http://www.mori7.com/ 1999年8月4週号 通算第629号 mori7@mori7.com

言葉の森新聞

文責 中根克明(森川林)

    今週、8.4週は清書です

    8月30(月)31(火)日はお休みです

  来週、9.1週のヒント

   長文集は「課題の岩」に。http://www.mori7.com/mine/iwa/iiwa.html

   ヒントは「ヒントの池」に。http://www.mori7.com/mine/ike/iike.html

   みんなの作文は「作文の林」に。http://www.mori7.com/hayasi/ihayasi.html

 小学1、2年生 9.1週 じゆうなだいめい

 夏休みの思い出はたくさんできましたか。9.1週は、夏休みの思い出の中でいちばん印象に残っているものを書くといいかもしれませんね。

 小学3、4、5、6年生 9.1週 秋の虫

 そろそろ秋の虫の鳴く季節です。スズムシやコオロギを飼育している人も多いと思います。

 近くの公園で、材木や大きな石があったら、そっとどけてみましょう。コオロギがかくれているかもしれません。

 もっと計画的にやる場合は、小さいビンを一つ用意します。ビンの内側にマーガリンをぬってすべるようにして、ビンの中に煮干しやキュウリを入れておきます。草むらの土の中にビンのくちまで埋めて翌日見に行くと、あーらびっくり、カブトムシが落ちていたなんてことはありませんが、たぶんいろいろな虫がビンの中に入っているはずです。

 先生(森川林)も昔、コオロギをたくさんつかまえて、自宅の飼育箱に入れておいたら、夜中になってそのにぎやかなこと。部屋の中でコオロギが大合唱すると、うるさくてほとんど寝られないということがわかりました。

 中学1年生 9.1週 私は二十年ほど前から(感想文)

 「人間は自らを飼育化し家畜化する。現代は、その家畜化がペット化にまで進んでいる」という話です。

 野蛮人の場合は「おなかが空いたから食べようか」「眠くなったら寝ようか」という生活ですが、文明人の場合は、「おっ、もう12時だから昼ごはんにするか」「そろそろ10時だから寝ようか」と、社会のシステムに合わせて生活しています。どんなに暑い日でも「今日は、暑いから、学校にはフンドシ一丁で行くか」という人はいません。やはり普通の服を着て靴を履いてでかけます。しかし、こういうことが特に無理をせずに、社会から強制されているという意識なしに行われている、というのが家畜化の意味です。

 自己家畜化は、人間が社会生活を営む上で必要なものですが、これが極端になると、自分で自分の自由を縛るというストレスの多い生活を送ることになりそうです。時にはルールを無視して自由に生きてもいいのでしょう。

 長文実例は、8.2週「吉川のパスは」で、自分の思ったとおりに生きた著者の例などが入りそうです。名言は自分で探してみましょう。

 中学2年生 9.1週 視覚系は(感想文)

 視覚系は絶対座標を持たない、という話です。ものの大きさは、その絶対的な大きさではなく、相対的な大きさで認識されます。人間の脳がたとえば太陽の大きさを絶対的なものとして見ることができるとしたら、夕焼けを見るたびに、「ああ、今日も1億4900万キロメートル向こうの西の空に、直径140万キロメートルの太陽が沈んでいくなあ」と思わなければなりません。広い宇宙には、こういう認識の仕方をする生物がいるかもしれませんが、地球上ではたぶんいないでしょう。

 人間の認識が相対的なのは、その方が処理する情報量が格段に少なくて済むからです。

 みなさんが例えば好きな服を選ぶ場合も、Aの服の好みは65%で、Bの服の好みは78%だからBの服にしよう、などとは考えません。AとBを比べてみて、「あ、Bのほうがいいや」という選び方をするはずです。

 おはしで何かをつまむ場合も、右斜め前方80センチメートルのところに直径1センチの煮豆が一つあるから箸を左30度に直進させて、というロボットのような認識の仕方はしません。実際に箸を伸ばしてみてずれたら調整して目的のものをつまむという行動の仕方をします。

 こう考えると、正しい意見などというものも、自分ひとりで考えて絶対的な基準を見つけようとするよりも、ほかの人との話し合いの中で必要な修正を加えながら考えていったほうがいいと言えそうです。旧ソ連の計画経済が破綻したのは、消費生活のように個人の好みが複雑に絡んでいるものに対して市場の自由な調整を生かさなかったからだったと言われています。

 「視覚系は相対的だ」という話から進めて、人間の認識や行動における相対性の重要さということで考えていくと意見化しやすいでしょう。

 長文実例は、8.2週の「子供のころに道に」の地図の話などが使えそうです。

 中学3年生 9.1週 映画「地球交響曲」の(感想文)

 内容:「地球交響曲」のシナリオハンティングのためにラップランドの森を歩いた。森には多様な木々や虫や動物たちが一つの大きな生命体として生きている。この森の一員になるためには、蚊やブヨの大群も、森のシンフォニーの一つなのだと考えなければならない。

 解説:人間は自然の一員です。人間にとって都合の悪いように見えることであっても、大きな自然の流れから見れば必要なことなのでしょう。いつでも5月のような気候で、空は青く晴れわたり、庭にはきれいな花だけが咲いて、今日も明日も日曜日で、というような生活を求めるのではなく、雨も雨なりにまた楽しというような心境になることが大切なのでしょう。自然の一員として生きるということをテーマにして書いてみましょう。長文実例は、8.2週の「料理を趣味とする人が」の資源からの発想などが使えそうです。

 高校1年生 9.1週 およそ隣人間でもめごとの(感想文)

 内容:隣人間でもめごとがあった場合、日本では裁判に持ち込むようなケースは少ない。これは隣人間の問題が話し合いで解決するのが難しいということと、弁護士の存在が市民から遠いことによる。しかし、地域のコミュニティが崩れ、共通の社会ルールも少なくなり、調整のメカニズムも働きにくくなった現代社会では、裁判などの公的な解決の場を利用するのもやむをえなくなりつつある。

 解説:米国は契約と訴訟の社会だと言われています。日本の社会も、世界の基準に合わせて次第に契約や訴訟などを取り入れるようになりました。しかし、ドライな割り切り方は、ウェットな人間関係を重視する日本人にはやはり苦手なようです。「どうすべきか」というかたちの意見にして、そのための方法を考えていきましょう。

 長文実例は、法的なことだけではカバーできない分野があるという意味で、8.3週「もう一つの体験は」などの例が使えそうです。

 高校2年生 9.1週 もっとも肉食が(感想文)

 内容:ヨーロッパで肉食の比率が高いのは、耕地がやせていて飼料用の作物しか育たない土地が多いからである。日本では、麦類に比べてひとけた収穫量の多い水稲が穀物生産の主役であった。ヨーロッパ人にとって、肉食はぜいたくなのではなく、穀物生産の少なさを表わしているのである。

 解説:こう見てくると、日本の国土というのは、本当に恵まれているのですね。穀物生産に限らず、欧米の基準をそのまま日本に当てはめて、「日本は遅れている」という考えが以前はかなりありました。今はだいぶ少なくなっていますが、それでも「欧米ではこうなのに」という言い方はまだあります。

 先日、アメリカの格付け機関が、日本のトヨタの格付けを下げました。しかし、その理由が「トヨタはまだ終身雇用だから」というものだったので、多くの論議を呼びました。先生(森川林)のうちでも、小学生の子供がコーンフレークが好きで、「朝食にはケロッグ!」などとアメリカ人のようなことを言って食べています。このコーンフレークの箱の裏に、栄養素比較の円グラフがあって、かたや日本風のご飯と味噌汁とアジの開き、かたやケロッグコーンフレークの写真があり、なんと圧倒的にケロッグの勝ち。ほんとかいな。

 穀物生産のことに限らず、広く日本の文化を見直そうということで考えていくと、いろいろな実例が使えると思います。

 長文実例は、8.2週「伝統の根を持たぬものは」などかな。

 高校3年生 9.1週 現代の科学技術の(感想文)

 内容:通信手段の発達が、他の世界を身近にしたが、そこで接する他の世界は、他の世界のコピーである。

 解説:日本では、クーラーのきいた部屋で麦茶を飲みながら、「いやあ、やっぱり甲子園のグラウンドは暑いだろうなあ」と言っていられます。しかし、そこで見る暑さは頭で理解した暑さであって、決して体験した暑さではありません。甲子園でしたらまだ想像力が働きますが、これがボルネオのジャングルとかケニアの草原などになると、実感のもとになる体験自体がありません。映像で身近に見られるからついわかった気になるというのは、実は危ういわかり方なのかもしれません。

 しかも、情報メディアを通して得られる情報は、受け手にわかりやすいように加工されているおそれもあります。テレビで放映されるある地方の景色は、その地方の中でも最もその地方らしいところに絞られています。そのことがかえってその地方の本当の姿を見えにくくさせているかもしれませんが、受け手にはその情報が加工されているという意識はありません。

 大学生社会人 9.1週 身体はひとつの物質体で(感想文)

 内容:身体は物質体であるが、他の物質体とは異質である。あるときは私たちの行為を支えながら視野から消え、あるときは行為の妨げとして立ちはだかる。また、身体は皮膚という境界を超えて伸縮する空間を構成する。

 解説:デカルト以来の心身二元論では、身体は精神とは別の機械的な入れ物のように考えられていました。しかし、今、身体は単なる入れ物ではなく、精神にも影響を及ぼす特殊な存在とみなされつつあります。身体の復権という大きなテーマで考えてみるといいでしょう。

  光る表現コーナー(小1〜小4) 1999年8月4週号

あいさん(あねて/小2)の作文より(かつみ先生/8.1週)

 まるでうみがおばけのようでした。 評:こわいね。でも、しーーんとしたうみは、きっとちがうものにみえるよ。七月八日木曜日のことです。わたしが、おうちにかえってきたら、すず虫をもらいました。 評:くわしいかきだしがいいね。

ししさん(あふか/小2)の作文より(スズラン先生/8.1週)

 なつやすみにはいってから、まい日げんかんそうじをすることにきめました。・・略・・うちのげんかんはひろいし、そとはあついし、これがおわるとあせびっしょりになります。評:夏休みのお手伝いでがんばっていることがわかりますね。えらい!

あやぽんさん(ふれ/小2)の作文より(ゆり先生/8.1週)

 その日のひる間からおみこしのかけごえがきこえてきました。わたしはおみこしのかけごえがだんだん大きくなるにつれてその日のよるがまちきれなくなりました。評:楽しみなおまつりに、ワクワクするきもちがだんだん大きくなっていったんだね。あや子ちゃんのきもちがつたわってくるよ。

一休さんさん(わら/小2)の作文より(ひまわり先生/8.2週)

 休んでいるとき風が強くてまるでありの大ぐんが足をかんでいるようにすながとんできました。評:砂が足にあたって、ちくちくする感じがとてもよく出ていますね。

瑞季さん(てく/小3)の作文より(ゆり先生/8.1週)

 まず、おちゃわんの中にごはんをいれて、おちゃわんの中でコロコロします。それをラップの上にのせてギュッギュッとにぎります。そして、自分の思った形になったらラップをとって、のりをはって、できあがり。評:瑞季ちゃんは、とてもていねいにおにぎりをつくるんだね。分かりやすく書けているよ。

弘将さん(やあ/小3)の作文より(ゆり先生/8.1週)

 (作ったおにぎりが)しょっぱすぎて、ヒーヒーとあばれてしまいました。まるでしおを食べたようでした。評:あばれるほどとは、よっぽどからかったんだね!

加恵さん(られ/小3)の作文より(あかね先生/8.1週)

 今にもくずれそうなおにぎりを見て、お母さんは、ぷっとふきだすように、小さくわらった。たぶん、よほどへんな形をしていたのだろう。わたしも、よくわからなかった。(評)個性的な?おにぎりの形が、目にうかぶようだよ。

ポプリさん(あおえ/小4)の作文より(ゆり先生/8.1週)

 私は、小さいころからおにぎりが大好きだったそうです。うめぼしが入ったおにぎりでもへい気な顔でおいしそいに食べていたそうです。評:小さいころのことをお母さんに聞いて、うまくまとめてかけたね。すっぱいうめぼしがへいきなくらいだから、ホント大好きだったんだね。ごはんを食べたあと、そこ(海中水族館)に行って、イルカをさわりました。イルカは、横から私たちのことを、ちらっと見ました。イルカのあかもいっぱいとってあげました。評:イルカが「ちらっと見た」というのがおもしろいね。体はツルツルに見えるけど、やっぱり"あか"がついてるんだねえ。

ハムスターさん(あそみ/小4)の作文より(あかね先生/8.1週)

 もし、私がおにぎりになったら、ご飯が「いたいよー! さわんないでよー!」と言うと思います。(評)まるで、おにぎりが生きているみたいで、とってもユニークな表現だね。

テリーさん(あたや/小4)の作文より(かつみ先生/8.1週)

 まるで、プロが作ったみたいでした。 評:料理の鉄人にも出演できるかも!?

けろっぴさん(あちえ/小4)の作文より(ゆり先生/8.1週)

 「やっと山頂についたあ。」ぼくは、さけんだ。山頂だ。ついに山頂に登ったんだ。評:リズムの良い文ですね。その時の健太郎君のうれしさが手に取るようにわかります。

洸さん(あてす/小4)の作文より(洋子先生/8.1週)

 やっとできたぞと思って自分が作ったものと、お母さんが作ったものと比べてみたらお母さんのはピラミッドのようにきれいだけれど、ぼくのは、三角なんだか丸なんだかよくわからなくてぶかっこうです。まるでくずれた山のようです。評:二人のおにぎりを「たとえ」を入れてうまく比べてかけていますね。君もこれにこりずにこれからもときどきやってみましょう。お母さんみたいにうまくなれますよ!

寛史さん(あなに/小4)の作文より(洋子先生/7.4週)

 夕食のとき、僕たちは、お父さんにハムスタ−飼っていいとききました。「だれがせわするとや、ウンチのせわどうすっとや、何匹飼うとや、次から次ぎにふえるぞ」「ぼくが世話する」「ぼくも世話する」すかさずお兄ちゃんとぼく。「かごのなかでいっぴきだけかえばいいじゃん」ぼくたちは、言い返しました。その日の夜ご飯は、ハムスタ−を飼うか飼わないかでにぎわいました。評:お父さんの方言の入った会話。ポンポン飛び出す兄弟の会話。とてもリズミカルに和やかな生活の一場面がつたわってきますね。

ゆうちゃんさん(あにみ/小4)の作文より(ももんが先生/8.1週)

 巳之助の心を思うと、ぼくはなきそうになりました。巳之助は、きっぱりとランプのことをわすれて前向きに生きていこうと決心したから、ランプをわるという行動ができたのだと思いました。それくらいのことをしないとランプのことをわすれられないほど、ランプのことを大切にしていたのだと思います。評:主人公の気持ちがすうっとゆうちゃんの中に流れてきたんだね。何かを読んだ時に、きゅんと痛くなるほど気持ちをわかってあげられる心を持っているゆうちゃん。これからもそれを大切にしてあげてね。

すぎメカさん(あのも/小4)の作文より(かつみ先生/7.4週)

 「おじいちゃ〜ん。少林寺拳法は、四級になって毎週がんばばっているよ〜。」って、おじいちゃんに言いたいです。 評:おじいちゃん、「そうかそうか、よくがんばっているな。」とほめてくれますよ。

 でもおじいちゃんは、ぼくのことを見守っていると思います。 評:そうだよね。匠君の成長をずっと、見守っているよ。いけない事しても、見ているよ。

 しかしみそは「……」と、なにも言えなくなります。でもおいしいのです。 評:どんなかんじなんだろうなあ。……を知りたいなあ、そう言う気持ちにさせる文章だね。

慶彦さん(あふこ/小4)の作文より(ミルクティ先生/8.1週)

 「あー、カブトムシだ。」プールの帰りに、駅の近くのしげみを通ったらカブトムシを見つけました。<評>カブトムシを見つけた驚き、うれしさ、ワクワクする感じを、会話の書き出しで、うまく表現できたね。v(^o^

カヤケムさん(あまく/小4)の作文より(ももんが先生/8.1週)

 形を作るとき、四角になったり円になったり、三角になったりしました。(中略)ぼくは、自分で作ったおむすびが、一番おいしいと思いました。評:そうだね。形がちょっぴり変わっていても、やっぱり自分で作ったおむすびが一番おいしいよね。いいことに気がついちゃったね。

まなみっちさん(しあ/小4)の作文より(スズラン先生/8.1週)

 手に水をつけて、しおをつけて、ごはんを手にのっけて、ぐを入れて、「ギュッ、ギュッ」と、にぎります。評:すぐ食べてしまいたくなるような、おいしいおにぎりができそうですね。

康平さん(てい/小4)の作文より(スズラン先生/8.1週)

 「塩おにぎりをたべたいなぁ」と、ぼくは、おなかがすいたときに思います。塩おにぎりはぼくの大好物です。評:おにぎりが食べたくなるような書き出しでしたね。

直茂さん(ねさ/小4)の作文より(ももんが先生/7.3週)

 ぼくも大人になってこんなことがあったら、これ(この話)を思い出してみたいと思います。評:もしかしたら、直茂くんが大人になるころには、今の私たちがびっくりするような「新しいもの」がいっぱいできているかもしれませんね。楽しみ、楽しみ!

 

  光る表現コーナー(小5以上) 1999年8月4週号

美和さん(あきき/小5)の作文より(スズラン先生/8.1週)

 母が、三角形のおにぎりをにぎったので、私もできるかと思ってやってみた。そうしたら、三角ではなくて、へたくそな丸形になってしまったのだ。何回も何回も、母の手つきをまねをしたが、できなくて私はとてもくやしかった。評:初めてのおにぎり作りの大変さが伝わってきましたよ。

遊戯王さん(あたも/小5)の作文より(かつみ先生/8.1週)

 見かけは普通だが、中身が常識を超えている。 評:常識を超えた中身もたまにはいいよね!?

友世さん(あちか/小5)の作文より(きょうこ先生/8.1週)

  「おにぎりは、子供が簡単に楽しく作れて、好きな味付けができるので、食欲があまりない時でも食べられる。」 これこそ、子供たちがおにぎりを好きな理由だったんだね。すごい発見だね!

わたるさん(あにと/小5)の作文より(ふじのみや先生/8.1週)

 終わった時には、手がおにぎりの中の梅ぼしになってしまった。 評:赤くて、ちょっとふやけてしまったのですね。かじってみると・・?

孝明さん(あふの/小5)の作文より(はるな先生/7.3週)

 「アチーッ」アスファルトの地面が日光で熱くなっている。まるで、おこっているみたいだ。……なぜなら、今日は日照り。とても暑いし、水もぬるいからだ。(いいような悪いようなプール)より 講評:作文の中身を感じさせるように、よく、くふうして、題名をつけましたね。書き出しも、悲鳴と、たとえを上手に組み合わせて、印象的に、表現できました。「じごくのシャワー」が日照りで、ぬるく、「テンゴクシャワー」になって、本当によかったですね。

ナッキーさん(あうく/小6)の作文より(はるな先生/8.1週)

 「アッチッチ……パタオアタオアタバタバタ」今日のお昼はおにぎりです。。……しかしご飯が少し熱かったので、いてもたってもいられず、台所中バタバタ歩き回りました。「アッチッチおにぎり」より。 講評;「アッチッチ」と悲鳴をあげながら、ゆかりおにぎりをつくっているようすが、題名と書き出しにとてもうまく表現できました。いろいろと、苦労しながら、やっとできあがったおにぎりのおいしさは、格別だったことでしょう。

宮淳さん(あたつ/小6)の作文より(かつみ先生/8.1週)

 このダメージをエネルギーにしたら何個の発電所が動かなくていいんだろうか」と思う。 評:おもしろい発想だねえ。21世紀にはこういうものを利用した発電ができるかも??

恵子さん(あにあ/小6)の作文より(ふじのみや先生/8.1週)

 「ぐぅるるるるぅ…」という力なくひびいた音。情けないくらいに気のぬける音をだしたのは、他の誰のものでもない、私のおなかの音だったのだ。まるでおなかが私に、「何か食わせろ〜」だとか「何かくれぇ・・」だとか話しかけてくるような感じだった。しょうがないな、と思い・・(略) 評:私とおなかが別の人格になって戦っているようですね。それほどおなかがすいていた、ということね。

でこはげさん(かな/小6)の作文より(ひまわり先生/8.1週)

 おにぎりとは、人にしか作れないものである。機械には人間と同じようなおにぎりは作れないと私は思う。評:おにぎりを作る人の手のあたたかさが伝わってくるね。

まりりんさん(あなり/中1)の作文より(ふじのみや先生/8.1週)

 その時、夕焼けはオレンジ色でピカピカ光っていた。夕焼けは、私の方を見て笑っていたのかなあ。 評:夕焼けは、見る人の心を映し出すのかもしれません。きっと、「明日もいい日だよ」と、にっこり笑っていたのでしょうね。

武志さん(あひは/中2)の作文より(みきこ先生/7.1週)

 技術などは日本はすごいだろう。だけど問題は人の心なのだ。はたして看護する人が感情をこめてやっているか、障害者を軽蔑していないかをよく考えてみたい。(評)知らず知らずのうちに、自分と違う人とか、体が不自由な人とかを軽蔑してしまっているのではないか、と考えさせられました。表面だけではなくて、心の中の問題までをきちんと考えているのは本当にすごいことだと思うよ。

AE86さん(えや/中3)の作文より(かつみ先生/8.1週)

 最近よく聞く中学生などの未成年による犯罪も、ゲームなどの影響で「傷つけること」があまりにも身近になってしまった、そのために、それがどんなに恐ろしく残酷なのかということがわからずにそのような事件を起こしてしまうのだろう。…(中略)…最近あった事件でいうと「ANAのハイジャック事件」だろう。 評:社会問題と身近な問題が出ていていいね。これに個性的な体験がプラスされると、ぐっと内容が広がるよ。技術からの発想で色々なことを克服してから、資源からの発想に切り換えれば良いのではないか 評:その通り。さすがだね。

かずとしさん(しへ/中3)の作文より(かつみ先生/7.2週)

 私はこの文章を読んで三つの知識を得た。 評:知識を得た、という表現がいいね。

馬のしっぽさん(はり/中3)の作文より(ももんが先生/7.3週)

 大切なのは中身の充填率であって外見ではないはずだ。評:短い文章で、簡潔に自分の意見を表しています。まさに、馬のしっぽさんが感想文の題名に採用した「シンプル イズ ザ ベスト」ですね。中身を充填する先の、自分自身のキャパシティについても広げていきたいですね。

綾子さん(ふあ/高3)の作文より(とも先生/7.2週)

 これからもっと点数化されていったら、「〜をやりたい」という気力も、楽しく生きたいという熱意も、きっと薄れていってしまうような気がする。・・・中略・・・教育には知識を身に付けるためにも評価は必要であるが、熱意を失わせかねない評点は不必要であると私は思う。・・・評:予測問題の主題と結びの意見がしっかりと書けているね。

仁彦さん(ふえ/高3)の作文より(ふじのみや先生/8.2週)

 集団に同調することを第一とするのではなく、集団のためにも個人的な意見を戦わせるべきである。 評:集団のために、というところがポイントですね。それを他の成員にいかに理解させるかが難しい。