KotobanomoriNo.731
言葉の森新聞
2001年10月2週号
文責 中根克明(森川林)
前号10.1週に「賞状と賞品の引き換え」
前号に、「賞状と賞品の引き換え」のプリントを同封しました。
「山のたより」に印刷されているクラウン数は、前の学期までの集計ですから、新しく教室に入られた方はまだクラウン数(賞状をもとにした点数)がない場合があります。
話し合いの時間
我が家の話です。
子供たちが小学生のころまでは、朝食や夕食のときに、家族でわいわいおしゃべりをしながら食事をしていました。おしゃべりの中心は、もちろんお父さんの自慢話。(笑)
ところが、子供が中学生と高校生になると、食事の時間もまちまちになりがちで、家族で話をするということがだんだん少なくなってきました。普段の対話が少なくなると、たまに話をするときは、親から子供への一方的な注意になりがちで、ますます普段の対話がなくなります。そうなると子供の返事もおざなりになり、「別に」「まあまあ」「大丈夫」など、どうでもいいものが増えてきます。
そこで、一年ほど前、夕食後の午後9時から家族で話し合いをする時間をとることにしました。15分ぐらいでもいいから毎日何か話をする場があればいいと思ったのですが、話し出すとお互いにどんどん言いたいことが出てきてすぐに1時間ぐらいたってしまうようになりました。大体が楽しく終わるのですが、たまには口喧嘩のようになることもあります。しかし毎日のことなので、喧嘩のようになって終わっても翌日までは尾を引きません。
この話し合いでわかったことは、中学生や高校生は、外から見ていると何かいろいろなことを知っていてそれなりに考えているように見えるが、話してみると実は何にも考えていないということでした。うちの子供たちだけかも(笑)
さて、話は変わって、自習の長文音読ですが、中学生や高校生になると、だんだんしなくなります。また中学生になると部活の朝練で朝早くから家を出ることが多いので、小学生のころまでやっていた朝食前の勉強ができなくなり、長文を読むような時間が確保しにくくなりました。長文音読のような短時間の単純な勉強は毎日決まった時間にできれば続けられるのですが、そうでないと、逆に続けにくいところがあります。
そこで、しばらく前から、夜の話し合いの時間の最初は長文音読ということにしました。子供たちにはかなり評判が悪いです。(^^ゞしかし、長文の中には考えさせられるものも多いので、長文のテーマをきっかけにして話ができるようになるとおもしろいと思っています。
9月のアンケートより(その1)
●父母より(小4父母)
まだ入会して日が浅いので、母子ともに「言葉の森」のシステムを熟知できていないのが現状です。ご担当頂いている先生の丁寧なご指導に接する度に「入会してよかったね。」と子どもと話しています。今後ともよろしくお願いいたします。▼教室より
「言葉の森」のシステムは、「学習の手引」に書いてありますが、あまりくわしく説明していない部分があるので、わかりにくいところも多いと思います。不明な点は、教室にお電話をしてお聞きください。毎週の作文の課題だけでなく、投票をしたり、自習の日数を書いたり、国語の問題をしたりと、いろいろありますが、いちばん大事なことは二つだけです。(1)先生の電話のあとすぐに始めるようにすること、(2)長文の音読をできるだけ毎日すること、です。
小学校低中学年のころは、自習も毎日わすれずにする子が多いのですが、高学年になるにつれて、長文の音読=予習をしなくなる生徒がふえてきます。お母さんやお父さんが近くで聞いていないと、音読は形だけのものになっていくことが多いので、読んでいる間はできるだけ近くにいて聞いてあげるようにしてください。
●父母より(小5父母)
送られてくる切手を見るのも楽しいです。メールばかりだとちょっとつまらないかもと思いました。始めたばかりなので、親子でこれからを楽しみにしています。▼教室より
郵便で使う切手は、事務のTさんの趣味で、できるだけ記念切手を貼るようにしています(笑)。記念切手は、地方ごとに発行していることが多いので、どこかに旅行にでかける人がいると、その地域の記念切手を買ってきてもらうように頼んでいます。メールは、テキストのみで内容本意の文章になりがちですが、シールを貼ったり記念切手を使ったりして、できるだけ生徒と教室との触れ合いが感じられるようにしています。
●父母より(小6父母)
メールを打つ練習もかねて、何回かに1回位は「作文をメールで書いてごらん。」と言うつもりでいますが、メールと郵送と両方では混乱しますでしょうか?▼教室より
メールと郵送と両方で送っていただいても混乱しません。どちらで書いても結構です。キーボードで初めて作文を打つときは、どの子も100字か200字がやっとです。しかし、それで、手書きに戻ってしまうと、パソコンの利用になかなか慣れません。パソコン入力は最初は時間がかかると思いますが、長い目で見守っていってください。●父母より(中1父母)
始めた頃(小5の終わり)は、「小学校を卒業するまでの作文の勉強」と思っておりましたが、「水曜日の夕方は作文」というペースができた今、また、中学での国語のテストの文章が急に難しくなってきた(塾のテストを含め)今、言葉の森の長文音読とそれに対する感想文を書くという訓練がとても重要になってきて、まだまだやめられないと親子で気を引きしめています。よろしくお願いします。読書指導は今後も続くとありがたく思いますが、どうでしょうか。▼教室より
小5から中2のころは、作文がいちばん書きにくくなる時期です。しかし、この時期に長文音読を続けていると、表現力だけでなく読解力もついてきます。中学生になると、音読をすることを幼稚な勉強のように感じ嫌がるようになると思いますが、本人だけで黙読を続けると、どうしても形だけのものになってしまいます。また、実際に、中学生の長文は、中学生にとっては難しい語彙や読めない語彙がかなりあります。これからも、長文音読を続けて、充実した感想文が書けるようにがんばっていってください。●父母より(小3父母)
毎週火曜日は、先生からのお電話を心待ちにしております。どうぞこれからもよろしくご指導下さいますようお願い申し上げます。▼教室より
毎週1回、同じ時間に電話があるという状態が、子供にとっては勉強を続けやすい条件になるようです。ある期間同じペースで勉強をしていると、作文を書くことが生活の一部になってきます。ですから、曜日や時間は一度決めたらできるだけ変えない方が、勉強の抵抗が少なくなります。やむを得ず曜日や時間を変える場合は、しばらくはお母さんなど身近な人が、事前に「今日は作文があるからね」と話して、心の準備をさせておくといいと思います。●父母より(小3父母)
いつもご指導ありがとうございます。決まった時間にお電話をいただけることで、ペースメーカーにもなり、苦手な作文にもすんなり取り組めているようです。短文の暗記は、その日は頑張って覚えていますが、2〜3日後には、前の分を忘れてしまいます。こういう状態でよろしいのでしょうか。また、長文音読もただの作業になりがちで、こういう形でいいのかと不安に思います。どのように家で指導していってやれば良いのか、アドバイスをいただきたく思います。
▼教室より
短文暗唱は、初めのうちはなかなか難しいと思います。また、長文も同じものを何度も読むので、途中で飽きてきます。しかし、こういう勉強は、繰り返し行なっていくことが大事ですから、すぐに忘れても、作業のようになってもかまわずに、何しろ毎日続けていくということでやっていってください。あまり難しいことを要求すると、毎日続けるということがしにくくなると思います。長文音読も、何回も読んでいると、途中の文章を暗唱するぐらいになります。すると、数ヶ月後に自然に自分の言葉として、その文章や語彙が作文の中に出てくるという状態になります。すぐには成果が出ないものですが、気長にやっていってください。●父母より(小3父母)
いつもご指導ありがとうございます。毎回楽しく絵入りで頑張っております。市販されています読解力問題集などは、やらせることに効果があるのかどうか先生のご見解なども聞かせていただきたく存じます。
▼教室より
作文を書いたあとに絵を描くと、何がいちばん印象に残ったのかということがあとからわかります。また、絵を描いた作文は、あとでいい記念になります。絵を描くことが好きな子は、作文の着眼点もおもしろいことが多いという傾向があります。しかし、絵を描くというのは意外と時間のかかるもので、低学年の場合は、作文よりも絵の方に時間がとられるということもよくあります。しかし、それでも本人が進んで描いているのであれば、そのまま絵入りの作文を書くように続けていってください。市販の読解力問題集は、低中学年ではあまり役に立ちません。むしろ、解くのに時間がかかりすぎるというマイナス面の方が大きいようです。問題集を解くよりも、長文音読と読書をしていた方が力がつきます。しかし、高学年になると、読解力問題集の問題文も難しい内容のものが増えてきて、活用の仕方によっては役立つようになります。いちばん手軽な活用の仕方は、問題集の問題文を読書がわりに読んでいくというやり方です。問題を解くのは時間がかかるために能率が悪くなるのであまりおすすめできません。問題の解き方のコツは、短時間で身につけることができます。模擬試験など大きな試験の際に答え合わせをして解き方のコツを説明するぐらいで十分です。
言葉の森新聞2001年3月1週号「国語の問題の解き方(センター試験の場合)」
http://www.mori7.com/mori/komori/m010301.html
言葉の森新聞2001年3月2週号「センター試験の国語問題(その2)」
http://www.mori7.com/mori/komori/m010302.html
●父母より(小4父母)
いつもお世話になっています。本を読むのがもともと好きな子ではないので、続けられるかどうか心配していました。毎日、私の方から声をかけてやらせています。木曜日の電話の時間は楽しいみたいで、電話の前でノートとエンピツを持って待っています。▼教室より
お母さんが毎日声をかけてやらせているというのは、とてもありがたいです。勉強の習慣は、ある期間継続しないとなかなかつきません。勉強のよくできる子は、本人がしっかりしているのではなく、お母さんが毎日声をかけて、決まったことを決まったようにやらせるようにしています。何も言わなくても自分でやるという子もいますが、それは子供のころからお母さんが毎日声をかける習慣を続けていたために、そういう性格ができたということです。決して子供の生まれつきの力ではありません。年齢的には、4年生までは親の言うことをよく聞く時期で、5年生以降になるとだんだん親よりも友達との関係の方が力を持つようになり親の言うことを聞かなくなります。ですから、今の4年生のうちに、できるだけ毎日の勉強の習慣をつけていかれるといいと思います。
光る表現(小1−小3)
2001年10月2週号●クリリンさん
(いあし/小1)の作文より(けいこ先生/9.3週)(ものがたりに出てくる、さとしとあきらは)二人だから、たすけながらねずみばあさんをやっつけられたと思います。わたしもがっこうに行くとき、ながいトンネルをとおっていきます。一人じゃこわいけど、おともだちといっしょなら、こわくないです。それとおなじきもちだとおもいます。 評:ものがたりの話と、にたことをさがして、主人公(しゅじんこう)のきもちをかんがえたのね。自分のことにあてはめてかんがえると、きもちがわかりやすくなるね。
●梨那さん
(いあに/小2)の作文より(スピカ先生/9.2週)ゼリーはほとんどお母さんのために作るのですが、できあがると私とお兄ちゃんがついついがまんができなくなっていっぱい食べてしまうのでお母さんは一口しか食べられません。 評:お母さんのためにお兄ちゃんと協力してゼリーを作るのもすてきだし、いざそれができあがると、お母さんが食べる前にたくさん食べてしまうというのもおもしろい。その両方の気持ち、よくわかるよ!
●真水さん
(いすく/小2)の作文より(ももんが先生/9.2週)山さきにつくと、みんなは、はたけしごとのまっさいちゅうでした。みんなあせをかいて、かいて、かきまくっていました。(中略)ミニトマトはスーパーボールくらいの大きさでした。なすは、わたしのうでのはんぶんぐらいでした。【評:みんな、一生けんめいはたけ仕事をしているようすが、よくつたわってきます(^o^) 。できあがったやさいの大きさも、たとえをつかってとても上手に書けていますね。】
●南美さん
(いそみ/小2)の作文より(ポプリ先生/9.3週)さえちゃんは力があったけどさいしょのスタートダッシュでなんとかかちまちた。つぎはかおゴンとやりました。かおゴンは力がつよかったけどじぶんの力でなんとかなりました。つぎはきとうくんとやりました。きとうくんは力がすごいつよかったけど力を出きってかちました。きとうくんをやりおわったちょどチャイムがなりました。そしてうでずもうはおわりました。評:まるでビデオでしあいをみせてもらっているみたい。先生もみなみちゃんをおうえんしましたよ。ほんとうによくかけたね。
●カヤさん
(ありそ/小3)の作文より(ももんが先生/9.2週)ハットトリックをしてうれしいです。これからもどんどん行きます。【評:最後の思ったことです。「よーし、がんばるぞ!」という元気な気持ちがつたわってきて、とてもいいですね(^o^)。】
●稔さん
(あわき/小3)の作文より(ももんが先生/9.1週)こまの形は、かさをさかさにしたような形です。【評:こまの形が、ぱっとうかびました。こんな風にたとえを使うと、作文を書いている人が「見たり聞いたりしたこと」が、読んでいる人にも、とてもよくつたわりますね(^o^)。】
●稔さん
(あわき/小3)の作文より(ももんが先生/9.2週)「ピー」ドッジボールのしあいがはじまりました。【評:作文の書き出しに、元気なふえの音をつかえました(^o^)。】
●沙織さん
(いとに/小3)の作文より(えみ先生/9.3週)私はからだがふるえるほどこわかったです。【評】こわくてびっくりした様子がよくあらわれた文です。ただ「こわかった」というよりもその時の気持ちをずっとよく表すことができました。
光る表現(小4)
2001年10月2週号●ラブリーさん
(あにせ/小4)の作文より(ミルクティ先生/9.4週)「リンリンリン・・・。」鈴虫が鳴いています。私の家の近くでは今、鈴虫が大合唱しています。一番きれいだと思うのは、たくさんの鈴虫がいっせいに鳴いているときです。一匹だけではつまらないけれど、たくさん鳴いているととってもきれいに感じます。鈴虫は、二枚の羽をこすり合わせて鳴きます。私はこの鳴いている鈴虫たちに『羽こすり合唱団』と名前を付けました。この合唱団の団長は、一番大きな鈴虫だと思います。でも、鳴き声をよく聞いてみると、エンマコウロギも鳴いているように思いました。この合唱団は、何を歌っているのでしょうか? 私には、よくわからないけれど、『羽こすり合唱団』が作曲した曲ではないでしょうか。<評>いっせいに鳴いている虫たちに『羽こすり合唱団』と名前をつけたところがおもしろいね。「歌っている」「作曲した曲」というように、虫たちを擬人化(人間のように表現する)してたことで楽しいふんいきが出ましたね。♪
●ししさん
(あふか/小4)の作文より(かつみ先生/9.3週)『超ラッキー!』この一言です。 評:この一言です。この一言がいいね。
●秀雄さん
(あろう/小4)の作文より(ももんが先生/9.1週)中には、もぐらやありにたべられているさつまいもや、小さいさつまいも、細いさつまいもや大きいさつまいもや太いさつまいもがあります。【評:じっくり観察して、いろいろな形のさつまいもを発見し、表現できましたね(^o^)。】
●ハッピーさん
(あろる/小4)の作文より(けいこ先生/9.3週)もし、お手伝いを全然やらないで生きていったら、未来の私は、どうなっているんだろう? きっとそれは、一人ぐらしhの時などは、インスタントやカップラーメンなどを食べていて、部屋なんかきたないだらしない女の人になるんじゃないのかなと思います。……お手伝いとは、未来にとってとても大事なことだと思います。 評:「もし……ならば、きっと……だろう。」を使って、お手伝いの意味をしっかり考えられたね。
●みいきんさん
(いきゆ/小4)の作文より(ももんが先生/9.1週)さやかちゃんのうちを、ほかのものにたとえると、花畑か、ゆうえん地みたいに思います。今まで何度も行きましたが、今日も楽しかったです。【評:「たとえの表現」がとてもいいですね。花畑も遊園地も、幸せな気持ちになれる楽しい場所だもの。何回も遊びに行きたくなっちゃうね!】
●みかんさん
(いこい/小4)の作文より(ももんが先生/9.1週)私の大好きなスモークサーモンがでました。スモークサーモンは、さけをくんせいにしたものです。赤い色をしていて、ほんのりと口の中でとろけるようなかんじの味で、とてもおいしいです。(中略)お父さんはステーキが大好きです。なぜかというと、鉄板の上でジュージューと音を立てて、はねる油、こうばしい肉の焼けたいいにおい、ソースをたっぷりとふくませたステーキのかたまりを口に入れて、ひとかじりすると、あつい肉じるが口いっぱいにひろがって、とてもおいしいからだそうです。【評:うーん、とってもおいしそう!! 味や色、舌ざわり、おいしそうな音にいいにおいと、五感の表現がいっぱいですね(^o^)。】
●みかんさん
(いこい/小4)の作文より(ももんが先生/9.3週)「よくがんばったなあ。四位になるかと思ったのに二位だった。うれしー。」先生がそう言って、メガネをとってなきました。(中略)先生は、そんなみんなのがんばりがうれしくてないたのだと思います。一位にはなれなかったけれど、私たちのクラスがとった二位は、価値のある二位だと思います。【評:よい書き出しです。担任の先生の感動も、よくつたわってきますね。一生けんめい自分の力を出し切った後というのは、とても気持ちのよいもの。(担任の先生も、もしクラスがびりだったとしても、みんなが一生けんめいやったことがわかったら、やっぱりなみだを流して喜んでくれたと思いますよ。)心からおめでとう!】
●真裕子さん
(いさは/小4)の作文より(ふじのみや先生/9.2週)おもしろかったことは、さらをあらってえさをあげたら えさをさらごとひっくりかえすように いっしょうけんめいたべていました。 評:とてもおなかがすいていたんだね。おおあわてで、えさを食べるウサギの表情が見えてきます。
●アミーゴさん
(いそと/小4)の作文より(きょうこ先生/9.3週)「わたしがもし、巳之助だったら世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなるとは思うけれど、しょうばいをやめようとはしません。なぜそう思ったかというと、世の中が進んでも、ランプが必要な時もあるかもしれないからです。」うわぁ、すばらしい考えだね!! こんな考えかたもあるんだよ!と、巳之助さんにも伝えてあげたくなってしまいました♪ 「もし〜」と考えていくと、いろいろな思いが浮かんできて楽しいね!
●花織さん
(いなも/小4)の作文より(ももんが先生/9.4週)イノブンとは、地下一かいと地下から上は三がいある、大きい店です。【評:どのくらい大きいのか、数字を使ってよく説明できましたね(^o^)。】
●れもんさん
(ふれ/小4)の作文より(ミルクティ先生/9.2週)『大きな動物』「キャー。」思わず声を上げてしまいした。 あの大きな大きな動物にあったのは、今年の林間学校の時でした。林間学校では、伊豆山そうにいきました。やっぱり、林間学校のいちばんの思い出はと聞かれたらあの大きな大きなことばには表せないほどびっくりするほど大きな動物に会ったことでしょう。…略…私たちのグループが大きな動物を見たのは、山コースの入り口でのことでした。(あれ、今何かが動いた。)そう思った私は、動いたものの近くまで行ってよく見てみました。「ゲロ、ゲロロロ。」「キャーー。」私たちは思わず声をあげてしまいました。そう、私たちが見たものとは、なんと、体長二十五センチメートルぐらいの、地面の土と同じような色をした、まるでおすもうさんのようなカエルだったのです。<評>(大きな動物って何だろう?)と、読む人の興味をひきつけながら書き進み、その動物に出会った場面で、ようやくその正体を明かす…話の持っていき方が、実にたくみですね。
光る表現(小5−社)
2001年10月2週号●えりさん
(あなふ/小5)の作文より(ももんが先生/9.1週)ときどき(ふぁ〜)と、小さな口を大きくあけて、あくびをします。せなかをゴムみたいに「ぐーんぐぐ」っとのばします。このしぐさを見ていると、私はもう、すーんごくねむたーくなってくるのです。そして、つられて、「ふあ〜」とやってしまうんです。【評:うーん、とても気持ちよさそうな(うさぎのトトの)あくびですね。のんびりとした、やさしい空気の伝わってきます(^o^)。】
●えりさん
(あなふ/小5)の作文より(ももんが先生/9.2週)最後に一つ。『ウサギのしつけのできる人、ぼ集中!!』【評:作文の最後の一文。ペット(マイペースなウサギ)に、楽しく振り回される姿を書いた作文のまとまりが、この一文で、ぐーんと楽しくなりますね!】
●ケロちゃんさん
(ありう/小5)の作文より(ポプリ先生/9.3週)私も、お友達に「おはよう。」と言われると、「今日も仲良しでいられる。お友達なんだな。」と思うことがある。・・・あいさつとは、人間や動物を自然に気持ちよくし、もっと仲を深める魔法のようだと思う。これからも毎日元気に、「おはよう。」とあいさつをして、お友達ともっと仲良くなりたいと思う。
●茜さん
(あろさ/小5)の作文より(ももんが先生/9.1週)べにあづまは、皮が赤むらさき色ですが、実はこゆい(濃い)黄色で、むしたらとてもきれいです。【評:あざやかな色が、ぱっと目に浮かぶ文章ですね(^o^)。うーん、おいしそう!】
●茜さん
(あろさ/小5)の作文より(ももんが先生/9.2週)「ねえ、今日イチゴのゼリーが出るんだってー。」「えっ。そんなの今まで出たことなかったじゃん。でもおいしそーだね。早く給食の時間になってほしいね。」というような会話が、今日はよく聞こえました。だけど、私は今までに出たことのない給食はきらいなので、その話には入っていきませんでした。なぜ今までに出たことのない給食がきらいなのかというと二年生の時に....(後略)。【評:作文の書き出し部分です。会話から始まって、次の話題に上手につながっていますね。】
●茜さん
(あろさ/小5)の作文より(ももんが先生/9.3週)「運動会で一位だったんだから、今度も勝って二連ぱをせんばぞ。もしできんかったらなーうーん。全員デコぴん! アハハ。」【評:かぎかっこの言葉、生き生きとして楽しいね。こんな風に、話したままの言葉を思い出して文字にすると、その時の雰囲気までとてもよく伝わってきます(^o^)。】
●クリリンさん
(あかの/小6)の作文より(こあら先生/9.3週)せっかく外国まできたならば、その国のしきたりにしたがってみるのが一番いいことだと思います。そのしきたりが自分に合っていないのなら、自分の文化をとりいれればいいのです。(中略)かたい文化的カプセルに入って旅行するのでは、まわりの環境が変っただけで、小さな日本を連れているだけだと思います。【評】外国旅行にご近所感覚であまりに気軽にいけるようになってしまったので、「外国に行くのだ!」という心構えが出来なくなってしまったのかもしれませんね。
●哲也さん
(ありけ/小6)の作文より(ふじのみや先生/9.2週)その木は、おもしろい事をするとか、二酸化炭素をいっぱい吸うこともなくじっと立っているだけの木である。 評:まじめな書き方に、かえってユーモアを感じる!
●コナンさん
(あろあ/中2)の作文より(ミルクティ先生/9.3週)しかし、助けを必要とする場合もある。例えばサッカーがいい例だ。サッカーは一人がどんなにうまくても、また、一人一人がうまくてもチームワークが良くなければ勝てない。つまり協力=助け合いが必要なのだ。<評>日本的な人々が互いに助け合うことの良さについて、得意な〔サッカー〕を例に説明したところ。わかりやすい例で意見をきっぱり言い切れています。
●麻美さん
(いとさ/高2)の作文より(けいこ先生/9.4週)「知識」は人生の中でみそ汁のだしと同じ役割をしていると思う。今自分が持っている知識は外見だけでは決して分からないが、いろんな知識を持ち合わせていることで、だしの風味は豊かになり、おいしいみそ汁(味わいのある人間)になる。逆に瞬間的である情報ばかり持ち合わせている人は、味が薄く、おいしいとは言えないみそ汁ができるはずだ。 評:差し詰め、瞬間的である情報とはインスタントみそ汁ということだね。ちょっと口にするとおいしく感じることもあるけれど、毎日は飲めないし、飲んだとしたら体にもよくないかもね。「だし汁」という比喩が効果的だ。
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