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1998年10月1週号 通算第588号 shine@japan.email.ne.jp言葉の森新聞
10月からの教材の説明
(前学期との主な変更箇所)新しい学期の教材が届いたら、これまでの古い教材はかたづけておいてください。
10月1週
は、「みんなの清書」は送っていません。したがって、10月1週は、自習用紙の「投票」の欄は書かなくて結構です。自習用紙の説明
自習は、できるだけ毎日やっていきましょう。全部ができないときは、長文の音読だけでもやっていきましょう。
国語問題の解答欄が上の方にありますが、この問題と解答は、毎週の「山のたより」に載っています。
ファクスで作文を送る場合、自習用紙は全部送る必要はありません。1ページの部分だけを送ってください。
子供さんの作文を見て気づいたことがありましたら、「父母から先生へ」の欄にお気軽にお書きください。
自習用紙は、住所ラベルと切手をはる面をオモテにして送ることも、料金受取人払いの面をオモテにして送ることもできます。どちらで送っていただいても結構ですが、住所ラベルと切手をはってある場合、作品は翌週返却できます。
作文用紙の説明
作文用紙の上の欄にある生徒コード・週・曜日・先生の名前などは、必ず書いておいてください。
週は、
10.1週(10月1週の場合)のように書いておいてください。
清書用紙の説明
清書用紙は、毎月第4週の清書のときに使います。作文用紙と似ていますのでまちがえないようにしてください。
貸出図書の説明
貸出図書は、
9月10日ごろまでに前の学期の図書を返却した人に同封しています。今回の返却期限は12月10日です。ただし、早めに返却しても新しい図書を追加して送るということはありません。小学校低中学年のうちに、読書の基礎力をつけていきましょう。子供たちの読書の仕方を見ていると、共通して気になる点がいくつかあります。(1)本は1回読めばもう読まないものだと思っていること(本は何度も繰り返して読むものです。好きな本を繰り返し読むことが読書力をつけます)、(2)学年のわりに易しい本を読みすぎること(漫画や学習漫画は読みすぎれば逆に読解力を低下させます。ちょっと難しいと思うぐらいの本を読むようにしていきましょう)、(3)逆に学年のわりに難しいものを与えるすぎること(有名だからという理由だけで、宮沢賢治や芥川龍之介の本を小学生の子供たちに読ませても、内容を十分に把握できません。与える前にお母さんが一度目を通して子供さんが興味を持って読めるかどうか確かめてください)、(4)読書は時間があったらやるものだと思っていること(読書は勉強よりも優先して取り組むものです。小学校中学年までは、漢字や計算よりも読書を勉強の中心にしたほうが、高学年になってからの実力がつきます)。
読書は、勉強と同じように毎週必ずやっていきましょう。また、子供が自分で読むのを渋る場合は、お母さんが読んで聞かせてあげてください。読み聞かせをしていると、内容がおもしろければ子供は自然に自分で読むようになります。
課題フォルダの説明
(1)おもて表紙の項目表
項目表は、その生徒の級(A1級、B3級などという級で、課題フォルダの右上に書いてあるもの)と連動しているものですが、今学期は、学年ごとに共通の項目=級で勉強するようにします。
項目表は、上の段が作文用、下の段が感想文用となっています。いずれも●印の項目ができるように勉強していきましょう。
(2)うら表紙の作文課題集
課題集は、授業のはじまる前までに見ておき、何を書くか決めておきましょう
。小学1、2年生は自由な題名が中心です。小学3、4年生は、決められた題名が中心です。授業の前までに、書くことを準備しておきましょう。その週に何を書くのか決めていないまま電話に出たり、感想文の長文を読んでいないまま先生の説明を聞いたりした人もまだいるようです。準備なしに説明を聞いてもいい作文は書けません。感想文のもとになる長文は、あらかじめ何度か読んでおいてください。小学5、6年生の課題(特に感想文の課題)は、難しいものが多いので、書きにくい場合はほかの題名で書いてもかまいません。しかし、やさしいものをたくさん書くよりも、難しいものを少し書く方が力がつきますから、無理のない範囲でできるだけ作文課題集の●印の課題に取り組んでいきましょう。ひとつの週について、5つの課題がならんでいます(空欄のところもあります)。上から4番目の 4の課題は感想文になっていますが、この感想文のもとになる長文は、今回は載せていません。
小学5・6年生の長文集には、難しい長文集「な」と、易しい長文集「た」の両方がありますが、課題集に載っているのは、むずかしいほうだけです。やさしい方の長文で感想文を書く場合は、題名は適当につけておいてください。
(3)学習の手引
前学期との大きな変更点は、自習用紙の送り方です。それ以外はほとんど変わっていません。新しく受講される方はひととおり目を通しておいてください。
(4)漢字集
漢字集は、小学生の場合、その学年で習う漢字を載せています。最後まで書き終えたら最初に戻って繰り返し練習をしていってください。書きにくい漢字は、4回以上書くようにしていきましょう。子供は、新しいものを1回ずつやるような勉強の仕方を好みますが、学力をつけるポイントは同じものを何度も繰り返すということです。勉強の仕方も子供まかせにせず、お母さんの方で見てあげてください。
「あいうえお」などのひらがなは、文字の書き方を練習するためのものですので、省略して結構です。
漢字集や短文集の文字は、教科書体というフォントで印刷しています。この文字のとおりに書くようにすると、文字の練習にもなります。
(5)短文集
短文集は、4ページになっています。順番にやっていきましょう。
短文筆写はただ書き写すだけではなく、暗唱(暗誦)できるようにしてから書き写しましょう。子供まかせにすると、ただ機械的に書き写すだけという勉強になりがちですから、お母さんの方で暗唱できるかどうか見てあげてください。初めのうちは暗唱ということに慣れないので時間がかかると思いますので、無理のないようにゲーム的な感覚で勉強してください。
短文の暗唱・筆写は、表現力と記憶力を育てます。
(6)長文集
長文集は、全部で8ページあります(
小5・小6は16ページ)。毎日1ページ、声を出して読みましょう。小学生の場合は、できるだけお母さんやお父さんのいる前で声を出して読むようにしましょう。声を出して読むということは、内容を理解するためだけに読むのではなく、言葉と言葉のつながり方や文のリズムを味わいながら読むということです。最後まで読み終えたら、また、最初から戻って読んでください。長文は、自分の好きなものを繰り返し読んでいくとよいと思います。ただし、感想文の課題がある週は、その感想文のもとになる長文をよく読んできてください。読みにくい漢字には、かっこ書きで読み方を書いていますが、漢字はできるだけふりがなをふらずに読めるようにしておいた方が読む力がつきます。読めない漢字をお母さんやお父さんに聞いたときは、その漢字にふりがなをつけずに漢字のまま読めるようにしておきましょう。
長文の音読は、表現力と読解力を育てます。特に、高校生以上で、文章を書くのが遅い人、長く書けない人、語彙が乏しい人、国語の読解が苦手な人などは、長文を繰り返し音読していきましょう。国語の読解が苦手な人は、長文の音読と合わせて、現代文の問題集の問題文を復読する練習もしていきましょう。
(6)ことわざ集・名言集・データ集
小5以上の生徒には、ことわざ集・名言集・データ集が入っています。
小4以下の生徒には、このページはありません。
(7)予定表
予定表は、課題フォルダのうしろの方に載っています。
授業のない日は、言葉の森新聞などでもお伝えしますが、予定表をよく見て確かめておいてください。
勉強の仕方
(前学期に掲載したものとほぼ同じ)毎日の勉強の時間を決めておきましょう。塾や習い事がある日は学校の宿題だけしかしないという勉強の仕方ですと、なかなか実力がつきません。勉強の中心は、あくまでも家庭学習です。いつでも例外なく同じ時間に同じように勉強する習慣をつけておいてください。
作文の勉強は、担当の先生からの電話のあと、すぐに始めて、その日のうちに書き終えるようにしてください。時間がたってから始めたり、別の日に書くようにしたりしていると、書くことがだんだん負担になってきます。また、書き出してからつまってしまい先に進めないときは、教室に電話をして聞くようにしてください。こういう判断は、子供が自分ですることのできないものですから、お母さんが近くにいてアドバイスをしてあげてください。
作文の勉強は、精神的なものに左右されます。だれかとけんかしたり叱られたりしたというようなことがあった場合、その日はいい作文は書けません。また、一日のうちに二つ以上の作文を書くというのも無理があります。書けないときは、お母さんのほうでその事情を考え、無理がないように対処してください。
小学生の場合は、書き上げた作品については、無条件にほめてあげてください。ほかの子の作文と比較したり、書き上げた直後に欠点を指摘したりすることがないようにしてください。
作文の勉強は精神的なエネルギーをかなり使います。書いている途中に食事の時間が入ると、そのあとの集中力は低下します。食後すぐに作文の勉強にならないように時間配分をしておいてください。運動をしてくたびれているときなども、作文は書きにくくなります。こういうときは、無理をしないようにしてください。
欠席した分はふりかえることができますが、作文の勉強は負担の大きいものですから、課題が何週間かたまってしまたときは、新しい週の課題を優先して書くようにし、古い週の分は無理をせずに欠席としてください。
新学期は10月1日(水)から
新学期は、10月1日から始まります。これまでの古い教材(課題集、自習用紙、作文用紙、清書用紙など)は、かたづけておきましょう。特に、古い自習用紙は料金受取人払いの期限がもうすぐ切れますので、使わないようにしてください。
10月から作文をそのつど返却します
(前週掲載したものを再度掲載)作文と添削の産地直送方式スタート
(再)10月から、生徒のみなさんの書いた作文は、事務局を経由せずに直接先生の自宅に送られるようにします。
また、先生が添削した作文も、事務局を経由せずに毎週直接生徒の自宅に届くようにします。(港南台に通学している生徒の場合は教室で生徒に渡します)
この産地直送方式によって、前の週に書いた作文がすぐに生徒の手元にとどくようになるので、作文の指導もより具体的にできるようになると思います。(祝日が途中に入る週は、作文の返却が遅れることがあります)
ただし、産地直送方式にするとこれまでの料金受取人払いの封筒が使えなくなりますので、生徒のみなさんから先生あてに送る郵便に新たに80円切手をはっていただく必要が出てきます。(ただし、産地直送を希望しない生徒、ファクスで作文を送る生徒、インターネットで作文を送る生徒、通学の生徒などはこれまでと同じ)。郵送料にかかわるこの新しい負担分は今後何らかのかたちで改善していきたいと思っています。
なお、海外通信の生徒の場合はこれまでどおり変更はありません。
これまで |
これから |
|
生徒全員 |
作文は1ヶ月に一度まとめて返却される |
毎週、前の週の分の作文が返却される |
郵便で作文を送る生徒 |
自習用紙をそのまま封筒にしてポストに投函する |
自習用紙に住所ラベルと80円切手をはってポストに投函する |
ファクスで作文を送る生徒 |
自習用紙をそのままファクスで送信する |
自習用紙に住所ラベルをはってファクスで送信する |
インターネットで作文を送る生徒 |
送り方に変更なし |
|
通学の生徒 |
提出の仕方に変更なし |
※産直方式にともない、10月から、ひとこと用紙はしばらくお休みします。
郵便で作文を送る場合の注意点
郵送は、作文の授業がある日の翌日の午前中にポストに投函してくださるようお願いします。その地域の郵便集配時刻によっても異なりますが、午後に投函すると、到着が一日遅れる場合があります。作文の郵送が一日遅れるとその作文の返却は一週間遅れます。
添削された作文は、作文を書く日の当日までに返却されますが、土曜の生徒の場合は、作文の返却よりも電話指導の方が時間的に先になる場合があります。
曜日や時間の変更で担当の先生がかわった場合は、新しい先生用の住所ラベルをお送りします。
10月からの自習用紙は、産地直送方式と従来の事務局経由方式の両方が選べるようになっています。従来の方式の自習用紙で投函される場合は、作文の返却は一ヶ月後になります。
9月までの古い自習用紙は受取人払いの期限が11月に切れますのでご使用にならないでください。
ファクスで作文を送る場合の注意点
ファクスで作文用紙を送る場合は、必ず一緒に、住所ラベルをはった自習用紙も送信してください。
ファクスは、作文の授業がある日の当日の夜中までに送信してくださるようお願いします。ファクスの送信が翌日になるとその作文の返却は一週間遅れます。
添削された作文は、作文を書く日の当日までに返却されますが、土曜の生徒の場合は、作文の返却よりも電話指導の方が時間的に先になる場合があります。
曜日や時間の変更で担当の先生がかわった場合は、新しい先生用の住所ラベルをお送りします。
9月までの古い自習用紙はご使用にならないでください。
インターネットで作文を送る場合の注意点
作文を送信する際は、生徒コードを半角小文字のローマ字で入れておいてください。例えば、「しほ」という生徒コードの場合は、siho(全角文字)やSIHO(大文字)ではなくsiho(半角小文字)です。
インターネットから送る作文は、作文の授業がある日の当日の夜中までに送信してくださるようお願いします。作文の送信が翌日になるとその作文の返却は一週間遅れます。
添削された作文は、作文を書く日の当日までに返却されますが、土曜の生徒の場合は、作文の返却よりも電話指導の方が時間的に先になる場合があります。
学年別作文の書き方
(前学期との主な変更箇所)小学1、2年生
10.1週
の課題は、自由な題名です。この1週間であった出来事を思い出して書いてみましょう。題名は、「きょうのこと」や「このまえのこと」で書くと書きやすいと思います。小学校低学年のころは、日曜日などにせっかくいい話があっても、数日たつとくわしく思い出せないことがあります。それだけ生きている時間が充実しているのだともいえます。低学年の子供にとって、いちばん書きやすいのは「きょうのこと」です。ただし、毎週「きょうのこと」という題名ですと、あとで題名を見たときに何の話かわからなくなりますから、書くのに慣れてきたら、「○○をしたこと」または「○○の○○」のように、中身がわかる題名で書いていきましょう。小学校低学年では、与えられた題名で書くことは難しいことが多いので、自由な題名が中心です。そのかわり、毎週、担当の先生からの電話がある前に、自分で何を書くか決めておきましょう。まだ、ときどき、先生からの電話があっても、「何を書くか決めていない」という人がいます。お母さんのほうで、作文の電話がある前までに、「今日はどんなことを書くか決めた?」とひとことたずねてあげてください。教室に通って勉強している方も同様です。お母さんが、子供さんを教室に行かせる前に「今日は、どんなことを書くか決めた?」とひとこと聞いてあげてください。
小学校低学年では、誤字や誤表記はたくさんあるのが普通です。大人が、字の間違いを直すことを中心に作文を見てしまうと、子供は作文を書くことをだんだん負担に感じてきます。大人は、誤字を理屈で直そうとしがちですが、誤字は、読む力をつける中で自然に直していくものです。例えば、「わ」と「は」の区別ができないというような場合、「こういうときは『わ』で、こういうときは『は』で……」と説明してもすぐには直りません。それよりも、長文の音読や毎日の読書をすることによって、自然に「わ」と「は」の使い分けを身につけさせていくようにしてください。
●中心を決める:話の中心を決めて書きましょう。「中心を決める」ということがばくぜんとしていてわかりにくい場合は、「いちばん……なのは……です。」と、「いちばん」という言葉を使って書くようにするといいでしょう。
●会話:かぎかっこで人の言ったこと書くということです。そのときのいろいろな人の会話を思い出して書くようにすると、自然に作文が描写的になり、できごとをくわしく書けるようになります。
●たとえ:「まるで……よう」「まるで……みたい」という言葉を使って書きます。「私のお母さんは、まるでユリの花のようにきれいです」というような書き方です。
●すうじなまえ:数字や名前がわかるように書きます。「どうぶつえんにいきました」とだけ書くよりも「かなざわしぜんどうぶつえんにいきました」と書くほうが正確です。また、「あさはやくおきました」とだけ書くよりも、「あさ五じごろにおきました」と書く方が正確です。数字はたて書きで書くときは漢数字で書きましょう。
●□○□○のかんじ:そのときのようすを、擬声語や擬態語を使って表わします。「川がさらさらと流れていました」「カブトムシはもぞもぞと土の中にもぐっていきました」「カリカリとえんぴつの音が聞こえます」という書き方です。音はカタカナで、ようすはひらがなで表わすようにしましょう。
●結びの思ったこと:作文のさいごは、思ったことを書いてまとめましょう。「たのしかったです」「おもしろかったです」「うれしかったです」のような単純な気持ちを書くだけでなく、「わたしは、……と思いました」というかたちで、自分らしい感想を書いていくようにしましょう。
●もし…・会話:感想文を書くときに、にた話を思い出して書きますが、にた話を思いついたときは、できるだけそのときの会話も思い出して書きましょう。にた話を思いつかないときは、「もし、わたしが、この登場人物だったら、たぶんこうしたと思います。すると……」と、想像した話を書いていきましょう。
小学3、4年生
10.1週
の課題は、「スポーツをしたこと」です。小学校の中学年のころから、与えられた題名で、昔のことを思い出して書くことができるようになります。自分のしたことを中心に楽しく書いていきましょう。小学校中学年は、表現を工夫して、長く書く力がついてくる時期です。しかし、このころの作文は、「はじめに何をして、つぎに何をして、それから何をして、……」と、時間の順に経過を書くかたちにもなりがちです。中心を決めて書くことを心がけていきましょう。
●中心を決める:話の中心を決めて書きましょう。「中心を決める」ということがばくぜんとしていてわかりにくい場合は、「いちばん……なのは……です。」と、「いちばん」という言葉を使って書くようにするといいでしょう。
●長い会話:そのときのいろいろな人の会話を思い出して書くようにすると、自然に作文が描写的になり、できごとをくわしく書けるようになります。「はい」「おはよう」という短い会話だけでは、その人の人がらや心の動きがなかなか出てきません。2行以上になるような会話を思い出して書いてみましょう。
●たとえ:「まるで……よう」「まるで……みたい」という言葉を使って書きます。「私のお母さんは、まるでユリの花のようにきれいです」というような書き方です。
●すうじなまえ:数字や名前がわかるように書きます。「どうぶつえんにいきました」とだけ書くよりも「かなざわしぜんどうぶつえんにいきました」と書くほうが正確です。また、「あさはやくおきました」とだけ書くよりも、「あさ五じごろにおきました」と書く方が正確です。数字はたて書きで書くときは漢数字で書きましょう。
●です・ます:「でした」「ました」で続く文章のところどころに、「です」「ます」を入れることによって、説明や描写を書く練習です。事実を書くだけでなく、説明や描写を入れることによって文章の流れに変化が出てきます。「わたしは、ふりかえりました。うしろに立っていたのはお父さんです。私はおどろきました。お父さんはにっこりわらっています」のように書いていきます。
●結びの思ったこと:作文のさいごは、思ったことを書いてまとめましょう。「たのしかったです」「おもしろかったです」「うれしかったです」のような単純な気持ちを書くだけでなく、「わたしは、……と思いました」というかたちで、自分らしい感想を書いていくようにしましょう。
●もし…・会話:感想文を書くときに、にた話を思い出して書きますが、にた話を思いついたときは、できるだけそのときの会話も思い出して書きましょう。にた話を思いつかないときは、「もし、わたしが、この登場人物だったら、たぶんこうしたと思います。すると……」と、想像した話を書いていきましょう。
小学5、6年生
10.1週
は、「私の好きなスポーツ」という書きやすい題名です。実例を二つ以上入れながら書いていきましょう。5年生の人は、複数の出来事を通して、結びの感想は、自分なりに「わかったこと」や「学んだこと」を書いていきましょう。6年生の人は、複数の実例を通して、結びの感想は、「友達というものは、(人間にとって)……である」または「友情とは……である」と大きく一般化してまとめていきましょう。お父さんやお母さんに聞いた話や、伝記に出てくる人物の話などを書いて、構成に広がりを持たせて書いていきましょう。
●中心を決める:話の中心を決めて書きましょう。「中心を決める」ということがばくぜんとしていてわかりにくい場合は、「いちばん……なのは……です。」と、「いちばん」という言葉を使って書くようにするといいでしょう。
●その人らしい会話:かぎかっこで人の言ったこと書くということです。そのときのいろいろな人の会話を思い出して書くようにすると、自然に作文が描写的になり、できごとをくわしく書けるようになります。「はい」「おはよう」という短い会話だけでは、その人の人がらや心の動きがなかなか出てきません。2行以上になるような会話や、その日とらしさのある会話を思い出して書いてみましょう。
●たとえ:「まるで……よう」「まるで……みたい」という言葉を使って書きます。「私のお母さんは、まるでユリの花のようにきれいです」というような書き方です。
●データ実例:データ集を見て、データを引用しながら書いていきましょう。また、準備のできる人は、自分で百科事典や年鑑などを調べて、データを数字で表わしていきましょう。データが入ると、文章に説得力が出てきます。
●ことわざの引用:結びの感想や意見のところで、ことわざを引用してまとめていきましょう。ことわざは、ことわざ集を参考にして書くか、自分でことわざ辞典などを調べて書きましょう。
●わかったこと:結びの感想で、そのできごとを通して自分が学んだこと、わかったこと、気づいたことなどを書いていきます。
●一般化の主題:結びの感想で、「○○は(人間にとって)……である」という大きな感想を書いていきます。例えば、「私の友達」というような題名で書いた場合は、「友情とは……」「友達というものは……」「人間は……」というように書きます。
●もし…・会話:感想文を書くときに、にた話を思い出して書きますが、にた話を思いついたときは、できるだけそのときの会話も思い出して書きましょう。にた話を思いつかないときは、「もし、わたしが、この登場人物だったら、たぶんこうしたと思います。すると……」と、想像した話を書いていきましょう。
中学生
7.1週
は、「スポーツの勝ち負け」という題名課題です。体験実例は、自分の体験をもとに書いていきましょう。社会実例は、自分の体験以外に昔話や童話・伝記の本・歴史の本・新聞などのニュースなどから実例を入れていきましょう。
名言集に載っている名言は全部覚えておくとよいと思います。また、本を読んでいい表現を見つけたら、自分でこの名言集に書き加えておいてください。
●体験実例:理由や方法の具体的な説明となる部分に、自分の体験を入れていきましょう。「見た」「聞いた」「知っている」というだけの体験よりも、「実際にした」という体験の方が説得力があります。
●複数の理由(方法・原因・対策):第一段落で自分の意見を書いたあと、第二、第三段落で、その意見の裏付けとなる理由を書いていくという構成の仕方です。「その理由は二つある。第一に……だからである。第二に……だからである」のように、読み手にも構成がわかるように書いていきましょう。
●複数の意見:第二段落でAの意見を書き、第三段落でその反対のBの意見を書いていく練習です。結びの段落は総合かしてまとめるので、「たしかにAもわかる。それは……だからである。しかし、Bもわかる。それは……だからである」のように両者を同じ比重で書いていくのが骨です。
●自作名言:「○○はAでなくBである」というかたちで、自分なりに名言を作っていきましょう。Aは世間一般の常識、Bは常識に一見反する真理という位置づけです。
●データ実例:データ集を見て、データを引用しながら書いていきましょう。また、準備のできる人は、自分で百科事典や年鑑などを調べて、データを数字で表わしていきましょう。データが入ると、文章に説得力が出てきます。
●名言の引用:結びの意見にあわせて、名言を引用していきましょう。名言は、自分で名言集からさがしてきてもいいですし、自分でオリジナルに作ってもいいです。
●是非の主題:「Aという考えもよいが、私はBという考えがよいと思う」というかたちで、反対意見と比較しながら、「よいわるい」というかたちで意見をまとめていきましょう。
●総合化の主題:ABふたつの意見を書いたあと、その両者をのりこえるかたちでCという意見を書いてまとめます。単なる折衷案にならないように、AやBとは異なる次元でまとめていくように心がけましょう。例「漫画には確かによい面がある。また漫画には確かに悪い面もある。しかし、いちばん大切なことは漫画自体がよいかわるいかということではなく、ふだんの生活で漫画以外の読書をしっかりしているかどうかということである」
●生き方の主題:自分の生き方に合わせて意見を書いていきます。「私は……のように生きていきたい」「私は……になりたい」「人間は……になるべきだ」というような書き方です。
高校生・大学生・社会人
10.1週
は「スポーツの勝ち負け」です。自分の問題であるとともに日本の社会の問題としても考えていきましょう。社会実例は、新聞、伝記、歴史の本、昔話や童話などから探してみましょう。
ことわざの加工の項目は、なかなかできない人が多いようです。ことわざそのものをよく知らないという人は、名言の加工で書いていきましょう。ことわざの加工の例:「出る杭を伸ばす教育が今求められている」「石橋を叩いていたら渡れない」など。
高校生・大学生・社会人のみなさんの中には、長文の予習の不足している人がときどきいます。先生の説明を聞くまでに、必ず数回は長文を読んでいるようにしてください。また、勉強や仕事に追われて読書が足りなくなっている人も多いようです。読書の不足している人は、社会実例がなかなか出てきませんし、問題意識も希薄になってきます。また、語彙も乏しくなりひとつの文章の中に同じ言い回しを何度も使うということになりがちです。読書は、勉強の一部と位置づけて必ず毎日読むようにしていきましょう。その際、易しい内容のものではなく、難しい内容のものを優先して読んでいきましょう。文章がリズミカルでない人は、規範となる文章を復読していないのが原因です。長文を何度も音読していると、文章はなめらかになってきます。自分の好きな著者がいればその人の文章を何度も繰り返し読んでいくようにしましょう。文章力をつけるためには、ひとつの本を繰り返し読む「精読」と、いろいろな本を次々に読む「多読」の両方が必要です。両方とも不足している人が多いのですが、特に力を入れていくのは「精読」のほうです。
大学生のころは、毎日の生活が楽しいので、難しい本を読んだり、難しい文章を書いたりということがなかなかできません。自分の通っている大学の身近な人と接しているだけでは、強い問題意識は育ちません。インターネットなどを利用して、自分の関心のあるテーマで話し合いのできるサークルを見つけていきましょう。日本中には、真面目にいろいろなことを話し合っているサークルがたくさんあります。そういうサークルに参加して、自分の考えをどんどん発言していきましょう。大学生・社会人は、インターネットに接続できるパソコンをできるだけ早めに用意していくといいと思います。
●体験実例:理由や方法の具体的な説明となる部分に、自分の体験を入れていきましょう。「見た」「聞いた」「知っている」というだけの体験よりも、「実際にした」という体験の方が説得力があります。
●複数の原因(対策・展開):第一段落で自分の意見を書いたあと、第二、第三段落で、その意見の裏付けとなる原因を書いていくという構成の仕方です。「その原因は二つある。第一に……だからである。第二に……だからである」のように、読み手にも構成がわかるように書いていきましょう。
●自作名言:「○○はAでなくBである」というかたちで、自分なりに名言を作っていきましょう。Aは世間一般の常識、Bは常識に一見反する真理という位置づけです。
●名言の引用:結びの意見にあわせて、名言を引用していきましょう。名言は、自分で名言集からさがしてきてもいいですし、自分でオリジナルに作ってもいいです。
●データ実例:データ集を見て、データを引用しながら書いていきましょう。また、準備のできる人は、自分で百科事典や年鑑などを調べて、データを数字で表わしていきましょう。データが入ると、文章に説得力が出てきます。
●当為の主題:「……べきだ」というかたちで意見を書いていきます。自分の個人的な生き方に関するような「……べき」ではなく、「芸術は……こうあるべきだ」「社会は……こうあるべきだ」「言葉は……こうあるべきだ」というようなより一般的な意見として書いていきましょう。
●社会問題の主題:現代の日本の社会で問題となっていることを、「○○は問題だ」というかたちで書いていきましょう。自分個人の問題でなく社会全体の問題として考えていくことが大事です。
●予測問題の主題:将来、日本や世界で問題になることが予想されることを主題として書いていきましょう。「将来、……という問題が出てくることがよそうされる」という書き方です。
●制限時間75分:メモを書く時間は入れずに、作文を書く正味の時間を75分以内にするようにしましょう。作文用紙の上の方に時間を記入する欄がありますから、書いておきましょう。
評価の仕方
作文は、項目表の●印ができているかどうかによって「◎」「○」「無印」の3段階で評価します。
また項目とは別に、内容に個性や感動がある場合は、内容点を「◎」「○」「無印」の3段階で評価します。
自習は、提出した自習用紙の日数で評価していきます。自習用紙は、毎週かならず提出しておきましょう。