KotobanomoriNo.700
言葉の森新聞
2001年2月3週号
文責 中根克明(森川林)
HTMLで縦書き・行間空け・ルビ・改頁が可能に
●ホームページの「言葉の森新聞」に実験ページ
ホームページの表現力は、紙の媒体に比べると、これまで見劣りする面がいくつかありました。その代表的なものは、縦書きの表示ができない、行間が詰まっている、ルビがふれないなど、日本語の特殊な事情によるものでした。また、これまでHTML文書ではワープロ文書にあるような印刷時の改頁の指定ができませんでした。
ところが、ここに来て、文書の中身と外見を分離しレイアウトの自由度を増した文書の作り方が、カスケーディングスタイルシート(css)というかたちで可能になってきました。
今のところ縦書き表示と印刷時プレビューが可能なのは、インターネットエクスプローラ5.5以上からですが、それ以外の行間空けやルビふりなどの機能はインターネットエクスプローラ4あたりから対応しているようです。(インターネットエクスプローラ5.5は現在、雑誌の付録などについています)
実験用のページとして、言葉の森新聞2月2週号で、縦書き・行間空け・ルビふり・改頁の機能を使ったページを作ってみました。http://www.mori7.com/mori/komori/m010202t.html
言葉の森では、これまでパソコンのデータベースで「山のたより」や課題集を作っていました。このために、長文集などの文の行間が狭くて読みにくいという問題が常にありました。しかし、これからはインターネットサーバーに入れたデータをウェブ上で取り出しHTML文書として印刷するというやり方が可能になってきます。
cssの参考ページ:Academic HTML<http://www.tg.rim.or.jp/~hexane/ach/>
受験勉強を始める前の作戦
新しいことを始めるときは、まず何しろ関係のありそうな本をどっさり買うということが大事です。
これから大学受験を目指す高校生の人たちも、まずは関連のありそうな本をたっぷり買って、全体の方向づけを自分なりに考えていく必要があります。
高校生などの若い人たちによくある傾向として、肝心の大きな戦略の部分は学校や予備校など他人に任せて、戦闘の部分でだけがんばるという一兵卒のような取り組み方をする人が多いということがあります。中学受験や高校受験については、大きな方向づけは学校や塾がしてくれました。大学受験に関しても、学校や予備校などがお膳立てをしてくれる面がありますが、中学受験や高校受験と比べると選択の自由度はかなり広くなっています。
春休みは、受験に関する本をたくさん読んで、作戦を立てる時期にしていくといいと思います。目安としては、県内でいちばん大きな書店に行って半日かけて十冊以上の本を買い1週間かけて全部読むと考えておくといいでしょう。こういう最初に作戦を立てるときの時間や費用は惜しまないということが鉄則です。
英語教育の二極化−イングリック化と自動翻訳
プログラムの勉強をして、やはり英語の読み書き能力は必要だと痛感しました。プログラムのもとになる単語はほとんど英語から来ています。この英語を見ていちいち辞書を引かなくても直感的にわかるという感覚がないとやはりかなり苦労します。ひとまとまりの長い文章であれば、自動翻訳の性能が向上していますから、英語から日本語に全部変換して読むという読み方が主流になります。しかし、ちょっとした文や単語の場合は自力で読むことができないと不便です。
長文の課題によく登場する英語学の権威、鈴木孝夫さんは、これからはイングリッシュではなくイングリックだと述べています。これまでの英語教育の目標は、あたかも英米人のように読み書き話すことが暗黙のうちに前提とされていました。しかし、言葉の役割は意味を伝えることにあります。「うまくなくても使えること」というのがこれからの英語学習の目標になってきます。
これからの英語の勉強は、英米人の言葉を習うという発想ではなく、英米人の言葉をもとにして作られた世界共通語を習うという発想で取り組んでいく必要があるようです。
参考:無料の翻訳サイト:excite翻訳<http://www.excite.co.jp/world/>
参考:無料の単語翻訳ソフト:babylon<http://www.babylon.com/>
12月のアンケート葉書より(その5)
●ていねいな添削に感謝
電話で子供の話をきちんと聞いてくださり、ていねいな添削をしてくださるので、大変ありがたく思っています。特に私にとっては苦手なことなので本当に感謝しています。
▼中学生・高校生になったときに役立つ作文力を
作文の指導というものは、最初のうちはしやすいものですが、それを3年も4年も続けて指導していくというのはなかなか難しいものです。言葉の森では、小学生から高校生まで段階的に勉強を進めていますが、そこがほかの教室と違うところです。
日本における作文教育は、小学校低学年では世界一の水準だと言われています。それは、言葉で話したとおりに文字を書けるという日本語(ひらがな)の特徴によるものです。しかし、この小学校時代の作文教育が中学・高校にとつながっていないところが日本の作文教育の大きな弱点になっています。
小学校低中学年でじょうずな作文を書くことだけを目標にするのではなく、中学・高校ひいては社会人になったときに役立つ文章力をつけることを目標にして小学校時代の作文指導をしていくことが大切です。そのために、小学校時代は、楽しく書きなれるということを中心にして指導していきたいと思っています。
●優しい会話が励みに
先生の優しい会話と指導の仕方が子供も励みになるようです。いろいろな県のお子さんの作文を読めて、風土によっても感性が違うのでは? 楽しみです。
▼そのうち、いろいろな国の子供の作文が読めるように
通信教育というものは、これまで通学教育の補完のようなかたちで考えられていました。しかし、インターネットを活用すると、通学教育以上のメリットもあると言えるようです。これからは、勉強の中心部分は通信(オンライン)で、コミュニケーションを図るような息抜きの部分は通学(オフライン)でというような分け方になるように思います。
通信の教育ですから、生徒も先生も全国から参加できます。また、まだ少数ですが、海外からの生徒も国内の生徒と同じようなかたちでオンラインで勉強できます。
最近見つけた面白いサイトで、外国人とテーマを決めてチャットができるコーナーがありました。チャットというのは、インターネットの掲示板で書き込みをするかたちでお喋りをすることですが、そのコーナーでは、日本語・英語・韓国語で相互にリアルタイムに翻訳したページが表示されるようなかたちでチャットできるということでした。
こうなると、将来は、子供どうしでいろいろな国の子供とコミュニケーションが取れるという時代がやってきそうです。そのうちに「いろいろな国の子供の作文が読めるので楽しみ」ということになるかもしれません。
●ホームページで言葉の森を知る
子供の作文を書く力をつけるために何がいいのかずっと考えておりました。偶然HP(ホームページ)で、この教室を知り、喜んでおります。子供も学校での感想文を書く時楽しくなったと言っています。「何がポイントで」と、書き方の方法を毎週教えていただいているのがよいのでしょう。子供が書く作文について口を出したくなるのをグッとガマンし応援していきたいと思っています。
▼目標を決めて、楽しく面白く
作文というのは、きわめてアナログ的なものなので、勉強の目標がつかみにくいということがあります。それが、子供たちの作文嫌いを生み出す大きな原因となっています。
言葉の森では、できるだけ客観的な基準で目標を説明できるように指導しています。例えば教室では、「ようし、今日は、そのときの長い会話を思い出して、たとえを入れて、自分だけが思ったことも入れて、字数は500字まで。段落はまる三つぐらいでつけることを忘れずにね。それでは、行ってみよう」という、半ばスポーツを指導しているような感じで教えています。もちろん、よく書ける子には、もっと微妙な説明もします。例えば、同じたとえでも、ありきたりのたとえと自分らしいものの見方がよく出ているたとえとがあるというようなことも、それが理解できる子には説明します。しかし、総じて言うと、先生が微妙で高度なことを教えれば教えるほど、子供は作文に苦手意識を持つようになります。
家庭で子供の作文を見るときにも、同じような感じでやっていかれるといいと思います。よく「口出しをしないように子供の作文は見ない」というお母さんがいますが、いつもそうだと、子供にとってはかえって張り合いがなくなるようです。しかし、書いたあとに、その作文がうまいかどうかという基準で見てしまうと、子供は次第に親に作文を見せたがらなくなります。いちばんいいのは、書き出す前に、何を入れてどこまで書くかという目標を決め、その目標ができていれば無条件にほめるという見方をしていくことです。そうすると、子供も親に見られることを喜ぶようになります。そのようにして、親子の信頼関係ができているところでは、たまに厳しい批評をしても、子供にはその批評を受け入れる余裕ができてきます。
客観的な目標を決めて、あとはできるだけ楽しく面白くという勉強をしていくことが大事なようです。
光る表現(小1−小2)
2001年2月3週号●和恵さん
(いくす/小1)の作文より(けいこ先生/1.3週)スケートをしたら、シューとおとがしました。 評:きっとスイスイじょうずにすべっているんだね。先生がすべっても、シューというおとはしないよ。へたなのかなぁ。
●智一さん
(いくせ/小1)の作文より(けいこ先生/2.1週)節分というのは、昔、冬から春にかわるかわりめを節分といったそうです。ぼくの家では、げんかんの外に、やいたいわしのあたまを、ヒイラギのくきにさして、かざります。おにが、くさくて、家の中に入ってこれないようにするためだそうです。「福は内、おには外。」と大きな声で、心の中のよわむしおにも、いなくなってね。先生にきいた話しによると、他の地方では「福は内、おにもうち。」と、いう所もあるそうで、まねして大きな声でいってみると、おかしくておかしくて、いすからおっこちそうになってしまいました。 評:しらべたこと・他の人からきいたことを、上手に作文に入れられた。「心の中のよわむしおに」おににもいろいろなタイプがあるのね。
●ミニパンダさん
(あもろ/小2)の作文より(ミルクティ先生/2.1週)ハラハラと雪がふってきました。みんなに「こんにちは。」といいながら。小鳥が木にのって休んでいました。小鳥が、とびたつと木がゆれました。雪はたてにふっているのではなく、ななめにふっていました。…略…ぜんぜん音はしませんでした。風はぜんぜんふいていないのにななめにふっていました。鳥が二わもまどの前をとおりました。雪の中でおいかけっこをしているのかなと思いました。雪は、とても小さかったです。前ふった大きな雪とはちがうなと思いました。<評>雪がふりつもってゆくようすを、小鳥や雪の描写で、しずかに美しく表現していますね。雪の世界にはいりこんだような気持ちになりましたよ。
●カヤさん
(ありそ/小2)の作文より(ももんが先生/1.1週)なんかいか、いっぱいすべって、そりがこわれたので、バンジージャンプをするところにのぼりました。のぼるのは、たいへんだったけど、一回のぼったとき、「ふうー。」と、思いました。一回のぼるとあとからは、のぼるのは、かんたんになりました。【評:カヤくんが思いっきり遊んだことがよくわかります。また「ふうー。」という言葉からは、「つかれた〜。でもやったあ、のぼったぞ!」という気持ちもつたわってきますね(^o^)。】
●史織さん
(いきは/小2)の作文より(けいこ先生/1.3週)学校の帰りに「ニャアーオー(あそんでくれー)」と、ねこのなき声がしました。まよわずに、あっまたミソだー、と思いました。「ニャーオー」と言うと「フャーオー(えさくれー)」と言ってきたので「ミャーオ(えさはありません)」と言ってやりました。するとねこが「ミャーアーオ(おねがい)」と言っていきました。もうだめだ、ねこ語で話してたらきりがない、と思ってかけ足で帰りました。……またどこかでねこのなき声がしています。 評:のらねこの「みそ」とねこ語で話しをしているのね。ねこのなき方のびみょうなちがいを、こんなに聞き分けられるなんて、すごいなぁ。作文のまとめを情景(じょうけい)でしめくくったのも、いいくふうだね。本当に、ねこのなき声が聞こえてきそうだ!
光る表現(小3−小4)
2001年2月3週号●アーサーさん
(あひわ/小3)の作文より(みち先生/1.2週)でも宇宙人が地球に来るとしても四、五、六年はかかるはずです。だからもしかしたら、地球まで来る前に全めつするかのうせいもあるし、地球までにくるまでには小わく星や、ビツグバンなどもあるし、来るかのうせいは百ぶんの一よりも少ないと思います。 評:さすが、つくば宇宙センターへ見学に行った人が書けることだね。『百聞は一見にしかず』で、いろいろなものを見学して、宇宙にかんしんを持ち、宇宙人を想像して描けたね。いつか会ってみたいね。
●アーサーさん
(あひわ/小3)の作文より(みち先生/1.3週)「三、二、一、どん!」先生のピストルが寒い校庭にひびきわたりました。評:マラソンのスタートのとき。音と情景で工夫した書き出し文は、がんばって書けましたね。緊張感(きんちょうかん)と寒さが伝わってきます。
●ししさん
(あふか/小3)の作文より(はるな先生/2.1週)いつもぼくは、みんなと食べるのが楽しみです。 だけど月曜日は、ときどき、お父さんたちが会社にいるから、お母さんとおばあちゃんと食べています。3人か4人の夕食は、たとえばぼくの大好物のカレーでもいまいちおいしくありません。だから、7人全員が集まった夕食はいつも大騒ぎです。(講評);やはり、食事は大勢でたべるほうが、にぎやかで、楽しくて、とてもいいものですよね。「大好物のカレーでもいまいち、おいしくありません。」という一言が、それを明確に伝えています。"☆"
●直樹さん
(あろら/小3)の作文より(森川林先生/2.1週)チキンを食べるときは、まるで天国にいったぐらいのおいしさだとぼくは思っています。評:なるほど、チキンが大好物なんだね。先生も食べたくなっちゃったなあ。
●ハッピーさん
(あろる/小3)の作文より(けいこ先生/2.1週)豆まきの時、言う言葉は、たくさんあるんですよ。しっていましたか。たとえば、山形県の場あい、「ふくはー家(うち)おにはー外。おにの目玉をぶっちゅぶせ!!」とか、しずおか県の場合、「おにの豆をまかっしゃい!! まかんうちはびんぼうだ。」(などです。) 評:節分にも、地域によってずいぶんちがいがあるね。お父さん・お母さんに聞いたのかな? おもしろいね。
●仁美さん
(いこい/小3)の作文より(ももんが先生/2.1週)わたしは、とてもどきどきして、足ががくがくしました。みんなも、きんちょうしているみたいでした。一番目の人がひきおわって、二番目、三番目、四番目、五番目と、つぎつぎにひいていきます。わたしは、心の中で、(合かくしますように。)と、何回も何回も言っていました。そして「○○ひとみさん。」と、しかいの人が言いました。【評:どんどん自分の番が近づいてくるようす、かずを使ってうまく表現できましたね。先生も読みながらドキドキしました。心の中の声もとてもいい(^o^)。】
●一休さんさん
(わら/小3)の作文より(けいこ先生/2.2週)(縄飛びをしていると)縄は疲れないけど、僕が疲れます。……「疲れながらも飛ぶ」これがなわ飛びの基本です。 評:疲れても、もう1回もう1回と縄を回し続けることが、ポイントなのね。頑張って練習して、体で理解した「基本」だ!
●えりさん
(あなふ/小4)の作文より(ももんが先生/1.1週)おなべがおいしいのは、おなべのあじがおいしいのもあるけど、みんなそろって食べるからおいしいのもあります。家族みんなで食べると、テレビを見るよりも会話がはずむし、楽しいです。もし、一人でおなべを食べていると、あまり楽しくありません。おまけにさびしいです。(おいしい夕食は、楽しいっ!)【評:えりちゃん、良い発見をしましたね(^o^)。みんなでいっしょにお話しながら食べるから、おいしくって楽しいのよね。一つの大きなおなべに入ったものをなかよく食べる家族がいるって、すてきなことです。おいしさが何倍にもふくらみますね。】
●めいさん
(ありか/小4)の作文より(さかな先生/2.1週)でも5分間がとても長く感じました。まるで一時間走っているようでした。★評:まだかな〜と思いながら走っていると、なかなか終わらない。そんな気持ちを上手くたとえて書き表したね。
●キキさん
(あろの/小4)の作文より(メグ先生/2.1週)二重とびはまるでなわがたくさんあるようです。評:素早くなわを回すと、たしかに、なわが何本もあるように見えるよね。うまいたとえが使えたね。
光る表現(小5−小6)
2001年2月3週号●ハムさん
(あそみ/小5)の作文より(ドラえもん先生/2.1週)まるで、雪が桜みたいにちらちらするように降っているなーと思った。吹雪の時は、風が吹いているみたいに降っているなーと思った。【評】とても素敵な表現で例えることができました。雪が降っている光景と、桜の花びらが散っている光景が頭に浮かんできます。>^_^<
●ナズナさん
(あもせ/小5)の作文より(かつみ先生/2.2週)チョウチンアンコウが八日間しか生きなかったのはニセ物の自然では真の自然にかなわないという意味だと思った。 評:全くその通りだね。同感です。
●俊輔さん
(あやゆ/小5)の作文より(かつみ先生/2.1週)まるで雪が意識して僕の顔をめがけて当たってくるような気がした。 評:いい表現だね。僕の顔をめがけて・・・というところが、とてもいいですよ。
●哲也さん
(ありけ/小5)の作文より(ふじのみや先生/1.1週)さしがならんでいるようすは、まるで天と地のようなけっせん(決戦)である。 評:関ヶ原の戦いを想像してしまったよ。おおげさかな?
●美佳さん
(いうわ/小5)の作文より(ドラえもん先生/2.1週)私にとっては、嬉しいことも楽しいことも、楽につながっています。だからマラソンは、体をきたえることももちろん、きたえた力を後で発きするための時間だ。【評】マラソンから学んだことを他でもいかせるというのは素晴らしいですね。じょうずにくくってくれました。
●丈史さん
(すふ/小5)の作文より(ドラえもん先生/2.1週)はーやくこいこい節分の日まーだかな。あそんでいるとき、何かの木の実をとって僕は、『鬼はーー外』『福はーー内』といってましたずっと。木の実をとってごめんなさい。【評】なかなかユーモアがあっておもしろい!でも、木の実をとってしまったのはちょっと反省かな?^_^;
●コナンさん
(あえた/小6)の作文より(洋子先生/1.3週)確かにそうだなぁと思う。でも私たちは、いろいろな知識を学んでいる。それに反比例するかのように、今まで無邪気に不思議に思っていたことが、いまでは、そうに決まっている。当たり前だと思うようになった。…省略…例えば、サンタクロ−スや月のうさぎなどは、いるわけがないと大人になると思ってしまう。クリスマスでわたしは、欲しいものをもらえてうれしいだけ。幼稚園の弟は、家には、エントツがないからあの窓からサンタさんが来てくれるかなぁとワクワクしている。だんだん現実主義になってきているわたしは、そんな弟を見て、お気楽でバッカみたいと思うけれどちょっといいなぁと思う。また、母から聞いたはなしだがオリコンの七十近くの社長が最近亡くなったそうだ。彼の座右の銘が「童心力」で、子供のときの心を大切にしていた人だと言う。社長室は、おもちゃでまるでミニ遊園地のようだったらしい。こういう夢のある考え方や生き方が大きな会社を作るもとになっているのかもしれない。「初心忘るべからず」というように、大人とは、子供の心を大事にして、忘れてはいけないのかもしれない。評:弟さんの姿を通して感じたことの自分らしい体験実例とおかあさんから聞いた話しの両方がうまくはいり、とても作文に厚みがでましたね。題材の選択がとてもよかったです。(^o^)
●ティディーカさん
(あみせ/小6)の作文より(洋子先生/1.3週)わたしは、しばしばテレビのなかでこどもの夢を壊しているなと思うことがある。先日も、ニュ−スを見ていたら、サザエさんの番組の中で、マスオさんがタラちゃんにサンタにばけてクリスマスのピレゼントをあげる場面がありそれを見ていた子どもたちが「えっ?サンタさんは、パパだったの?」とお母さんに聞いたらしく、フジテレビに苦情の電話が殺到したそうだ。わたしは、このニュ−スを見て、なるほどと思った。サザエさんを放送した人たちは、サンタクロ−スがいないことをとっくに知っている人たちだけれど、子供のなかには、まだいると信じている子がいるのである。…省略…考えてみれば私自信、ほとんどのことに対してそんなことある分けないとか、信じる力や驚くことを忘れてしまっている。評:こどものころは、あんなにものごとに驚いたりしていたのに、いつのまにか大人になると世界そのものに慣れっこになってしまい、大切な何かをうしなってしまっているということの実例です。とてもいい例が入りましたね。(^o^)お母さんがたは答えに窮したことでしょうね?もし、あなたがお母さんだったら、どう答えたかしら?
●ルフィさん
(あわせ/小6)の作文より(さかな先生/2.1週)緊張とは、人がその時どれだけ真剣にとりくんでいるかを示すバロメーターみたいな物だと思う。★評:鋭い指摘だね。そんな緊張感を大切にしていきたいものです。
●チョコさん
(いえほ/小6)の作文より(かつみ先生/2.1週)まるで熟したトマトみたいにカオが真っ赤で心臓バクバク!!・・・・というような感じになってしまう。 評:熟したトマトみたいに、というところが、大変いい表現ですね。
●ルパンさん
(つろ/小6)の作文より(けいこ先生/2.1週)(受験当日)私のいる教室に試験官が入って来ると、青や赤・黄や緑など天然形の色が頭の中で輪を作りくるくるくるくる回っている。やっと我にかえたのは、国語の試験開始のチャイムが鳴ってからのことだった。「うっひょーーー。」私の頭の中はさけびにならないさけびでいっぱいになった。 評:緊張の度合いがピークに達したときの表現がおもしろい。カラフルな輪が回っているというのが、極限状態をうまく表したね。
●たぬきさん
(のと/小6)の作文より(ゆり先生/2.2週)あとは細かい事だけど、電気をこまめに消す、冷蔵庫の開け閉めを素早くする。冷蔵庫の中身を暗記するといいと思う!?(ちょっと全部は無理かな・・笑い)でもこういう事からしていきたい。<評>環境について身近にできることを、楽しく考えて書けています。テンポもいいね!
光る表現(中1−社)
2001年2月3週号●クラシックさん
(しふ/中1)の作文より(けいこ先生/2.1週)愛情は必要だ。愛情があって始めてストレスをばねにできると思うし、内面的に強くするするのは愛情が一番だと思っている。しかし、甘やかすと愛情を注ぐと言うのは別だと思う。まるで甘やかす親は将来の事を何も考えてないんじゃないかと思えてくる。また、きびしすぎると言うのも問題だと思う。たしかに、厳しい躾があって始めて社会に出て行けるし、上下関係や、友達付き合いなども自然と身に付く。ただし、これも度をすぎた厳しさや、愛情を与えずただ厳しくするのは考え物である。愛情を与えるのなら適度の厳しさを、厳しい躾をするならそれに見合った愛情を、という具合にバランス良く、愛情と厳しさを与えていくのがいいと思う。 評:バランスよく……難しいけれど、大切なことだ。どうしたら、バランスよくできるのか、それがポイ
●ラッキー7さん
(せあ/中1)の作文より(とこのん先生/2.1週)私は学校社会に比べて家庭は大事だと思う。その理由は、家庭で沢山の愛情を与えてあげれば、学校などで冷たくされても耐えられる子のだ。 あと、もう一つは、家庭でしっかりと躾をしてもらっておけばどんな時でも自分は何をすればいいのかとか分かるだろう。 学校や社会も大事だが家庭がなければ成り立たないと思う。 評:とっても納得。厳しい躾の大切さと、その厳しさの根底には「愛情」が絶対不可欠なのだという意見が、根拠を持って述べられています。
●UZI.SMGさん
(そお/高1)の作文より(ミルクティ先生/1.3週)江戸の町は家康の命によって、彼の故郷である駿府、つまり富士山をどこからでも仰げるようになっていたそうだ。だからその方角に邪魔になる建造物がないようになっていた。また、当時の価値観から、空間を贅沢に使う平屋建てこそ富裕の証としてみんな平屋建てを好んだ。これはマルコポーロが『東方見聞録』にて「ジパングの民家は朝日が昇ると屋根が黄金色に輝く」と記していることからもわかるように、町全体の屋根という屋根が皆同じ高さであったため日がさすと見事に照り輝いていたということだろう。…略…このように、権力者の一存やら庶民の価値観も相まってかもしれないが、日本人もダイナミックで美的センスあふれる景観を作るのに長けていたことがわかるし、町は公共ものだから、当然美しい公園も作れたのではないか。公園に限らず、景観を大事にするにはやはり町ぐるみ、国単位でのある程度計画的な設計が必要だ。<評>得意な歴史実例を入れて、公園の美観についての意見を書けましたね。実例の巧さに比例して、意見も説得力がでてきますね。
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