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  【重要】7月の新学期から作文用紙と封筒用紙の配布を廃止します――手書きの人は作文ノートの利用をおすすめします
  対話のある参加型の少人数オンライン学習で、思考力、創造力、共感力を伸ばす――これからの大学入試では学力とともに個性が重要に
  子育ての下手なお母さんと上手なお母さんの違い
  中学生の定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みで可――休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はない――その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強を
  学習記録のページに、読書記録の欄を作りました――授業の前に、その日に読んでいる本を記録しておいてください
  ChatGPTを家庭教師がわりに勉強――引き算、漢字、社会の勉強――そして教育の未来
  言葉の森の勉強は、高3まで続ける勉強ということを前提にじっくり取り組むことが大事
 
言葉の森新聞
2023年6月3週号 通算第1759号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
【重要】7月の新学期から作文用紙と封筒用紙の配布を廃止します――手書きの人は作文ノートの利用をおすすめします
●動画:https://youtu.be/lq7w-SthL3k

 言葉の森では、これまで、学期ごとに作文を書くための作文用紙と郵送のための封筒用紙をお送りしていました。

 これは、作文のやりとりをするのに郵送という手段しかない時代に作ったシステムだったからです。

 しかし、作文の郵送によるやりとりには、難点がいくつかありました。

1.郵送のやりとりに時間がかかる
2.たまに郵送したものが途中で紛失してしまうことがある
3.作文用紙は保存しにくいので散逸することが多い
4.振替授業で、他の講師が担当した場合、その生徒のそれまでの作文が読めない

 そこで、今後、次のようなやり方を中心にしていきたいと思います。

1.手書きの生徒は、作文ノートを購入していただき、ノートに書いた作文を画像として送信していただく
2.パソコン入力できる生徒は、パソコンで作文を書き、それをウェブから送信していただく
3.郵送のやりとりを希望される方は、市販の作文用紙を購入していただき、それを郵送で送っていただく(封筒も各自でご用意ください)

 作文ノートには、次のようなものがあります。

ジャポニカ学習帳 作文帳 120字
https://www.amazon.co.jp/dp/B00CBNV4VS/
(低学年用)

コクヨ キャンパスノート 作文罫 200字
https://www.amazon.co.jp/dp/B0012ORDXA/
(中高学年用)

 作文の画像送信の仕方は、下記のとおりですが、わかりにくい場合は、いつでもお電話でおたずねください。

1.作文の丘に行き、コード、パスワードなどを入れます。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki01.gif

2.本文は空欄で結構です。
 本文にgoogleフォトの共有リンクなどを貼り付けることもできます。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki02.gif

3.「参照」ボタンをクリックし、パソコンの中にあるJPGファイルをアップロードします。(ファイルが複数枚あるときは、参照を複数回繰り返し、最後にまとめて送信します)
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki03.gif

4.自分のパソコンの中からアップロードするJPGファイルを探します(例の場合は4つ)。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki04.gif

5.1つずつ順に「参照」でアップロードします(図は1つ目のファイルがアップロードされる状態)。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki05.gif

6.全部を「参照」でアップロードしたら「送信」ボタンを押します。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki06.gif

7.アップロードが成功すると画面が切り替わります。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki07.gif

8.手書き原稿がアップロードされた状態。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki08.gif

 iPhoneで撮影した画像は、jpgファイルではないことがあるので、その場合は設定を変更してお送りください。

iPhoneで撮影した「.HEIC」形式の画像ファイルをJPG・JPEG形式に変換する方法
https://koneta.nifty.com/koneta_detail/1141008006174_1.htm


 なお、赤ペン添削とパソコン入力について、時どきご質問をいただくので、言葉の森の方針を説明します。

1.言葉の森は、赤ペン添削をする必要はないと思っています。
 作文で重要なのは、書かれている作文の構成・題材・表現・主題の内容をよくすることです。
 赤ペンは、主に表記のミスについて指摘する際に使われますが、表記のミスは口頭又は文章で説明すれば十分で、子供の読書力の向上に伴って自然に直っていくものです。
 逆に読む力がつかないうちは、赤ペンで何度添削をしても、正しい表記になるのは時間がかかります。

2.作文は漢字を書く練習にはなりません。子供は、自分の使える漢字で書くので、作文で新しい漢字を覚えるようなことはありません。
 漢字は、作文の勉強を兼ねてやるものではなく、漢字の練習として独自にやっていくものです。

3.受験で作文がある場合、パソコンで書いている人は、受験の3か月か半年前から手書きに戻せば、手書きの感覚はすぐに取り戻せます。
 作文で大事なのは、書かれている内容ですから、内容さえしっかり書けていれば、いつでも手書きで書くことはできるようになります。
 パソコン入力の利点は、疲労度が少ないことと、森リン点などの目標を作りやすいことです。
対話のある参加型の少人数オンライン学習で、思考力、創造力、共感力を伸ばす――これからの大学入試では学力とともに個性が重要に
●動画:https://youtu.be/ZyenNXYhnHM

●一斉学習型のオンライン学習

 現在、行われているオンライン学習の多くは、優れた教材を動画で流し、それを生徒に視聴させるような受け身の一斉オンライン学習です。

 面白くてためになる動画を見るというのは、テレビや、YouTubeを見ることと同じです。
 みんなが、同じ面白い動画を見て学習するだけなら、みんなで一緒にテレビを見ているのと変わりません。

 もちろん、そういう学習は、面白くて頭に入るからそれはそれでいいのです。
 面白い動画の一斉学習には、それなりの役割があります。

●個性を生かすオンライン学習

 しかし、これから必要になるのは、子供一人ひとりの個性を生かす学習です。
 子供たちには、それぞれの個性があり、興味のある分野、得意な分野がそれぞれ異なります。

 その個性を生かすためには、子供たちが発言し発表できる場が必要です。
 一人ひとりの発表は、オンラインの教室であっても、リアルの教室であっても、一斉指導型の学習の中ではできません。

●学習の深化には5人以内の仲間との対話と交流が必要

 生徒一人ひとりが自分から発言し発表するためには、その発言と発表を受け止める仲間が必要です。
 質問をしたり意見を述べたり対話をしたりする相手がいることによって、発言と発表は進歩します。
 そういう仲間の数は、5人以内です。

●一対一の個別学習では対話と交流がない

 一対一の個別学習は、先生と生徒の間で密度の濃い学習ができるという利点がありますが、生徒どうしが対話をし交流するという機会がありません。
 密度の濃い学習という点だけから言えば、一対一の学習は、ChatGPTなどのAI技術によってカバーされるようになります。

 人間の教育には、同じ人間による少人数の仲間が必要です。
 その少人数の基準は、繰り返し書きますが5人以内です。

●対話を生む探究学習としての作文、創造発表、プログラミング

 対話が成り立つ学習には、それにふさわしい学習内容があります。
 国語、数学、英語などの教科型の学習には、対話はそれほど必要ではありません。
 それは、すでにある与えられた知識を吸収する学習ですから、ビデオ授業の一斉学習でも、ChatGPTの個別学習でもいいので、能率のよい学習法を組み合わせて選べばいいのです。

 発表と対話のある学習は、探究学習と呼ぶこともできますが、具体的に言葉の森で言えば、作文と創造発表とプログラミングです。
 それは、全員に同じ答えがある学習ではなく、逆に、全員が違う答えを作る学習だからです。

● 個性と創造性が求められる新しい時代の教育

 一律の知識の学習から、多様な個性の学習へという流れは、教育の分野だけでなく、社会にも広がっています。
 これまでの社会は、言われたことをきちんとできる平凡な優等生を求めていました。
 しかし、それは今後、ロボットとAI技術で代替できるようになります。

 これからの社会に求められるのは、誰にも言われないことを、自分の興味と関心と個性の力で作り上げることのできる人間です。
 それは、作文や創造発表やプログラミングの学習をする生徒の延長にある社会人の姿です。

●新たな未来への選択は、個性を活かした起業への道

 これからの若者は、受験勉強という狭い枠の中で上位を目指し、その延長にある就職活動の枠の中でよりよい枠の中に入ることを目指すような生き方をする必要はありません。
 それよりも、個性を生かし、独立起業を目指す生き方を選択することができるようになります。
 それが、間もなく来る未来の社会です。

●保護者の時代の入試と現代の入試の違い

 多くの保護者は、自分が若かったころの経験を基準にして考えるため、子供たちが個性を生かす生き方を部分的にしか容認できません。
 しかし、その場合は、次のように考えればいいのです。

 現在の大学入試では、すでに一般入試よりも推薦型入試の方が多くなっています。
 ペーパーテストの点数で1点差を競うような詰め込み学習をした生徒よりも、個性的な持ち味のある生徒の方が大学に入りやすくなっており、その傾向は年々強まっています。

●これからの入試は、普通の学力と豊かな個性

 推薦型入試では、勉強は、普通にできるぐらいで十分です。
 普通にできるという基準は、東大の学長が推薦入試について述べた「センター試験8割で学力を担保」というレベルです。
 それなりの学力は必要ですが、逆に言えば、それなりの学力の見通しがあれば、あとは個性を伸ばすことに力を入れていく方がいいのです。

 大学入試共通テストで満点を取れる個性の乏しい人よりも、共通テスト8割で個性の豊かな人の方が活躍できる世の中になっています。

●作文、創造発表、プログラミングで個性を伸ばす

 中学生や高校生は、まだ社会の流れをよく見ていないので、学校の定期テストでいい成績を取ることが大きな目標になっています。
 定期テストは、全教科90点以上が目標ですが、それ以上がんばる必要はありません。

 それよりも、言葉の森の作文クラスや創造発表クラスやプログラミングクラスで、自分の個性を伸ばしていくといいのです。
 これらのクラスのいずれか、またはすべてに参加し、個性と思考力と創造力と発表力とコミュニケーション力を伸ばしていくことが、これからの勉強の大きな方向と考えていくといいと思います。
子育ての下手なお母さんと上手なお母さんの違い
●動画:https://youtu.be/Tt0PZNFxy6o

 サルの世界では、子育ての上手なお母さんに育てられた子供は、リーダーになることが多いということがあるようです。
 サルの世界と同じことが、人間の世界でもあります。

 人間で、子育ての下手な人と上手な人とではどこが違うのでしょうか。

 子育ての下手なお母さんは、事前の準備ができていません。
 そして、子供がうまくできないと叱ります。

 子育ての上手なお母さんは、事前の準備をしています。
 だから、子供はうまくできます。
 お母さんは、褒めるだけです。

 例えば、読書紹介というごく簡単なことでも、子育ての下手なお母さんは、子供に任せっきりです。
 そして、子供の紹介の仕方がもたもたしていたり要領を得なかったりすると、「○○ちゃんのように、もっと上手に紹介しなきゃ」などと言います。
 子供は、がっかりするだけです。

 子育ての上手なお母さんは、「今度の読書紹介、どんなふうにするか、ちょっと言ってみて」と、子供の読書紹介を聞いてみます。
 そして、褒めます。
 特にアドバイスをする必要はありません。
 それだけで、子供は、次第に上手な読書紹介ができるようになります。
 準備にかかる時間は、わずか1、2分です。
 このわずかな準備ができるかどうかが、上手と下手の境目です。

 必ずしも、毎回準備をする必要はありません。
 準備は、時どきでいいのです。

 大事なことは、事前に準備をして、結果は褒める、ということです。
 その反対は、事前に準備をせずに、結果を叱る、ということです。

 このごく単純なことが、できる人とできない人とがいます。
 なぜ、そういう単純なことができないかというと、親である自分自身がそういう育てられ方をしていなかったからです。

 家庭の文化は、遺伝します。
 よくできる子の家庭は、よくできるようになる家庭文化があります。
 決して、いい塾に行っているから、よくできるようになるのではありません。
 また、身体的な遺伝でそうなのでもありません。
 すべて、家庭の文化の中で、よくできる子になるのです。

 だから、大事なことは、文化を変えるという自覚を持つことです。
 それは、親自身の文化を変えることでもあるので、大きな決心が必要です。

 家庭の文化というものは、なかなか根強いものです。
 例えば、玄関を上がるとき脱いだ靴をそろえるとか、席を立つときは座っていた椅子をしまうとか、家の中で歩くときは静かに歩くとかいうことも、理屈だけ言ってすぐにできるようになる子はいません。

 朝起きたら「おはようございます」と言うとか、近所の人に会ったら挨拶をするとか、返事はいつでも「はい」と言うとかいうことも、理屈で教えてすぐにできる子はいません。
 定着するまでに、何か月もかかることが多いのです。

 すべて、親による気長な繰り返しの中で、家庭の文化というものができてきます。

 読書の習慣も同じです。
 「うちの子は本を読まないんです」という相談が時どきありますが、それは、本を読まなくてもいい家庭文化を親が作ってきたからです。
 その自覚が必要なのです。
 子供の問題ではなく、そういう家庭文化の中で育ててきたことに問題があるのです。

 親が自覚をすれば、ものごとはすぐに改善の方向に向かいます。
 しかし、その改善の結果が出るまでに、半年はかかります。
 6か月というのは、体の細胞が入れ替わる期間と言われています。
 体の細胞が入れ替わるぐらいの長い期間同じことを続けていて、初めてそれが習慣になるのです。
中学生の定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みで可――休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はない――その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強を
●動画:https://youtu.be/FZJ-vuOlsxE

 題名に書いてあるとおりです。
 定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みでいいです。
 休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はありません。
 その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強をすることが大事です。

 中学生の場合、まだ親が勉強をコントロールしていることが多いので、保護者がこのことをよく理解しておく必要があります。
 高校生の場合は、子供が自分で判断するので、特に問題はないと思います。

 中学生、高校生の定期テストでは、作文試験というものはまずありません。
 それは、作文の評価採点が大変だからです。

 定期テストに作文はまず出ないので、定期テストの対策期間である、テストの2週間前からは、作文の授業が負担になることがあります。

 そのときは、作文クラスの授業に出ても、長文を読んで要約だけ書いておしまいということでかまいません。
 考えるだけで終わりということにしてもいいです。
 要約+意見というかたちで書いてもいいです。
 もちろん、テスト前だから休むということにしてもいいのです。
 要するに、自分のテスト前という状況に合わせて、普段の勉強の対応を考えるということです。

 休んだ分は、そのあと、どうするかというと、その週のうちに振替で取り戻す余裕があれば振替をしてください。

 しかし、我が家の場合、休んだ分の振替はしませんでした。
 学校の行事で休むとか、家族の旅行で休むとか、風邪で休むとかいうそれぞれの理由で休むわけですから、ほかの日にその休んだ分の埋め合わせをしようとすれば、どこかでしわ寄せが出てきます。
 そういう無理をすると、結局長く続けることが難しくなります。

 その日のことはその日のうちに終わらせ、その週のことはその週のうちに終わらせるという生活をしていれば、無理なしわ寄せは起こりません。
 そうすれば、長く続けることができます。
 勉強は、長く続けることで力がつくのです。

 以前、数ヶ月前の休んだ分の振替をしたいと電話をしてきた保護者の方がいました。
 そのときは、その振替を受けましたが、私は、その子は、あまり勉強ができるようにならないだろうと思いました。

 親の監視のもとで、自分の望んでいないことを無理にやらされる子が、将来勉強好きになることはありません。
 勉強は、無理にさせれば嫌いになります。

 勉強ができる子は、好きで勉強をしています。
 無理に勉強をさせれば、そのときの成績は誰でも少しは上がります。
 しかし、長期的には成績は下がります。
 勉強好きにさせるには、無理をしないこと、楽しく続けることが大事なのです。

 楽しくということは、実は、かなり大事です。
 数ヶ月前の欠席の振替を子供にさせようとしたお母さんは、たぶん険しい顔をしていたと思います。
 「ずっと前の休んだ分を、今度、振替で受けさせるからね」と怖そうな顔で言われて、楽しく授業を受けられるわけがありません。
 振替をするときも、楽しく言ってあげる必要があります。

 すべては、長続きする勉強のためです。
 勉強は、長く続ければ必ず上達するからです。

 そして、勉強の中心は、あくまでも家庭です。
 学校や塾の授業を受けるのは、家庭学習のきっかけ作りのためです。
 家庭で毎日自分のペースで勉強をしていれば、学校や塾には特に行く必要はないくらいです。

 家庭学習ということについて、少し参考になる記事を見ました。

▽参考記事
「ほぼ塾なし家庭学習9年目のママが「家庭学習の習慣化」で大切にしてきた3つのポイント」
https://withonline.jp/with-class/education/berry-kurashi/Wc23s

> 共働きで、4人の子どもたちを子育て中です。子どもたちは保育園児から小学生、中学生まで。第一子の長男は高校受験に向けて塾に通い始めましたが、最近までは子どもたち全員が塾なし家庭学習のみで勉強を進めてきました。

 私のうちの子は、2人とも、以前にも書きましたが、小学生から高校生まで塾や予備校には行きませんでした。
 行っていたのは、言葉の森の作文だけです。
 家でやっていたのは、ほぼ読書だけです。

 上の子は中3のとき、近所の塾の夏期講習に少しだけ顔を出しましたがすぐにやめました。
 下の子も、中3の最後のころ、一時的に友達に誘われて塾に行きましたが、それもすぐにやめました。

 塾に行かずに何をしていたかというと、上の子は、パソコンでロールプレイングゲームに熱中、下の子は、バスケットボールに熱中です。

 私は、熱中するものと読書と対話があれば、勉強は必要になったときにすぐにできるようになるという考えです。
 ただ、数学だけは苦手にならない程度に一応やっておくことです。

 大学は、二人とも早稲田大に行きました。
 上の子は、実力で行きましたが、下の子はスポーツ推薦で高校に入りその延長で行きました。小論文がうまかったのだと思います。
 私は、国立大の理系の工学部あたりが面白いと思っていましたが、それは実現しませんでした。

 大学に行ってから友達と話してみると、塾に行かずに勉強していたのは、うちの子たちだけだったようです。

> 宿題が多い日は家庭学習の量を調整して、いつもはドリルを2ページしているけれど今日は1ページにしようとすることはあっても、ドリルは必ず毎日進める。子どもや親の機嫌に左右されることなく、毎日少しでも進めることを徹底することが大切です。ちなみにわが家では体調不良のときと旅行・帰省のときは勉強しなくてOKとしていて、このルールも子どもたちに何度も話し、守っています。

 私のうちでは、読書は毎日すると決めていたので、体調不良のときなどは、勉強は休みで読書だけということにしていました。
 旅行に出かけるときは、言葉の森の課題の長文と読みかけの本を持っていくようにしていました。
 課題の長文の音読をして、内容がすっかり頭に入っていると、友達と話をするときにも格好いいことを言えるので得をしたようです(笑)。

> わが家は2LDKの60平米マンションに6人暮らしということもあり、子どもたちの個室がありません。また、上の子たちを含めて、学習机もありません。子どもたちは全員リビングのテーブルで勉強しています。心掛けているのは、「家庭学習で使うグッズは、すべてリビングにまとめておく」こと。勉強しようと思ったときに参考書やドリル、筆記用具などの必要なものが数秒で揃う環境にしています。

 リビングで勉強をするというのは、中3までは大事です。
 高校生になると、自覚して勉強できるので、どこでやってもいいのですが、中学生のころはまだ勉強の自覚がないので、子供部屋でひとりで勉強をすると、遊んでしまいます。

 しかし、多少の遊びに関しては、目くじらを立てるべきではありません。
 大人でも、退屈な仕事をしていてくたびれたら、ちょっと一休みということはあります。

 子供の勉強を、最初から最後までずっと監視してやらせるようにしていると、子供は必ず外見だけの勉強をするようになります。
 つまり、深く考えるようなことはせず、作業的な漢字の書き取りや計算練習をさも一生懸命にやっているように見せる勉強をするようになるのです。
 こういう習慣がつくと、高校生になってからも作業的な勉強をするようになります。
 子供の時間管理は、子供に任せることが大事です。
学習記録のページに、読書記録の欄を作りました――授業の前に、その日に読んでいる本を記録しておいてください
●動画:https://youtu.be/PyLI0F9u8d4

 学習記録のページに、読書記録の欄を作りました。
 書名とその本のおすすめ度と感想が入れられるようになっています。

 みんなの読書記録を学年別にリスト化し、共有できるようにします。
 書名をクリックすると、アマゾンのリンクに飛べるようになっています。

 https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/6120611490.jpg

 読書記録を利用して、いい本をたくさん読んでいきましょう。
ChatGPTを家庭教師がわりに勉強――引き算、漢字、社会の勉強――そして教育の未来
●動画:https://youtu.be/wkwW_gxm9w0

 ChatGPTを英語の勉強に使うという記事を見ました。

「勉強法の相談から、苦手な発音の練習も、ChatGPTなら0円で英語を学習できる」
https://president.jp/articles/-/70403
====引用ここから====
まずは「単語の習得」から見てみましょう。従来であれば、単語帳を使って暗記することが一般的です。
それに加えて、ChatGPTを使えば、より効率が上がります。具体的には、特定の単語を含んだ例文を作ってもらいます。単語一つ一つではなくまとめて覚えたい場合は、複数の単語を指定して、例文を作ってもらうのもオススメです。「以下の3つの単語を含む短い英文を作れますか?」と聞いてみましょう。長い文章だと覚えづらいため、あえて「短い・簡潔な」と加えるのがコツです。例文を繰り返し読むことで、単語が覚えやすくなります。
====引用ここまで====

 なるほど。
 これなら、簡単にいろいろなことができます。
 例えば、

■繰り下がりのある2桁の引き算の問題を10個作って。
====
ChatGPT
もちろんです。以下に2桁の引き算の問題を10個作成しました。それぞれの問題では繰り下がりが必要となります。

34 - 17 = ?
52 - 28 = ?
63 - 46 = ?
85 - 39 = ?
76 - 38 = ?
91 - 35 = ?
42 - 27 = ?
81 - 64 = ?
73 - 58 = ?
65 - 47 = ?
====

■答えも教えて。
====
ChatGPT
もちろんです。各問題の答えは次のとおりです:

34 - 17 = 17
52 - 28 = 24
63 - 46 = 17
85 - 39 = 46
76 - 38 = 38
91 - 35 = 56
42 - 27 = 15
81 - 64 = 17
73 - 58 = 15
65 - 47 = 18
====

 百ます計算のような問題がいくつも作れます。
 何よりも、大事なことは、子供が苦手なところや間違えやすいところを組み合わせた問題を作れることです。


 漢字の勉強もしてみました。

■次の漢字を使った文章を作って。(小6の配当漢字の最初の30文字)
異 遺 域 宇 映 延 沿 我 灰 拡 革 閣 割 株 干 巻 看 簡 危 机 貴 疑 吸 供 胸 郷 勤 筋 系 敬
(30文字)
====
ChatGPT
異なる郷に生まれ、我々は宇宙への疑いを拡大し、その遺跡を見つけるために勤勉に働いた。彼らの貴重な貢献が、株の成長を促し、地域の革新を映し出した。それは、強く敬意を表す一方で、灰色の空を明るく照らし出した。

延びる道沿いにある閣楼は、その光景を見る者に異次元の世界を思い起こさせる。株式会社の幹部たちは、この困難な時期に簡潔なメッセージを提供することで、危機を乗り越えようとした。彼らは、勤勉に取り組むことで、我々の生活に影響を与えるこの系統の遺留品についての理解を深めようと努めた。

機械の進化は、この戦略の一部を形成していました。深い吸引力を持つこの技術は、我々の胸に新たな希望を植え付け、革新的なアイデアの創出を促しました。このように、我々の努力が無駄にならず、割り当てられた任務を進めることができました。

以上が、異なる文化と人々、そしてそれぞれが持つ異なる視点から見た、我々の旅と成果でした。この体験が我々の見識を広げ、未知の域を探求することの重要性を教えてくれました。
(436字)
====

 この文章は長すぎますが、10文字ぐらいの漢字の文章を作り、それを暗唱暗写すれば、漢字はすぐに覚えられます。

 この問題づくりも、それまでに子供が書き間違えた漢字に絞って作れば、能率のよい漢字の勉強ができます。


 理科や社会でもできるかと思い、社会の問題を作ってみました。

■神奈川県と県庁所在地である横浜の2つの言葉の組み合わせを覚えるための語呂合わせの文章を作って。
====
ChatGPT
「神が奈って、川を越えたら、横に浜が広がっていた。」という語呂合わせを考えてみました。このフレーズは「神奈川」の神が奈って、川を越えることを示し、「横浜」は横に浜が広がる景色を描写しています。これにより、「神奈川県」の県庁所在地が「横浜」であることを覚えるのに役立つかもしれません。
====

 やや意味が不明ですが、プロンプトを工夫すればもっといい問題ができると思います。
 そして、ChatGPTはくたびれるということがありませんから、「47都道府県について、全部作ってみて」と
言えば、すぐに作ってくれます。

 ここで大事なことは、先生や保護者がこういう問題をAIを使って作るのではないことです。
 子供自身が作るのです。

 子供が活用するChatGPTで、当面すぐに活用できるのは、読書感想文です。
 たぶん、多少気の利いた中学生は、今年の読書感想文は、ChatGPTを利用して書くと思います。
 小学5、6年生でも、進んだ子はそういうことをすると思います。


 先日、「読書感想文は今年で終わる」という記事を書きましたが、この記事の肝心なところである「教育の概念」というのは、わかる人とわからない人がいると思います。

 これからは、教育の方法が変わるのではなく、教育の概念が変わるのです。
 教育は、大人が子供に知識を詰め込むことではなく、子供が自ら学ぶことになります。
 そのときに使えるのがAI技術です。

 AI技術によって、子供は、自分が学びたいことを自ら学ぶようになります。

 親や先生が、子供に教えることは、勉強の中身ではなく、大人のこれまでの人生経験を生かして、どういう生き方が価値ある生き方かを子供と話し合うことです。

 生き方を決めるのは子供です。
 その材料を提供するのが大人です。
 そして、勉強の方法を提供するのがAI技術になるのです。
言葉の森の勉強は、高3まで続ける勉強ということを前提にじっくり取り組むことが大事
 言葉の森を小学4年生ぐらいでやめてしまう子が時どきいます。
 それは、本当にもったいないことだと思います。

 なぜ、そのころにやめるかというと、塾が忙しくなったからとか、塾でも作文の講座があるからとかいう理由です。

 もちろん、言葉の森の生徒で、塾の講習とセットになった作文講座に通いながらも、言葉の森の作文の勉強はつづけるという生徒の方が多いです。

 言葉の森の作文の勉強は、高3まで続けられる勉強です。
 もちろん、高3の受験期には、誰でも志望校の過去問に合わせた勉強をするのが基本なので、特に小論文の試験がなければ、作文の勉強は休んでいいのです。

 しかし、作文の勉強は、単に受験の小論文に合格するためにやるのではありません。
 自分自身の考える力を伸ばすためにやっていく勉強です。

 高3まで毎週1本作文を書いたという蓄積は、必ずあとで生きてきます。
 だから、高3まで勉強を続けるのが基本なのです。
 将来は、高3以降、大学生や社会人になっても、作文の勉強を通しての交流ができるようにしますが、それは少し先の話です。

 国語、数学、英語など教科の勉強は、自分ひとりでもできるので、特に人に教わる必要はありません。
 今は、優れた教材がいくらでも手に入るので、それらの教材を利用して自分でやればいいのです。

 ただし、全体の見通しと、何のために何を重点にするかという戦略的なことは、高校生ではまだわかりません。

 また、何をどう勉強するかという戦術的なことも、高校生ではまだわからない人が多いです。

 戦術を考えるためには、大学入試の勉強法に関する本を10冊以上読んでおく必要があります。
 10冊というのは、新しいことを始めるためのひとつの基準です。

 関連する本を10冊よむためのいちばんよい方法は、所在地の都道府県の中で最も大きい書店に行き、大学入試の勉強法がそろっているコーナーにある本を10冊買ってくることです。
 その10冊の本選びに、丸一日かけます。
 費用は、数万円です。
 それだけで、受験勉強のスタートはかなり有利になります。

 しかし、ほとんどの高校生が自分で頑張るのは、戦略でも戦術でもなく、「何しろ勉強をする」という戦闘だけです。

 この戦略、戦術、戦闘という考え方は、社会人になってからも必要です。
 戦闘することしか知らない人は、結局優れた兵隊としてがんばるという生き方になります。

 子育ての目標は、優れた兵隊を育てることではありません。
 優れた人間、又は、優れたリーダーを育てることです。

 小さな戦闘で勝つことは、それはそれでいいのです。
 しかし、より大きな戦術で勝つことが、戦闘以上に重要です。
 もっと重要なのは戦術以上の戦略で勝つことです。
 更にその上に、戦争に勝つことがあります。

 戦争に勝つための最も優れたやり方は、戦争をしないで勝つことです。
 つまり、「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」(孫子)ということなのです。

 勉強は、大きな見通しを持ってやっていくことです。
 単に、目先の受験とか定期テストとかに左右されるのではなく、将来、社会人として生きていくために何が必要かという観点で勉強を進めていくことです。

 私は、そういう勉強の中でいちばんの要になるものは、作文と創造発表だと思います。
 プログラミングにも、そういう面があります。
 これからの勉強の重点は、創造的な勉強です。

 国語読解、算数数学、英語の勉強については、みんなと一緒に勉強することが励みになるということで、やっていくといいと思います。
 国語も、数学も、英語も、中学生までの勉強はそれほど面白くありません。
 面白くないが、やらなければならないという勉強は、みんなと楽しくやっていくといいのです。

 しかし、その前提は、家庭での自主学習として毎日一定のページを進めていくことです。
 
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