http://www.mori7.com/ 1999年4月4週・5月1週 合併号 通算第615号 mori7@mori7.com

言葉の森新聞

文責 中根克明(森川林)

  4.4週と5.1週は合併号です

 4月29日(木)から5月5日(水)まで教室はお休みです。(課題フォルダのうしろにある「予定表」をごらんください)。言葉の森新聞の4.4週号は、5.1週号との合併号です

  4.4週は清書です

 4月4週は清書です。担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、清書用紙に清書してください。

 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するようなものがない場合もあります。そのときは、清書用紙に直接自由な題名で作文を書いて送ってください。

 清書の仕方は、課題集の中の「学習の手引」に書いてあります。名前を載せてほしくない人は、清書用紙の表(おもて)には名前を書かずに裏に書いてください。

 この清書は、全員の分を6月ごろから順に掲載し、インターネットに掲載し、そのあと新聞社に送ります。(新聞社に送ることを希望しない人はその旨を清書用紙の裏に書いておいてください)

  5.1週のヒント

 小学1、2年生 自由な題名

 小学3、4、5,6年生 秘密基地(ひみつきち)

 小学5・6年生は、受験勉強が忙しくて秘密基地作りどころではないかもしれませんが、年齢的にはこういうことにいちばん関心のある時期だと思います。

 秘密基地という題名で書きにくい場合は、「秘密の場所」「好きな場所」「秘密の日記」などの題名に広げて書いていってもいいでしょう。

 感想は、「遊びとは……」ということでまとめていくといいと思います。5年生は、「遊びとは(または秘密とは)……ということがわかった」というかたちで考えてみましょう。6年生は、「人間にとって、遊びとは(または秘密とは、基地とは)……だと思う」というかたちで自分なりに考えてみましょう。

 ことわざは「73、住めば都」「143、ローマは一日にしてならず」など。ダジャレは、「秘密基地に今度は囲いを作りたい。かっこいー」(笑)まねしないでね。

 中学生、高大社 ローカルとグローバル

 グローバリズムという言葉がよく聞かれますが、抽象的な言葉のまま考えると、焦点がしぼりにくくなります。方言と標準語、元号と西暦のように身近な話で考えていきましょう。数年前の話題ですが、白一色が伝統であった日本の柔道着が国際ルールでカラフルになったことなども例として考えられると思います。

 名言は、「36、すべてに効くという薬は何にもたいして効かない」「48、できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」「27、自国に対する賞賛が他国に対する軽蔑によって支えられているのであってはならない」など。

 ことわざで「16、井の中の蛙(かわず)大海を知らず」などを加工してもいいでしょう。ことわざは、そのまま引用するだけではかえって陳腐な表現になります。ことわざを引用するときは、自分なりの表現を付け加えて引用していきましょう。

  アンケート葉書から(その2)

 3月末にアンケート葉書を出しましたが、多くの方からお返事をいただきました。ありがとうございました。順にご紹介していきます。

ご意見:先生が研修、旅行などで、お休みの時はできれば事前に他の先生から電話が入る事を教えていただければ助かります(子供がびっくりした様です)。

 ていねいな指導をしていただいていると思います。電話の折、前回の作文についてアドバイスをいただければとも思うのですが、あまり前の事は分析しない方が良いのでしょうか。

 今回の音読教材が「世界ふしぎめぐり」で、子供の科学に少し目をむけてほしいと思っていたので、良いタイミングでした。

 今まで欠席の練習を留守電ではない方にかけていて失礼しました。

 自習用紙はやはりファイルとは別の方が良いです。前回は自習は毎日と書いてあり、子供はキチンとしていましたが、今回の記入例では全部しない日もあったので、本人がしなくていいんだと思ってしまいました。やはり全部毎日した方が良いと思うのですが……。

 夏休み、春休みの前など、良書の紹介などがありましたら助かるのですが……。

回答:担当の先生が休んでほかの先生に交代する場合は、できるだけ前週までにご連絡します。休みが急に決まった場合は、事前の連絡なしでほかの先生が交代でお電話することもありますのでご了承ください。

 電話指導は、前回に書いた作文をもとに行ないますが、力点は今回書く作文の方に置いています。ですから、「この前のたとえはよかったね」と軽くほめたあと、「今日もまた、○○さんらしいたとえを使ってみよう。そのためにはね……。」と今回の方に力を入れて説明するようにしています。また表記のミスなどがあった場合も、「この前は、まだ説明をしていなかったので常体と敬体がまざっていたから、今日は常体と敬体を区別してみようね。それは……」と、前回の作文に軽くふれて、力点は今回の方に置いて説明します。

 ヘミングウェイは、「書き上げた文章は、倒したライオンに似ている」と述べましたが、作文を書いたあとの子供の心理状態は、「やっとひと仕事が終わった」というところです。ですから、前回の作文は、今回の指導に生かせる範囲で取り上げるという説明の方が、子供たちにも受け入れられやすいようです。

 自習は、原則として毎日やった方が無理がありません。やる日とやらない日があると、逆に習慣がつきにくく、毎回お母さんに「自習はしたの?」と小言を言われながらやるというかたちになります。平日も土日もいつでも同じように同じ時間に自習をするというやり方をしていると、お母さんがいちいち言わなくても自分でやるようになります。しかし、今はいろいろと忙しい子も多いので、記入例を見て負担を感じないように、やる日とやらない日があるように書いておきました。次学期からは、毎日やっているような記入例にします。^^;

 良書の紹介などは、今後やっていきたいと思います。

ご意見:下の子供たちは楽しく通っているのですが、中学生の兄がなかなかむずかしく、行くのをめんどうがってこまります。でも、やめようという気もないらしく少しダラダラしています。

 お電話はとてもていねいで子供の書いたつたない文をとてもよく評価してくださいます。指導については「特に要望はございません。

 今までの自習用紙になれていたので、最初やりにくかったようですが、今はそれ程やりにくくもないようです。

 読書が少なくなっているのが心配です。上の子はゲームの説明書の本ばかり読んでいますし、下の二人はアイドルの書いた本か月刊マンガを読んでいます。親が読みなさいと言うとよけいダメかと思うので、それは言わないようにしています。どうにかなるものでしょうか。

回答:中学生のころは、読む力と書く力が最も乖離(かいり)する時期で、読めるほどには書けないという状態になるようです。ほかの人の文章を読んでの批評や批判はできるのですが、自分では書けないという状態が続きます。中学生の子どもさんをお持ちの方はだれも経験があると思いますが、「生意気なことを言うわりには、自分のことはちゃんとやってないのよねえ」という時期です。作文を書くのが最も苦痛になる時期だと思います。

 教室では、インターネットでほかの生徒の作文を読んだり、落書きを書いたりできるようになってから、中学生の作文がおもしろくなってきました。自宅で書いている人は、インターネットに接続して、ほかの人の文章を読んでから書くというやり方をしていけるといいと思います。(電話料のあまりかからない接続の仕方は、後日、「学習の手引」などに載せていきたいと思います)

 読書については、今の子供たちは、すぐに軽い本に流れる傾向があります。学校の勉強は、一斉に行なわれときどきテストなどもあるので自分の位置がつかめますが、読書のレベルについては、ほかの同学年の人との比較があまりできないので、個人差は考える以上に大きいようです。

 軽い本はおやつのようなものですから、おやつだけ食べて、食事はしないという状態になるのはやはり問題です。しかし、この場合も、「そんな本、読んでないで……」という言い方でなく、「その本はその本で楽しく読んでいいけど、この難しい本を先に読みなさい」というすすめ方の方がいいと思います。

 難しい本をすすめられたときの子供たちの共通の反応は、「こんなの難しくて読めない」「こんなのつまらないから読みたくない」です。このとき、自分が読書好きのお母さんやお父さんほど、「そうだなあ。本は無理して読むものでもないし」と納得してしまいます。しかし、子供たちは、「読んだらいいよ」ぐらいでは決して自分からすすんでそういう本を読もうとはしません。

 読書には趣味の面と勉強の面とがあります。軽い本は趣味として自由に読んでいいのですが、難しい読書は勉強の一部と位置づけなければ、自然に読むようにはなりません。自分で読むようになる子は一部です。

 無理に読ませて本が嫌いにならないかと心配される方が多いようですが、無理をして読むことによって読む力がついてくると、逆にそういう難しい本もおもしろく読めるようになります。読む力がつかないと、いつまでもそういう本のおもしろさに気がつきません。

 読書については、お母さんやお父さんが子供のころの、ほかに娯楽もなく読書くらいしか楽しみがなかった時代と、現代の、読書以外にもいろいろな娯楽があり、読書そのものも軽い味つけのものがふんだんにある時代とは違うのだということを認識しておく必要があると思います。

 

  光る表現コーナー 1999年4月4週号

瞳子さん(あとふ/小2)の作文より(ミルクティ先生/4.2週)

 わたしはひとりごとをいいました。「ほんとにやさしいハートなのかなぁ?」「このあいだの音がくのあと、河村りゅう一さんのCDを一人できいてたんだよな。」<評>思ったことを「〜と思いました」と書くのではなく、ひとりごととして書いたところが、とても工夫できているね。

愛捺さん(あなあ/小2)の作文より(ミルクティ先生/4.2週)

 『はないちもんめ』しばらくあそんでいたら、わたしのチームが、どんどん、ふえていって、あずさちゃんは、一人ぼっちになってしまいました。あずさちゃんが、まるで、みにくいあひるのようにかわいそうでした。<評>童話(どうわ)から思いついたたとえが、さみしいかんじをよくあらわせているね。

あやさん(あえふ/小3)の作文より(ひまわり先生/4.1週)

 二人ゆうびんは、学校のお友達と考えました。(評)なわとびを使って、自分たちで遊びを工夫してみるというのは、すばらしいことだね。

ニルスさん(あそな/小3)の作文より(スズラン先生/4.1週)

 ぼくのけった球は、「シュー」と、すごい早さでゴールにはいります。評:とくいなサッカーで、ゴールを決めたときの感じがでていますね。

ハッピィーさん(せさ/小3)の作文より(まや先生/4.1週)

 体そうクラブに行く時、心ぞうが、ドックンドッキンと、はちきれそうな音を出しました。(略)トコトコトコ、と思いっきり走り、ふみ板で、ピョンととんだら、できました。 (評:飛び箱のテストのようす。擬態語、擬音語をうまく使いました。)

ひめさん(とけ/小3)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 (ケーキのたねを)いれものにうつし、オーブンで30分ぐらいやきます。   そして/ひやせば/できあがり    評:一行ずつ、詩のように、そして・・ひやせば・・・できあがり、と書いたのを見ているとほんとうにケーキがさめるのがまちどおしくなってきました。

まほうつかいさん(とみ/小3)の作文より(洋子先生/4.1週)

 私は、七歳から一輪車をしています。それでもときどきうまくできなくなるときがあって「くそ−」と思います.評:上手になってもときどき自分の思うように車輪が動かないときがありますものね。途中のおもったことが正直に書けましたよ。

純太さん(ねあ/小3)の作文より(ひまわり先生/4.1週)

 まるで、ゴリラのような力で、タックルができます。(評)ラグビーをしているときの勇ましい姿をたとえることができたね。

友理絵さん(ああて/小4)の作文より(もとばと先生/4.2週)

 よしだ先生は4月にはいってきた先生で良く知りません。だからとてもやさしすぎます。わるいことをしても、ぜんぜん本川先生のようにちっぱになってほしいというきもちがないように、ぜんぜん本気におもってくれません。きびしいやさしさというのがありません。評:新しい先生は先生になりたてで、ベテランの前の担任の先生のようにはいかないようですね。とてもよく二人の先生の違いが観察できています。

まささん(あうこ/小4)の作文より(みち先生/4.1週)

 自分がこんなすごい力をもっているなんてすごいなとおもいました。評:こつこつ努力したことが芽を出してきたんだね。花を咲かせよう。

こあらこっこさん(あうみ/小4)の作文より(ミルクティ先生/3.3週)

 『習い事のバレエ』はっとり先生は、「みいちゃん、おしりがでているよ。そう、上手だね。」「せすじをのばして。」と、びしびしと、教えてくれてうれしいです。<評>先生がいっしょうけんめい教えてくださっている感じを、会話や「びしびしと」という表現で、うまく書けたね。

ザッカルさん(あおぬ/小4)の作文より(ひまわり先生/4.1週)

 「ホームランうってやる。」とぼくはじしんまんまんにいいました。(評)ホームランを打ってやるぞという意気込みが伝わってくるね。

一成さん(あおは/小4)の作文より(もとばと先生/4.2週)

 先生は背がややたかめです。顔は鈴木その子の半分の白さです。評:それってしろいの?くろいの?????

英真さん(あこち/小4)の作文より(はるな先生/4.1週)

 私よりボールを投げるのが強いおともだちといっしょに、キャッチボールをして、鉄砲の弾(たま)のように早くて強いボールを投げられるように、がんばって練習をいつまでもつづけていきたいです。わたしが、なぜ、こんなに強いボールを投げたいな、とおもったのかというと、私がドッチボールをしていて、取っても強いボールが、「ビューン」ととんできたので、・・・・・・(講評):ドッチボールをしていて、強い球がとんできたのをきっかけに、猛練習したことが、大変くわしくかきあらわせました。その理由が、実にわかり易く説明できました。以前、よわいボールしかなげられなかった、悔(くや)しさをバネにおかあさんの協力を得て、あなたが、よくがんばったおかげですね。たとえの表現がとてもよかったです。 

けろっぴさん(あちえ/小4)の作文より(ゆり先生/4.2週)

 ピカピカのしょくいん室の三宅先生のせきには、まるでじまんしてるかのように、午後のこう茶のペットボトルがすわっていました。評:ペットボトルもピカピカの部屋におかれてかがやいて見えたんだね。「すわっている」という言葉をつかったのが◎。よう君は、二点入れた後新井先生に、「二点相手にあげてもいいよ。」と、うちょうてんになって言ってしまった。評:”うちょうてん”なんていうむつかしい言葉をよく知ってるね。じょうずに使えているよ。

洸さん(あてす/小4)の作文より(洋子先生/4.2週)

 −略−音楽会のとき、ぼくは、緊張しすぎて手が思うように動かなくなって一回だけまちがえてしまいました。(評:音楽会で伴奏をしたときのことです。それまで先生の注意をよく守って、とても上手にひけるようになってきていたのですが、本番で緊張のあまりミスをしてしまったときのことが、正直に書けていました。)

淳一さん(あとは/小4)の作文より(洋子先生/4.2週)

 ときどき意地悪もされましたがいいともだちでした。評:去年の秋にてんこうしていったともだちを思い出しての感想です。モンスタ−の絵をじぶんたちでかいてカ−ドゲ−ムであそんだり、楽しい思い出がたくさんあってよかったね。男の子どうしですから喧嘩もあったり仲直りしたりと、いろいろあったことでしょう。いつかまたあえるといいね!

デインさん(あなゆ/小4)の作文より(ミルクティ先生/4.1週)

 『サッカー!』練習時間は一日、二、三時間です。この時間はみんなと楽しくやっているので、まるで、マッハ一のスピードのようにすぎていきます。<評>楽しい時間は、あっという間にすぎていくということを、おもしろいたとえで書けたね。v(^o^)

まなみっちさん(しあ/小4)の作文より(スズラン先生/4.2週)

 「大好きな先生」自己紹介の時、ピングーとたこやきが大好きで、たこやきは、さいこう60こ食べたことがあると言っていました。おこるとこわいけど、とってもやさしくてあかるい先生です。評:元気な楽しい先生の感じがわかりますね。

ケッピーさん(そゆ/小4)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 ゆっくりこいで、おいぬかしたとき・・まるでくう中を、こいでいたみたいな、かんじで、すらすらこげた  評:バランスがとれて、一輪車の動きにからだがついていったら、本当にこんな感じになりますね。初めて自転車に乗れた遠いむかしのことを思い出させてくれます。いい気持ちがつたわってくるたとえでした。

康平さん(てい/小4)の作文より(スズラン先生/4.2週)

 去年まで理科の先生だった田村先生がたんにんになりました。ぼくは友達といっしょにガッツポーズをして、とびはねました。評:とても嬉しそうな気持ちが出ていますね。

信長さん(あえほ/小5)の作文より(かつみ先生/4.2週)

 僕は石のようにものに動じたくないです。  評:そうだよね。いちいち一喜一憂していたら、身が持たないよね。

稔生さん(あきわ/小5)の作文より(みち先生/4.1週)

 まどのそとをみていると、いままで真っ暗だった海に、光の海岸線が見え始めました。(略)とてもきらきらひかっていました。まるで、上にも下にも小さな小さな光(星)がちりばめているみたいでした。(略)いままでこんなにもきれいできらきらががやいていて光っていたなんて思いも寄りませんでした。でも、こんなに言っても言ってもたりないくらい、いってしまうと、とてももったいないくらいきれいでした。ぼくは飛行機が着陸たいせいにはいるまでうっとりと感動していました。評:上空の星と七色の宝石を散りばめたような光の海岸線の美しさに、心をうばわれみとれた夢ごこちのようすをくわしく表現できました。住んでいる街の普段は見られない光景だから、なお感慨ぶかかったのでしょうね。

みかんさん(つろ/小5)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 シュートを入れた時、敵のチームは、悪まのような顔をしていたけど、私たちは、天使のような顔をしていました。評:読みながら、思わずふきだしそうになりました。ユーモア表現のナイスシュート。幸せ(天使)と怒り(悪魔)と対決ですね。それがいれかわるから、試合はおもしろいのでしょうね。

ホームズさん(なか/小5)の作文より(みち先生/4.1週)

 僕は、ボールをバシッと受け止めました。(中略)ドッチボールは、どっちのボールかわからない。そんなところが面白いのかもしれない。評:緊張感とユーモアが魅力だ。実感が伝わってくる音の効果を上手に使えたね。

マサさん(あうて/小6)の作文より(とこのん先生/4.1週)

 スポーツは人間にとって、心も体も成長することだと思います。 評:経験(野球)から導かれる言葉は、とても説得力があります。「心技体」こそ、スポーツの真髄ですね。

はみちゃんさん(あすよ/小6)の作文より(かつみ先生/4.2週)

 ちょっとした事件がこの時、幕を開けたのだ。評:なに何ナニ??って言う、好奇心がむくむくとわきあがってくるね。このほかにも、今回の作文にはたくさん、良い表現があったよ。さすがだね。はみちゃん!

しおりさん(あそと/小6)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 タイムがいっこうにのびない時だってある。そんな時とてもくやしくなる。「私だってちゃんとやっているのに。もっとがんばらなくちゃ。」そんな気持ちでいっぱいになり、他のことは考えなくなる。 評:どうしてもうまく行かない時、そのことで頭がいっぱいになりますよね。おとなになってもこういうことってあります。

宮淳さん(あたつ/小6)の作文より(もとばと先生/4.2週)

 普通の先生の怒り方は、音量は大きくてたいしてこわくもなんともない言葉ばかりですが、今の先生はちがって音量は小さくてむねにつきささるような言葉を2、3回言います。評:担任の先生の怒り方は本当に変わっていますね。

健太郎さん(あなそ/小6)の作文より(ミルクティ先生/4.1週)

 ところで試合はどうなったかというと、始まる前からきん張して、内臓がなくなりそうになりました。<評>一回目の「●ユーモア表現」は、ダジャレを軽く決めてくれたね。(^o^)

はるるさん(くあ/小6)の作文より(みち先生/4.2週)

 人間には、たぶん失敗をしたことのない人はいないと思う。だから、ドンマイ、ドンマイといいながら、生きていくのだ。評:言葉には力があります。たのもしいですね。あの打ったあとの快感がたまらない。(略)時間よ、止まってくれえええ。(略)励ましで言ったつもりらしいが、その言葉は、私にとっては逆効果となってしまったことを、彼女はしらないだろう。評:励ましがプレッシャーになってしまったほど緊張していて余裕がなかった試合のときの心のようすが良く書けています。

千秋さん(やお/小6)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 (ボールを)なげる人とキャッチする人が、にわとりがたまごにあなをあけるしゅんかんのように、いきがピッタリでないといけないからだ。 評:ポートボールのゴールは、ボールを受ける人と投げる人のタイミングが大切ですね。お互いの動きが一点でピッタリ合うことを、生き物のたまごがかえるしゅんかんにたとえてうまく表現しました。

健太さん(あうぬ/中1)の作文より(ひまわり先生/4.1週)

 日本の短所は、みんな同じような人ばかりということではなかろうか。(評)自分の長所と短所から、さらに広い視野で考えることができましたね。

魔法使いさん(あちほ/中1)の作文より(スズラン先生/4.2週)

 いろんな角度からその人をみていると、だんだん、この人のいいところはここなんだから、別に悪いところなんか見なくてもいいじゃないかと思う。だけど、それは違うのだ。相手を理解するためには、その人を知ることが大切なのだ。評:相手を受け入れるためには、その人の全部を受け入れることが大切なことのようですね。

匡さん(あなと/中1)の作文より(とこのん先生/4.1週)

 長所はないけど短所はあると答える人がいる。(略)長所がないと答える人は、自まんしていると感じられたくないという人なのであろう。長所や短所は人間には必ずある物だと思う。長所がないと答える人は自分で人間らしくないと強調しているのと同じだとぼくは思う。 評:自分の長所を自分自身で認めることは、長所を更に伸ばすために大切だよね。

優希さん(あなし/中2)の作文より(とこのん先生/4.1週)

 プラス思考に考えることは難しいことではあるが、それは長所を伸ばす一番の道具であると思う。 評:ほんとうにその通りだね。自分の長所を「良いところだ」と認める。ポジティブな生き方の秘訣かもしれません

淳さん(つか/中2)の作文より(みち先生/4.2週)

 「ねえねえ、そば屋ってここらへんのそばだよねー」評:楽しい会話が飛び出したね。そのときの雰囲気がわかるようです。それからだ、僕が体を動かすのが好きになり、どんなスポーツでもルールさえわかれば、楽しく運動ができるようになった。評:まず、やってみよう。決め付けないということだね。

UZI.SMGさん(そお/中3)の作文より(ミルクティ先生/3.1週)

 『ハト・トリの害について』昔、日本で、川を制した者が国を制するといわれていたそうだが、家康の利根川の治水や信玄堤などは有名である。やはり、名君は環境問題を制せねば、そうは呼べないのだろう。(略)特に、都知事選でも、そういった環境問題、せめて手始めにカラス問題を公約に入れて欲しいものだと思った。<評>そうか、鳩山氏の敗因はそこにあったのか!!(^^;

がっちゃんさん(てな/中3)の作文より(ふじのみや先生/4.2週)

 「大日本国憲法」から「日本国憲法」になってよかったと思えば、テレビ一台で不便になる。 評:私たちの、法律に対する認識の浅さを、さらりと鋭く表現しています。

正広さん(あのあ/高1)の作文より(せっぱ先生/4.1週)

 「だけど、短所を直さなくても大丈夫とは限らない。その事を頭に入れながら長所を伸ばしていくと一層良し。」評:長所と短所のうち、長所を伸ばして行くのが良いかと言う内容で、短所を直して行く事にも注意をしながら長所を伸ばすと言う表現は、文章のレベルを1ランク上げる良い表現ですね。

那津子さん(あなき/高3)の作文より(ふじのみや先生/4.2週)

 私自身の場合と家族、友人の場合では、私の意見は違ってしまう。こういう矛盾の生じる人がいるからこそ、脳死の方(かた)の臓器移植問題は、まとまらないのだと思う。評:難しいことばを用いなくても、自分なりの表現でしっかりとした意見を述べることができています。

  ホームページより 1999年4月4週号

 言葉の森のホームページには、インターネット経由で送信された生徒の作品が毎日更新されて載っています。小学5年生以上の人は、ホームページでほかの人の作文を読むと参考になると思います。

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名前:ぺー(中3)

題名:Artificial World, Artificial Word

 私達は、物事をある固定された視点から見る。しかし、認識が有限で一面的だと、ものの真相はよく見えない。このような認識を、別の視点に立つことにより、別の展望を開こうとする努力をレトリックという。レトリック感覚は発見的な認識には欠くことが出来ない上に、人をよく理解するためにも必要である。

 言葉をのべる上で聞き手の注意をひきつける方法は、多面的な事だという。たとえば、「雨は濡れるから嫌だ」という認識が私達の中にある。ところが、「雨は好きだ。辛いことを流してくれるから」と表現すると、聞き手は「おっ」と思う。最初の「雨は好きだ」の一言で、なぜこいつはあんなものが好きなんだろうと、興味をひかれる。そして、次の一文で、なるほど、そういう考え方もあるかと感心する。選挙の候補者が、「日本の政治を良くするには、まずネジの巻き方を変えねばならない!」と力説していたら、誰でもそれが何故か気になるだろう。お前の頭のネジでも巻きなおしてろ、と言いたくなるかもしれないが。多面的な視点から見ることは、このように新たな発見につながるために、文学の世界ではよく使われている。ちょいとひねった表現は、うけるものである。

 最近学校や会社などの社会で問題となっているのが、マニュアル人間の量産である。文字通り、マニュアルに書かれているような考え方や応答しかできない人間が増えている、即ち人間の認識がパターン化しているという現象だ。全員が全員一面的な、それもまったく同じ方向からの視点から見ては、新しい発見もなにもあったものではない。我々の社会は、ロボット化する一方である。

 現代の社会に必要とされているのは多面的な認識であり、多面的な思考である。新たな発見をすることにより、新たな一歩を踏み出す事が出来る。さまざまな角度から物事をみて、なおかつ自分を見失わない。そんな人間として生きていくことが、迫っている次の世紀を良いものとするために、必要なのではないか。

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最後の文章を見てニヤリとした人、

ミスチルを知っているね?

意味がわからない人、ミスチルの

イノセントワールドを聞こう(ぉぃ)

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