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1998年8月1週号 通算第580号(Yahoo!で"言葉の森"と検索してください)言葉の森新聞
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8月10日(月)〜15日(土)はお休み・宿題
8月10日(月)〜15日(土)の第8.2週は、お休みで宿題です。先生からの電話説明はありませんが、自宅で作文を書いておきましょう。説明を聞きたい人は、別の日に教室に電話をして聞いてください。
「ふみの日」手紙コンクール
小学生の人を対象に、手紙コンクールの用紙を同封しました。「はがき作文部門」は、簡単に書けて応募しやすいと思いますので、先生、友達、家族などに葉書を書いて応募してみましょう。(これは宿題ではありませんので、希望者だけ自由に書いてください。言葉の森の教室の方に送っていただく必要はありません)
普通の葉書を2枚買って、1枚は本当に出すために書き、もう1枚は応募用に書くといいと思います。田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに出してもいいですし、学校の先生などに出してもいいでしょう。実際に出す方には本文と宛名を書きますが、応募用の方には本文だけ書けばよく宛名は特に書かなくてもかまいません。応募用の葉書には宛名のかわりに、「応募票」をはっておきましょう。書いた葉書のうち、実際に出す方はポストに入れ、応募する方は、お母さんやお父さんに頼んで近くの郵便局に出してもらいましょう。
8.1週のヒント
8.1週の作文は、これまでの項目表の項目ができるかどうかの中間テストです。項目表の●印のところが全部できるように書いていきましょう。
小3・4年生 8.1週 「
セミ(虫)をつかまえたこと」「今度の課題は、『セミ(虫)をつかまえたこと』だよ」と言うと、女の子の中には、「えー、わたし、虫、さわれないの」と露骨に顔をしかめる子もいました。まあ、そういう人は、別の話でもいいでしょう。
■セミを手でつかまえる
8月に入り、急に夏らしくなりました。公園の大きい木にアブラゼミがとまっています。「ミーン、ミンミンミンミンミンミーーーーーン」という独特の鳴き声です。このアブラゼミは土の中で5年間過ごし、地上で出て生活するのはわずか10日ぐらいです。それであんなに精一杯に鳴いているのでしょう。だから、つかまえたセミは、あとで逃がしてやるといいですね。
つかまえ方は、セミのとまっている木の近くにそっとしのびよります。このときの動きはすごーくゆっくりとです。1秒で5ミリぐらいのスピードでゆっくりセミのところに手を持っていくと、セミの身体をさわれるぐらい手を近づけてもセミは逃げません。そこで、パッ! セミは、人間を見分けているのではなく、動くものを見分けているのですから、動きをゆっくりさせると人間を草や木の一部だと思ってしまうのです。セミに聞いてみたわけではありませんが(笑)。
■セミの幼虫を見つける
公園の大きい木の根本に、指が入るくらいの穴がいくつか開いているところがあります。それは、セミが地面の中から地上に出てきた穴です。地面の中に5年も暮らしているのですから、やはり大きい木の根本にはたくさんの穴が開いています。
夕方6時か7時ごろ、太陽が沈むと、まだうす明るい空を背景にして木がシルエットのように見えてきます。このころに、公園の木の幹を横からぐるりと一回りして見ていきましょう。えっちらおっちら幹を登っているセミの幼虫のシルエットが見つかります。
この幼虫を落さないようにそっとつかまえて、家に持ち帰ります。強く持ったり途中で落したりすると羽化できなくなってしまいますから、お父さんやお母さんに持ってもらう方がいいかもしれません。
家のカーテンにとまらせておくと、数時間かけてゆっくりと羽化していきます。羽化している最中に「ちょっと大変そうだから手助けしてあげよう」なんて思ってひっぱってはダメ。手助けをすると、羽化に失敗してしまいます。茶色の幼虫の背中が割れて、中からうす緑色のセミがゆっくりと出てきます。セミの羽化を観察したら、その夜はそのままにしておきましょう。
さて、翌朝、目覚し時計のかわりに、セミのにぎやかな鳴き声で目がさめるでしょう。(^o^)
小5・6年生 8.1週 「
虫をつかまえた思い出」小学校高学年の人は、塾の夏期講習で、虫をつかまえている余裕もないかもしれません。それでも機会があったら、近くの公園や山に行ってみましょう。虫ではなくて、カエルやザリガニをつかまえた話でもいいですよ。
最近、虫をつかまえたことがないという人は、小さいころの思い出で書いてみましょう。
結びの感想は、「虫とは……」「生き物とは……」「自然とは……」と大きく考えてみましょう。
ことわざのヒントは、「15、一寸の虫にも五分の魂」「109、逃がした魚は大きい」「135、やはり野におけれんげ草」あたりが使えそう。
お父さんやお母さんが小さいころは、どんな虫をつかまえたことがあるか聞いてみましょう(聞いた話・調べた話)。もしかしたら、今ではあまり見られないオニヤンマやギンヤンマをつかまえた話などを話してくれるかもしれません。おじいちゃんやおばあちゃんに聞くと、ノミやシラミやナンキンムシをつかまえた話なども出てくるかも……。
中学生 8.1週 「
自分と相手」意見文の練習です。自分のことを先に考えるか相手のことを先に考えるかという設定で考えてみると、意見を見つけやすいと思います。8.2週の「吉川のパスは(感)」とも関連しそうです。
電車の中で、とてもくたびれて座席に腰かけているとき、目の前に大きい荷物を持ったおばあさんが立ったとしたら……というようなところが具体的な場面設定です。もっとロマンチックな話で言うと、自分の友達のガールフレンド(ボーイフレンド)が、実は自分のことを好きだったとわかったら……というような場面です。こういう、おおげさに言うとエゴイズムとヒューマニズムの葛藤という状況は、人間の永遠のテーマなのかもしれません。
昔話童話実例は、いろいろありそう。昔話や童話ではありませんが、みなさんのよく知っている「走れメロス」なども使えそうですね。いつも使う桃太郎でも工夫すれば応用できます。「桃太郎は、自分の食べたかったキビダンゴを相手にあげたからこそ、強力な味方を手に入れることができた。相手のことを考えてあげることが自分の利益にもつながるということである。云々」
名言は、先生に聞かないで、自分でさがしてみましょう。
高校生・大学生・社会人 8.1週 「
一人の十歩と十人の一歩」状況の設定の仕方によって、いろいろに考えられるテーマです。
アメリカ経済の今の活況は、リストラなどによる多数の国民の貧困化の上に、企業の収益が向上しているものだと言われています(今学期の大学生社会人の長文に書いてありますね)。そこには、自由競争というルールで競争することが社会を進歩させる原動力になるという考えがあります。しかし、今の状況は、少数の億万長者と多数の貧困者が、所得格差をますます増大させながら同じ社会に存在するという矛盾を生み出しているようです。今後、これらの問題は福祉政策などを通して修正されていくでしょうが、アメリカの社会が「一人の十歩」を大切にする社会だという基本は変わらないと思われます。
ひるがえって日本を見てみると、こちらはアメリカに比べて「十人の一歩」を大切にする社会と言ってもいいようです。日本の相続税の累進性の高さは世界でもきわだっています。こういう日本社会の平等性が、戦後の経済発展の原動力になったのは疑いのないところですが、このことが逆に、少数のやる気をそいでいる面も最近は指摘されつつあります。「一人の十歩」でも「十人の一歩」でもなく、「二人の八歩」ぐらいがちょうどいいのかもしれませんね。
昔話は、毎度おなじみの桃太郎でもいいでしょう。「桃太郎一人では、犬や猿やキジの持つ役割を全部こなすことはできなかったはずだ。また、空を飛べるキジにとって足の遅い猿が仲間だということはわずらわしいことだったにちがいないし、木に登れる猿にとって地面しか歩けない犬がいることは不自由なことだったにちがいない。しかし、一人のスーパーマンが戦ったのではなく、一人と三匹の異なる役割を持った仲間が協力したところに、この昔話の意味がある。云々」。こういう調子で書けば、どんな昔話でも使えそうでしょ。
ことわざは、先生に聞かないで、自分でさがしてみましょう。
光る表現
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真衣子さん(あこい/小1)の作文より(かつみ先生/月日626)にちようびにとなりのうちのちゅうしゃじょうへうさぎがにげていました。そのことをおもいだしました。ほんのぴょんもどうしたかなとおもいました。(評:じぶんのたいけんと、こくごのじかんにべんきょうしたことをてらしあわせてかいているところがとってもいいです。まいこちゃんはさくぶんがていしゅつされるたびにどんどんじょうずになっていくのがわかります。これからもたのしんでかいていこうね)
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ペンギンさん(しろ/小2)の作文より(かつみ先生/月日)みんなが入ったしゅんかんにバアシャバアシャ水をゆらすのであまりとれませんでした。(バアシャバアシャという表現が水をゆらしているということばとよくあっていて、情景がめにうかびます。とてもよい表現ができましたね。)
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ペンギンさん(しろ/小2)の作文より(かつみ先生/月日618)たんぽぽのふしぎ(題名)評:いろいろなことにぎもんをもったり、観察しようとしたりする姿勢がこの題名から感じられます。たんぽぽってふしぎがいっぱいだよね。
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みきさん(つゆ/小2)の作文より(スズラン先生/月日713)「子供の首のほねはよくなりやすいんだよ。でも、なりやすいってことは、なおりやすいんだよ。」と、おいしゃさんはいいました。わたしは、ほっとしてなみだをふきました。評:安心した表情がでていますね。
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華さん(とあ/小2)の作文より(みち先生/月日707)プールサイドのところにすわってばたあしをしたら、つめたくて、きもちよかったです。——つぎに女の子がスタートへいって、とびうおみたいにすすむおよぎをしました。評:感じたこと、たとえがじょうずにかけています。
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まほうつかいさん(とみ/小2)の作文より(洋子先生/月日630)そして、いちばんこわかったのは、えんとつの中はあまり早くにげられないので、おにがきたときはさいごの人がタッチされるかのうせいが高いです。それに人がはいってくるとき砂がまじった足音(どんな音かなかきいれてみるといいよ)がきこえます。すると鬼かとおもってびっくりしてしまいます。———中略———逃げるときは、まるでチ−タ−みたいに速いです。(たかこおりという遊びで、えんとつのなかにかくれたときのことです。真っ暗なえんとつのなかで鬼がこないかな?とビクビクしてまっているときの気持ちがうまくでていました。逃げるときのたとえもよかったですよ。)