言葉の森新聞
2008年5月3週号 通算第1031号
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森新聞 |
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■検定結果の見方 |
3月4週に行った作文検定模試の結果を、5月中に返却します。 検定結果の見方でわかりにくいところがありましたら、掲示板などでご質問ください。 http://www.mori7.com/hubo/ |
[1a] 作文検定の結果が出ています。該当の級に合格しなかった場合は、「○点証明」のように、点数の証明だけを行っています。 最高点は100点前後ですが、全体の点数の分布によって決まる点数なので、100点満点ではありません。(点数については、以下同じ) [1b] 該当の級に合格した場合は、「○点○級認定」のように、級の認定を行っています。 [2] 作文の総合点です。この総合点から、表記ミスや項目不足の減点をした点数が作文検定の点数になります。 [3] 作文の字数です。改行などによる空白を入れない正味の文字数です。 [4] 思考語彙の点数です。考える語彙が豊富な場合は高得点になるので、作文のジャンルによって大きく異なります。一般に生活作文が中心の小学生の場合は点数が低く、論説文が中心の高校生の場合は点数が高くなります。 下の棒グラフは、全体の点数の分布と自分の点数の位置を表しています。(グラフについては、以下同じ) [5] 知識語彙の点数です。複雑な概念を表す言葉が多いと高得点になります。一般に、小学生では点数が低く、高校生では点数が高くなります。 [6] 表現語彙の点数です。語彙の多様性を表しています。実例の種類を広げたり、言い回しの仕方を工夫したりすることによって点数が高くなります。 [7] 総合点の位置と思考語彙、知識語彙、表現語彙の点数の位置を表しています。 総合点は、字数、思考語彙、知識語彙、表現語彙のバランスによって決まります。 |
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[8] 思考語彙、知識語彙、表現語彙をイメージ化したものです。ひし形の縦と横の長さが同じに近いほどバランスが取れています。 [9] 検定委員による講評です。 [10a] 受検した級の項目とキーワードの表です。 [10b] キーワードが入っていない場合は、キーワード不足の減点が表示されています。 [11] 手書きの原稿をもとに、検定委員がテキスト化したものです。このテキスト化した原稿をもとに字数や語彙の集計をしています。 ※テキスト化した原稿には入力ミスがある場合がありますが、その入力ミスによって点数が低くなることはありません。 |
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[12] 手書きの原稿です。 ※今回はスキャナの設定が変わったため、きれいに読み取れない原稿がかなり増えてしまいました。読み取れない原稿は原本で照合してテキスト化しています。 [13] 表記ミスの表示です。 小4以上は、段落ができていないと減点、小5以上は、常体統一ができていないと減点になります。 高校生以上は、誤字も減点になります。 [14] 表記注意の表示です。 表記注意は、「これからできるだけ気をつけましょう」という意味なので、減点にはなりません。 |
[15a] 受検した級に合格しなかった場合は、取得した点数の証明書が発行されます。 この証明書は、外部に対する正式の証明書としての効果はありません。 [15b] 受験した級に合格した場合は、取得した級の認定証が発行されます。 この認定証は、外部に対する正式の認定証としての効果があります。 (ただし、作文検定模試の場合は、正式の認定証とはなりません) |
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■作文検定の点数を上げるポイント |
パソコンで作文を送信すると、森リンの点数が表示されます。 この点数は、作文検定の点数と大体同じです。どういう文章を書くと点数が高くなるかということを研究していきましょう。 ▼級ごとの難易度 小学生の級は、目標の字数が書けていればほぼ合格圏内です。中学生の級は、目標の字数が書けていてしかも項目と表記ができていれば大体合格圏内です。しかし、高校生の級は、語彙の点数が高くないと合格圏内に入りません。また高校生の級からは誤字も減点になるので、誤字があるだけでも合格はかなり難しくなります。 ▼字数が最重要 小1は200字、小2は400字、……小6以上は1200字が字数の目標です。小6以上の人は、75分以内にこれだけの字数を書くのですから、書くことにかなり慣れている必要があります。時間をかければ長く書けるという人は、早く書き上げる練習をしていきましょう。時間をかけても長く書けないという人は、書く力よりも先に読む力をつけていきましょう。 ▼思考語彙は、考える言葉 思考語彙は、論理的に書く文章では点数が高くなります。したがって、実例を生かして書く小学生の作文では、この点数はあまり高くなりません。文章のジャンルによって点数の枠が決まってきますから、小学生のうちは、思考語彙の点数はそれほど高くなくてもかまいません。高校生で思考語彙の点数が低い場合は、接続語や助動詞を工夫して論理的な文章を書いていくように心がけましょう。 ▼知識語彙は、難しい言葉 知識語彙は、学年による成長の差が点数の差として出やすい分野です。例えば、小学生が「おなかがすいたので」と書くところを、高校生は「空腹なので」などと書きます。文字数は少なくなりますが、その文字が表す意味は変わらないので、密度の濃い言葉で書くことになります。このような語彙が知識語彙です。知識語彙は、実例のジャンルによっても異なってきます。身近な体験実例よりも社会的な実例の方が知識語彙の割合は高くなる傾向があります。高校生で知識語彙の点数が低い場合は、社会実例を増やしていくように心がけましょう。 ▼表現語彙は、語彙の多様性 表現語彙は、語彙の種類の多様性です。「ご飯を食べて、たくあんを食べて、さしみを食べた」と書くよりも、「ご飯を食べて、たくあんをかじって、さしみをつまんだ」と書く方が、表現語彙の点数は高くなります。表現語彙の点数が低い場合は、できるだけ多様な表現をするように心がけましょう。 ▼語彙のバランス 思考語彙、知識語彙、表現語彙のうち、ある点数だけが突出して高いと、文章のバランスが悪くなるので、かえって総合点は低くなります。例えば、思考語彙だけが高いと、骨組みだけの堅苦しい文章になります。知識語彙だけが高いのは、経済用語などを使いすぎて重い文章になっている場合です。表現語彙だけが高いのは、固有名詞などが多く、事実の羅列になっている文章です。全体のバランスを考えながら、それぞれの点数が高くなるようにしていきましょう。 ▼項目 それぞれの級に必要な項目があります。項目は、キーワードが入っているかどうかが基準で、キーワードが入っていないと減点になります。内容的にできているかどうかということで評価をすると、検定委員の主観による差が出てしまうので、単純にキーワードの有無で評価をしています。 ▼表記ミスと表記注意 表記ミスは、小4以上の段落、小5以上の常体統一、高1以上の誤字なし、ができていない場合の減点です。高校生以上は、漢字で書くところをひらがなで書いていた場合も誤字と同じ扱いとなります。 表記注意は、表記上の注意ですが、減点にはなりません。 |