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  ヒントの池にヒントの追加
  高学年の作文指導(つづき)――構成を考え、主題を深める――
   先週号の話の後半(再掲)
   今週号の話
  中学1年生の作文指導
  光る泥団子
  日本昆虫協会の夏休みコンクールで準大賞
  光る表現(幼長−社) 2002年11月2週号
   ひかりさん(いわい/幼長)の作文より(うさぎ先生/10.4週)
   いここさん(いここ/小1)の作文より(メグ先生/11.1週)
   舞さん(いらき/小1)の作文より(メグ先生/10.3週)
   いしがみさん(ういむ/小3)の作文より(ともち先生/10.2週)
   裕子さん(いせて/小3)の作文より(メグ先生/10.2週)
   慧人さん(いそゆ/小3)の作文より(ゆうこ先生/10.2週)
   理沙さん(いたて/小3)の作文より(ゆえ先生/10.2週)
   森のきのこさん(いたれ/小3)の作文より(ももんが先生/10.1週)
   ビョークさん(いぬも/小3)の作文より(なび先生/10.3週)
   ウサリンさん(いねめ/小3)の作文より(ゆうこ先生/10.3週)
   かとちゃんさん(いりす/小3)の作文より(あかね先生/10.2週)
   愛子さん(いれみ/小3)の作文より(うさぎ先生/10.2週)
    れもんさん(ふれ/小5)の作文より(けいこ先生/10.3週)
   花織さん(いなも/小5)の作文より(ももんが先生/10.3週)
   直樹さん(いろな/小5)の作文より(メグ先生/11.1週)
   えりさん(あなふ/小6)の作文より(ももんが先生/10.3週)
   茜さん(あろさ/小6)の作文より(ゆうこ先生/10.3週)
   りんごさん(いしも/小6)の作文より(ふじのみや先生/10.4週)
   真樹さん(いよち/小6)の作文より(ゆえ先生/10.4週)
   ひろりんさん(あしゆ/中2)の作文より(とこのん先生/10.3週)
   ピエッパさん(にお/高1)の作文より(ふじのみや先生/10.4週)
   UZI.SMGさん(そお/高3)の作文より(森川林先生/10.4週)
 
言葉の森新聞 2002年11月2週号 通算第773号
文責 中根克明(森川林)
ヒントの池にヒントの追加
 ホームページのヒントの池( http://www.mori7.com/mine/ike/iike.html )に、ヒントの追加を随時掲載しています。
 特に、小学5年生以上の課題は難しいので、解説集や先生の説明以外に、ヒントの池も参考にしていってください。
高学年の作文指導(つづき)――構成を考え、主題を深める――
先週号の話の後半(再掲)
 抽象的な考えをする能力は、抽象的な語彙を駆使できる能力です。それは、そういう語彙のある長文音読・短文暗唱をする中で育ちます。小学校高学年や中学生が普通に読む本で、そのような抽象的な語彙の使われているものはほとんどありません。「ハリーポッター」は面白い本ですから、大いに読んでいくべきですが、「ハリーポッター」を読むことで国語の成績が上がるわけではありません。まして、高学年から要求される抽象的な思考力を必要とする作文が書けるようにはなりません。
 では、抽象的な語彙を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか。(つづく)
今週号の話
 子供たちは、学校で学ぶ国語の授業で、かろうじてそのような抽象的な語彙を身につけています。国語の教科書は、それなりにバランスの取れた事実文・説明文・意見文を配置しているからです。国語の教科書がなくなったら、子供たちの言語生活は、驚くほど貧困になると思います。子供たちが抽象的な語彙を身につけるもうひとつの場は、受験の国語問題です。受験の問題文を読むことは、抽象的な語彙を身につける最も能率のよい方法です。しかし、学校の教科書や受験の問題で身につける語彙の量はやはり限られています。家庭の学習として、抽象的な語彙のある文章を読む練習を独自に進めておく必要があります。
 先日、質問の広場( http://www.mori7.com/nohara/situmonn/ )で、大学受験生を思われる方(複数)から次のような質問が掲載されていました。
====質問(1)
国公立の教育学部の公募推薦を受けます。
本はやはり教育系のものを読んだほうがいいのか、それとも小説などでもいいのか分かりません。
今読んでいる本は『ハリーポッター』なのですが、これでは厳しいでしょうか・・・?
====質問(2)
大学の推薦入試の志望理由で、
 ?あなたが高校時代に出会った書物(哲学や思想、芸術に関するもの)や芸術作品の中で印象に残っているものを1点または数点あげ、それ(ら)についてあなたがどのようなことを考えたのかを書いてください。……
とあるのですが、それをA4用紙3枚も書かなければいけないんです。
私が印象に残った書物は「ハリー・ポッター」なんですが、芸術に関する作品と言えますか? 言えないとしたら、どんな本がいいんですか?
どうやって、3枚も書いたらいいんですか?
====
 繰り返し書きますが、「ハリー・ポッター」はいい本ですから、それで感想文を書くのは何も問題がありません。しかし、問題は、たぶん現在の高校生のほとんどが、抽象的な思考に必要な語彙のある本を、教科書以外に読んでいないことなのです。
 「ハリー・ポッター」以外の本を読んでいなければ、「ハリー・ポッター」を論じることはできません。高学年の作文指導は、作文だけの話ではなく、読書の内容にも必然的に関連してくるのです。
-pb-
中学1年生の作文指導
 小学生までの作文は、事実に重点が置かれていました。事実を中心にしてところどころに感想を書くというのが基本の書き方でした。これに対して、中学生では、まず意見が先にあり、その意見に合わせて事実を書くというかたちに変わっていきます。
 中学1年生では、意見文の基本を練習をします。意見文の基本は、(1)意見をひとつにしぼる、(2)その意見の裏づけとなる複数の理由と実例を書く、(2)自分の意見とは異なる意見に対しても理解を示す、の3つです。
 事実文から意見文に変わると、表現の工夫の内容もそれに応じて、「たとえ」から「名言」に変わっていきます。小学生のころは、事実の描写に的確なたとえを使うことが表現の工夫でした。「マッチ箱のような家」「風のような速さ」という書き方です。しかし、中学生以上になると、たとえは、使い方にもよりますがかえって幼稚な印象を与えることが多くなります。意見文の中で光る表現の役割を果たすのは名言です。しかし、中学生のころは、まだ自分で名言を作ることが難しいので、名言集から自分の意見に合った名言を引用する練習をしていきます。
 中学1年生が最も苦手とするのは、理由を書くというところです。意見に対する理由という抽象的な思考がなかなかできないからです。
 昔、「制服はよいか悪いか」というテーマで、中学生・高校生に作文を書いてもらったことがあります。ほとんどの生徒は感覚的に、「よいと思う」と意見で書き始めました。これは、自分自身が現に制服で通学しているので、当然の発想です。しかし、理由のところになると、詰まってしまう人がかなりいました。少数の生徒は、「悪いと思う」という意見で書いていましたが、これらの生徒は、理由も明確に書いているのが印象的でした。
 同じようなことは、どのテーマの場合でも言えます。意見は書けるが理由までは書けないという物事は、大人の場合でもかなりあります。理由がわからないと困るのは、異なる意見を持つ人と話し合いをするときです。しかし、そのような機会はふだんの生活ではまずありません。なぜなら、日常の生活では、異なる意見を持つような人と深い友達づきあいはしないからです。(笑)
 理由を明確に考える必要があるのは、ディベートをするためではありません。自分自身の考えを漠然とした感覚的なものから、もう一歩輪郭のはっきりしたものに変えておいた方が、よりよい考えに発展させる可能性が増えるからです。中学1年生の複数の理由は、このような意図を持った練習です。
 中学生の中に、理由は考えつくが、ひとつしか考えられないという人がいます。複数の理由を考えるには、論理学を利用します。例えば、「制服はよい」という意見では、まずその反対の「私服はよい」と意見を考えてみます。そして、「制服のよい理由」「私服の悪い理由」「制服が悪いとは言えない理由」「私服がよいとは言えない理由」と考えると、複数の理由を考えていくことができます。
光る泥団子
 小学校低学年の生徒で、お母さんやお父さんに、「どこにも行っていないから作文に書くことがない」という人がよくいるようです。
 ここで、親にとって大事なのは、子供を説得することではありません。確かに、「特別の出来事がなくても、日常生活で作文に書くような題材はたくさんある。書くことがないということを書いたっていいんだよ」と、子供を説得するのも一つの方法です。しかし、むしろ、イベントがないということを逆手に取って、「それでは、今から理科の実験をしてみようか」とか「花の種を植えてみようか」とか「部屋の大掃除をしてみようか(笑)」などと積極的に働きかけていくといいと思います。
 以前にも書きましたが、インターネットには、家庭でできる理科の実験や手軽にできる野山での遊びを紹介しているページがいくつもあります。
 我が家(森川林)でも、昔、子供が小学生のころ、スライムを作ったり紙飛行機を作ったりといろいろ楽しく遊びました。今はもう子供が中学生と高校生なので、そういうことはしませんが、先日インターネットを見ていて、「これは、やってみたかった」というのがありました。それは、「光る泥団子」です。(インターネットで検索するとすぐに見つかります)
 私が子供のころは、泥団子にロウ石と炭を混ぜた粉をすりこんで、銀色に光る団子を作っていましたが、それよりもかなりハイレベルな団子です。
 これは、たぶん、子供だけでなくお父さんも熱中すると思います。しないか。(^^ゞ
日本昆虫協会の夏休みコンクールで準大賞
 YOTO君(小5千葉県)が、日本昆虫協会主催の夏休み研究コンクールで、準大賞を受賞しました。なんと2年連続で準大賞。
 昨年は複数人準大賞がいて、大賞なし。今年は、準大賞1名で、大賞なし。実質、YOTO君がトップでした。
-pb-
光る表現(幼長−社) 2002年11月2週号
ひかりさん(いわい/幼長)の作文より(うさぎ先生/10.4週)
 それでピアノのひきかたはつよくひいてかたにちからをいれないようにしててにちからをいれます。【評】ピアノの先生が言った事をとてもよくおぼえていますね。熱心に練習ができている証拠ですね。
いここさん(いここ/小1)の作文より(メグ先生/11.1週)
 しの宮なるくんと僕はけんかをしました。でも、ぼくは、細谷先生には言いませんでした。どうしてかというといすでもがいていたからです。 【評】「どうしてかというと」ということばをつかってりゆうを書くことができたね。先生に言いたくても言えなかったのね。                       
舞さん(いらき/小1)の作文より(メグ先生/10.3週)
 いちばんたのしかったのは、こぶたレースとうまのレースです。どうしてかというとかわいかったからです。【評】「どうしてかというと」ということばをつかって、りゆうをせつめいすることができたね。
いしがみさん(ういむ/小3)の作文より(ともち先生/10.2週)
 運動会のかけっこがはじまりました。ぼくのばんは二番目だったからすぐどきどきしました。【評】かけっこがはじまってすぐにどきどきし出した気持ちがうまく表せています。
裕子さん(いせて/小3)の作文より(メグ先生/10.2週)
 「ああ、一位になれるかなあ。」わたしは今とてもドキドキしています。うんどう会をやっていてかけっこを今からやります。すごくドキドキして、まるで走る前から走ったあとのような気持ちでした。【評】心ぞうの音が聞こえてきそう。
慧人さん(いそゆ/小3)の作文より(ゆうこ先生/10.2週)
 「こわい。こわい。」と言っていました。ぼくはもう少しというときに、また手がいたくなって、「ぼくはできない。」と言って一つさがってしまいました。でも、ぼくはゆうきをだして、がんばってそうしたら、手にボールがあたってやっと、とれました。そして、ぼくはしんちょうにおりて、「とれてよかった。」と言いました。 ボールをとれたのは、ママがサッカーボールでなげたのと、ぼくが、がんばったからだと思います。【評】ボールに手がとどくまでの一幕を、会話文をまじえながら豊かな情感で表現してくれました。
理沙さん(いたて/小3)の作文より(ゆえ先生/10.2週)
  私は、質問の答えがわかるのに、「はい」といって、手を上げないわけは、手を上げて、発表するのが、はずかしいからです。私は、本当に、少しずつ、手を上げて、いきたいです。◆評◆少しずつ、はずかしがりやをなおしていこうと決めている理沙さんの気持ちが、短い文章の中に強く書かれていますね!
森のきのこさん(いたれ/小3)の作文より(ももんが先生/10.1週)
 わたしはアルトホルンというがっきです。ふいたきょくは、「世界じゅうの子どもたちが」と、「ファンファーレ」と、「とくしょう歌」です。始かいしきがおわると、くちびるがとてもひりひりしました。【評】「くちびるのひりひり」を書けたのがとてもいい! 森のきのこさんが、一生けんめいアルトホルンをふいていたこともよくわかりますね(^o^)。
ビョークさん(いぬも/小3)の作文より(なび先生/10.3週)
 できました。ついに、プールの反対がわまでばた足でとどけたのです。わたしはそのとき「自分でとてもよくやったなー。」と思いました。【評】がんばったときは、じぶんでじぶんをほめよう!とてもいいことだね。
ウサリンさん(いねめ/小3)の作文より(ゆうこ先生/10.3週)
 始めに木の実ビンゴをしました。木の実といえばやっぱりどんぐりです。ほかにもいろいろなしゅるいがあります。たとえば、しらかし、しりぶかがし、おきなわうらじろがし、うらじろかしです。くぬぎはまるで、ぼうしをかぶっているみたいでした。びっくりしたことは、三角形のような形のどんぐりは、食べれると言ったことです。たとえば、すだじいや、まてばしいなどです。【評】いろいろな木の実の名前がとびだしましたね。(題名「木の実であそぼう」)題名もすばらしいね!
かとちゃんさん(いりす/小3)の作文より(あかね先生/10.2週)
 前にもにたようなランニングホームランも2.3発打っているけど、手ごたえがちがった。これとにたようなホームランもあるけど、きょりがちがった。高さもちがった。カーンの音もちがった。でも、すべて打ったときは気持ちよかった。(評)これまで打ったどのホームランよりも、すばらしいホームランだったことが、よくつたわってくるね!
愛子さん(いれみ/小3)の作文より(うさぎ先生/10.2週)
 コードをやったとき、わたしの指がどきどきしました。曲をひいたとき、体全体がどきどきしました。少しまちがえたとき、もっとどきどきして、ペダルをふめなくなるところでした。こうとう質問のとき、全ぜんどきどきしませんでした。じしんがあったからです。【評】「どきどき」のようすをくわしく表現できました。「指がどきどき」は実感がこもっていい表現です。
-pb-
れもんさん(ふれ/小5)の作文より(けいこ先生/10.3週)
 人間の手でつくったものは機械とはちがって、一気にたくさんの物を作ることはできない。また、機械とはちがって、正確に0.0001ミリまで正確であるわけではなく、多少のずれもある。けれど、それこそが人間独特のもので、人間の手で作ったものの良いところだと思う。確かに、機械で作った場合、洋服だったら一時間に何枚もつくることができる。その上、0.0000000001ミリまで正確だ。しかし、私にはそれが気持ち悪いとしか思えないのだ。だから、私は人間の手で作ったものの方が好きだ。 評:この気持ち悪さは、本来ずれがあるのが人間だということの対極にあるものを押しつけられたときに感じるのだね。 
花織さん(いなも/小5)の作文より(ももんが先生/10.3週)
 でも最近、あむより買う方が安くなってるって聞きました。だったらあむ方がそんなんじゃないのかな? そう思って気がついたけど、手あみの方には心がこもっているから、手あみの方があったかいんだね!【評】おばあちゃんの手編みセーターが、ぽかぽかの理由発見! よい気付きだね(^o^)。
直樹さん(いろな/小5)の作文より(メグ先生/11.1週)
 まるでおりにつかまっていてとつぜん野に放された野ざるのようだった。 【評】たとえを工夫したね。するすると木に登る友達の様子がよくわかるよ。
えりさん(あなふ/小6)の作文より(ももんが先生/10.3週)
 そんなわけで、私は今日も知恵の輪を「カチャカチャ」やります。「人間が作ったものだから、人間の私に解けないはずがなーい」と思って。【評】なるほど、その通り。動作情景とキーワードを盛り込んだ「結びの文章」、ユニークですね。知恵の輪は、やっぱり難しい〜! でも、この難しさが、またおもしろいんだね(^o^)。
茜さん(あろさ/小6)の作文より(ゆうこ先生/10.3週)
 「はいればいいな」(題名)【評】玉入れのお話でした。声に出して読みたくなってしまう題名ですね♪
りんごさん(いしも/小6)の作文より(ふじのみや先生/10.4週)
 人間にとって幸運とは、努力して、がんばって得た結果だと思う。偶然得た幸運もまれにあるかもしれないが、努力して勝ち取った幸運を得たときに比べるとうれしくないものだろう。人によく好かれるひとは、ウケるユーモアを常に考えないといけないし、人に頼られるひとは、それなりにしっかりしないといけない。 【評】人知れず努力して、幸運を得る。そのことを具体例の中で考え、表現できています。
真樹さん(いよち/小6)の作文より(ゆえ先生/10.4週)
 決まった瞬間,僕も友達もやる気がわいてきた。テレビのある番組のようにかっこよく造りたいと思った。 ◆評◆真樹くんと友達のやる気が強く伝わってくる文章です。まだ、完成していないのかな?私も見てみたいなあ。
ひろりんさん(あしゆ/中2)の作文より(とこのん先生/10.3週)
 しかし、成長した今は違う。もう少し上からものごとを見るようになって、「現実はそう甘くない」と冷静に、合理的に考えるようになったのだ。それは悲しいことにも聞こえるかもしれないが、ちいさいころと考え方、感じ方が違って当然なのだ。 評:誰もが通る、少年期から青年期への移行における心理の変化。その変化がなぜ起こるのかが、実体験の中で深く分析され、簡潔に文章で示されています。
ピエッパさん(にお/高1)の作文より(ふじのみや先生/10.4週)
 人間にとって幸運とは、努力して、がんばって得た結果だと思う。偶然得た幸運もまれにあるかもしれないが、努力して勝ち取った幸運を得たときに比べるとうれしくないものだろう。人によく好かれるひとは、ウケるユーモアを常に考えないといけないし、人に頼られるひとは、それなりにしっかりしないといけない。 【評】人知れず努力して、幸運を得る。そのことを具体例の中で考え、表現できています。
UZI.SMGさん(そお/高3)の作文より(森川林先生/10.4週)
  受験というものに、私は今取り込まれて勉強している。何だかよくわからないまま通過した中学受験、それから今に至るまで、人生の大部分を受験に縛られてきた。さながら受験というベルトコンベアに乗せられて、学校という工場で機械的に加工され、模試という定期検査を受け、今最終チェックを受け市場に出るという感じだ。その構図は近現代における大量生産方式の縮図という感じで、時代を象徴しているようであり、皮肉ではあるが不自然さがないように思われる。  モノであれば全て図面通りの形になって出てくる。それに規格外商品、不良品は捨てれば済む。しかし学校や塾に運ばれてくるのは人間である。考えるべき点はそこにある。 ◆評:鋭い問題意識。自分も含めた現代文化の問題というとらえ方がいい。
 
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