KotobanomoriNo.740

言葉の森新聞

2001年12月3週号

文責 中根克明(森川林)

  年末年始の予定

 言葉の森の年間予定は、課題フォルダの「予定表」の中に書いてあります。

 年末は、12月28日(金)まで通常どおりの授業を行ないます。

 年始は、1月4日(金)から通常どおりの授業を行ないます。

 山のたよりの送り先や電話先を臨時に変更される方はご連絡ください。

 新学期の教材は、12月20日ごろから発送します。

  勉強のコツ

 勉強でもスポーツでも、ちょっとしたコツというものがあります。

 自然にやっているとだれでもが共通して陥りやすい癖があるので、その癖を早めに克服することが一つのコツになります。

 和田秀樹氏は、次のように言っています。(「受験計画の立て方」より)

 こんな計画は時間と労力のムダ

×やるだけやって、年末の時点ではじめて偏差値に合った志望校を決めるつもり

×一日六時間から七時間の勉強時間を確保するために、クラブ活動をスッパリやめる

×今日は英語、明日は国語、明後日は数学と、一カ月に三科目こなす時間割をつくった

×本番直前の追い込みに活用しようと、新しい問題集を何冊も用意している

×英語の長文読解は、単語と文法をマスターしてからとりかかる段取りにしている

×数学は思考力が第一と、一日三題を自力で解くことを課題にする

×日本史は覚えることが山ほどあるので、四月から暗記を始める心づもりでいる

×試験の配点ウェートが高い現代文で点をかせぐため、これから毎日評論文を読む予定

 これらの「×」の項目を見て、心当たりのある人は多いのではないかと思います。うちでも、中学生の子供の定期テストの直前に、仕上げのためにと言って母親がよく新しい問題集を買ってきます。テストの直前は、これまでにやったもの以外は手をつけないのが鉄則なのですが、人情としてつい新しいものをさせてみたくなるようです。

 また、これもうちの子供ですが、小学生時代、バスケットボールの試合の直前に、力が出るようにと肉をたっぷり食べて(食べさせられて?)いました。これも、ゲームなどをやっていると、「敵に襲われてパワーがなくなったら肉を食べて回復」などという場面があるので、ついそういうイメージを持ってしまうのでしょう。

 見当違いの努力をすると、その努力がプラスになるどころかマイナスになることさえあります。自分の実感に基づいた常識に頼らずに、先人の知恵を学んで生かしていくことが、効果のある努力をするためには必要です。

 では、先の「×」に対する正解はどういうものでしょうか。

○いまよりも一〇や二〇偏差値が上の大学でもかまわないから、まずは志望校を決めろ

○九〇分を一コマとし、平日は二コマ三時間のペースを原則にした時間割を立てろ

○一カ月に何時間も並行させて進めるより、重点科目を一教科定めて集中的にこなせ

○入試一カ月まえからは、これまで使ってきた問題集で、復習中心の追込みをかけろ

○英語は、時間切れアウトを防ぐ速読練習を三カ月やってから、文法対策に取り組め

○数学は「チャート」の問題の解法パターンを丸暗記してから、過去問を解きまくれ

○日本史は、九月以降の三カ月で、過去問・教科書・問題集を使った集中暗記をしろ

○国語に自信がないなら、現代文は手を抜き、得点源になる古文・漢文に一カ月あてろ

 こういうちょっとしたコツを知っているのと知らないのとでは、勉強の能率に大きな差が出ます。

 書店に行くと、こういうノウハウの書かれた本が多数あります。ハウツウ書だからといって軽視せずに、貪欲に吸収して、自分の勉強法の中に取り入れていきましょう。

 ただし、もちろん人生の目的は受験の合格という単純なもので決められるわけではありません。数学の問題を、自力でじっくり解こうとする人は、受験では敗者になるかもしれませんが、そのじっくり考える中で得るものもまたあるはずです。日本史が好きで三カ月前どころか一年も二年も前から始めている人は、受験ということで考えれば無駄なやり過ぎになるかもしれませんが、そのやり過ぎの中で得るものもまたあるはずです。

 しかし、総じて言えば、先人の知恵を生かして能率のよい方法で取り組むというのは、だれにとっても意義のあることだと思います。

 勉強の仕方のような、だれにでもできそうな簡単なものだからこそ、経験者のノウハウをしっかり学んでおく必要があるのです。

  次週12.4週の国語問題の予告

 次週12.4週は清書ですが、このときの国語問題は、漢字の問題4題以外に読解の問題4題を載せています。この読解の問題は、12.3週の長文をもとに作っていますので、あらかじめ12.3週の長文を読んでおいてください。

  幸福の源

 なんだか宗教的な題名ですが。(^^ゞ

 「幸福だなあ」と感じる瞬間は人によって違うと思います。私の場合は、朝起きてとなりに犬が寝ているのを見ると、そういう感覚になります。子どものころから、犬と一緒に寝るような生活にあこがれていたので、そう思うのかもしれません。もう一つは、野山を歩いていて、名前の知っている花を見つけたときなどに、幸福を感じます。

 十年ほど前、秦野の犬牧場というところに犬を見に行ったときのことです。そこは、人家からやや離れた山の中で、いろいろな種類の犬が数百匹飼育されていました。たまたま同じ日に犬を見にきていた人の中に、かなり人相の悪そうな人がいたのですが、その人の足元に犬がじゃれつくと、その人はこわそうな顔をとたんにくずして「おお、わんちやんが……」などと言っていたのには笑ってしまいました。

 思い起こしてみると、子供時代、物心ついたときから、私の家にはいつも何かしら小動物がいました。犬、ニワトリ、アヒルなど。そして、子供時代の遊びと言えば、もっぱら野山をみんなで歩き回ることでした。

 子供時代に経験した楽しさが、大人になってからの幸福感の源になっているのだと思います。先ほどのこわそうな人も、たぶんそういう子供時代を送っていたのでしょう。

 そう考えると、子供時代に、たっぷり楽しい経験をさせてあげることが、その子の生涯の幸福感を育てる上で必要ではないかと思います。もちろん、それはどういう分野でもいいのですが。

 人生は、たぶんそれぞれの時代にふさわしい課題があって、その課題を十分にこなしていくことが次の段階に進む準備になるのだと思います。

 現代は、子供時代に勉強の先取りをするあまり、肝心の幸福感の源になる体験が少なくなっている子が増えているような気がします。

  戦艦巨砲主義と航空機

 戦前の戦艦巨砲主義の時代に、航空母艦を使った航空機主体の戦術を主張することには勇気が必要だったと思います。今、それと似たようなことが職業の分野でも起こりつつあるのではないかと思います。

 今回のアフガン戦争は、その原因がどうであれ、結果的には米国を不況から脱却させることに成功しつつあります。今日の発達した工業生産力は、戦争のようなかたちで一挙に莫大な消費をしないと、通常の消費を上回る生産力で次第に経済の停滞を招く傾向があるのです。しかも、その膨大な生産力の一方で、飢えと貧困がまだ広範に地上に存続しているということが、現在の社会の克服すべき課題です。人類がこの課題の解決に成功しなければ、アフガン戦争と同じようなことが今後アジアやアフリカで再び起こりうるでしょう。しかし、現在の国際社会で、国家として米国に対抗できる国はありません。その意味で、テロリストとの対決という構図は、今日の社会の戦争の性格を如実に表わしています。テロリストという見えない敵との対決ですから、この戦争に明確な終わりはありません。終わりがあるとすれば、軍需産業の古い在庫が一掃されたときです。

 現代の大規模な工業生産力よりも更に巨大なものが、マネーの世界です。物財の対価として流通するために必要な量の数十倍のマネーが世界中をかけめぐって、投資や投機という自己増殖の機会を探しています。

 さて、このような膨大な工業生産力と膨大なマネーによって今後形成される社会はどういうものになるでしょう。人類は、やがてこの工業生産力を人類全体の繁栄のために使う道を発見するでしょう。その結果、工業生産はますます発展しますが、その一方で工業生産に従事する人口はますます少なくなっていきます。例えば、自動車産業は今後途上国に市場を見つけていくでしょうが、その過程で生産方式はますます機械化・自動化されていきます。やがて、市場への浸透が一段落し大きなフロンティアがなくなれば、残っているものはメンテナンス産業として生き残る道しかありません。同様のことが、産業の多くの分野で起こります。こういう社会への移行は予想以上に急速にすすみます。その急速な移行を可能にするのが巨額なマネーです。

 ここから大胆な予測になりますが、生産力が高度に発達した社会では、現在の尺度で見た安定した会社というものは、ますますメンテナンス産業化していき、生産そのものが先細りになる傾向があります。こういう会社に入るために、何でも万遍なくできる優れた能力を育てていくとすれば、それは、同じような能力を持った人といつでも代替ができる能力を育てていくということになりかねません。

 人間がある分野に精通するためには、ある程度以上の時間を費やす必要があります。ですから、プロを目指す棋士や相撲取りや芸能家は、人並みの高校生活を送ることを犠牲にしてまでその分野にかける時間を増やしていかざるをえないのです。

 高校や大学、更には大学院に進んで勉強することは、今日のような高度に専門家された社会で活躍するためには必要なことですが、できるだけ早い時期に自分の得意分野を作り、その部分をだれにも負けないぐらいに突出させていくということがこれからの人生の送り方で重要な戦略になると思います。

 あらゆることが万遍なくできる能力を身につけ、大きな会社に就職して安泰という人生設計がだんだん成り立たなくなるのがこれからの社会です。社会人としてのスタートに会社に就職することはあっても、できるだけ早い時期に自分だけの得意技を伸ばし、その得意技をてこにベンチャービジネスを興すという展望を、これからの若い世代の人たちは考えていくといいと思います。

 戦艦に乗るのではなく、自分の航空機を飛ばすということがこれからの社会の大きな流れになるような気がします。

  光る表現(小1−小4) 2001年12月3週号

●コナンさん(いすみ/小1)の作文より(ふじのみや先生/12.1週)

 (リスザルは)ぼくの手のひらにパンをのせたら、じぶんでとってたべました。その手は、ぼくの手のはんぶんよりも 小さくて、とてもかわいかったです。おいしそうに、口をもぐもぐしていました。 まるで、人げんのあかちゃんみたいでした。 ☆ひょう☆ 小さなリスザルが、小さな小さな手でえさをもって、いっしょうけんめい食べているんだね。それを、「かわいいな」と、思いながら見ていたんだね。

●りょうさん(いつみ/小1)の作文より(みのり先生/12.1週)

 ぼくは、まるでクイズ番組をみているときのように、手にあせにぎるおもいで、クラスのみんなをおうえんしました。(評)おもしろいたとえができました。ドキドキハラハラするようすが目にうかんでくるよ。

●るーたんさん(いてふ/小1)の作文より(ポプリ先生/12.1週)

 わたしが一ばんねがっているのは、ないせんが早くおわってほしいのです。「早くないせんがおわってほしいなあ。ちきゅうからぶきがなくなってみんながへいわにくらせるようになってほしいなあ。ねがっているよ。」評:自分のきもちをしっかりかけたね。先生もそうねがっています。みんなでがんばろうね。

●なるなるさん(いとほ/小1)の作文より(みのり先生/12.1週)

 かおなしが出てきたときにしんぞうが「ドキン、ドキン。」と、しました。(評)なるみちゃん、ほんとうにこわかったのね。そのきもちがよくつたわってくるよ。

●充さん(いさせ/小2)の作文より(スズラン先生/12.1週)

 知らないおばさんに、「あさくさばしまで、あといくつですか。」とたずねました。「あと四つだよ。」と言ってくれました。それを聞いて、ぼくはとおりすぎてなかったのでよかったなぁとおもいました。:評:初めて一人で電車にのった緊張感がつたわりますね。ちゃんと聞いて確かめたのはさすが!

●いちごさん(いすも/小2)の作文より(けいこ先生/12.1週)

 (20キロ歩くイベントで)一番つらかったのは、18から19キロまででした。海がとってもきれいだったのに、つかれていた私は、海がはい色に見えました。……(スタートしたときは歌を歌っていたのに)みんなしずかに歩いていきました。私も足をうごかすのがせいいっぱいでした。まるで自分の足がロボットの足になったようでした。自分の足が「もう歩きたくないよー。」とさけんだようでした。 評:小学生で20キロ歩くのはたいへんだろうなぁ。もうのこりわずか……けれども、ゴールはまだ見えない、一番つかれを感じるところだね。

●南美さん(いそみ/小2)の作文より(ポプリ先生/11.3週)

 まずはじめに、ふじやにいきました。わたしたちがはいったときにしばらく絵とか文をかいていたら、いいにおいがしてきました。そのにおいはケーキをやいているにおいでした。パンみたいなにおいでした。・・・秋のおかしがいっぱいありました。リンゴのグミとリンゴのガムとあまぐりとリンゴのゼリーです。いっぱいあってよかったです。評:・・・みたい、とかいてくれたのでにおいがそうぞうできました。がんばったね。

●さくらんぼさん(いそら/小2)の作文より(スズラン先生/12.1週)

 (一年生とのドッジボールの試合で)とても強い子は、ボールをとったりなげたりします。とても強い子は、まるでとりのようにボールをなげて一年生をあてます。:評:ボールがとんでいくようすがわかるたとえですね。鳥がとんでいくように、ボールがビューンといくのでしょうね。すごい!

●桃さん(いぬも/小2)の作文より(えみ先生/12.1週)

 そのボールがすごくてあばれんぼうで、まるでそらをとびまわっているあくまみたいです。【評】たとえをじょうずにつかっています。そらをブンブンとびまわるボールのようすがよくわかるね!

●ウサリンさん(いねめ/小2)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 「ごうかくしたかな。」と、うきうきしながら、プールの自どうドアまでスキップしながら走っていくと、おけいこがはじまりました。すると、コーチの「大はしさん、こっち、こっち。」と声が聞こえてきました。わたしは、「やったー。」と、思いました。【講評】うれしいときの気持ちをスキップしながら表現してくれましたね♪おめでとう!!

●真章さん(ありる/小3)の作文より(スズラン先生/11.3週)

 この長文を読んで、人をみかけできめると、一生仲良くならないから、みかけできめてはいけないと思います。:評:見かけだけで、こういう人かなと思ってしまうと、その人の本当の姿が見えないことがありますものね。気をつけたいことのようです。

●ナオさん(あわも/小3)の作文より(スズラン先生/12.1週)

 (ラディッシュの種をまいて)三日ぐらいたつと、二葉が生えてきました。二葉の大きさは、一センチ五ミリぐらいで、ちょっぴりザラザラしています。:評:二葉が出てきてさわってみたら、、、、こんな感じですね。しっかり観察をしていますね。

●ゆうちゃんさん(いいし/小3)の作文より(メグ先生/12.1週)

 パンジーとは、植物だが、植物じゃない/パンジーとは、傘ににている/パンジーとは、しまうまににている/パンジーとは、蝶ににている/パンジーとは、貝ににている  【評】作文の中に書いた詩。パンジーをいろいろなものにたとえたところがおもしろいね。

●泰児さん(いおと/小3)の作文より(ぴのこ先生/12.1週)

 ぼくは、(チョッパー語(ハムスター語)がわかりたいなー)と思います。〜でも、一つだけいやな事があります。それは、チョッパーは夜行性なので夜ねてる時「うーーつかれたーふんふんふん」とひとり言を言ったらぼくだけは、夜ねれないからです。【評】本当だね、それは困っちゃう。でも、仲良くなれたらきっと楽しいよね。

 

●くろくるくんさん(いかゆ/小3)の作文より(さかな先生/12.1週)

 (マラソンの)最後の直線で、とてもおそくなってしまいました。まるでめい路をずっと走っていたかのように、だくだくにつかれていました。★評:もし本当に迷路(めいろ)を走ったら、たしかに頭も体もどっと疲れそうだ。私なら道に迷って出てこられなくなるかも。おもしろいたとえだね。

●沙織さん(いとに/小3)の作文より(えみ先生/12.1週)

 そのトマトのとくちょうは、かぼちゃがハートがたになって、みどりから赤になりかけていることににています。【評】かわったかたちのトマトをとてもていねいにせつめいできているね。そのトマトの色や形が目にうかぶようです。

●スマイルさん(いにわ/小3)の作文より(さかな先生/12.1週)

 (テストを)とりに行って、点数を見たら、思わず、「キャ。○十点。」と言ってしまいました。前の子にへんな顔で見られてしまいました。私は、まっ赤になってうつむいていました。★評:はずかしかった気もちを、とてもうまく書き表したね。

●ポッターさん(いねり/小3)の作文より(えみ先生/12.1週)

 歯が「ぬいてくれてありがとう。もうすぐ、大人の歯がはえてくるよ。」といっているみたいだった。【評】歯をだいじにしているようす、大人の歯がはえてくるのがたのしみなきもちがつたわってくるようです。

●ビーバーさん(あにい/小4)の作文より(メグ先生/12.1週)

 そして、6球目がきました。あまりにも打ちやすくて、思い切り振りました。カキーン!ショートが取り損ねました。ボールはなおも転がり続け、レフトも取り損ねました。まるでボールが弾丸の様に転がっていき、校庭のはし迄転がりました。僕は、1塁のベースを蹴散らしていき、ボールが校庭のはしに着く迄にはもうホームベースを踏んでいました。【評】校庭のはしまで転がるボールとホームベースめざして走るビーバー君。臨場感あふれる描写です。

●みゆさん(あはみ/小4)の作文より(ドラえもん先生/12.1週)

 「くれる。」とぼくが言ったら、「いいよ。」とおじいちゃんは、言って、二かいに行ってとってくれました。ぼくは、大事にしています。赤だけとかくろだけとかさびているのがありました。【評】もらえてうれしかった気持ちや、大事にしているようすがよく伝わってきます。(^o^)

●諒さん(あろつ/小4)の作文より(森川林先生/11.3週)

 ぼくは日本にわたってきたのが、インディカの種類ではなく、ジャポニカの種類でよかったと思いました。なぜかと言うとインディカのぱさぱさしたご飯だとおにぎりもできないし、ぼくの大好きなおすしもポロポロ落ちて食べにくいと思います。アメリカでもカリフォルニア米は、日本のお米と同じ味です。お母さんによると、カリフォルニア米は十分おいしくて、日本のお米より安かったそうです。◆評:自分らしい感想が書けた。お母さんの話を取材したところもよかったね。

●佑宣さん(いうえ/小4)の作文より(けいこ先生/12.1週)

 囲碁の世界だと、おじいちゃんは名人、お父さんはプロ、僕は新人王です。 評:家族で囲碁を楽しんでいるのね。家族の中でランキングができていることを、たとえを使っておもしろく説明できたね。

●まいポンさん(いこに/小4)の作文より(ふじのみや先生/12.1週)

 では、みなさんにわたしの家にだいだいつたわる(そうでもないけど…)“コアラのれきし”をごしょうかいしましょう。まず、コアラちゃんは、はるばる海のむこうの近所の歯医者から兄弟と二人でたびをして、うちへきました(…といっても、車に十〜二十分のっていただけなんですが…)。そして、私と妹の大戦争(ただのけんかですが…)にまきこまれ、兄弟でわかれてしまいました。 さらに勝手に“柏坂コアラ”と名付けられ(二年生だったもので…)、今にいたるのです。 評:コアラくんの、波乱の生涯ですね…^^;  今は静かに暮らしているのかな?

●きのこさん(いすこ/小4)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 「ずっと大切にしていく物」【講評】ずっと大切にしているもの、ではなく、大切にしていくもの、にしてくれました。今までのことではなく、これからのことを豊かにイメージさせてくれるオシャレな題名ですね♪

●圭さん(いそむ/小4)の作文より(スズラン先生/11.3週)

 部活から帰って、おなかがすいているので、お母さんに「何か食べるものない」ときくと、「今日はなにもないよ」と言うときは、ぼくは自分でおにぎりを作って食べます。つかれがぶっとぶほどおいしくて大満足です。:評:お腹がすいているときのおにぎりは、なによりのごちそうかもしれませんね。自分で作るとまたまた良い味になりそう。大満足の気持ちが良くわかります。

●ミニまろさん(いそれ/小4)の作文より(けいこ先生/12.1週)

 あさっておじさんは、手じゅつを受けます。おじさんは“かん単な手じゅつだからへっちゃらだよ。”と強気な言い方をしていますが、私はとても心配です。なぜならおじさんは、今までにたくさんの病気をしたので、今体重が41kgしかないのです。大きな手じゅつにたえられるのでしょうか? 私の顔を見て、おじさんは、「めぐが来てくれたからもう大じょうぶだ。」とホッとしたように言いました。30年前に初めて手じゅつを受けた時、おみまいに来た私のお母さんに向かって、おじさんは同じことを言ったそうです。「純子が来てくれたからもう大じょうぶだ。」 評:おじさんは、ミニまろさんとお母さんにとても勇気づけられたのだろうね。同じ言葉を繰り返すことで、自分自身を励ましてもいるようだ。手じゅつが成功しますように!

●悟さん(いつあ/小4)の作文より(メグ先生/12.1週)

 「お兄ちゃん、何円はらえばいいの。」と言うと、まるでおにみたいな顔で「いいよ。千円はらえば。」と言われました。【評】お兄ちゃんの顔のようすをたとえを使って書くことができたね。

●れもんさん(ふれ/小4)の作文より(さかな先生/12.1週)

 出席番号一番の人から順番にみていきました。そして私の結果を見る前に深呼吸をしました。★評:劇の配役の発表を見るシーン。結果を速く知りたいけれど、知るのがこわい。そんな気持ちが伝わってきます。

  光る表現(小5−社) 2001年12月3週号

●DD51さん(あある/小5)の作文より(ゆり先生/12.1週)

 この本は、古い本なので、もう売ってないらしく、写真も全部白黒だった。ぼくは、一生この宝物を大切にする。【評:古いからこそかちがある本だね。大切に思ってる気持ちがよく表れていますよ】

●友葵さん(あしも/小5)の作文より(ゆり先生/12.1週)

 忘年会のめあてを決めることになった。初めは、手を挙げて、『仲良く忘年会をしよう。』とか、真面目に静かにして、意見を言ったり、聞いたりしていた。しかし、ついには、手も挙げないで、口々に言っていった。まるで、バーゲンで競争している、おばさん達みたいに言った者勝ち状態だった。【おもしろいたとえだなあ。にぎやかな様子がつたわってくるよ。】

●良明さん(あのた/小5)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 「できた。」と、ぼくは喜びました。すごく大変でした。でも、がんばっただけのかいがありました。とてもおいしかったです。みんなも「すごくおいしい。」と、言ってくれたのでうれしかったです。お母さんは、こんなに大変なことをいつもやっているからすごいなと思いました。【講評】勤労感謝の日にお母さんに良いプレゼントができましたね!!

●寛和さん(あめね/小5)の作文より(メグ先生/12.1週)

 お湯がピッチャピッチャ飛び散って、ぼくの方へ向かってまるで敵がせめてくるみたいでした。【評】初めてゆでたまごを作ったときの苦労を、たとえを使ってうまく表現することができたね。

●ケロちゃんさん(ありう/小5)の作文より(ポプリ先生/11.2週)

 今改めて思ってみると、人間の舌はとても不思議だ。大きくなって食べられるようになるものもあるはずだ。私はまだそういうものはないけれど、味覚も成長している。きらいなものはしょうがないが、せめて食べ物に感しゃする事ぐらいはしたいと思った。評;そのとおりだね。大きく結論を書けました。

●健太さん(いせつ/小5)の作文より(メグ先生/12.1週)

 僕は、「友達に負けてなるものか。」とおもい、調理したが、しょう油をいれすぎてしまった。その時の思いは、まるで目の中にしょう油をいれてしまい、目の前が、しょう油のように真っ黒になったようだった。(笑)【評】シャレのきいたたとえがおもしろい!

●健太さん(いせつ/小5)の作文より(メグ先生/12.2週)

 その手紙はパソコンで書かれていたが、手書きの手紙のような暖かさがあった。これはこの人が、手紙をパソコンで作ったが、手書きの手紙よりもこころをこめたからである。【評】大切なのは、手書きかそうでないかではなく、心がこもっているかどうかですね。 

●まもるさん(いそき/小5)の作文より(ゆり先生/12.1週)

 ニンジンはウインナーみたいな形だと思った。でもよく食べてみると、結局、にんじんとなりました。【評:ウインナーかと思ってパクッと食べてみたら大きらいなニンジンだった・・・そんな感じだったのかな?ウェ〜!!と顔をしかめている様子がめにうかびそうだね。】

●たこ焼きさん(いとつ/小5)の作文より(ぴのこ先生/12.1週)

 そんなある日、ものすごーく強い台風がやってきてオクラがほんとうに電話ぐらいのはばだったが少し横に倒れていた。ほとんどのトウモロコシやきゅうりの人、(背が高いもの。)がなかったせいもあるだろう。5日後にオクラをぬいた。だれかが引っ越した時ぐらい悲しかった。すでにオクラの花の所はありだらけで、花が見えないぐらいになっていた。【評】せっかく育てたお気に入りのオクラ。悲しくなるね。

●穂香さん(すよ/小5)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 セロリとガーリック、両方ともにおいの強いヤツ。私は、もしかしたら、においの強い物が嫌いなのかもしれない。だとしたら鼻を鍛えたいところだけど、そんなの聞いたことがない。好き嫌いは、しかたないのかなぁ?そんな疑問と、セロリのにおいと、ガーリックの触感は今でもずっとある。【講評】「疑問」、「におい」、「感触」を並列にして、ユーモアが効いているね!!

●シュシュさん(あさつ/小6)の作文より(えみ先生/12.1週)

 がーーんと頭の中で鐘が鳴った。あーあ、どうせ乗れないのなら、エスカレーターで走ることもなかった...【評】一生懸命走ったのに電車にのりおくれてショックを受けてる様子が目に浮かぶようです・・・(T_T)

●美佳さん(いうわ/小6)の作文より(ドラえもん先生/12.1週)

 そのいろいろあったケーキを先生に持っていった。すると先生は、何か仕組まれていると思ったのか、「友達にあげたらええやん。」と、とても嬉しそうに何回も言うのだ。私は、あー、嬉しいんだなぁと思い、嬉しかった。先生は、仕込んでないからと言うと、嬉しそうに食べてくれた。だから、いくら不格好でも、気持ちがこもっていれば相手に伝わるものだ。【評】スヌーピーさんらしい意見でまとめることができました。気持ちって大切ですね。(^o^)

 

●創さん(いなあ/小6)の作文より(ふじのみや先生/12.1週)

 人の好きなものは、みんなちがう。そして、それの「よさ」を見つければ、どんどんほかの物への関心が深まっていく。はじめは単純だった自分の世界が、「よさ」によってどんどん複雑になってゆく。そしてそうすることにより、世界で一つの自分の世界ができる。評: 自分だけの豊かで深い世界を作って、それで、みんなを楽しませることができたらいいね。

●トノチュウさん(いなさ/小6)の作文より(みのり先生/11.4週)

 へっついさんは大切なことを教えてくれていると思う。(評)何ともいえない余韻(よいん)を感じさせる結びで良かったです。

●正人さん(いなり/小6)の作文より(森川林先生/12.2週)

 全校朝会の時に校長先生が二つお話をして下さいました。一つ目は、一人一人必ずいいものを持っているということだった。つまり君達は、生まれてきた価値があるとゆうことだ。二つ目は、あなた達が今生きているということは、貴重なことだ。家系がどこかで違っていたらあなた達は、生まれてなかったはずだ。校長先生のお話お聞いてもう言葉では言えないくらいおれって本当に生きているのかなあと思ってしまいました。◆評:校長先生の話を似た例とした思い出したんだね。自分の問題としてよく聞いていて、えらい!

●ジョニーさん(いねも/小6)の作文より(えみ先生/12.1週)

 クラブ室に入る時の足は石のように重くなっていた。【評】いやだいやだ、という気持ちがよくあらわれています。「クラブ室にゆきたくなかった」と簡単に言うよりずっと面白い表現だよね♪

●ミュウさん(あおゆ/中1)の作文より(ゆり先生/11.3週)

 人生なにごとも思い通りにいって、楽しいはずがない。悲しいこと、嬉しいこと、それを経験し、いろんな事を学んで成長していくのが人間なのではないか。【評:「真の未来」のいいところを、きっぱりと書けていますね。】

●ルフィさん(あわせ/中1)の作文より(さかな先生/12.1週)

 しかし、死という暗やみの中からも、生の光は差しこんでくる。「朝のこない夜はない。」のだ。★評:印象的な表現です。名言の使い方がうまいね。

●こめさん(いせか/中1)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 僕は、水俣病やイタイイタイ病などの公害病は、工場や鉱山の排水の垂れ流しによる水の汚染によって発生しているものだということに気がついた。こういうのは、人間が人間自身をいじめていることになると思う。(中略)水は今、確実に汚染されてきている。汚染されることによって、全ての生物に影響が出る。つまり、水を汚している人間自体も影響がいろいろな所に出るのだ。【講評】人間が人間をいじめている、という表現は大変インパクトの強い、衝撃的な一節でした。

●ボミーさん(いてる/中1)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 しばらくしたら学年末のテストがある。これから一・二学期でそれぞれ一番よかった点数に負けないように自分との競争をしようと思っている。【講評】数ある競争の中で、「自分との競争」が一番大切なのかもしれませんね……。

●たぬきさん(のと/中1)の作文より(メグ先生/12.1週)

 人間も締め切りがあると燃える。テストなども締め切りがあると燃える。「ここで勉強しないと・・」と思い力が入る。締め切りが無いと、緊張感が無くなり燃えない。【評】その通りですね。締め切りがあるからこそがんばれることってたくさんあるよね。

●しっぽさん(ほし/中1)の作文より(メグ先生/12.1週)

 私にとって締め切りとはすごく刺激的で、時間を限られたものとして捕えることができる唯一の機会である。【評】「締め切り」というものを自分なりにとらえ、言葉にすることができました。

●実由記さん(いそほ/中2)の作文より(クマのプーさん先生/12.1週)

 私は、とてもおいしい食べ物とは、人が一生懸命に作ったものだと思います。【評】作る人の心にスポットを当てた、ズキンとくるとてもいい言葉ですね。

 

 

 

 

—————————————————————————————

■オンラインマガジンの登録と削除は下記のページで■

http://www.mori7.com/morion/imorion.html

■これまでの言葉の森新聞は下記のページで■

http://www.mori7.com/mori/komori/indexmori.html

■ホームページ■

http://www.mori7.com/

■メール■

nane@mori7.com