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  4月の読書読解作文キャンプ、ゴールデンウィークの那須家族キャンプのお知らせ
  記述力よりも現実的な作文力
 
言葉の森新聞
2019年4月3週号 通算第1559号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
4月の読書読解作文キャンプ、ゴールデンウィークの那須家族キャンプのお知らせ
 連休前の気候が暖かくなった時期に、読書読解作文キャンプ4月を行います。
 日程は、4月20日(土)午後2時集合~21日(日)午後2時解散です。

 今回の読書読解作文キャンプは、読書と作文のほかに、読解検試験も併せて行い、読解問題の解き方の授業も行います。
 目標は、「よく遊び学べ」ですから、公園でのバーベキュー、プールでの水遊び、おふろの王様でのお湯遊び、ログハウスでの鬼ごっこなど、遊びの企画も豊富です。
 参加対象は、小学2年生から小学6年生で、言葉の森の生徒だけでなく、ご兄弟やお友達も一緒に参加できます。

 さらに、4月の横浜の読書読解作文キャンプに続けて、4月29~5月5日に参加日程自由のゴールデンウィークの那須家族キャンプを企画しました。
 日にちが迫っていますが、連休の予定にまだ空きのある方はぜひご参加ください。
 親子の交流に加えて、子供どうしの交流もできる機会になります。

■目的
 言葉の森の生徒どうしの交流と勉強。(言葉の森の生徒以外の人も含む)
 言葉の森の家族どうしの交流。
 家族のキャンプに、言葉の森合宿所を宿泊場所として利用でき、併せて子供どうしの交流や勉強も行うというイメージです。
 したがって、今回は子供だけの参加はありません。

■内容
 ほぼ素泊まりで、ベッドとシュラフで寝ます。(畳の部屋と布団もありますが数が限られています)
 家族で同室で宿泊することも、別の部屋で子供どうしで宿泊することもできます。
 お風呂は合宿所にありますが、近所の温泉に行くこともできます。
 食事は近所のレストランなどで済ませます。
 夕食は合宿所で調理(自炊)することもできます。

 朝は読書の時間、夜は勉強の時間を取ります。(参加・不参加は自由)
 車で近くの川や温泉やプールなどに遊びに行きます。(参加・不参加は自由)
 それぞれの家族だけで、好きな場所に遊びに行くのでも構いません。

■宿泊場所
言葉の森那須合宿所(325-0303 栃木県那須郡那須町高久乙3374-48)
 
■アクセス
 自動車で来られる場合、那須塩原駅から30分ほどかかります。
「那須サファリパーク」まで来ると、言葉の森の看板がありますから、その看板を目印においでください。(那須サファリパークから車で3分、徒歩20分)

 土日は、幹線の国道17号線が混雑しますので、自動車は、那須塩原駅→那須ガーデンアウトレット→西岩崎ポケットパーク→繭の里→清流の里→那須サファリパークという経路でおいでください。

 土日に、東北自動車道を利用して東京方面から来られる場合、那須インターの手前の西那須野塩原インターで降りた方が混雑しません。西那須野塩原インター→西岩崎ポケットパーク→繭の里→清流の里→那須サファリパーク→言葉の森合宿所。

 那須塩原駅の隣の黒磯駅から那須サファリパーク経由湯本温泉行きのバスが運行されています。
http://toya108.jp/public/_upload/type017_39_2/file/file_15226543704.pdf
 サファリパーク入口(下丸子)で下車して、合宿所まで徒歩20分です。
※バスの運行表は変更があるかもしれませんので、必ず事前にお確かめください。

■定員
 大人、子供合わせて合計で1日、20人まで。

■期間
 4月29日(月)~5月5日(日)の間で自由に選択。

■集合解散
 マイカーで合宿所に来ていただくことができます。(駐車場あり)
 マイカーで来られる方は、合宿所に朝9時以前、又は、夜17時以降の時間帯においでください。
(それ以外の時間帯は不在のことがあります)

 新幹線で来て、言葉の森の送迎の車を利用する人は下記の時間に待ち合わせをします。
 毎日、合宿所から那須塩原駅に迎えに行きます。駅に着く時刻12:30
 毎日、合宿所から那須塩原駅に送りに行きます。駅に着く時刻11:30

■参加費
 1泊の料金は以下のとおりです(ご家族に言葉の森の生徒がいる場合)
 大人(中学生以上) 4,000円
 子供(小学生)   3,000円
 幼児        2,000円
(ご家族に言葉の森の生徒がいない場合はそれぞれプラス500円となります)
 2歳以下      無料

 言葉の森の生徒は、参加費をキャンプ実施後の翌月の受講料から引き落としさせていただきます。
 言葉の森の生徒以外の方は、参加費を4月26日までに下記の口座にお振込みください。
 三井住友銀行 港南台支店 普通 6599615 株式会社言葉の森
 その際、お振込名に、お名前とともに、フォーム送信後に表示されるカタカナのコードを入れておいてください。

■キャンセル規定
 キャンセルについては、次のようにさせていただきます。
 4月24日まで…キャンセル料なし
 4月26日まで…参加費の50%
 4月28日以降(無連絡も含む)…参加費の100%
 
■その他、キャンプ期間中のスケジュール(どの予定にも参加・不参加自由)、個人でご用意いただく持ち物などの詳細については、下記ページをご確認ください。
 https://www.mori7.com/as/3667.html

■参加申込み
 参加フォームからお申し込みください。
 同学年・同性の生徒のいる日程を選ぶと楽しく過ごせます。
 https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=stg2019gw
(フォームには、参加する日から帰る日までそれぞれの日に参加申込みを入れておいてください。調査票などのデータは初日だけ入れておいてくだされば結構です。)

 ゴールデンウィークの那須家族キャンプは、どなたも参加できます。
 例えば、言葉の森の元生徒で社会人になっている方も参加できます。
 また、言葉の森には関係しないが面白そうだから参加したいという方も大歓迎です。
記述力よりも現実的な作文力
 ある大手の進学塾の方が教えている「記述力アップ講座」というものを見ましたが、はっきりした方法論らしいものはありませんでした。
 ただ、何しろたくさん書くことに尽きるという説明でした。
 これは、どこの学習塾でも同じだと思います。
 なぜかというと、入試問題の記述問題の評価の基準自体が、あってもないようなものだからです。

 前にも書きましたが、ある東京都の都立中高一貫校を受験する小学6年生の生徒が、電話で相談してきたことがありました。
 それは、その子の書いた記述問題の解答が、その学校で出されている模範解答とかなり違うので、どうしたらよいかという質問でした。
 そこで、その子の書いた解答と、その学校で出されている模範解答とを見てみると、その子の書いた解答の方が、ずっと内容的にも表現的にもレベルの高いものだったのです。
 このことは、つまり記述問題には、明確な解答の基準がないということです。
 解答の基準がないから、対策の方法論も生まれてこないのです。

 言葉の森で記述問題の指導をするようになったのは、ある年、東大を受ける生徒が、記述対策をしてほしいと言ってきたことがきっかけでした。
 東大の国語の現代文には、選択問題はほとんどありません。すべて短い記述式の問題です。
 これは、国語の問題に限らず、理科も社会も同様で、○×で答えられるような問題ではなくほとんどが記述中心の問題構成になっているのです。
 したがって、東大レベルを目指す中高一貫校の国語の試験問題も、記述問題が中心です。

 そこで、記述対策の方法論として、「対比して書く」ということを指導したのです。
 これは、「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」(かんき出版)にも10編ほど例を載せています。

「対比して書く」とは、どういうことかというと、記述問題の答えを、「○○は、Aである」と書くだけでなく、文中に隠れているBという対比される概念と結びつけて、「○○は、BではなくAである」と書いていくことです。
 この対比には、さまざまなパターンがあります。「確かにBもわかるが、しかしAである」、「BでありながらAである」「BだったものがAになる」など。

 記述問題で問われるような部分は、話が屈折しているところです。
 物語文で言えば、「うれしかったが、普通の顔をしていた」とか、反対に、「悲しかったが、笑顔を見せた」というような場面です。
 
 だから、対比して考えるという方法論で書くと、記述の文章の輪郭がはっきりして、表現の焦点が絞られてくるのです。
 これは、説明文の問題の場合も同様です。

 しかし、これは主に大学入試に関して言える話で、中学入試の場合は、別の要素が加わります。
 中学入試の場合は、抽象的な語彙を使って書く力があるかどうかが大きな差になります。
 それは、小学6年生では、抽象的な語彙を自由に使えるかどうかが国語力の最も大きい差になっているからです。

 さて、記述問題が国語の試験で取り上げられるようになったのは、○×式の入試に対する反省からです。
 2020年の入試改革でも、現代文の記述試験をどうするかということが話題になっていましたが、私はこの記述問題の採用はうまくいかないと思います。
 それは、記述問題ということ自体が、中途半端な位置にあるものだからです。

 ○×式の選択問題の対極にあるのは、記述問題ではなく、作文・小論文問題です。
 ○か×かで答えるよりも、数百字の文章で答える方がずっと考える力を使います。
 数百字というのは、600字から1200字、つまり人が普通に1時間で書けるような量の文章です。

 しかし、数百字の文章を書かせる問題を出せば、採点する側が対応できません。
 作文試験を課している学校のほとんどは、その数百字の文章を評価する基準を持っていません。
 それは、記述問題の評価の基準がないのと同じです。

 ○×式の問題では考える力が育たない、しかし600字から1200字の作文試験では評価しきれない。
 そこで、妥協の案として、中途半端な50字とか100字の記述問題が出てきたのです。
 中途半端なものは、最終的にはどちらかに吸収されます。
 だから、記述問題というものは、将来なくなっていくと思います。

 その記述問題をコンピュータで採点するというのも、また間違った方向です。
 50字や100字の記述問題の採点では、生徒の学力と記述の点数との誤差はかなり大きくなります。
 採点基準を明確にすればするほど、コンピュータ採点の対策がしやすくなり、考える力よりもうまく答えるコツを身につけた方が有利になります。

 だから、せっかくコンピュータを採点に利用するならば、機械的なアルゴリズムではなく、深層学習を使った採点にする必要があります。
 その深層学習を使った評価に最も適しているのは、短い記述問題ではなく、長い作文問題なのです。
 ある意味で、長い作文であればあるほど、その生徒の真の学力は正しく評価されます。
 一日に長い作文を書かせるのが難しいのであれば、日を置いて複数の作文を書かせる形でもいいのです。

 近い将来、この深層学習を使った作文評価ができるようになります。
 すると、中途半端な記述問題というものはなくなります。
 ○×式の問題は、基礎学力をチェックするために残りますが、記憶力に頼るような瑣末な問題はなくなります。

 だから、今の小学生は、記述問題の対策を考えるよりも、まず本を読むことと、作文を書く力をつけておくことです。
「記述力よりも現実的な作文力」というのは、評価の面でも、勉強の面でも言えることなのです。

 記述問題に明確な評価の基準がないのと同様に、作文問題の評価にも基準はありません。
 いま、入試に作文試験を課している学校のほとんどは、評価の基準がないまま点数をつけていると思います。
 基準のないもので点数をつけられるのですから、生徒の方も大変です(笑)。
 教育には、誰にもわかる明確で客観的な基準が必要なのです。
 
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