに頑張ってほしいものです。

■DAICHIさん(にお/小6)の作文より(みち)

 大きい波がきたと思うと水面から1メ−トルくらいの所にいて、鳥のように空中を飛んでいた。「うふぁー!! ざぶーん」全身の力が1気にぬけたようになって気持ち良った。評:波のりができた瞬間を上手に表現できています。

 ぼくは改めて自然の力はすごいなと思った。スギやヒノキの葉は魚をくさらないようにもできるし、水に強いカラマツやマツは船にも使われるし、アロエはやけどの時の消毒にもなるのだ。評:よく調べています

■大地さん(くほ/中1)の作文より(ミルクティ312)

 僕は、今の日本や国々を思います。何でこんなに木を切るんだ、なんで草を切るんだ。もし僕が植物だったらどうしよう。日本は、マレーシアから木を輸入します。そうしたらマレーシアの自然はどうなるんだろう。評:日本のことだけでなく、もっと広い視点に立って、国際的な自然破壊について考えたところが光ってるよ。

■泰志さん(やも/中1)の作文より(みち312)

 まだ葉が青あおとしげったあの日は去年の夏だった。その日は、友達と映画「もののけ姫」を見にいった。評:「おとぎ話」をよんでの似た話の書き出しで情景の工夫が光っています。

■幸子さん(ああむ/中2)の作文より(ミルクティ320)

 『国際感覚』 地球問題で人口増加問題がある。この問題の解決として、"子どもを生まなければよい"と思うだろう。中国の「一人っ子政策」などがその一つだ。しかし発展途上国の人々は、「とんでもない!」と反対するだろう。子供がいなければ働いてもらえず、生活に困るからだ。評:先進国と発展途上国で利益が対立する例…貿易の不均衡、環境問題、人口問題…その一つを簡潔にわかりやすく書いてくれたね。

●ミスプリント訂正:小3・4年生の長文集第4週の上段9行目は「石をひっる」ではなく「石をひっる」です。同じく長文集第7週の上段うしろから2行目は「十間のうち」ではなく「十問のうち」です。ごめんなさーい。(^^ゞ