http://www.mmjp.or.jp/shine/1998年7月2週号 通算第577号(Yahoo!で"言葉の森"と検索してください)

言葉の森新聞

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  7月20日(月)はお休み(宿題7.3週)です

 7月20日はお休みですので、通信生の場合は先生からの電話はありません。通学生の場合は教室はお休みです。その分を自宅での宿題として書いてきましょう。自分ひとりで考えて書くのが書きにくいという人は、ほかの日にふりかえて教室に電話をするか教室に来てください。

 言葉の森の夏休みの予定は、課題フォルダのうしろのほうにある予定表に書いてあります。夏休み、帰省や塾の夏期講習などで普段どおりの時間に勉強できない人は、できるだけほかの日やほかの時間にふりかえて勉強をしていってください

  社会実例(昔話・童話)のヒント(保存版)

 今回の社会実例は、昔話や童話から題材をとろうという課題になっています。「えー、昔話なんてわすれたあ」という声が聞こえてきそうなので、以下、ミルクティ先生からの参考リストを紹介します。

 ◆昔話(日本)

一寸法師

浦島太郎

おむすびころりん

かぐや姫

かさ地蔵

かちかち山

かもとりごんべえ

きき耳ずきん

金太郎

こぶとりじいさん

さるかに合戦

舌きり雀

十二支のはじまり

大根とにんじんとごぼう

つるの恩返し

ねずみのすもう

ねずみの嫁入り

灰かぶり姫

はなさかじいさん

桃太郎

わらしべ長者

その他地方に伝わる昔話

     

 ◆童話(外国)

青い鳥

赤ずきん

アラジンと魔法のランプ

アラビアンナイト

アリとキリギリス

アリババと40人の盗賊

イソップ物語のいろいろ

五つぶのえんどう豆

田舎のねずみと町のねずみ

よくばり犬

うさぎとかめ

おいしいおかゆ

王様の耳はロバの耳

おおかみと七匹のこやぎ

大きなかぶ

親指姫

織り姫と彦星

北風と太陽

グリム童話のいろいろ

幸福の王子

三匹のこぶた

ジャックと豆の木

白雪姫

シンデレラ

てぶくろ

長靴をはいた猫

人魚姫

眠り姫

はだかの王様

ハメルーンの笛吹き

ブレーメンの音楽隊

ヘンゼルとグレーテル

マッチ売りの少女

三つのねがい

みつばちマーヤのぼうけん

みにくいアヒルの子

ピノキオ

     

  7.2週のヒント

 小3・4年生 7.2週 >◎「七夕」

 小学校では、もうあまりしないかもしれませんが、幼稚園や保育園のころ、七夕のかざりつけをした思い出があるでしょう。また、家族で七夕祭りなどに行ったという話もありそうです。

 3年生の人は、そのときのようすを「たとえ」(まるで……のように)を使って表わしてみましょう。

 4年生の人は、立体的に書く練習で「まえの話にた話」を途中で入れてみましょう。お母さんやお父さんの小さいころの七夕の思い出を聞いてみるのもいいかもしれませんね。

 小5・6年生 7.2週 >「道のはじまり(感)」

             >◎「里山を歩いていると(感)」

 今学期から、小学5・6年生と中学1年生の人は、易しい課題と難しい課題の二種類の長文のどちらかを選ぶことができるようにしました。でも、易しいと言っても、「道は生きている」という説明文の本をもとにした長文ですから、かなり手応えがあると思います。

 両方の長文を読んでみて、似た例や感想の書けそうな方を選んで書いていきましょう。

 「道……」:人間が通ることによって道ができるという似た例を探してみましょう。公園に行くと、はじめから道として作ってあるところとは別にみんなが歩くので自然に道ができているところがあるでしょう。また、田舎などに行くと、だれも通らなくなって草ぼうぼうになっている道などに出合うことがあります。

 道と言うものは、はじめからあるものではなく、人間が通ることによってできるものなのですね。

 ことわざは、「94、使っている鍬(くわ)は光る」「93、塵(ちり)も積もれば山となる」などが使えそうです。

 「里山…」:美しく維持されている里山は、そこに住む人たちの手間ひまによって支えられています。みなさんも山や海などに遊びに行ったとき、「ゴミはもちかえりましょう」とか「とっていいのは写真だけ、のこしていいのは足あとだけ」などという看板が立てられているのを見たことがあるでしょう。こういう看板が立っているということは、ゴミを山のなかに捨てていったり、きれいな花を根こそぎとっていったりする人がたくさんいるからなのでしょうね。

 野生動物の住まいを分断しない緑のコリドーというのは、人間と自然のこれからの関係を作っていくうえでとても大切な考えです。山の中の道路を走っていると、「タヌキに注意」とか「シカに注意」とか「ライオンに注意」などという標識が出てくることがあるでしょう。タヌキのポン太君が向こうの山のポン子ちゃんに会いにくときに、自動車道路を横切らなくてもすむような配慮を人間がしてあげることが必要なのですね。

 ことわざは、自然を汚さないようにということで「87、立つ鳥あとを濁さず」、自然のものは自然の中で生かしていくことが大切だという意味で「135、やはり野におけれんげ草」などが使えそう。

 学生 7.2週 >◎「最近、と言っても(感)」

 中学1年生の人は、上から4番目の >「道のはじまり」の感想文課題を選択してもいいようにしました。小5・6年生のヒントを参考に書いていきましょう。

 今学期から、中学生の感想文は、構成のところを易しくしました。これまでは、理由や方法や複数の意見を書いていくかたちで勉強していましたが、感想文のときは、複数の似た例を書くだけでいいことにしました。もちろん、書ける人は、長文の主題に対する自分の意見をもとに、理由や方法で立体的に書いていってもかまいません。意見のところは、題名課題と同じように、是非の主題、総合化の主題、生き方の主題などで考えていきましょう。

 外国文化に対する憧れというものは、今でも根強くあります。それは、欧米に追いつくことを目標にした明治以来の日本人の考えが今でも連綿と生きつづけているからでしょう。しかし、外国文化のまねをする言っても、鼻の穴に骨をさしたり、たき火の周りを槍を持って踊ったりするような外国文化ではなく、西洋の外国文化に限られているということが特徴です。

 ファーストフードで、「チーズバーガーをひとつ、持ちかえりたいんですけど……」と注文すると、店員は「テイクアウトで、ワン、チーズバーガー」なんて言うでしょう。カタカナで言った方が、外国から来た食べ物はおいしそうな気がするからです(ほんとかいな)。

 しかし、日本人がこのように一方で西洋文化を貪欲に吸収しながら、他方で日本文化をしっかり守っているということが、ほかの国の人から見ると不思議に映るようです。西郷隆盛は外では洋服と靴でしたが、うちの中では和服と下駄で暮らしていました。私たちも外ではハンバーガーを歩きながら食べるようなことをしていても、うちの中では靴を脱いでこたつにはいって朝ご飯は味噌汁と納豆でというような生活をしていると思います。

 このように、日本文化がその独自性を守りながら外国文化を吸収する際に役立ったもののひとつが、漢字の持つ造語力だったということです。

 いろいろとオリジナルな似た例を考えてみましょう。

 社会実例(昔話・童話)は、こんなふうに。「チルチルとミチルが探しにいった青い鳥は、自分のうちにいた。私たちもいたずらに外国に理想を求めるのではなく、自国のよさを見直してみることが必要なのではないか」。こういう話を桃太郎や浦島太郎でも見つけられるといいですね。

 名言は、どういう意見を書くかによって決まってきます。書きやすい対比は「自国の文化を大切にすることと他国の文化を学ぶこと」でしょう。「27、自国に対する賞賛が他国に対する軽蔑によって支えられているのであってはならない」などが使えそうですが、できるだけ自分で探してみましょう。

 高校生・大学生・社会人中 7.2週 >◎「私が文章を(感)」

 大学生・社会人の人は、上から4番目の >「ローマは特に(感)」を選択してもいいようにしました。しかし、経済問題についての説明文なので、感想文というかたちで書くのはなかなか難しいと思います。長文を読んで、似た例の書きやすい方を選んでいってください。

 今学期から、高校生・大学生・社会人の感想文は、構成のところを易しくしました。これまでは、理由や方法や複数の意見を書いていくかたちで勉強していましたが、感想文のときは、複数の似た例を書くだけでいいことにしました。もちろん、書ける人は、長文の主題に対する自分の意見をもとに、原因や対策で立体的に書いていってください。意見のところは、題名課題と同じように、当為の主題、社会問題の主題、予測問題の主題などで考えていきましょう。

 文章にかぎらず、相手の欠点を当の相手を傷つけないように指摘してあげるのは勇気と工夫のいるものです。多くの場合、人はそういうわずらわしさを嫌って、見て見ぬふりをしてしまいます。それだけに自分の欠点を指摘してくれた人に対する感謝の気持ちは、時が立てば立つほど大きくなっていくようです。

 今日の社会問題としては、叱らなくなったお父さんなどが取り上げられそう。そう言えば、いつかガンコオヤジの会というのができていましたが、あれはどうなったのでしょう。

 似た例としては、自分の体験で「あそこでああいうふうに叱ってもらってよかったなあ」というような話が書けそうです。社会実例(昔話・童話)としては、叱られて(あるいは試練を通して)成長した「ピノキオ」や「ニルス」の話などが書けると思います。でも、自分で考えてね。

 ことわざは、意見にぴったりのものでなく意見と少しずれているぐらいのものが加工しやすくなります。「良薬は口に苦し」「仏の顔も三度」などはストレートに使えそうですが、ぐっと飛んで「猿も木から落ちる」などを加工してみてもいいでしょう。できるだけ自分のオリジナルなものを考えていきましょう。

  来週7.3週は……

 小3・4年生 7.2週 >◎「果物をお皿にのせたまま(感)」

 物が腐敗(ふはい)することと発酵(はっこう)することとは違います。身近な例をお母さんやお父さんと相談して見つけてきましょう。

 小5・6年生 7.2週 >「並木の道、石の道(感)」

             >◎「読書の楽しみは(感)」

 みなさんの街の通りにも並木がありますね。昔の旅人にとって並木はどんな役割を果たしてくれたのでしょう。お母さんやお父さんに珍しい並木の話などを聞いてみてもいいかもしれません。

 読書の楽しみは、自分が読んで熱中した本などの話を書いていくといいでしょう。お母さんやお父さんが子供のころに熱中した本の話を聞いてみてもいいですね。

 中学生 7.2週 >◎「人間は他の人間と自由に(感)」

 昔は、親のとおりの道を子供が歩むので、親子の関係は問題になりませんでした。社会が進歩し変化するようになると、親から子供に教えることができないものがどんどん増えてきます。昔話や童話で、そういう話があるかな?

 高校生・大学生・社会人 7.2週 >◎「庭は原始社会では(感)」

 日本の庭の歴史が書かれています。日本の庭は公共性のない趣味の世界に閉じこもっているという話です。いいものを自分のものだけにしておこうという気持ちが、世の中全体の利益と反するようになっているのかもしれません。昔話で、そんな王様いませんでしたか?