■Kotobanomori 2000/06/02 №667■
TEL0120-22-3987 FAX0120-72-3987
■言葉の森新聞
文責 中根 克明(森川 林)nane@mori7.com
■森のカレンダーにみんなの誕生日
●教室風景もときどき載せます
ホームページの森のカレンダーに、先日アンケート葉書でご連絡いただいた誕生日を掲載しています。
ペンネームと生徒コードしかわかりませんが、ほとんどの人が載っていますので、知っている人どうしであれば、「あ、今日は○○さんの誕生日だ」とわかると思います。
このカレンダーには検索機能もついていますから、探したい人の生徒コードをローマ字で入れると、その人の誕生日が検索できます。
↓森のカレンダー
http://www.mori7.com/sky/cal/calall/wscalall.cgi
また、森のカレンダーには、そのときどきの教室の風景も載せています。通信の生徒はひとりで勉強していると退屈になるときもあると思います。そういうときは、このページを見て、教室の風景を想像してください。(想像するだけですが
^_^;)写真はプライバシーの問題があるので、小さいサイズのものしか見られないようになっています。その教室その曜日の生徒にだけ教えたパスワードで、大きいサイズのものも見られるようになります。
■生徒の畑に投票ランキング
●(一ヶ月内の同じ人への投票は無効に)
みなさんの清書は、ホームページの生徒の畑に、毎月末に更新して掲載しています。
この生徒の畑に、山の便りに載せている学年別の毎週の投票ランキングを全学年分載せるようにしました。
投票の仕組みは、次のようになっています。
みなさんの毎月の清書が、毎月1回掲載されます。ほかの人に投票すると、その人と自分に1票ずつ入ります。自分に投票すると、自分だけに1票が入ります。同じ月に同じ人が2回掲載されることはありませんので、同じ月に同じ人への投票が2回あると、2回目以降は票の数には入りません。
< 印刷物には、3ヶ月前の清書が掲載されていますが、ホームページには2ヶ月前の清書が掲載されています。(ホームページには現在4月末の清書が掲載されています)
オンラインで作文の勉強をしている人は、このホームページの清書を見て投票することができます。
↓生徒の畑
http://www.mori7.com/sato/ihatake.html
■来週6.3週のヒント(小1−中1)
●小1・2 6.3週 自由(じゆう)な題名(だいめい)
九州地方(きゅうしゅうちほう)は、つゆいりしたそうです。これから日本中が雨の季節(きせつ)になります。
おもてであそべないときは、いえの中でたのしくあそびましょう。マットレスをつみかさねて、ひみつきちをつくったり、そのひみつきちの中でおかしをたべたり、お母さんにおこられたり、いろいろたのしくすごせそうですね。
りょうりをつくったり、じっけんをしたりするのもおもしろいものです。
インターネットに理科実験のページがあります。↓
http://www.edu.ipa.go.jp/mirrors/rika/JKEN/chem.html
ここにあるスライム作りの原料(げんりょう)は、スーパーや薬局(やっきょく)でかんたんにかうことができます。うちの中で、テレビゲームなどをしていないで、自分の手でいろいろなものをつくってあそんでみましょう。
●小3 6.3週 遠くへたびをする鳥(感)
そろそろツバメの季節になります。あの小さい体で、遠い南の国からはるばる海をわたって日本まで飛んでくると考えると不思議な気がしますね。旅をする鳥のことを図鑑などで調べて書いてみましょう。
渡り鳥には、ツバメやカッコウのように春に日本に来て秋に南の国に帰る夏鳥と、カモやハクチョウのように秋に日本に来て春にシベリアなど北の国に帰る冬鳥と、シギやチドリのようにシベリア地方とオーストラリアを春と秋に移動する途中で日本を通過していく旅鳥があります。
渡りをする原因はまだよくわかっていませんが、季節の変わり目には、地域によって膨大な数の昆虫が発生します。ひなを育てるのに、この昆虫の発生を利用しているという考えもあります。また、鳥というものはあまり天敵がいないので、自分たちの種を強く維持するために渡りという試練を利用しているという考えもあります。
最も長距離を渡る鳥として有名なのはキョクアジサシです。毎年、北極と南極の間、16000キロメートルを移動しています。もしかすると、ただ飛ぶのが好きだから渡りをしているのかもしれませんね(笑)。
似た話は、長距離のランニングをしてくたびれた話などが書けそう。
軒先にツバメが巣を作っているのを見たことがある人は、そんな話を書いてもいいですね。
●小4 6.3週 怪我の功名(けがのこうみょう)(感)
失敗したと思っていたら、それがかえっていい結果につながったという例をさがしてみましょう。高学年になると、ある程度、過去の出来事を思い出して書く力がついてきますが、中学年のうちはまだ過去を思い出す力があまりありません。おうちの方が「ほら、むかし、こんなことがあったでしょ」と話してくださるとよいと思います。
例としては、学校にかさをおきわすれてきたが次の日学校に行ったら帰りに雨がふってきたので「昨日、かさをわすれておいてよかったなあ」というようなことが考えられます。けがをしてどこにも遊びに行けなくなったので、お母さんがゲームを買ってきてくれた、というような話もありそうです。いろいろ思い出してみましょう。
●小5 6.3週 コオロギは「リーリー」と(感)
内容:(1)コオロギの声は、日本人には美しく聴こえるが、ヨーロッパ人には雑音として聴こえるといわれている。(2)アオマツムシの声も、帰化昆虫だということを知ってからうるさく聴こえるようになった。(3)知識や習慣は、ものの見方を変える。(4)自分のものの見方や考え方が絶対のものだと思わないことが大切だ。
解説:先入観でものを見てしまうという例など。例えば、「あの先生こわいんだよ」などと人から教えられると、会う前から、その先生がこわそうに見えるということがあります。歴史上の実例では、天動説と地動説などの話も書けそう。知識がものの見方を変えるということですね。
反対意見の理解は、「自分が正しいと思ったことを主張することも大切だが」というところ。「自分のものの見方が絶対だと思わない」という謙虚さは大切ですが、その考えが行き過ぎると、「人は人、自分は自分」という関わり合いのない社会になってしまうこともあるからです。
ことわざは、「88、たで食う虫も……」「92、長所は短所」「16、井の中のかわず……」「119、百聞は一見にしかず」などが使えそう。
●小6 6.3週 先日、日本産トキの(感)
ロスアンゼルスでは、カマキリをつかまえることが禁止されています。数が少なくなったのでカマキリが絶滅しないようにしているのです。「えー、うっそー」と思わず言ってしまいそうな話ですね。でも、日本でも、カマキリ以外のほかの虫や鳥や生き物で、昔に比べて数が激減しているものがあります。
お父さんやお母さんに、昔と今とで身近に見られる虫の種類がどんなにちがってきたか聞いてみましょう。お父さんなどは、「昔は、オニヤンマもいたし、コウモリもいたし……」と、いろいろな話をしてくれると思います。
先生(森川林)の兄が子供のころ、カマキリの卵を見つけてきて、それを引き出しの中にしまっておいたことがあります。しまったことをすっかりわすれて、しばらくしてから引き出しを開けたら、中からカマキリの子供たちが雲がわくようにどっと出てきました。あとは部屋中カマキリだらけで表に出すのが大変。日本ではまだしばらくはカマキリを絶滅しそうにありません。みなさんもカマキリの卵を引き出しにしまってわすれることのないようにね。
●中1 6.3週 落ちて来たら(感)
内容:(1)「落ちてきたら」の詩(黒田三郎)のよさは「願いごとのように」の比喩にある。(2)二つの異なるものを結びつける比喩はものごとをわかりやすくさせる。
解説:そのまま、比喩の大切さで書いていくとよいでしょう。もっと一般化して、異質なものを結びつけることの大切だと考えてもいいかもしれません。比喩は、ものごとをわかりやすくさせるという効果がありますが、この比喩とは対極にある、もうひとつのわかりやすさの工夫がデータなどを駆使した説明ということになるでしょう。「体重120キロの人」という説明と「お相撲さんのように大きい人」というのと、どちらの表し方にもそれぞれよいところがあります。
名言は、比喩は自分で新しく創造するものだという意味で、「74、もともと地上に道は……」。同じく、「75、問題とはそこに……」。また、長い説明よりも簡潔な比喩のほうが難しいという意味で、「67、短いスピーチが……」などが使えそうです。
■来週6.3週のヒント(中2以上)
●中2 6.3週 「科学における発想と論理」(感)
科学の本などを読んだり、数学の証明問題を解いたりしていると、世の中にある知識はすべて「AがBだから、CがDとなって……」と論理的な思索の結果生まれてきたような印象を持ちがちですが、偉大な発明や発見のほとんどは偶然の思い付きによるもののようです。ニュートンの万有引力の発見も、X線の発見も、狂犬病ワクチンの発明も、どれも偶然見つけられたものばかりです。
結果という外側だけを見ていると、外側がすべてであるかのように思いがちですが、実はその内側に見えない本当のきっかけがあるということです。論理よりも直観、数値よりも実感というふうに主題化してもいいでしょう。
似た例を探してみると、「孔雀の真似をしたカラス」などが使えそう。また、「花咲かじいさん」が飼っていたシロを使って自分も大判小判を掘り当てようとした欲張りじいさん。「こぶとりじいさん」の真似をしてこぶを二つももらってしまったよくばりじいさん、なども考えられそうです。
●中3 6.3週 現代では学術研究の場において(感)
解説:偏差値をもとに、医者になることを決めた学生が、その発想のまま将来医者になったとしたら、人の痛みを分かる気持ちは持てないかもしれません。また、町医者は風邪でもけがでもなんでも診療してくれるが、専門科医は、専門以外のことは診療できないというような例も考えられるでしょう。最近のニュースを見ていると、政治家・官僚・金融界の一連の不祥事は、接待やカラ出張、ヤミ献金をおかしいと感じない常識の欠如にあるようです。
意見は、専門よりも広い教養をという意見で。科学者の社会責任として、核兵器を作れる科学者は同時にそれがどういう場面で使われるかにも関心を持たなければならない、というような例が考えられるます。ノーベルは、科学者であるとともに、社会的視野も持っていたので、ダイナマイトが戦争で使われることに心をいためました。これからはそういう視野の広さ=教養が必要ということで書いていくと書きやすいでしょう。反対意見は、専門家として一つのことに専念し、深く追求していくことも必要だがというところ。
名言は、「7、家の批評ができるのは……」「28、辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である」「71、名医という言葉があるかぎり、医学は科学ではない」「88、私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある」など。
●高1 6.3週 要するに、一九八〇年代に(感)
「産業革命以来の技術革新は、物財の量的増大を求めるもので数値化が可能なものであった。しかし、今進行している知価革命は、本質的に数値化が不可能なものである」というのが長文の主旨です。
具体的な例を考えながら、知価社会に対応できない旧来の価値観を問題点としていくといいでしょう。
例えば、絵画などの芸術作品は、使った絵の具の量や描くのにかかった時間で値段が決められるわけではありません。今日の社会では、多くの商品がこの芸術作品のような性質を持ちつつあります。
モノそのものが不足していた時代には、おなか一杯食べられればなんでもいいとか、寒さをしのげればどんな服でもいいという考えが主でした。こういう考えが大量生産の基礎となった価値観です。
しかし、今は、自分の気にいったものでなければ、タダでも要らないという考えの方が多くなっています。この「気に入る」ということは数値化できません。最近ヒットした商品などをもとに考えてみましょう。
●高2 6.3週 井戸端園の(感)
お茶は、花に栄養をまわさないことによって葉に栄養を蓄積するような仕組みにしているようです。チューリップでも、いい球根をとるためには、花が咲いたとたんに花のところだけ切りとってしまわなければなりません。
話は飛躍しますが、人間でもあまり若いうちから花を咲かせてしまうと肝心の蓄積が足りなくなるということが考えられそうです。
昔話の「ウサギとカメ」なども、似た例として考えられそうですね。
●高3 6.3週 このように、一七世紀から(感)
解説:ダーウィンの進化論が社会思想に果たした役割はかなり大きなものでした。適者生存という考えは、わかりやすかったので、それをそのまま人間社会にもあてはめようとする傾向がさまざまな分野で見られました。しかし、適者生存という考えを推し進めると、牛や馬の品種改良のように、人間も品種改良していくということになりかねません。
ダーウィンの進化論に対する批判としては、今西錦司の「すみわけ理論」が有名です。もし、最適者だけが生き残るのだとしたら、地球上にはいちばん優れた一種類の動物と植物だけが残ることになってしまいます。優れたものも劣ったものもさまざまな種類の生き物がお互いに助け合いながら(または食べ合いながら)生きているのが自然界の実態ででしょう。今西錦司はまた、進化は、優れたものが劣ったものを淘汰することによって起こるのではなく、種の存続の危機に遭遇した種全体が「いっせえーのせ!」で進化するという仮説も立てています。
ダーウィニズムを社会に適用することの是非について考えてみましょう。
●学社 6.3週 英会話重視はよいが(感)
内容:英会話重視はよいが、教科書で会話がうまくなるのは不可能に近い。文脈に従って文法的に正確に本を読み、英作文をつくるという伝統的な勉強を見直すべきだ。確かに、自分は英語がよくできると思っていた人が、アメリカやイギリスへ行ったときに、英会話が通じず大きなショックを受けることはある。ところが日本の難しい大学入試英語ができた人は、一年ぐらいアメリカにいると、突然、英会話も英作文のレポートもできるようになり、今度はアメリカ人の教授のほうが大きなショックを受けるのである。
解説:いまの中学の英語の教科書は、会話がかなり多くなっています。しかし、そのためにかえって中学生の英語力が低下しているようです。英会話は英語に親しむきっかけとしてはいいのかもしれませんが、やはり勉強として取り組まなければ力はつきません。
小学生のころに英会話スクールに通う人も増えています。決して悪いことではありませんが、それがそのまま中学生以降の英語の学力に影響するかというと、そういうことはまったくないようです。
また英語の指導に携わる人は、ほぼ異口同音に、英語の前に日本語の読み書きをしっかりできるようにすることが大切だと述べています。
英語教育は、これからますます大切になってきます。それだからこそ、枝葉に目を奪われず本質を見ていくことが必要になるのでしょう。
■光る表現(小1−小3)
2000年6月2週号●ミニパンダさん
(あもろ/小2)の作文より(ミルクティ先生/5.4週)『クラスみんなのきんぎょ』きんぎょはにんきなので、はいくをつくってみました。「きんぎょさん なんでそんなに もてるのかなぁ」 ちょっとおもしろいとおもいます。<評>人気者(にんきもの)の金魚に、ミニパンダさんのきもちが、よりそっていて、すてきな俳句ですね。☆ミニパンダさんは、清書のときに、ただうつすだけでなく、いろいろ書きなおしたり、書きたしてくれるので、読むのが とてもたのしみです。(^o^)
●奈歩さん
(あさわ/小3)の作文より(みち先生/5.2週)「ねえ、これ買ってよ」とわたしがほしそうに、お母さんを見つめると、評:〜そうにの表現がじょうず。
●瑛世さん
(いいこ/小3)の作文より(ゆり先生/5.3週)これを読んでインドはかわった国だなと思いましたが、それはわたしがインドの人ではないからそう思うんだと思います。評:ほかの国から見ればふしぎなことも、その国の人にはあたりまえ。そんなことがたくさんあるんだよね。おもしろいね。
●えりさん
(あなふ/小4)の作文より(ももんが先生/5.3週)(おうちでとれたサクランボを食べたときの味の表現)あまさと、すっぱさが、口の中に広がって、目をつぶると、くだ物の山が、目の前にあるみたい……。「ん〜おいしーい! もっとたべたいぐらいだよっ」(あーあと、二百こぐらいほしいよー)【評:「あーん、おいしそう!!」と、よだれが出ちゃいそうでした(;^_^A しつれい!)。とてもいいたとえですね。】
●玲奈さん
(あらろ/小4)の作文より(洋子先生/5.3週)お友達とプ−ルへ行った時のことです。お友達は、遊ぶ時間が少なくなると言って(お父さんに私も一緒に行くからと言って)車で行きました。———ところが、渋滞で歩いてきた人のほうが早いのです。歩いていけば十五分くらいのところなのに、車では、三十分ぐらいになってしまいました。「こまったなぁ」渋滞のなかおともだちのおとうさんは、何回もそのことばを繰り返していました。評:急がばまわれの感想文のにたはなしです。いいおはなしがおもいだせました。お父さんのことば「こまったなぁ」をよく聞き取ってうまくいかして書けていましたし、後に続く「渋滞のなかお友達のお父さんは、何回もそのことばを繰り返していました。」がさらにその場の雰囲気をよく伝え、とてもよかったです。学校が終わるとすぐ私は、新幹線のようにヒュ−と家を飛び出して行きました。公園には、二、三人の男の子たちがもう集まっていました。評:秘密基地をつくるためにみんなで公園に集合したときのことです。「たとえ」を使って一秒でも早く行きたいとはやる気持ちをうまく表現できていましたね。
●知尋さん
(あえな/小6)の作文より(みち先生/5.2週)「ぴったりだ」という言葉がない点では、「帯に短し、たすきに長し」というのがいちばん日本語を表す言葉にぴったりだということだ。(あれっ?これはぴったりの言葉があったぞ。)評:語彙の豊かさがぴったりの表現に。思わず気づいて喜ぶ知尋ちゃん。うまくまとまったね。
●ヘノチャさん
(けら/中1)の作文より(みち先生/5.1週)私の今まで描いてきた絵は、客観的に見れば、ちっぽけな物かもしれないが、思い出のつまったこのファイルに私は値段などつけることはできない。(中略)思い出ぶかいもの、人にもらった物は、その人だけの価値があると思う。評:大切に守られた小さい時の作品を押し入れから出して、タイムカプセルを開いたように感動したことを、豊かに展開しています。
●たこ星人さん
(こむ/中3)の作文より(きょうこ先生/5.3週)『今は社会は、生徒(情念)「ここを受けたいな。」先生(理性)「君の偏差値だと難しいかな…。」生徒「でも、僕、やってみたいんです!」先生「…・でも難しいぞ、君ぃ。」…・・というように理性が情念にブレーキをかけすぎるようになってきている。』ははははは。ウォント(情念)とニーズ(理性)のお話を楽しい会話で表現してみたんだね。ちょっと分かりにくかったかもしれない話が、こうするとものすごく楽しく理解できてしまうね☆
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