http://www.mmjp.or.jp/shine/ 1998年7月4週号 通算第579号(Yahoo!で"言葉の森"と検索してください)言葉の森新聞 住所 234横浜市港南区港南台4-7-29-A201 電話 0120-22-3987 ファクス 0120-72-3987 留守電 0120-64-3987 7月4週は清書です 第4週は、清書です。担当の先生のアドバイスを参考にしながら、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選んで、清書用紙に清書してください(今学期から、清書用紙はこれまでの水色の罫線の用紙ではなく作文用紙と同じ黒色の罫線の用紙になりました)。清書はできるだけファクスではなく郵便で送ってください。 今回、返却した作文は、6月から7月にかけて書いたものです。新しく教室に入ったばかりの人は、返却される作文がない場合もあります。また、返却された作文の中に清書するようなものがない場合もあります。そのときは、清書用紙に直接自由な題名で作文を書いて送ってください。 清書の仕方は、課題集の中の「学習の手引」に書いてあります。名前を載せてほしくない人は、表には名前を書かずに裏に書いてください。また、清書用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。 この清書は、全員の分を9月ごろに発行する「広場」に掲載し、インターネットに掲載し、そのあと新聞社に送ります。(新聞社に送るのは希望した人のみ) 7月29・30・31日、8月1日は休み 7月29日(水)・30日(木)・31日(金)・8月1日(土)は、お休みです。作文の宿題もありませんので、自習だけをして、あとはたっぷり遊んだり本を読んだりほかの勉強をしたりしていてください。 せっかく自習をしても0点に(^_^;) 自習用紙に名前を書いてね自習用紙に名前も何も書いていない人がときどきいます。港南台に来る生徒は特にそのまま自習用紙だけをぱらりと出していくので、名前が書いていないと、せっかく国語問題が満点だったり、自習をきれいな字で毎日書いていたりしても、だれのものかわからないので評価は0点になってしまいます。(^_^;) 通信の郵送で送られてくる自習用紙の中にも、ときどき名前も何も書いていないものがあります。 自習用紙の名前の欄は、いちばんはじめに書くようにしてくださいね。 インターネットで作文のヒントを 現在、港南台に通っている中学生以上の生徒約30〜40人は、パソコンで作文を書いています。通信の生徒の中にも、自宅のパソコンで作文を書いてインターネットで送信してくる人が数人います。 インターネットに接続したパソコンがある場合、同じ学年の人が書いた作文をその場で見ることができるので、書き方のヒントも見つけやすいと思います。 インターネットで書き方のヒントを見つける手順は次のとおりです。 (1)まず、言葉の森のホームページから、検索コーナーに行き、●のマークの方をクリックします。 (2)検索コーナーの下のほうに「学年と週 検索」という欄がありますから、ここで、学年の欄は空欄にしたままで、週の欄を「7.3週」のように選び、送信ボタンを押します。 (3)しばらく待っていると、7.3週の課題のページが、小1から社会人までずらっと14行ほど出てきますから、その中で自分の見たい学年のページの●のマークの方をクリックします。 今学期は、中学1・2・3年生とも同じ課題なので、中学生の人は、中学1・2・3年全部のページを開いてみるといいでしょう。同じように、高校1・2・3年生・大学生社会人も今学期は同じ課題ですので、全部のページを開いてみるといいでしょう。 (4)課題のページには、パソコンで作文を書いた人の作品が全部載っています。あなたがパソコンで作文を書いて送信すれば、それもその場ですぐに課題のページに載ります。同じ年齢の人が書いた文章を読むと、先生の説明を聞いたり言葉の森新聞のヒントを読んだりするだけよりも、ずっと全体の感じがつかみやすくなると思います。 学校の宿題の感想文の書き方 いまの感想文指導には無理がある 感想文が楽に書けるようになるのは、年齢的には小学5年生からです。小学1〜4年生は、全体の構成を考えて書くという能力がまだ育っていませんから、大人の人が全体の方向づけをしなければ自分で本の流れに合わせて感想文の流れを考えていくという書き方はできません。 また、小学1〜4年生の場合、似た話がうまく見つかる場合と見つからない場合とでは、作品の出来に大きな違いが出てきます。大人(親や先生)が近くにいて、「この次はこんなことを書いたらいいよ」とときどきアドバイスをしてあげなければまとまった作品を書くことはできません。 なぜ学校のふだんの授業で感想文を指導せずに、夏休みの宿題というかたちで感想文を書かせるかというと、感想文は(特に低中学年の場合は)、一人ひとり別のアドバイスをしなければならないからで、30人から40人を相手にした一斉指導ではそういうアドバイスはできないからです。 子供まかせでは書けない 「なんでもいいから自分で好きな本を選んで、自分で好きなように書いてごらん」ということでは、感想文は書けません。小学生の場合は、大人がなんのアドバイスもせずに感想文を書かせるぐらいなら、感想文を書くことそのものをしない方がいいと思います。単に字数を埋めるだけの感想文は、何の勉強にもならないばかりか、苦しかった思い出が残るだけの無意味な時間を費やすことになるからです。 じょうずな感想文を書くコツはあるが 書くからには、じょうずな感想文を書いて、コンクールに入選したいとはだれもが思うことです。作品の出来具合の半分は、似た話などの題材の部分に支えられています。また、もう半分は、感想の部分の一般化の深まりに支えられています。ですから、感動のある似た話が連想できるような本を選び、感想の部分で大人の人が一般化の手助けをしてあげれば、じょうずな感想文が書けます。 しかし、こういうかたちで親や先生がアドバイスをすることは、子供にとってはあまりうれしいことではありません。また、親や先生に支えられてじょうずな作文を書いても、そこにどれだけの教育的意義があるかはわかりません。ですから、感想文の目標はじょうずな作品を書くことにではなく、ひとまとまりの本を読み、ひとまとまりの文章を整然と書くことに置くべきだと思います。 書き方の手順「まず本選び」 まず本選びですが、子供が「この本、おもしろいから書きたい」といような本が必ずしも書きやすい本ではありません。子供が自分なりに似た話を見つけることができたり、想像をふくらませたりできるような本が書きやすい本です。この本選びは、大人がアドバイスをした方がいいと思います。少なくとも、子供には「似た話や想像した話が書けるような本が、感想文の本としては書きやすいよ」と言ってあげるといいと思います。 書き方の手順「次に字数配分」 感想文の宿題は、原稿用紙3枚程度(400字詰めで1200字)の分量で指定されることが多いようです。これだけの分量を1日で書くということは無理があります。無理のない字数配分は、1日1枚(400字)です。感想文の宿題をするために、4日間の予定を立てて、1日目に400字以上、2日目も400字以上、3日目も400字以上と書いていって、4日目に全体を通して要らないところを削り清書するという予定を立てれば無理なく書くことができます。 書き方の手順「1日目の400字」 本のはじめの方から一ヶ所、似た話や想像した話の書けそうな場所を選び、そこを引用し、自分の似た話を書き、最後に「たぶん」「きっと」「もしかしたら」などという言葉を利用しながら、自分の感想を書きます。 本の引用(1) ↓ 似た話(1)(たとえなどを入れて) ↓ 感想(1)(たぶん、きっと、もしかしたら) 書き方の手順「2日目の400字」 2日目も同じです。本の中ほどから一ヶ所、似た話の書けそうな場所を選び、そこを引用し、似た話を書き、感想を書いていきます。 本の引用(2) ↓ 似た話(2)(たとえなどを入れて) ↓ 感想(2)(たぶん、きっと、もしかしたら) 書き方の手順「3日目の400字」 3日目も同じように、本の終わりのほうから一ヶ所選んで書いていきますが、最後の感想のところがちょっと違います。1日目、2日目は、引用した小さな箇所の感想でしたが、3日目は本全体についての感想を書いていきます。 小学5・6年生の生徒の場合、この感想は、「○○は(人間にとって)……である」というような一般化した大きな感想を書いてまとめます。この感想の部分は、お母さんやお父さんと話し合いをして、子供自身の考えを深めていくといいと思います。そして、「私はこれから」などという言葉を使い、この本から得たことを自分のこれからの生き方にどうつなげていくかを考えてまとめます。中学生の場合は、結びの5行に「光る表現」を入れていくとよいでしょう。 本の引用(3) ↓ 似た話(3)(たとえなどを入れて) ↓ 大きな感想(○○は人間にとって……。私はこれから) 書き方の手順「4日目の清書」 4日目は清書です。お母さんやお父さんが全体を通して読んであげると、要らないところが見つかると思います(書いた人自身には、要らない部分というものはなかなかわかりません。これは大人でも同じです)。この要らない部分を削ります。次に、書き出しの部分に本の引用として情景描写の部分を入れられれば、書き出しの工夫ができます。これは無理のない範囲でやっていくといいでしょう。 書き方の手順「できたらほめる」 書いている途中でも、書き終えたあとでも、親や先生が「これは、おもしろいね」「それは、いいね」と、子供の書いた内容のいいところやおもしろいところをどんどん認めてあげることが大切です。多少おかしいところや変なところがあっても、子供が書いた内容をできるだけ尊重してあげてください。これと反対に「これは、こうした方がいいんじゃない?」「そこは、ちょっとおかしいんじゃない?」などという否定的なアドバイスをすると、勉強でいちばん大事な子供の意欲をそぐことになります。大事なことは、いい作品を仕上げることではなく、手順にそってできるだけ自力で書く力をつけることです。 教室では宿題の感想文の個別指導はしませんのでご了承ください。 |