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1999年1月1週号 通算第600号 shine@japan.email.ne.jp言葉の森新聞
文責 中根克明(森川林)
12.4週の賞状にミス
12.4週の賞状にミスがありました。火曜・水曜・木曜の生徒に、前学期のデータが賞状としてプリントされていました。今回の賞状とクラウン数が正しいものです。
新学期は1月4日(月)から
(古い用紙はかたづけましょう)新学期は、1月4日から始まります。これまでの古い教材(課題集、自習用紙、作文用紙、清書用紙など)は、かたづけておきましょう。特に、古い自習用紙は料金受取人払いの期限が切れているものがありますので、使わないようにしてください。
1.1週は投票なし
1月1週は、みんなの作文は送っていません。したがって投票はしなくて結構です。
1月から自習用紙のスタイルがかわっています
自習用紙は、課題フォルダにとじこんであります。自習は、自分で別にノートなどを用意してやっていきましょう。
(自習をしたノートは提出する必要はありません)自習は、できるだけ毎日やっていきましょう。全部ができないときは、長文の音読だけでもやっていきましょう。
自習用紙に国語問題の解答欄が上の方にありますが、この問題と解答は、毎週の「山のたより」に載っています。
子供さんの作文を見て気づいたことがありましたら、「父母から先生へ」の欄にお気軽にお書きください。
自習用紙は、住所ラベルと切手をはる面をオモテにして送ることも、料金受取人払いの面をオモテにして送ることもできます。どちらで送っていただいても結構ですが、住所ラベルと切手をはってある場合、作品は翌週返却できます。(ただし、郵便の事情で遅れる場合もあります)
学年別作文の書き方
(前学期とほぼ同じ内容です)小学1、2年生
1.1週
の課題は、自由な題名です。この1週間であった出来事を思い出して書いてみましょう。題名は、「きょうのこと」や「このまえのこと」で書くと書きやすいと思います。小学校低学年のころは、日曜日などにせっかくいい話があっても、数日たつとくわしく思い出せないことがあります。それだけ生きている時間が充実しているのだともいえます。低学年の子供にとって、いちばん書きやすいのは「きょうのこと」です。ただし、毎週「きょうのこと」という題名ですと、あとで題名を見たときに何の話かわからなくなりますから、書くのに慣れてきたら、「○○をしたこと」または「○○の○○」のように、中身がわかる題名で書いていきましょう。小学校低学年では、与えられた題名で書くことは難しいことが多いので、自由な題名が中心です。そのかわり、毎週、担当の先生からの電話がある前に、自分で何を書くか決めておきましょう。まだ、ときどき、先生からの電話があっても、「何を書くか決めていない」という人がいます。お母さんのほうで、作文の電話がある前までに、「今日はどんなことを書くか決めた?」とひとことたずねてあげてください。教室に通って勉強している方も同様です。お母さんが、子供さんを教室に行かせる前に「今日は、どんなことを書くか決めた?」とひとこと聞いてあげてください。
小学校低学年では、誤字や誤表記はたくさんあるのが普通です。大人が、字の間違いを直すことを中心に作文を見てしまうと、子供は作文を書くことをだんだん負担に感じてきます。大人は、誤字を理屈で直そうとしがちですが、誤字は、読む力をつける中で自然に直していくものです。例えば、「わ」と「は」の区別ができないというような場合、「こういうときは『わ』で、こういうときは『は』で……」と説明してもすぐには直りません。それよりも、長文の音読や毎日の読書をすることによって、自然に「わ」と「は」の使い分けを身につけさせていくようにしてください。
●ぐらいの大きさ…ものの大きさや程度を、数字をつかわずに身近なものにあてはめて表わしてみましょう。「ぼくのせの高さぐらいの木」のように。
●もし…だったら…自分を別の立場にあてはめて考えてみましょう。「もし、ぼくがそのときのお母さんだったら、たぶん、こうしたと思います」のように。
小学3、4年生
1.1週
の課題は、「私の宝物」です。小学校の中学年のころから、与えられた題名で、昔のことを思い出して書くことができるようになります。自分のしたことを中心に楽しく書いていきましょう。小学校中学年は、表現を工夫して、長く書く力がついてくる時期です。しかし、このころの作文は、「はじめに何をして、つぎに何をして、それから何をして、……」と、時間の順に経過を書くかたちにもなりがちです。中心を決めて書くことを心がけていきましょう。
●いろいろな言った…「言いました」という言葉を別の言い方で表わしてみましょう。「つぶやいた」「さけんだ」などを使うこともできますが、そのときの動作や表情でも表わすことができます。「はやく来なさい」とお母さんはふりかえった、など。
●もし…だったら…自分を別の立場にあてはめて考えてみましょう。「もし、ぼくがそのときのお母さんだったら、たぶん、こうしたと思います」のように。
●情景の書き出し…書き出しを、そのときの景色、場面、色、音などを使って書いていきましょう。感想文の場合は、要約をしたあとでいいです。
小学5、6年生
1.1週
は、「私の宝物」いう書きやすい題名です。5年生の人は、結びの感想は、自分なりに「わかったこと」や「学んだこと」を書いていきましょう。6年生の人は、結びの感想は、「友達というものは、(人間にとって)……である」または「宝物というものは(人間にとって)……である」と大きく一般化してまとめていきましょう。お父さんやお母さんに聞いた話や、伝記に出てくる人物の話などを書いて、構成に広がりを持たせて書いていきましょう。
●わかったこと・疑問に思ったこと…結びの感想に、「…がわかった」「なぜ…なのだろうと思った」などと、自分なりにわかったことや疑問に思ったことを書いてまとめていきましょう。
中学生
1.1週
は、「本当の豊かさ」という題名課題です。体験実例は、自分の体験をもとに書いていきましょう。社会実例は、自分の体験以外に昔話や童話などから実例を入れていきましょう。
名言集に載っている名言は全部覚えておくとよいと思います。また、本を読んでいい表現を見つけたら、自分でこの名言集に書き加えておいてください。
●書き出しの結び…書き出しの5行以内に使ったキーワードを、結びの5行以内にも使って、書き出しと結びが対応するようにまとめていきましょう。
高校生・大学生・社会人
1.1週
は「本当の豊かさ」です。自分の問題であるとともに日本の社会の問題としても考えていきましょう。社会実例は、昔話や童話などから探してみましょう。
ことわざの加工の項目は、なかなかできない人が多いようです。ことわざそのものをよく知らないという人は、名言の加工で書いていきましょう。ことわざの加工の例:「出る杭を伸ばす教育が今求められている」「石橋を叩いていたら渡れない」など。
高校生・大学生・社会人のみなさんの中には、長文の予習の不足している人がときどきいます。先生の説明を聞くまでに、必ず数回は長文を読んでいるようにしてください。また、勉強や仕事に追われて読書が足りなくなっている人も多いようです。読書の不足している人は、社会実例がなかなか出てきませんし、問題意識も希薄になってきます。また、語彙も乏しくなりひとつの文章の中に同じ言い回しを何度も使うということになりがちです。読書は、勉強の一部と位置づけて必ず毎日読むようにしていきましょう。その際、易しい内容のものではなく、難しい内容のものを優先して読んでいきましょう。文章がリズミカルでない人は、規範となる文章を復読していないのが原因です。長文を何度も音読していると、文章はなめらかになってきます。自分の好きな著者がいればその人の文章を何度も繰り返し読んでいくようにしましょう。文章力をつけるためには、ひとつの本を繰り返し読む「精読」と、いろいろな本を次々に読む「多読」の両方が必要です。両方とも不足している人が多いのですが、特に力を入れていくのは「精読」のほうです。
大学生のころは、毎日の生活が楽しいので、難しい本を読んだり、難しい文章を書いたりということがなかなかできません。自分の通っている大学の身近な人と接しているだけでは、強い問題意識は育ちません。インターネットなどを利用して、自分の関心のあるテーマで話し合いのできるサークルを見つけていきましょう。日本中には、真面目にいろいろなことを話し合っているサークルがたくさんあります。そういうサークルに参加して、自分の考えをどんどん発言していきましょう。大学生・社会人は、インターネットに接続できるパソコンをできるだけ早めに用意していくといいと思います。
●書き出しの結び…書き出しの5行以内に使ったキーワードを、結びの5行以内にも使って、書き出しと結びが対応するようにまとめていきましょう。