言葉の森新聞
2022年9月2週号 通算第1722号 https://www.mori7.com/mori |
森新聞 |
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■9月19日(月)は「休み宿題」 |
カレンダーに記載してあるとおり、9月19日(月)は祭日のため「休み宿題」となります。 作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。 「授業の渚」http://www.mori7.com/nagisa/index.php 「ヒントの池」http://www.mori7.com/mine/ike.php 作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。 |
■プログラミングの学習は、小1から、オンライン4人クラスで始めるのがおすすめ |
●動画:https://youtu.be/sKpQVzZBjmc プログラミング学習の面白さは、創造と発表があることです。 ただ、言われたとおりに教えてもらって、そのとおりにできただけでは、本当の面白さはわかりません。 子供たちは、自分で何かをして、それをみんなの前で発表して、ほかの人の発表に刺激を受けて、自分も更に工夫しようと思うことで成長していきます。 子供たちが、勉強より遊びが好きなのは、遊びにはそういう創造と発表と交流という要素があるからです。 この創造と発表と交流のある遊びのような勉強が、プログラミング学習です。 創造性のある子は、最初はテキストのとおりにプログラミングの学習をしていても、途中で必ず自分なりの工夫を試みるようになります。 この工夫が、本当の勉強の面白さなのです。 工夫とは、すでにわかっている知識を組み合わせて、まだ誰も作ったことのない新しい創造をすることです。 必要なことは、知識がある程度あることですが、もっと大事なのはその既存の知識を組み合わせて、新しい知識を作り出すことです。 プログラミング学習は、その点で、算数数学の難しい問題の解法を考えることと似ています。 算数数学もまた、既存の知識を組み合わせて、新しい解法を作り出すことだからです。 ただし、今の受験の算数数学は、解法を覚えることが中心になっているので、勉強自体が面白いというものではなくなっています。 勉強の本当の面白さを実感できるのは、プログラミングと創造発表と作文なのです。 この3つの学習に共通しているのは、自分らしい工夫ができることです。 多くの子供たちは、勉強というと、漢字の書き取りや計算の練習のようなことを考えると思います。 それらは、勉強の準備にすぎません。 本当の勉強は、自分で新しい工夫することのできるものです。 AIの時代には、知識よりも、個性、思考力、創造力が必要になります。 その新しい勉強は、遊びのように面白い勉強になります。 ただし、その遊びのような勉強も、35人学級のような大人数の授業では、本当の面白さはわかりません。 全員が発表し交流できる人数は、4~5人です。 4~5人のクラスをコンスタントに作るためには、そのクラスはオンラインである必要があります。 オンラインと言っても、動画を一方的に流すようなオンラインではなく、全員が参加し交流できる双方向型のオンラインです。 そのオンラインクラスで、みんなと一緒に勉強する面白さを知れば、それはプログラミングに限らず、作文にも、総合学力にも、国語、数学、英語の勉強にも生かせるようになります。 将来の学校教育も、いずれオンライン4人クラスを組み入れたものになります。 同年齢、同進度の子供たちが、交流しながら学び合い、互いの学習成果を発表するという形の教育が、未来の新しい教育のスタイルになるのです。 |
■勉強の目的は、競争に勝つことではなく、創造し独立すること |
●動画:https://youtu.be/nH4J2cOdI0Q 昔、言葉の森を始めたころ、「何のために勉強をするのか、そして、させるのか」と考えたことがあります。 その当時の社会の一般的な勉強の考え方と対置して考えたのは、次のようなことでした。 第一は、受験から実力へです。 受験に勝つことを目的にした勉強ではなく、自分の実力をつけるための勉強をしなければならないと考えたのです。 第二は、学校から家庭へです。 学校や塾などの外部の機関に頼る教育ではなく、教育の基本は家庭と地域で行うべきものだと考えたのです。 第三は、点数から文化へです。 点数をつけて評価されるようなことが中心になるのではなく、点数につかないような文化的なものこそ評価されるべきだと思ったのです。 第四は、競争から創造へです。 今の教育は、競争の中で行われています。それは、最終的には、受験に勝つことが目的になっているからです。 だから、人間にとって必要な知識ではなく、他人に勝つために間違いやすい問題ができるようになる知識を身につけなければならないのです。 この「競争から創造へ」というのは、最終的には、子供たちがその創造を生かして、独立した人生を歩むということにつながると考えていました。 独立とは、文字どおり独立して自分で会社を作り、又は、自分で仕事を作り出すようなことです。 しかし、当時は、そういうことを言っても、理解する人はあまりいなかったと思います。 だから、この教育の根本の目的は、自分の胸の中にしまっておいたのです。 ただ、教育は、個人を目的にしたものでなく、社会も目的にしたものでなくてはならないということはいつも思っていました。 だから、言葉の森のキャッチフレーズは、「明日の日本を支える子供たちの思考力、創造力、共感力を育てる」ということにしました。 大事なことは、子供たちが成長することと、日本がよくなることを結びつけることでした。 ところで、この「創造と独立」という考え方が、昔はあまり理解されなかったと思いますが、今は漠然と多くの人が、その方向を考えるようになっています。 この創造と独立という方向が、今後の教育の最も重要な柱になるのです。 その理由は、これまでの時代が利便性を中心とする時代だったのに対し、これからの時代は文化を中心とする時代になるからです。 人間の社会で価値あるものとは、みんなが求めるものです。多くの人が求めるものが価値あるものです。価値があるから求めるのではなく、多くの人が求めるから価値が生まれるのです。 わかりやすい例で言えば、ゴルフやサッカーのようなスポーツです。 メジャーなスポーツは、幅広い経済的な裾野を形成しています。つまり、そこで巨額のお金が動いています。 しかし、それは、例えば、地面の穴にボールを入れたり、ゴールの枠にボールを蹴り込んだりすることに価値があるからではなく、多くの人がそれらのスポーツに参加することによって価値が生まれたからなのです。 これまでの世界では、人間が求めるものは、多くは量的なものでした。 より多くの食糧、より多くの土地、より多くの人、という量の世界が価値の中心でした。 その後、価値は量的なものから、利便的なものに移りました。 より効率的なもの、より高性能なものを求めることが価値の中心になっていったのです。 その最新の現象を表すものは、GAFAに見られるネット企業の興隆です。 しかし、これは、利便性の時代がもうすぐ終わることの象徴でもあるのです。 利便性の追求は、やがて、その利便性がガスや電気や水道や交通機関のようなインフラになる方向に進みます。 ガスや電気や水道は、人間の生活に大きな価値のあるものですが、そこにはもはや新しい時代の価値を生み出すという魅力はありません。 人間の社会は、これから、そういう利便性の時代の先に進みます。 先の時代とは、文化の時代です。 その文化の時代のモデルは、江戸時代の300年間続いた平和の中にあります。 私がよく思い出すのは、ウズラの鳴き合わせという遊びがあったというような話です。 同じように、長い平和の時代の中で、真っ白な文鳥が作り出され、金魚や鯉のいろいろな色や形のものが作り出されました。 茶道や華道や俳句なども、それ自体の価値ではなく、文化的な価値として生まれ広がったものです。 このような文化を生み出す歴史を持っているのが、日本という国の特徴です。 イギリスやアメリカが世界の経済的中心であった時代に生まれたものは、ゴルフやサッカーやバスケットボールやアメリカンフットボールやマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどだったでしょう。 しかし、これからは、日本が、日本の歴史を背景にした新しい文化を生み出す時代になります。 その文化の時代には、多くの人が独立起業に参加できるようになります。 GAFAの時代の独立起業は、あるひとつのビジネスモデルでグローバルなシェアを取ることが成功の基準でした。 だから、独立起業に成功するためには、世界一になることが必要で、1位ではなく2位になることは敗北でした。 利便性を基準にした世界では、生き残るのは世界で1社だけというのが原則だったのです。 しかし、文化の時代はそうではありません。 オンリーワンの文化が多種多様に生まれるのが文化の時代です。 そして、今、私たちの価値観は、今、利便性の価値観から文化の価値観へと大きく動き始めています。 この文化の時代の独立起業を想定するならば、子供たちの教育の目標もそこに向かって進めることができます。 ここに来てやっと、勉強の目標として、競争と勝敗ではなく、創造と独立を考える時代が到来したのです。 |
■これからの学力として必要な読書力、発表力を伸ばす読書紹介と、kindleを使った新しい読書の方法 |
●動画:https://youtu.be/MpZGFVs8U64 言葉の森のオンラインクラスでは、どのクラスも、最初に15分程度の読書紹介を行っています。 そのクラスの勉強だけをした方がいいという考えもあるかもしれませんが、勉強は基本的に家庭で毎日やっていくものです。 せっかく、そのクラスに4人までの生徒が集まっているのですから、その集まりを生かして読書紹介などの交流の場を作っていく方がいいのです。 この読書紹介によって、どの小学生も、中学生も、高校生も、本をよく読むようになります。 そして、更に大事なことは、学年が上がるにつれて、子供たちの発表が上手になっていくことです。 小学校高学年になると、短い時間の中で簡潔にその本の内容を紹介し、自分の印象に残ったところを説明し、その本に対する自分なりの感想を述べることのできる生徒が増えてきます。 このようにみんなの前で必要なことをわかりやすく説明できる発表力は、オンライン4人クラスの読書紹介のような機会がなければ、なかなか育てることはできません。 読書紹介によって、子供たちの読書量は自然に増えます。 もし、この毎週の読書紹介の時間がなければ、本をわざわざ読む時間を取らない中学生や高校生は多いのです。 読書というものは、毎日の生活習慣ですから、数日読まない日が続くと、読書の習慣はすぐになくなります。 そのなくなった読書習慣を取り戻す方法はなかなかありません。だから、高校生の不読率が50%にもなっているのです。 しかし、毎週の読書紹介があれば、読書の習慣をすぐに回復することができます。 読書紹介は、読書力をつけるための最良の方法なのです。 ただし、読書の習慣がついたあとの課題はあります。 それは、読書の質です。 小学校低学年で、絵本のような本ばかり読んでいる場合、その絵本の内容がいくらよくても、文章として読む部分が少ない場合は、読書力はつきません。 読書力がつかないと、本当の読書の楽しさというものがわかりません。 文章のしっかり書かれた本を読むようにするためには、親の読み聞かせが必要です。 よく、幼児のときは読み聞かせをよくしていても、子供が小学生になったことを理由に、読み聞かせをやめてしまう人がいます。 子供の読んでいる本の内容を見て、絵ばかりの本であったなら、親が読み聞かせを復活する必要があります。 大事なことは、本に書かれたストーリーの面白さを、絵を見て理解するだけでなく、文章を読んで理解できるようにすることです。 小学校高学年や中学生、高校生の場合、いつまでも物語文の本しか読まない生徒がいます。 読書は、楽しみのために読むものですから、物語文の本でもいいのですが、それと並行して説明文の本を読んでいないと、考える力はつきません。 小学校高学年以上の生徒には、理屈を理解する力がありますから、「説明文の本も並行して読むことによって、読む力がつき、頭もよくなる」と話しておくことが大事です。 昔は近所に本屋さんがあったので、子供たちが学校の帰りに本屋さんに寄って立ち読みをする中で、いい本にめぐりあうことができました。 今は、そういう機会はほとんどありません。 しかし、ネットを利用することによって、本に接する機会を増やすことができます。 まず、子供にkindleなどの端末を買ってあげることです。 図の多い本を見るには、fireなどのカラーの大きいサイズのものでもいいと思いますが、大事なのは、いつでも手軽に読めることですから、まず小さい端末を買うといいと思います。 スマホで本を読むこともできますが、操作性を考えると、読書に特化したkindleのような端末の方がいいと思います。 そして、子供に、「毎月の読書の予算5000円分は、自由に使っていい」と言って、子供が自分でネットで本を買えるようにします。予算はその家庭の実情に応じてですが。 子供は、くだらない本も買うと思いますが、自分で自由に本を選んで買える環境があることによって、いい本にめぐりあう確率は高くなります。 ネットの書店のいいところは、自分が選んだ本と関連する本が次々と表示されることです。 また、他人の評価を見て、本を選ぶ参考にすることができます。 kindleであれば、本を読んでいて必要なところに傍線を引くことができます。 また、その本の一部分をコピーして、自分の書く作文などに引用することもできます。 電車通学などをしている子供には、audibleで耳から聴こえる本を契約してもいいでしょう。 読書紹介で読書の機会を増やし、ネットを利用した読書環境で本を選びやすくするというのがこれからの新しい読書生活になると思います。 |
■小1からの国語、算数、暗唱、発表で、毎日の勉強の習慣と、バランスの取れた総合学力をつける |
●動画:https://youtu.be/ykQlp0_KThw ■小学1年生から小学3年生は、勉強の習慣がつく時期。大事なのは毎日の学習 小学1年生から3年生にかけては、勉強面で難しいことは何もありません。この時期は、勉強の内容については、特に何もしなくても問題ないのです。 この時期に大事なのは、毎日の勉強の習慣をつけることです。 しかし、長時間の勉強をする必要はありません。長い時間勉強をさせると、集中力がなくなりかえって勉強習慣がつきません。親からみて、少しものたりないと思うくらいが、子供にとってはちょうどいい時間です。 子供の勉強の習慣をつけるきっかけになるのが、総合学力クラスの授業です。授業の内容に合わせて勉強を進めれば、バランスのよい家庭学習ができます。 ■国語力の基礎は、難しい説明文を読む力で、同じ文章を繰り返し読むこと 国語力の差は、学校の勉強ではあまり目立ちません。学校では難しいことはしないからです。 しかし、実は国語力は最も差のある学力で、いったん国語力の差がつくとなかなか追いつくことができません。 国語力をつけるコツは、ある程度難しい文章を繰り返し読むことです。総合学力クラスでは、これを問題集読書という問題集の問題文を音読する方法で取り組みます。 授業では、先生が生徒に個別に質問し、それぞれの生徒がどれだけ読めているかをチェックします。 ■算数力の基礎は、問題の解法を見て理解する力。1冊の問題集を完璧に仕上げる 算数は、答えのはっきりした勉強なので、最も取り組みやすい教科です。 しかし、この算数の勉強の仕方にもコツがあります。低学年のうちに勉強のコツを身につけておくと、高学年、中学生、高校生になってからも、算数数学の勉強をうまく進めることができます。 算数の勉強法のよくないやり方は、第一にいつまでも考えること、第二にすぐ人に聞くことです。 算数は、自分で答えと解法を見て理解することが大事です。そして、できなかった問題だけを繰り返し解き、1冊の問題集を完璧に仕上げることです。 授業では、先生が生徒に問題集の中にある問題の解法を聞き、学習状況をチェックします。 ■小学1、2年生は、暗唱の力が最も伸びる時期。暗唱力をつけると勉強が楽にできるようになる 暗唱の力が最もつけやすい時期は、幼児から小学2年生にかけてです。この時期は、素直に音読を続けることができるからです。 学年が上がると、単純に音読を続けることができずに、意識的に覚えようとするためにかえって暗唱がしにくくなります。 低学年のうちに暗唱の力をつけておくと、語彙力、記憶力、読解力、表現力が身につき、その後の勉強が楽にできるようになります。 暗唱力は、中学生や高校生になってから更に役に立ちます。 暗唱力のある子は、どの勉強も楽にできるようになるからです。 ■これからの学力で大事になるのは、自主的に探究する力と、みんなの前で発表する力 現在、世界の教育は大きく変わっています。 知識の詰め込みと再現を中心としたこれまでの教育から、自主的に探究する力と発表する力が重視するようになっています。 今後の大学入試も、ペーパーテスト中心から、AO入試の方向に変わります。そのひとつの例が、東大の推薦入試、京大の特色入試です。 AIの時代には、求められる学力が大きく変わるのです。 総合学力クラスの発表の時間では、生徒がそれぞれ自分で取り組んだ理科実験や調査研究や工作を発表します。この発表に合わせて、家庭での親子の知的な対話も深まります。 これからの学力は、このような探究型、発表型の学力なのです。 ■総合学力クラスの勉強をきっかけに、家庭学習の習慣をつけ、勉強の楽しさを知る 総合学力クラスの勉強は、先生の講義を聞く形の勉強ではありません。また、先生に教えてもらう勉強でもありません。 家庭学習で勉強の習慣をつけ、それを先生がチェックすることによって生徒の自主的な勉強を進めるかたちで授業を行っています。 また、授業の中で、生徒どうしの読書紹介や質問感想など、対話と交流の時間をできるだけ取るようにしています。 この対話と交流によって、友達と一緒に楽しく勉強する姿勢が身につくのです。 ■毎週の読書紹介で、読書力と発表力をつける、オンライン4人クラスの学習 言葉の森のオンライン4人クラスでは、毎回、全員の読書紹介があります。 この読書紹介によって、どの子も本を読む習慣がつきます。 また、みんなの前で発表する力がつきます。 低学年のころは、まだうまく発表ができない子も多いのですが、学年が上がるにつれて、どの子も自然に発表が上手になってきます。 本の内容を簡潔に紹介し、自分なりの感想をわかりやすく述べることができるようになるのです。 みんなの前で毎回全員が発表する時間があるというのが、オンライン4人クラスの学習の重要な特徴です。 |