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  新学期の教材を発送します
  3月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
  3月の課題は28日(火)までに送信を
  父母の広場から
  言葉のむずかしさ(イルカ/かこ先生)
  ダジャレで覚える南国(難語句)講座
  コツコツと……(のり/いしみ先生)
  楽しみは(はつこ/そうよ先生)
 
言葉の森新聞 2006年3月4週号 通算第928号
文責 中根克明(森川林)

新学期の教材を発送します
 新学期の教材は3月23(木)に発送予定です。体験学習中の方にもお送りいたします。
 国内の生徒で28日になっても届かない場合はご連絡ください。
★住所シールと項目シールは4月1週の山のたよりと一緒に送ります★
3月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
3月29日(水)30日(木)・31日(金)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。
3月の課題は28日(火)までに送信を
3月29日から、ホームページのデータが一斉に入れ替わります。インターネットを利用して作文を送っている方は、3月の課題を3月28日(火)までに「作文の丘」から送信してください。それ以降は正しく送信できなくなる可能性があります。
父母の広場から
国語の成績が上がりました(中2父母)
 言葉の森での学習を始めてから、国語の成績が上がりました。問題集を解くような勉強はしていなかったのですが、これは言葉の森で作文を書くようになったことと関係があるのでしょうか。
更に長文音読や読書を(教室より)
作文の勉強を始めてすぐに成績が上がる人もいますし、そうでない人もいます。
 しかし、長文音読や問題集読書などの自習を続けていけば、必ず国語力は向上します。
 逆に言うと、そういう自習を伴った勉強をしていないと、国語の成績上昇はすぐに頭打ちになると思います。
 1月に長文問題を始めてから、長文をしっかり読んでくる子が増えました。この成果はこれから出てくると思います。
 また、今後の新しい企画として読解マラソンを考えています。詳細が決まりましたらあらためてご連絡します。
音読の読み間違い(小2母)
 子供の音読を聞いていると、助詞の読み間違いや、文末を自分でつくって読んだりと、正確性に欠けるときが多いのですが、どのように注意させたらよいのでしょうか?注意力不足は、算数の文章題でも見られ、きちんと読めば間違えない問題も、いい加減に読んでいるので、一回で正解が得られないときが見られます。毎日の音読で、一字一次を大切に読むことを身につけさせたいのですが・・・
注意はしないのが原則(教室から)
 子供さんの音読を聞いていると、いらいらしないお母さんはいません。
 しかし、そこで読み間違いを注意すると、親も子も勉強に疲れてきます。
 読み間違いをするのは、注意力不足のためではありません。実力不足のためです。実力がついてくれば、読み間違いはなくなります。
 ですから、今は読み間違いをしてもそれを注意するようなことはせずに、いつもにこにこ聞いてあげてください。そして、「読み方が上手になったね」と言っていてあげればいいのです。どんなに下手な読み方でもただひたすら「なんだか上手になったね」とほめてあげてください。不思議なことですが、このやり方で必ず上手になります。
 これは、子供の勉強というよりも、お母さんの忍耐力の勉強のように思います。この忍耐力が身につけば、将来子供との関係がスムーズに行くようになります。
 作文の勉強も同様です。いいところを褒めて自習を続けていけば文章力は必ず上達します。悪いところを直そうとすると、少しの間だけ作文が上達しますが、すぐに書くことが負担になり結局上達しないことになります。
 
言葉のむずかしさ(イルカ/かこ先生)
 最近、私は言葉の難しさというものを感じています。言葉は人間に与えられた伝達手段です。自分の気持ちを伝えたり、用件を伝えたりする道具として、言葉はとても便利なものです。言葉は人を励ましたり慰めることができます。ある時は勇気づけることもできますし、気持ちを共有したりすることもできます。逆に、言葉は人を貶めることも傷つけることも殺すことさえもできてしまう。使い方によって、言葉は凶器にもなりえるということです。皆さんもお友達と喧嘩をした時、相手を傷つけるような言葉をわざと言ってしまったことがあるかもしれませんね。言葉のほかに、伝達手段として文字があります。文字と言葉の違いは、言葉は修正がきかないのに対して、文字は修正がきくという点です。一度口から出てしまった言葉は、口に入れ直してもう一度言い直すことができません。しかし、文字は書いたものを消して書き直すことができます。自分で読み直して修正することができるのです。ここに大きな違いがあるのです。
 さて、言葉を使う時、皆さんはどんなことに気をつけていますか。私は、その言葉を言ったら相手がどんな気持ちになるかなということを考えています。用件を伝える時は、間違えても「ごめんなさい」で許されますが、そうでない場合、感情が関係する場合は一度口にした言葉を修正することができないので、相手の立場や気持ちを考える必要があります。それは、こういうことを言ったらこのように思うだろうという一種の想像することにつながると思うのですが、日ごろから想像する訓練をしていないと、いざしようと思ってもなかなかできないことではないかと思います。
 作文でも感想文でも、相手の立場に立って考えたり気持ちを想像して書くということがありますね。「もし、私が○○だったら」「たぶん、○○さんは……のような気持ちだったのかもしれない。」など、想像して書く。書いているうちに、はっと気がつくこともあるでしょう。いつの間にか、反省の材料になっていたりすることもあるかもしれません。それは、書いて読み直すことができる文字を使っているからです。
作文を書くことで、語彙力や文章の上達を図ることも一つの目標だと思います。しかし、それ以外に、自分自身を振り返ったり想像することで、自分以外の人達の気持ちを察することができるようになると思います。表現力が養われれば、同じことを言うにしても相手を傷つけない表現法が自然にできることでしょう。もちろん、すぐにできるわけではないですから、長い目でみなければならないと思います。でも、皆さんが社会に出た時、役に立つはずだと私は思っています。作文を書く、長文を読むということは、実生活の中でいろいろな意味において役立つものだと確信しています。
 受験のために、成績を上げるためにというだけではなく、人間として、社会の一員として生活をしていくうえにおいて、書くこと、読むことを一緒に学んでいけたらよいと思っています。
ダジャレで覚える南国(難語句)講座
 今月の学級新聞は、私のメルマガ第二弾から創刊号の一部をご紹介します。

 知らないと恥をかく言葉。知っていると得する言葉。そんな難語句をダジャレで覚える講座です。

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 ここは南国。
 癒しのヤシの木。
 常夏の島で食べるトコナッツ、じゃなかったココナッツ。

 さあ、この南国で難語句を覚えましょう。
 大丈夫。一度覚えた難語句は絶対に忘れないから。

 それでは、早速問題です。何と読むでしょう?

 1.領袖

 2.独楽

 3.読経

 読めないと恥ずかしい熟語もありますよ。全部わかりましたか?

 では、答えと覚え方です。

1.領袖(りょうしゅう)

 えりとそでの意。
 えりとそでは目立つということで、「人の頭に立つ人」という意にもなります。
 では、覚え方です。
 「領袖の領収書」(りょうしゅうのりょうしゅうしょ)
 恰幅(かっぷく)のいい社長が領収書を渡しているところを想像しましょう。

2.独楽(こま)

 もちろん、こま回しの「こま」です。
 覚え方は……。
 「困った独楽」(こまったこま)
 回り続けて止まらない困った独楽を想像しましょう。


3.読経(どきょう)

 お経を読むことです。
 覚え方は……。
 「読経をする度胸」(どきょうをするどきょう)
 お坊さんの前で読経をする度胸のいい人を想像してみてください。

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 登録はこちらから→http://www.mag2.com/m/0000184793.html
コツコツと……(のり/いしみ先生)

 トリノオリンピックも開幕しましたね。運動大好きの我が家では当分の間、この話題で盛りあがっていることでしょう。私が個人的に楽しみなのは「女子フィギュア」、息子たちは「ジャンプ」と「モーグル」、「滑降」、「ハーフパイプ」…結局全部のようです。
今日ラジオで聞いたのですが、どの競技もそのレベルの高さは本当に人間の限界をいっているとのことでした。例えば「スケルトン」で言うと、氷の地面からあごまでの距離はわずか十センチ足らずしかなく、そういう状況で百三十キロものスピードを出しながら滑っているそうです。百三十キロというのは自動車が高速道路を走っていてもなかなか出せる速さではありません。また「ハーフパイプ」でジャンプをするせり上がった部分の高さは、大体歩道橋くらいあるそうです。歩道橋の高さから飛び降りるなんて、想像しただけでも震えてきませんか。
 昔から「オリンピックは参加することに意義がある」と言われています。しかし、最近は「今度のオリンピックではメダルがいくつ取れるか。」とか「金メダルに一番近い〇〇選手」などと結果を求める言葉がとても増えてきたように思います。もちろんこれは、それだけ実力があるということに他ならない激励の意味も大きいことでしょう。「オリンピック」はアスリート達にとって一番の目標、夢の舞台です。私はメダルに届かなくても、そこに出場できた一人一人の選手たちに拍手喝采を送りたいな、と思いながら応援するつもりです。
 オリンピックとは違いますが、コツコツ努力することで大切なことが皆さんの周りにもたくさんあると思います。例えば、「漢字」はどうでしょうか。「漢字」は小学校一年から始まって、学校に通っている限りついてまわる学習です。そのときには「面倒だな。」と思うかもしれませんが、その漢字はその時に覚えないと(別に漢字に限ったことではありませんが。)一生「あれ、どうだっけ?」ということになりかねません。しかも憶え直そうと思ったときには膨大な量になり、後から追いつこうとしたら困難極まりないものでもあるのです。また、「漢字」を使ってあるかどうかで見栄えが変わってくるだけでなく、特に大人になってしまうとその人の評価にさえつながりかねません。だから、知っている漢字は極力使うように心がけていきましょう。漢字の練習方法はいろいろあるかと思いますが、私はやはり「書くこと」をお薦めします。できれば、漢字辞典をひきながら「意味」や「読み」を確認しておくとあとで違う使い方に応用が利き、最終的には漢字のマスターに近道となるでしょう。
 今の時代、パソコンが普及しているので、漢字が書けなくても大丈夫な場合も多々あります。私も正直な話、パソコンを使うようになってから(年のせいかも?)、読めるけれど書こうとすると「あれ?」という漢字があり反省することがあるくらいですから。だからこそ、漢字練習には日頃からコツコツと地道な努力をすることが必要なのですね。日本人にとって漢字は必要不可欠のもです。ですから、作文もそれを活用する場として、知っている漢字は積極的に入れながら書いてみて下さい。私も頑張ります。
楽しみは(はつこ/そうよ先生)
 寒い日と暖かい日が交互にやってくる三寒四温といわれる時期に入りました。

楽しみは 朝にみつける霜柱 踏みてザクザク 耳にするとき

 霜柱をご存知ですか?冬の気温がうんと下がった夜に地表に出来る細い氷の柱です。この時期の朝、自宅の庭では冬枯れの芝生がボコボコと波をうったようになっていることがあります。霜柱が地表にせり上がり、芝生を押し上げ、地面からはがしてしまうのです。その浮いた芝生をならすために踏み固めるのですが、踏むと霜柱が砕ける音、ザクザクという音がします。
「冬なんかに負けないぞ。」
ザクザクと音を立てれば、少しばかり冬に勝った気がするのです。そんな気持ちをうたにしてみました。

 また連日の寒さが少し緩んだ日には

楽しみは 羽虫を運ぶ蟻一匹 いづくへいくか 子らと見るとき

あたたかな時を逃すまいと這い回る蟻をみつけました。いま少し休んでも罰はあたらないと思うのですが、頑張って働く蟻のすがたに小さい春を見つけた気がして、うたのかたちにしてみました。


 今、恥ずかしながらあげた「楽しみは〜とき」の自作の二首は、橘曙覧(たちばなあけみ)という江戸時代の終わりに生きた人の和歌をまねてつくったものです。
 彼の『独吟集』には「楽しみは〜」ではじまる52首の歌があります。ふだんの生活や家族、友人のなかで見つけた「楽しみ」が簡単な言葉でつづられていて、温かみが感じられる作品です。どれも共感できる歌ばかりですが、2,3紹介してみましょう。(理解をたすけるために現代仮名づかいに変えておきます。)

たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどい 頭(かしら)ならべて 物をくう時

家族みんなで食卓を囲むのはなによりのごちそうですね。食事は大切にしたい時間です。

たのしみは そぞろ読みゆく 書(ふみ)の中(うち)に 我とひとしき 人をみし時

読書をする中で
「この登場人物、私の気持ちをそのまま言ってくれてるなあ。」
と思った時がきっとあるでしょう。作中の人物に握手を求めたくなる瞬間!これは楽しいですね。

たのしみは 紙をひろげて とる筆の 思いの外に 能(よ)くかけし時

今、「紙」を作文用紙、「筆」を鉛筆と解釈すればいかがでしょう?
「今日は我ながらおもしろい作文が書けたんじゃない??」
と思うこと、きっとありますよね。書いているうちにひらめいた経験もあるのではないでしょうか?

この「楽しみは〜のとき」という和歌。きまりは「楽しみは」ではじまり、「時」でおわること、それだけです。まっすぐな心をもつあなたたちならきっと簡単に作ることができるでしょう。「楽しみ見つけゲーム」としてご家族でためしてみてください。良い歌ができたら是非教えてくださいね。
 
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