言葉の森新聞
2010年3月1週号 通算第1117号
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森新聞 |
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■【重要】3.1週作文進級テスト(再掲) |
3.1週に、作文進級テストを行います。 提出が遅れた場合は進級できません。(3月8日ポスト投函まで) 課題フォルダの字数・構成・題材・表現・主題の●印が全部できていることが合格の条件になります。(表現の項目などで「たとえ」と「ダジャレ」など二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いていってください。中学生以上の時間制限については、今回は採点の基準にしませんが、できるだけ時間内に書き上げる力をつけていきましょう。 手書きで作文を書く人は、項目ができたところにシールをはっておいてください。 パソコンで作文を書く人は、キーワードを入れておいてください。 小学生の場合は、提出する前に、おうちの方が字数と項目シールをチェックしてあげてくださるとよいと思います。 小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。1月以降に受講を開始した生徒も、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。ただし、いずれの場合も、賞状は出ますので、できるだけ字数と項目ができるように書いていってください。 |
■問題集読書の小冊子を希望者に送ります(有料) |
問題集読書についての問い合わせが多いので、希望される方に1週間分40ページの見本の小冊子をお送りします。(現在、通学教室で使っているものと同じです) 新小5・小6用は、中学入試の問題集で、1冊200円です。 新中1・中2・中3用は、高校入試の問題集で、1冊300円です。 新高校生の問題集は割高になってしまうので、自宅で用意した方がいいと思います。しかし、ご希望があれば1冊800円です。 希望される方は、言葉の森のホームページに送信フォームを作っておきますので、そちらからお申し込みください。 ○申し込み期間 2010年3月1日〜3月15日 ○申し込みページ http://www.mori7.com/mori/mdds.php ○小冊子発送 4月1週の山のたよりと一緒にお送りします ○料金 4月の受講料に加算して引き落としします。 (新小5・小6=200円、新中1・中2・中3=300円、新高校生=800円) ○申し込み条件 4月に在籍している方。生徒でないご兄弟の分も注文できます。 (例えば、小2の生徒が、生徒でない中3の兄の分を注文するなど。ただし送料の関係で1家庭3冊までにお願いします) ○使い方の説明 問題集読書と四行詩読書ノートの書き方は、おって言葉の森新聞に掲載します。 |
■作文の日記念コンクール募集要項 |
3月9日は作文の日です。言葉の森では、作文の日を記念して下記の要領でコンクールを行います。 「わんぱく宣言」で書いた書き方を参考に、これまでに書いた上手な作文や、3.4週の清書の作文を、テーマに合うように書き直して送るといいと思います。ただし、「わんぱく宣言」の作文と同じようなものにならないようにお願いします。 ○名称…2010年作文の日 ネット作文コンクール ○対象…小学1年生〜社会人 (小学1年生よりも下の方は、小学1年生として応募してください) ○テーマ…「私の記念日」又は自由。 小学3年生以上は「私の記念日」というテーマで書いてください。 小学2年生以下は自由な題名で書いてください。 ○受付期間……2010年2月1日〜3月31日 ○発表……2010年4月1日 |
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○応募方法……パソコンで入力したものを「ネット作文コンクール」のページから送ります。 http://www.mori7.info/conc/ 1人で複数の作文を応募する場合は題名を別のものにしてください。 題名・氏名・メールアドレスが同じものは上書きされます。 ○応募資格……だれでも可(言葉の森の生徒以外の方も受け付けています) ○字数(正味の字数です。スペースの部分は字数として数えません)
○賞品
○主催……言葉の森/日本語作文小論文研究会 |
■効果のある読書法、作文法(その1) |
これまで自分自身でやってきて実際に効果のあった読書法を5つ紹介します。これらの方法の長所は、いずれも手軽にできることです。 第1は、傍線法です。3色のペンで色分けをするとか、線の種類を変えるとかいうような複雑なことはせず、ただ、鉛筆で線を引きながら読んでいくだけの方法です。線を引くのは、面白いと思ったところ、よくわかったところなどです。重要なところに線を引くというのではありません。面白いとかよくわかったとかいうところに線を引きながら読んでいくと、再読するときに全体像がすぐに頭に入ります。国語のテストの問題文を読むときも、この方法で読んでいきます。すると、設問を見て問題文に戻ったときに、その問題文の必要な箇所が見つけやすくなります。普通の読書の場合も、傍線を引いた本は、再読するときの能率が上がります。傍線を引いた箇所だけを重点的に読んでいけばいいからです。 第2は、並読法です。読みかけの本が何冊もたまってしまうことがあります。これを同時に数ページずつ読んでいくと、たくさんの本を一度に読むことができます。人間の頭は同時に何冊の本を読んでも理解できるようになっています。読んでいるうちに自然にはかどる本が出てきますから、どの本も同じペースで進んでいくわけではありません。しかし、読みたい本がたまっているというストレスがなくなるだけでも効果があります。 第3は、フォトリーディング法です。フォトリーディングの解説がしてある本を1冊読むと、「なるほど速く読んでも大事なところは頭に入るのだ」と納得できます。それまで律儀に全文をひととおり読むという制約を自分に課していたのが、自由なスピードで読めるようになります。このことによってて読書のスピードが飛躍的に向上します。もちろん内容も十分に頭に入ります。 第4は、付箋読書法です。市販の付箋ではなく、手作りの付箋を貼りながら本を読んでいきます。手作りの付箋ですから、もったいないという感じがありません(手作り付箋の作り方は言葉の森のHPを参考にしてください)。図書館などで借りた本は、傍線を引けませんが、付箋読書であれば大事なところに付箋を貼りながら読んでいくことができます。付箋を貼りながら読んでいると、最後まで読みきることが多くなります。また、再読するときの能率も上がります。 第5は、問題集読書法です。これは、高学年の生徒の国語力をつけるための読書です。言葉の森の通学教室でも問題集読書を行っています。問題集読書を毎日6ページ読んで、感想として四行詩を書くという方法です。どの子もかなりよくやっています。 読書法のほかに、作文の方法でも、実際に効果のあったものがいくつかあります。 一つは、構成図法です。構成図を書いてから作文を書くという方法で、考えを深める過程の能率がかなり上がります。 もう一つは、音声入力法です。音声入力の方法を知っていると、時間が5分ぐらいしかないときでも、とりあえず書いておこうという発想ができるようになります。 (つづきの記事はホームページに掲載されています) |
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■塾や予備校に行かずに家庭でする勉強 |
中学生になると、塾に行く子が増えてきます。小学生で20−30%、中学生で50−60%が塾に通っていると言われています。 塾の立場とすれば、早めに、たくさんの教科を、長時間やらないと勉強ができなくなる、と言いがちです。しかし、実は勉強は学校と家庭で十分です。 よく、中学生になると勉強が難しくなるから、家で親が教えることはできないのではないかという声を聞きます。そういうことはありません。英語も、数学も、国語も、理科も、社会も、答えのある教科は、答えを見ながら考えれば必ずわかります。 子供が自分で答えを見て、考えて、その上でわからないのであれば、そこで親に聞きます。親がその答えを見ながら一緒に考えてみると、親も最初はわかりません。しかし、子供と一緒になって考えているうちに、親は子供よりもだんだんとわかるようになってきます。それが年の功です。 中学生の子供の勉強で、子供がわからないところを親が一緒になって考えてあげていると、やがて親の方が子供よりも勉強ができるようになってきます。 では、家庭でどのような勉強をしたらよいのでしょうか。 英語は、教科書を音読して英文を丸ごと暗唱することが土台になります。教科書の1ページ(英文は半分ぐらい、あとは絵や写真や説明)を20回から30回音読すると空で言えるようになります。そのようにしてどんどん読んでいきます。教科書ガイドを1冊用意すると音声のCDがついているので、それを聞きながら読むのがよいでしょう。暗唱の土台の上に単語や文法を理解していきます。 数学は、学校の教科書では問題がやさしすぎるので、市販のちょっと難しめの問題集を1冊用意します。私(森川林)が家で使ったのは文英堂(シグマベスト)の「くわしい数学」でした。これが百パーセントできれば、最難関校の数学の入試でも対応できます。 ひととおり問題を解き、できなかった問題はすぐに答えを見て理解して、日を置いて繰り返し解きます。できなかった問題だけを繰り返し解くというのは、実はかなり苦痛です。できる問題を解いている方が楽で面白いものですが、できる問題を解いても実力はつきません。1冊の問題集を完璧に仕上げるというのが勉強の基本です。 国語と理科は、教科書と授業だけでは問題数が少ないので十分な力がつきません。文科省は、もっと学校の教科書だけで間に合うように教科書を充実させてほしいところです。教科書の問題数が少ないので、国語の文法問題や理科の電気配線の問題などでちょっとひねった問題が出ると解けなくなることがあります。そこで、市販の薄い問題集を1冊用意して、問題量の少なさをカバーしていきます。 社会は、教科書を何度も読むのが基本です。教科書を読書がわりに読んでいれば力がつきます。 あとは、提出物をしっかり出して真面目に授業を受けていれば中学の勉強は大丈夫です。 受験が近くなった中学3年生は、夏休み以降に何度か模擬試験を受けて自分の実力を確認します。模擬試験は、塾に行っていなくても受けることができます。 中学生の定期テストの前は、最初のうち子供は自分で勉強の計画を立てることができないので、親が協力してあげます。テスト範囲を見て、1日目はどの教科をどこまでやって、2日目はどの教科をどこまでやる、という簡単な計画でかまいません。やがて、子供が自分で計画を立てられるようになります。 勉強は本来自分の力で独学で行っていくものです。中学生のときに、自分で勉強することに慣れておくと、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても自分の力で勉強していくことができるようになります。 このようなことを書くと、塾の営業妨害になりそうですが、塾にも役割があります。それは、勉強を手取り足取り教えるのではなく、子供に勉強の仕方を教えてあげることです。そうすれば、もっと短時間で能率のよい勉強になります。 また、子供がわからない問題に遭遇したとき、学校の先生に聞けばいいのですが、学校の先生にはわざわざ聞きにくい雰囲気があります。わからない問題だけを教えてあげるというのも塾の役割になると思います。 もっと過激なことを言うと(笑)、厚い教科書さえあれば、塾どころか学校に行かなくても十分に勉強はできます。むしろその方がずっと能率のよい勉強ができると思います。 塾や学校は、勉強をしに行くというよりも、友達と交流し、楽しい中学生生活を送るために行く場所のような気もします。 |
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■森リン90点以上は東大レベル |
これまで言葉の森の生徒の作文を見ていて、森リンの得点で90点以上をとれる子の実力は、東大に合格した子たちと同じレベルだと思いました。もちろん東大だけが大学なのではありません^^;。わかりやすく言えばそうだということです。 その子たちは、勉強だけでなく、中学高校の学生生活を個性的に過ごしてしかも勉強もできるというタイプの生徒たちでした。どの子も、自分らしい趣味の世界を豊かに持っていました。ある子は化石、ある子はガン(笑)、ある子はRPG、その分野ではそれぞれ専門家なみと言ってもいいぐらいの知識や持論を持っていました。 こういう子たちの特徴は、普通に文章が上手に書けるというだけでなく、さすがと思わせる文章が書けるという点です。共通して、書くことが好きな子たちでした。文系、理系の数は半々で、単に文章が書けるというのではなく、深く考える文章が書けるという子供たちだったのです。この子たちは、社会に出ればどこに出ても何をしても第一人者としてやっていけるはずです。 東大のレベルは、世界の基準で言うと30何位だそうです。それは、勉強だけをして東大に入る人も多いためです。自分の言葉で考える力のある人は、世界的な基準の中でも堂々と対応できる力を持っていると思います。 さて今、中学生以上で森リンの点数が90点以上を取れる生徒は同じレベルです。この子たちは、知識だけでなく、個性があり思考力があります。東大後期の小論文試験があれば、ほぼ確実に合格していたと思われる子供たちです。しかし、小論文の試験がなくても、考える力があるので、どの教科でもいくらでも成績を上げられる実力を持っています。 こういう子供たちの共通点は、苦手な教科が特にないことです。普通に授業を聞いていれば、どの教科も普通にできるようになるからです。 では、どうしたらこういう力をつけることができるのでしょうか。それは、ひとことで言えば、小学生のころから読む力、書く力、考える力を育てていくことです。小中学生のころは、その学年の勉強の成績を上げる時期ではありません。あとになって生きてくる本当の学力を育てていく時期なのです。 そのために、言葉の森へ(笑)。というのは、冗談ではなく内心本当の話です。 ※森リンは、プログラムですから、技術的に得点を上げることもできます。しかし、点数を上げるために無理な書き方をすると、人間が見てもすぐに不自然だとわかります。 ここで言う東大合格レベルというのは、森リンがまだ開発されていなかった当時に、ソフトの採点などを意識せずに自然に書いた作文で、その子たちは90点以上になることがよくあった、ということです。 |
■塾が多忙になっても言葉の森は続けよう |
小4ぐらいになると、生徒の保護者からたまに相談があります。「塾に通うので忙しくなるから、言葉の森を続けるかどうか迷っている」。こういう場合は、文句なしに続けることをおすすめします。 その理由は第一に、小4からの塾はあまり必要ないからです。しかも、多忙になるような勉強はなおさら必要ありません。 塾に行くことによって小4の成績を上げることに時間をとられると、読む力、書く力、考える力を育てる時間が削られます。すると、かえって小5、小6で学力が低下します。 中学受験に合格した人の声を聞くと、「塾の勉強や宿題は最小限に絞り、できるだけ家庭でやるようにして取り組んだ」という声が意外と多いのです。 第二に、塾に行っても国語の成績は上がらないからです。算数だけの授業をとりたいのに、国語も一緒にやるように言われたということを、保護者からよく聞きます。しかし、塾の勉強で国語の成績が上がるということはまずありません。中学受験を経験した多くの人が、「やはり塾では国語は上がらなかった」と言っています。国語の成績は、家庭学習の読む勉強で上がるのです。 第三に、忙しいからといって簡単に1ヶ月休むということをすると、学年が上がるにつれて作文の勉強は難しくなるので、必ず子供が「また休みたい」と言うようになるからです。親が、休んでもいいという程度の二次的な勉強だと位置づけてしまうことによって、苦しいときにがんばるということができなくなるのです。 忙しいときは、題名と要約だけで150字まで書いて提出する(つまり、似た例、感想、いろいろな表現項目は省略)ということで取り組めば、何とかやっていけます。忙しさにもかかわらず作文を出し続けたということが子供の気持ちの張りになるのです。そして、子供の生活パターンが塾の勉強に慣れてくると、忙しくても時間のやりくりはできるようになってきます。 ただし、どうしても両立できなくなる時期はあります。小6の後半から、作文の試験が特にない受験では、作文の勉強のための時間がとれなくなるということはあります。そのときは、子供に理由をはっきり説明し、再開する予定の月日を決めて休んでください。 「受験勉強が忙しくなって時間がとれないから、来月から作文の勉強はいったん休むけど、書く力をつけておくことは大事だから、試験が終わって3月になったら、また再開しようね」という言い方です。 漠然と休むのではなく、休んでいるときでも意識の上では勉強が続いているという気持ちを持たせておくことが大事です。 |