KotobanomoriNo.680
■言葉の森新聞
2000年9月3週号
文責中根克明(森川林)
■連絡
9/15(金)9/23(土)は、休み宿題
9/15(金)9.3週と9/23(土)9.4週は、教室は休みです。担当の先生からの電話もありません。自宅での宿題としてその週の課題をやっておいてください。
通学の人は別の日に教室に来てもいいです。通信の人は別の日に教室に電話をして説明を聞いてもいいです。(電話の時間は平日午後4時〜午後8時、土曜午後2時〜午後5時)
■教育
インターネットのマイナス面にどう対応するか
子供とインターネット
インターネットを子供が自由に使えるようにしたときに、いちばん大きな問題となるのは、メールやチャットのやりすぎです。うちの子がそうです(笑)。
しかし、これは新しいメディアが登場するときには、いつでも起こってきたことです。テレビが普及しはじめたころ、テレビ漬けになった人がいました。うちのおじいちゃんがそうです(笑)。
ゲームもチャットもそうです。私はチャットに熱中するほどの世代ではありませんでしたが、「ゼルダの伝説」や「ファイナルファンタジー4」などのゲームには、一時燃えました。ずっとさかのぼれば、メンコやベーゴマも同じようなものだったはずです。メンコやベーゴマの世代となると、その子供は今は高校生ぐらいでしょうか。
新しいメディアが登場するときは、その新しいものが持つ先進性とその新しいものが持つ退廃性が分かちがたく結びついています。古い世代も新しい世代も、その区別ができないので、古い世代はその新しいことになかなか口出しができません。下手に口出しをすると、「お父さん、フルイ」などと言われそうな気がしてしまいます。しかし一方、新しい世代は、新しいことをやっているつもりで、実は古い退廃的な部分の魅力に熱中していることが多いのです。
昔も今も、大切なことは変わりません。価値あることは困難な努力を通してしか手に入らないということです。ですから、親はそのことをきちんと子供に伝える必要があります。「メールやチャットはいくらしてもいいが、それはあくまで人生の余技であって、本当に大事なことは読書や勉強や勤労である」ということをです。
しかし、一方的にゲームを禁止したりインターネットに接続できないようにしたりするのでは、芸がありません。誘惑に陥りやすいことであればあるほど、禁止するという方法ではなく、免疫をつけるという方法で取り組むべきでしょう。ゲームもインターネットもオートバイも、子供からの要求がある前に、親から与えるほうがいいと思います。ただしそのときに、親に一定の方針があるということが必要なのだと思います。
■連絡
図書の郵送貸出を廃止、情報提供を中心に
10月の新学期から図書の郵送貸出を廃止し、図書に関する情報提供を中心にするかたちにしていきたいと思います。
情報提供の具体的なやり方は、(1)そのときどきの良書の紹介(2)良書の要約や抜粋の提供(3)インターネットでの質問感想コーナーの設置などです。
貸出図書の歴史をさかのぼると、最初のころ、図書はその学期の長文集のもとになっているものを毎学期1冊渡すというかたちでした。しかし、中に「既にその本を持っているから別のものにしてほしい」というケースがあり、その際のやりとりが煩雑であったので、貸出をして返却するというかたちにしました。
かし、貸出返却でも同じような問題は残り、「送ってもらった本が家に既にあるので、別のものにしてほしい」という連絡があった場合は、個々に相談して対応していました。また貸出にすると、返却を忘れてしまう人が多く、未返却件数が多くなりました。
これらの問題を解決するために考えたのがインターネットの利用です。ホームページに「貸本市」というコーナーを作り、教室に現在どういう本があるかわかるようにし、希望する生徒にあらかじめプリペイドカード方式で送料を送ってもらい、希望に応じて何冊でも図書を貸出するという方式を考えました。この「貸本市」は既に試運転が終わり、あとは教室の図書のデータを入れるだけで使えるようになっています。
しかし、現在、図書をめぐる環境は豊かになっているので、言葉の森が独自に図書を貸出する意味はうすれてきたようです。
言葉の森の近所にも数件の古本屋さんがあり、そこの1件に先日立ち寄ると、一時ブームだった「脳内革命」が百円で十冊ほど置いてありました(土日には50円になるそうです)。今話題になっている「ハリーポッター」などは、図書館で貸出の順番待ちになっているところもあるそうですが、しばらくするとやがて古本屋さんにも並ぶようになると思います。また公立学校の図書室を利用した市民図書の貸出も増えています。更に、インターネットを利用した図書の購入も気軽にできるようになり、セブンイレブンやヤフーのように送料をサービスで無料にするところも出てきました(ヤフーは9月のみ)。また、青空文庫<http://www.aozora.gr.jp/>などでは、既にテキスト化された本を無料で配布していますし、大手の出版社も図書のデジタル化を協同で進めています。
こういう状況を見ると、郵送返却の手間をかけて不十分な図書貸出を行なうよりも、どういう本を読めばいいのか参考になるような情報を提供するほうが重要になっているのではないかと思いました。
9.3週の光る表現は、9.4週の光る表現と一緒に掲載します。
9.3週「山のたより」には7月からの講評を全部掲載しています。ランキングはありません。
言葉の森の推薦図書一覧表
これらの推薦(貸出)図書一覧表の原案は10年以上前に作られたものですので、絶版になっているものもあります。今後新しい図書を入れて、推薦図書一覧表を更新していく予定です。
なお、ご自宅に言葉の森の貸出図書が残っている場合は、返却用封筒をお送りしますのでご連絡ください。
書名 |
著者名 |
発行所 |
A小学校低学年以上 |
||
日本むかしばなし(一) |
坪田譲治 |
フォア文庫 |
ジャムねこさん |
松谷みよ子 |
大日本図書 |
イソップ童話 |
イソップ |
講談社青い鳥文庫 |
1ねん1くみ1ばんワル |
後藤竜二 |
ポプラ社 |
エルマーのぼうけん |
ガネット |
福音館 |
びりっかすの子ねこ |
ディヤング |
偕成社 |
世界ふしぎめぐり1年生 |
渋沢青花 |
偕成社 |
ちいさいモモちゃん |
松谷みよ子 |
講談社青い鳥文庫 |
三月ひなのつき |
石井桃子 |
福音館 |
いやいやえん |
中川李枝子 |
福音館 |
もりのへなそうる |
渡辺茂男 |
福音館 |
くまの子ウーフ |
神沢利子 |
ポプラ社文庫 |
ねしょんべんものがたり |
椋鳩十 |
フォア文庫 |
くしゃみくしゃみ天のめぐみ |
松岡享子 |
福音館 |
ただいま70ぱ |
岩崎京子 |
金の星社 |
ぽけっとにいっぱい |
今江祥智 |
フォア文庫 |
ふしぎなかぎばあさん |
手島悠介 |
フォア文庫 |
おばあさんのひこうき |
佐藤さとる |
小峰書店 |
泣いた赤おに |
浜田廣介 |
フォア文庫 |
世界ふしぎめぐり2年生 |
渋沢青花 |
偕成社 |
ながいながいペンギンの話 |
いぬいとみこ |
岩波少年文庫 |
北極のムーシカミーシカ |
いぬいとみこ |
フォア文庫 |
クワガタクワジ物語 |
中島みち |
筑摩書房 |
いたずらわんぱくものがたり |
椋鳩十 |
フォア文庫 |
ぼくは王さま |
寺村輝夫 |
フォア文庫 |
B小学校中学年以上 |
||
大どろぼうホッツェンプロッツ |
プロイスラー |
偕成社 |
二死満塁 |
砂田弘 |
ポプラ社 |
ほらふきうそつきものがたり |
椋鳩十 |
フォア文庫 |
ちびっこカムのぼうけん |
神沢利子 |
フォア文庫 |
シートン動物記(1) |
シートン |
フォア文庫 |
エジソン |
崎川範行 |
講談社火の鳥文庫 |
世界ふしぎめぐり3年生 |
渋沢青花 |
偕成社 |
クマのプーさん |
ミルン |
岩波少年文庫 |
モグラ原っぱのなかまたち |
古田足日 |
あかね書房 |
日本民話選 |
木下順二 |
岩波少年文庫 |
チョコレート戦争 |
大石真 |
フォア文庫 |
はずかしかったものがたり |
椋鳩十 |
フォア文庫 |
チョコレート工場の秘密 |
ロアルド・ダール |
てのり文庫 |
魔女の宅急便 |
角野栄子 |
福音館 |
野ばら |
小川未明 |
講談社青い鳥文庫 |
宇宙人のいる教室 |
さとうまきこ |
フォア文庫 |
龍の子太郎 |
松谷みよ子 |
講談社青い鳥文庫 |
ギリシアローマ神話(上) |
岩波少年文庫 |
|
生きものばんざい |
吉原順平 |
フォア文庫 |
長くつ下のピッピ |
リンドグレーン |
岩波少年文庫 |
川は生きている |
富山和子 |
講談社青い鳥文庫 |
だれも知らない小さな国 |
佐藤さとる |
講談社青い鳥文庫 |
海底二万海里 |
ベルヌ |
福音館 |
古事記物語 |
福永武彦 |
岩波少年文庫 |
キャプテンらくにいこうぜ |
後藤竜二 |
講談社青い鳥文庫 |
小さい小さいこいものがたり |
椋鳩十 |
フォア文庫 |
キャプテンはつらいぜ |
後藤竜二 |
講談社青い鳥文庫 |
C小学校高学年以上 |
||
二人のイーダ |
松谷みよ子 |
講談社 |
最後の一葉 |
O・ヘンリー |
フォア文庫 |
大造じいさんとガン |
椋鳩十 |
偕成社文庫 |
クレヨン王国十二か月 |
福永令三 |
講談社青い鳥文庫 |
冒険者たち |
斉藤惇夫 |
岩波少年文庫 |
ライオンと魔女 |
ルイス |
岩波少年文庫 |
道は生きている |
富山和子 |
講談社青い鳥文庫 |
ドリトル先生アフリカ行き |
ロフティング |
岩波少年文庫 |
人間・野口英世 |
秋元寿恵夫 |
偕成社文庫 |
ファーブル昆虫記 |
ファーブル |
講談社青い鳥文庫 |
日本の歴史を変えたできごと |
岡本文良 |
旺文社 |
世界の歴史を変えたできごと |
岡本文良 |
旺文社 |
てつがくのライオン |
工藤直子 |
フォア文庫 |
シェークスピア物語 |
チャールズ・ラム |
岩波少年文庫 |
杜子春・トロッコ・魔術 |
芥川龍之介 |
講談社青い鳥文庫 |
コンチキ号漂流記 |
ハイエルダール |
偕成社文庫 |
ぼんぼん |
今江祥智 |
新潮文庫 |
モモ |
ミヒャエル・エンデ |
岩波書店 |
森は生きている |
富山和子 |
講談社青い鳥文庫 |
二十四の瞳 |
壷井栄 |
講談社青い鳥文庫 |
はてしない物語 |
ミヒャエル・エンデ |
岩波書店 |
天使で大地はいっぱいだ |
後藤竜二 |
講談社青い鳥文庫 |
君たちは偉大だ |
百瀬昭次 |
偕成社 |
ビルマの竪琴 |
竹山道雄 |
新潮文庫 |
D中学生以上 |
||
コタンの口笛 |
石森延男 |
偕成社文庫 |
生命のなぞをたずねて |
寺本英 |
筑摩少年図書館 |
生きる |
畑正憲 |
筑摩少年図書館 |
中学生の自宅学習法 |
内藤勝之 |
産心社 |
数学は暗記科目である |
渡辺由輝 |
原書房 |
中学生時代 |
林友三郎 |
岩波ジュニア新書 |
みんな地球に生きる人 |
アグネス・チャン |
岩波ジュニア新書 |
伊豆の踊子 |
川端康成 |
フォア文庫 |
潮騒 |
三島由紀夫 |
新潮文庫 |
新聖書物語 |
新井智 |
筑摩少年図書館 |
けんかの仕方教えます |
佐江衆一 |
岩波ジュニア新書 |
君たちはどう生きるか |
吉野源三郎 |
岩波文庫 |
続・人生ってなんだろ |
松田道雄 |
筑摩書房 |
人生ってなんだろ |
松田道雄 |
筑摩書房 |
わが祖国チェコの大地よ |
黒沼ユリ子 |
リブリオ出版 |
自分らしく人間らしく |
中野孝次 |
講談社アルファ文庫 |
影との戦い(ゲド戦記) |
ル・グウィン |
岩波同時代ライブラリー |
マンモスをたずねて |
井尻正二 |
筑摩少年図書館 |
野菊の墓 |
伊藤左千夫 |
講談社青い鳥文庫 |
日本人のこころ |
岡田章雄 |
筑摩書房 |
豊かさのゆくえ |
佐和隆光 |
岩波ジュニア新書 |
山椒大夫・高瀬舟 |
森鴎外 |
ポプラ社 |
悩んでなんぼの青春よ |
森毅 |
チクマプリマーブックス |
まちがったっていいじゃないか |
森毅 |
ちくま文庫 |
学校・学歴・人生 |
森嶋通夫 |
岩波ジュニア新書 |
アンネの日記 |
アンネ・フランク |
文芸春秋社 |
まるごと好きです |
工藤直子 |
筑摩少年図書館 |
車輪の下 |
ヘッセ |
新潮文庫 |
キューポラのある街(上) |
早船ちよ |
フォア文庫 |
若きウェルテルの悩み |
ゲーテ |
岩波文庫 |
戦争はなぜおこるか |
佐藤忠夫 |
ポプラ社 |
福翁自伝 |
福沢諭吉 |
岩波文庫 |
ジャン・クリストフ(一) |
ロマン・ロラン |
岩波文庫 |
君たちの生きる社会 |
伊東光晴 |
筑摩少年図書館 |
フランクリン自伝 |
フランクリン |
岩波文庫 |
大地(一) |
パールバック |
新潮文庫 |
詩の楽しみ |
吉野弘 |
岩波ジュニア新書 |
茨木のり子詩集 |
茨木のり子 |
思潮社 |
詩のこころを読む |
茨木のり子 |
岩波ジュニア新書 |
偉大なる道(上) |
アグネス・スメドレー |
岩波文庫 |
氷川清話 |
勝海舟 |
角川文庫 |
宇宙と人間七つのなぞ |
湯川秀樹 |
ちくま少年図書館 |
世界史テーマ学習80 |
山川出版社 |
|
古代への情熱 |
シュリーマン |
岩波文庫 |
E高校生大学生社会人 |
||
勉強は技術 |
矢矧晴一郎 |
JMA |
知的好奇心 |
波多野・稲垣 |
中公新書 |
高校生になったら |
田代三良 |
岩波ジュニア新書 |
方法序説 |
デカルト |
岩波文庫 |
教育入門 |
堀尾輝久 |
岩波新書 |
青春論 |
亀井勝一郎 |
角川文庫 |
黄金の言葉 |
亀井勝一郎 |
大和人生文庫 |
勉縮のすすめ |
松山幸雄 |
朝日文庫 |
人間であること |
時実利彦 |
岩波新書 |
武器としてのことば |
鈴木孝夫 |
新潮選書 |
日本語の論理 |
外山滋比古 |
中公文庫 |
文学入門 |
桑原武夫 |
岩波新書 |
二つの顔の日本人 |
鳥羽欽一郎 |
中公新書 |
見える学力、見えない学力 |
岸本裕史 |
大月国民文庫 |
世界の歩み(下巻) |
林健太郎 |
岩波新書 |
エミール(上) |
ルソー |
岩波文庫 |
君たちと現代 |
宮田光雄 |
岩波ジュニア新書 |
甘えの構造 |
土居健郎 |
弘文堂 |
近代の神話 |
木村尚三郎 |
中公新書 |
タテ社会の人間関係 |
中根千枝 |
講談社現代新書 |
和魂和才のすすめ |
木村尚三郎 |
角川文庫 |
日本の思想 |
丸山真男 |
岩波新書 |
文明の生態史観 |
梅棹忠夫 |
中公文庫 |
テクノヘゲモニー |
薬師寺泰三 |
中公新書 |
ソロモンの指環 |
ローレンツ |
早川書房 |
技術と人間 |
星野芳郎 |
中公新書 |
科学技術は人間をどう変えるか |
石井威望 |
新潮選書 |
弁証法はどういう科学か |
三浦つとむ |
講談社現代新書 |
医者と患者と病院と |
砂原茂一 |
岩波新書 |
人間の研究 |
船井幸雄 |
PHP |
知的生産の技術 |
梅棹忠夫 |
岩波新書 |
水と緑と土 |
富山和子 |
中公新書 |
生物の世界 |
今西錦司 |
講談社文庫 |
先端技術のゆくえ |
坂本賢三 |
岩波新書 |
いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか |
シュタイナー |
イザラ書房 |
人間にとって科学とは何か |
湯川・梅棹 |
中公新書 |
大学で何を学ぶか |
隅谷三喜男 |
岩波ジュニア新書 |
哲学の改造 |
デューイ |
岩波文庫 |
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 |
ウェーバー |
岩波文庫 |
学問のすすめ |
福沢諭吉 |
岩波文庫 |
職業としての学問 |
マックス・ウェーバー |
岩波文庫 |
ドイツ・イデオロギー |
マルクス・エンゲルス |
岩波文庫 |
社会契約論 |
ルソー |
中公文庫 |
生命の発見 |
野澤重雄 |
PHP研究所 |
生命(いのち)の暗号 |
村上和雄 |
サンマーク出版 |
人間この未知なるもの |
アレキシス・カレル |
三笠書房 |
フランクリン自伝 |
フランクリン |
岩波文庫 |
日本経済の迷路を解く大予言 |
星野芳郎 |
青春出版社 |
生きがいの創造 |
飯田史彦 |
青春出版社 |
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中根克明(森川林)