言葉の森新聞
2023年3月2週号 通算第1746号 https://www.mori7.com/mori |
森新聞 |
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■作文の提出率を100%にするため、当日送信の徹底を――3月2週から、その日のうちに作文を提出していない場合は、講師から連絡があります |
オンラインクラスは、その場で作文を書き始め、授業終了時にどこまで書いたか確認するので、原則として提出率は100%のはずですが、提出の遅れる生徒がまだ一部にいます。 そこで、3月2週から、作文クラスに出席した人は、必ず当日中に作文を送るようにしてください。 当日中に送れない場合はその旨を連絡するようにしてください。(例えば、急にデータが消えてそのあと風邪を引いて寝てしまったなど) 送るのは絵だけでも、要約だけでも、途中まででもいいこと、ということでやっていきます。 講師は、授業の翌日に作文が送られていない場合は、個別れんらくで、その生徒・保護者向けに「個別れんらく板」で連絡をします。 作文クラスに出席した人は、必ずその日のうちに、書いた作文を送信するということでやっていきたいと思います。 もうひとつ、自分の作文の上達度がわかるような生徒別の作文グラフを作る予定です。 小学校高学年や中学生高校生の上達度は、森リン点が参考になりますが、小学校低中学年は、字数が参考になります。 字数が伸びている生徒は、作文も上達しています。 他人との競争ではなく、自分がどれだけ進歩しているかということがわかるような表示にしたいと思っています。 |
■学校の成績とは関係のない新しい勉強をする創造発表クラス |
創造発表クラスの勉強は、学校の成績とはほぼ関係がありません。 言葉の森が作文教室を始めた40年前は、作文の勉強にも、同じような面がありましたが、今は作文試験を課す中学、高校、大学が増えてきたので、作文クラスの勉強は、受験と結びつくようになりました。 創造発表の勉強には、まだそういう面はありません。 しかし、小さな例ですが、東大の推薦入試をはじめとする総合選抜型の入試では、個性や思考力や創造力が評価されるので、将来はこういう創造発表型の勉強が、ほかでも広がる可能性があると思います。 これからの世の中で大事になるのは、自分だけの世界を持つことです。 これまでの社会では、みんなと同じ道を進むのが正解でした。 高度経済成長時代のような社会が上げ潮に向かっているときは、メジャーなものの方が潰しがきくという面があったからです。 これまでは、運動の得意な人は、野球やサッカーやバスケットボールのようなみんなに人気のあるスポーツを目指しました。 しかし、これからは、多くの人が参加するメジャーなスポーツよりも、参加者の少ないマイナーなスポーツの方が、活躍できる余地が広がります。 ただし、それを自分が好きな場合です。 スポーツでも勉強でも趣味の世界でも、みんなと一緒に楽しくやるのはいいのですが、そこに留まるのではなく、自分だけの世界を持つことが大切です。 自分だけの世界を開拓して、その分野で第一人者になるような生き方がこれからは求められてきます。 創造発表クラスの勉強は、そういう方向の勉強です。 創造発表型の勉強は、少人数でなければできません。 STEM教室とか、ロボット教室とか、プログラミング教室とかいうものは増えていますし、学校でも発表型の授業を行うところが少しずつ現れてきました。 しかし、それらの多くは、一斉の教材、一斉の課題、一斉の実験や工作で、結果も一斉に発表する形です。 それは、ほとんどが10人以上の教室で、学校では30人から40人の教室で授業を行っているからです。 少人数クラでスでは、個別の教材、個別の課題、個別の実験や研究で、個別の発表ができ、同じクラスの中で個別の対話もできます。 ただ、少人数クラスの中の発表だけでは、ものたりない面があるので、今後は対外的な発表の機会を利用することも考えています。 例えば、学研の自由研究コンテストというものがあります。 https://kids.gakken.co.jp/jiyuu/contest2022/ こういう発表の機会を利用して、学習の意欲を高めていきたいと思います。 また、言葉の森でも、独自に創造発表大賞を作る予定です。 創造発表クラスは、まだクラス数が多くありませんが、学校でのメジャーな勉強とは少し離れた独自の勉強や研究をしたい人は、体験学習に参加してください。 ところで、現在、創造発表クラスに参加している中学生以上の生徒は、できるだけGoogleアカウントを取得し、GoogleフォトやYouTubeのアカウントやZOOMのアカウントも取得しておいてください。 パワーポイントやワードで作成したローカルな資料も、ZOOMの画面共有でレコーディングし、それをYouTubeの限定公開モードでアップロードすれば、グローバルな資料になります。 将来、推薦入試などで自分のこれまでの実績を発表する必要が出てくれば、それらを資料として提出することができます。 個性的な勉強の好きな人は、創造発表クラスで、将来のイグノーベル賞を目指すユニークな研究をしていきましょう。 |
■勉強はやる気になればいつでもできる――それよりも大事なのは出会いと挑戦 |
今、熱心に受験勉強に取り組んでいる方の感覚とは少しずれると思いますが、私(森川林)の勉強に対する基本的な考え方です。 言葉の森で作文教室を始めたとき、ごく自然に、「国語の勉強を教える学習塾のような教室にはしない」と思っていました。 できない子をできるようにするというのは、誰でも思いつきます。 そして、そういう教室はいくらでもあると思っていたのです。 作文は、できない子をできるようにする教室ではなく、できる子をそれ以上の創造的な子にする教室にしたいと考えていたからです。 しかし、実際に作文教室を運営していると、国語の苦手な子が多いわりに、国語を教える教室というものはないことがわかりました。 作文を教える教室も、もちろん当時はひとつもありません。 だから、始めたばかりの作文教室で、生徒はほとんど集まりませんでした。 しかし、当時作文教室に来る少数の生徒は、みんな優秀な子ばかりでした。 この傾向は、今も続いていて、低学年で作文の勉強を始める子は、どの子もかなり優秀です。 ところで、作文の勉強に比べると、国語の勉強は実は簡単です。 難しい本をばりばり読むことが基本で、あとは、問題の解き方のコツを理解するだけです。 問題の解き方のコツは、1、2時間じっくり説明すればだれでもわかり、それから成績が急上昇します。 こういうことを教えられる先生が学校にいないだけです。 数学の勉強は、1冊の問題集を完璧に仕上げることと、解法を理解することです。 時間をかければ、誰でもできます。 英語の勉強は、1冊の問題集を完璧に、ということは5回以上繰り返して仕上げ、英文を丸ごと暗唱することです。 こういう勉強的なことは、本人がやる気になればすぐできることで、わざわざ他人が教えるようなことではないと思います。 答えのある勉強は、やり方がわかれば誰でもできるのですから、わざわざ人に教えてもらう必要はありません。 では、何が大事かというと、それは、出会いと挑戦です。 自分が知らなかったことや考えていなかったことを、知っていたり考えていたりする人に出会うことが自分を成長させます。 また、自分がやったことのないことを勇気を持って挑戦するときに、人間は成長します。 答えのある勉強をできるようにすることは、やれば誰でもできることなので、人生の主要なテーマではありません。 やる気になったときに時間をかけてやればいいだけです。 大事なことは出会いと挑戦で、特に挑戦です。 しかし、真に価値ある挑戦をするためには、学力の土台が必要になるという関係です。 言葉の森のオンラインクラスには、勉強の時間以外に、読書紹介や一人一言の時間があります。 これらの時間は、一見雑談の時間ように見えますが、子供たちの中に残るのは、そこで勉強した中身よりも、こういう交流と発表の時間の方です。 人間は、受け身で参加する授業によって成長するのではなく、自分から進んで発表したり行動したりする授業によって成長します。 こういう創造発表型の教育の主なものが、作文と創造発表とプログラミングです。 しかし、今後、国語読解、算数数学、英語の授業も、創造と発表の面を生かせるようにしていきたいと思っています。 |
■講師と生徒保護者とのコミュニケーションのある教室――個別れんらく、発表室連絡 |
●動画:https://youtu.be/LPsAy3hhz00 教育の本質は、人間の関わりの中で学ぶ学問と創造です。 勉強の力をつけるだけであれば、能率のよい教材はいくらでもあります。また、勉強法も優れたものが数多くあります。 しかし、大事なのは、その教育の周りの環境である身近な人間と社会です。 それは、人間が身体を持つ存在で、特定の空間と時間の中で生きているからです。 一緒に勉強する友達や先生との関わりの中で学び、現在の社会に対する問題意識を持ち、新しい何かを創造しようとすることが、人間の人間らしい学び方です。 そこが、AIの学び方と人間の学び方の違う点です。 言葉の森のオンラインクラスの特徴は、全員が対話に参加できる少人数であることです。 勉強する時間が中心なので、対話の時間は限られていますが、クラスの中で生徒どうしや先生と生徒との関わりがあることが、勉強そのものと同じぐらい大事なものだと考えています。 しかし、これまでは、生徒どうしや生徒と先生の間のコミュニケーションはあっても、保護者とのコミュニケーションは、必ずしも十分とは言えませんでした。 そこで、今度、個別れんらくのほかに、発表室連絡という形で、そのクラスの生徒保護者全員に対して、クラスごとの連絡をできるようにしました。 いわゆる「クラス通信」のようなものです。 オンラインクラス一覧表にある「発」の発表室に、講師が投稿した場合、その連絡がそのクラスの参加者にメールで届きます。 保護者の方は、それを見て、今、そのクラスでどんなことが行われているかを知ることができます。 また、それに対して、個別れんらくやその発表室で返信することもできます。 言葉の森が考えているのは、昔の寺子屋教育を現代のオンライン環境とネットワーク技術で新たに復活させ、更に創造性のある教育を行うことです。 そのために、今後、コミュニケーションを生かす教室作りをしていきたいと思っています。 |
■合格速報 |
●兵庫県立篠山産業高校機械科 I.R.さん <担当講師より> いつもより明るい声で報告してくれました。試験は面接と小論文だったそうです。 中学1年生から作文を始めて、国語以外の教科にも役立ったと話してくれました。 合格おめでとうございます。実りのある3年間になりますように。 ●横浜市立金沢高校 K.A.さん <担当講師より> 第一声「中根先生の後輩になります」とのことでした(笑)。 しっかりと考え、自分らしい文体で表現して、受験直前でも書けたものはちゃんと提出してくれました。 充実した高校生活を送られると思います。 本当におめでとうございます! ●白梅学園清修中学校 T.S.さん <担当講師より> 受験を決めたのは、夏だそうです。最初は数学から始め、国語に本格的に取り組めたのは冬からだったそうですが、これまで言葉の森で培ってきた国語力でのりきれたとおっしゃっていました。 見事、第一志望合格です! おめでとうございます。 ●フェリス女学院中学校 T.A.さん <担当講師より> 「読む力」だけでなく「書く力」を培ってきたことが強みになったとお母様がおっしゃっていました。国語受験で受けた学校にも見事合格したそうです。第一志望、合格おめでとうございます。また3月からいっしょに頑張りましょう! ●国立東京工業高等専門学校・東京電機大高校 M.K.さん <担当講師より> 合格おめでとうございます! 小さなころからの豊富な読書量に支えられた表現力はとても魅力的で、毎回の作文を読ませてもらうことが楽しみでした。 新しい学び舎でのますますの活躍を心よりお祈り申し上げます。 ●千葉県立船橋高等学校 M.S.さん <担当講師より> 受験期間中も課題提出を欠かさない努力家の生徒さんです。毎回要点をしっかり理解し、素晴らしい作品を仕上げていました。おめでとうございます! |