言葉の森新聞
2010年8月4週号 通算第1140号
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森新聞 |
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■8月30日(月)・31日(火)は休み |
8月30日(月)・31日(火)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。 |
■問題集読書と四行詩の自習スタート |
問題集読書と四行詩の登録をした方は、小学生は毎日6ページ、中高生は毎日4ページの割合で問題文を読み、その週に書いた四行詩を作文と一緒に先生に送ってください。 |
■【重要】9.1週作文進級テスト。先取りも可(再掲) |
9.1週に、作文進級テストを行います。 提出が遅れた場合は進級できません。(9月8日ポスト投函まで) 課題フォルダの字数・構成・題材・表現・主題の●印が全部できていることが合格の条件になります。(表現の項目などで「たとえ」と「ダジャレ」など二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いていってください。中学生以上の時間制限については、今回は採点の基準にしませんが、できるだけ時間内に書き上げる力をつけていきましょう。 手書きで作文を書く人は、項目ができたところにシールをはっておいてください。 パソコンで作文を書く人は、キーワードを入れておいてください。 小学生の場合は、提出する前に、おうちの方が字数と項目シールをチェックしてあげてくださるとよいと思います。 小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。7月以降に受講を開始した生徒も、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。ただし、いずれの場合も、賞状は出ますので、できるだけ字数と項目ができるように書いていってください。 9月8日ポスト投函が締め切りですので、9月1週に作文が書けない人は、8月中に9.1週の作文試験を先取りして行ってください。 なお、進級テストは、7月と8月のいずれの月も最低1回は作文を出していることが条件になります。7月又は8月の作文で、どちらかの月で1回も書いていない場合は、9月8日までの間に作文を提出してください。 |
■8.4週は読解問題と清書。幼稚園生は普通の作文 |
第4週は、読解問題と清書です。 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。項目シールは、予備のものを使ってください。 小学1年生以上の生徒は、第4週に読解問題と清書を行います。 読解問題の時間がかかるため清書の時間が取れない場合は、読解問題又は清書のどちらか一方を省略してもかまいません。 |
●読解問題の仕方 |
読解問題は課題フォルダに入っていますが、4週の「山のたより」の末尾にも載っています。この読解問題は、課題フォルダにはさんである読解マラソン集から出しています。 読解問題の答えを作文用紙に書く場合は、問題の番号と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。 |
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●手書き清書の送り方 |
手書きの清書は、担当の先生に送ってください。先生に送った清書は、返却しません。「清書の谷」でコードとパスワードを入れると見ることができます。 「清書の谷」 http://www.mori7.com/seisyo/ 清書はバーコードを読み込んで整理しますので、その月の住所シールを清書の1枚目だけに正しく貼ってください。貼ったあと、はがして再度貼りなおすとバーコードが読み取れなくなることがあります。 「清書の谷」で、前月の清書が正しく表示されていない場合は、バーコードがうまく読み取れていなかった可能性がありますのでお問い合わせください。 |
●投稿の仕方 |
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。 (1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。 |
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●パソコン入力清書の送り方 |
4週の清書は、パソコンで入力したものを送ることができます。しかし、これは必ずしも全員がする必要はありません。生徒が自分で入力できない場合は、お父さんやお母さんが代わりに入力しても結構です。このパソコン入力の清書から、その月の森リン大賞が選ばれます。 感想文を清書にする人は、三文抜き書きや要約の部分は省略するか、自分の言葉に直して説明を書くようにしてください。 また、ワードは改行の際のスペースが正しく表示されないので、いったんメモ帳などにコピーしてメモ帳の上でスペースをつけてからインターネットで送るようにしてください。 パソコン入力清書をインターネットから送信する仕方は、「学習の手引」をごらんください。 http://www.mori7.com/mori/gate.php 送り方の簡単な手順は次のとおりです。 1、パソコンで作文を書きます。 2、書いた作文の文字画面をコピーします。 3、言葉の森のホームページの「作文の丘」に行き、生徒コードとパスワードを入れます。 4、本文のところにコピーしたテキストを貼りつけます。 5、読解問題の答えを送る場合は、問題と書いてあるところで答えを選択してください。 清書を送る場合、週は必ず「4週」を選択してください。ほかの月や週を選択すると、その月と週の作文と講評が上書きされてしまいます。 |
●清書の仕方のまとめ |
清書の仕方をまとめると、次のようになります。いずれを選択しても結構です。 1、手書きでも書き、パソコンでも入力する 2、手書きだけで書き、パソコンでは入力しない 3、手書きでは書かず、パソコンでだけ入力する 4、(読解問題に時間がかかった場合)手書きでも書かず、パソコンでも入力しない パソコン清書の森リン大賞の作品は、下記のページに掲載されています。 http://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php |
■子供のころの暗唱が理解力を育てる |
教室が休みなので、この1、2ヶ月読みっぱなしだった本を再読しました。普段、付箋をつけながら読んでいるので、その付箋の箇所だけ飛ばし読みをしていけば、再読したことになります。再読するときにメモを取りながら読んでいき、そのメモもまた再読すれば、同じ本を3回読んだことと同じになります。 再読しメモをとると、自分が一度読んだはずなのに、その本の中身がいかに定着していないかよくわかります。定着率はS字曲線を描くようです。感覚的に言うと、1回読んだだけだと定着率は20%ほどで、2回読むと50%ほどになり、3回読むと60%ほどになるという感じでしょうか。 ところで、この定着率が1回目から高い人がいます。昔の人で言うと、南方熊楠や塙保己一です。塙保己一は、盲目でありながら、一度読んでもらった本の中身は全部自分の頭に入ったようです。頭の中に、それまでに読んでもらった本のデータベースができていたので、独力で群書類従のような大事業ができたのです。 この定着率の高さは、生まれつきというよりも、幼少期の学習法にあるような気がします。その学習法とは、同じ文章を繰り返し音読するという一種の暗唱の練習ではないかと思います。塙保己一は、18歳のときに般若心経を毎日100回ずつ1000日間暗唱しました。その般若心経の暗唱自体にも効果があったと思いますが、そういう修行を思いつく土台として、それまでに文章を暗唱する練習をしていたのではないかと考えられます。 そこで、そういう記憶力が抜群だった人を何人か思い出して調べてみました。ひとりは安岡正篤です。安岡正篤は、東洋の古典に精通しており、政治家や財界人にそのときどきの時局に応じた的確なアドバイスを与えた人です。 調べてみると、安岡正篤は、少年時代に四書五経の素読をしていました。1898年(明治31年)生まれですから、その当時はみんなが素読をしていたのではないかと思うかもしれませんが、そうではありません。湯川秀樹も、子供のころ四書五経の素読をしていましたが、湯川秀樹は1907年(明治40年)の生まれで、その当時家庭で素読をするようなところはほかになかったと述べています。 江戸時代に寺子屋で大勢の子供が集まって行う素読に比べて、家庭でひとりで静かに行う素読は、かなり徹底したものだったでしょう。その素読が、その後の学習の定着率に影響したのではないかと思います。 もうひとりは、コンピューター付きブルドーザーを言われた田中角栄です。田中角栄も、一度聞いたことを確実に覚えていたことで有名です。調べてみると、田中角栄は、少年時代、吃音を治すために浪花節の練習をしたそうです。つまり、浪花節を何度も音読して暗唱していたということです。 記憶力というのは、ただ覚えているだけの力のように思われていますが、その記憶した知識をそのときどきの必要に応じて自由に使えるという場合、それは記憶力というよりも定着力と言った方がよいでしょう。定着力の高い人は、本を1回読んだだけでも、内容のほとんどを自分のものにできる人です。こういう定着力は、言い換えれば理解力です。 暗唱のように、同じ文章を繰り返し音読し身につけることによって、その暗唱した文章だけでなく、その後の学習全体に通用する理解力が育つのだと思います。 |
■実力をつける作文−目先の面白さと本当の面白さ |
「コボちゃん作文」という方法があります。四コマ漫画を見せて作文を書かせるという指導法です。 作文指導というと、このように面白い課題を工夫することを多くの人は考えがちです。 例えば、物語の続きを書かせるとか、物語の主人公を変えて書かせるとかいう方法も、課題を工夫した指導法です。 「浦島太郎という物語をカメの立場から書いてみる」などという課題は、子供たちの想像力を刺激します。 これらの指導は、子供の意欲を引き出すために工夫されたものですから、もちろん大きな価値があります。 言葉の森でも、昔、そういう指導をしていたことがあります。しかし、今はあまりそういう工夫はしていません。 なぜかというと、工夫した課題は、そのときは面白いとしても、そのあとに続くものがないと、単に面白いだけのものになってしまうからです。 また、指導と評価の観点がはっきりしていないと、ただ面白く書かせるだけのものになってしまいます。 つまり、課題を工夫して面白くするのはいいのですが、そこで何を目指すのかをはっきりさせることの方が作文指導では大事だということです。 面白い課題の作文による成果は、子供が熱心に書くということですが、目先が変わったことによる熱心さは、目先が変わらなければすぐ飽きることにつながります。 では、どうしたらいいのでしょうか。 作文の力をつけるためには、読む力をつける学習が必要です。 そして、勉強の面白さとは、前に習ったことが、より高いレベルで後になって生きたと実感できることです。 そこで、言葉の森で今考えているのは、例えば、幼稚園年長のときに昔話の暗唱を行い、それが、中学2年生で書く意見文の社会実例の昔話に生かせるというような仕組みです。つまり、作文指導の中で、読む学習と書く学習が発展的に結びつく面白さを作っていくことです。 目先を工夫した面白さも必要ですが、それ以上に、勉強の本質に結びつく面白さを追求していきたいと思っています。 |