言葉の森新聞2005年8月1週号 通算第897号
文責 中根克明(森川林)
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■■8月11日(木)〜17日(水)は休み宿題
予定表に書いてあるとおり、8月11日(木)〜17日(水)は休み宿題になります。
先生からの電話はありませんが、自宅でその週の課題を書いて作文を提出してください。
ほかの日に教室に来るか教室に電話をして、その週の説明を聞いてから書くこともできます。
■■休み宿題の日は、解説集を参考に
休み宿題のときに、電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、課題フォルダの「解説集」かホームページの「ヒントの池」を参考にしてください。
■■夏休み中は、作文の返却が遅れることがあります
夏休み中は、教室が休みになる週と担当の先生が休みをとる週があるため、作文の返却が一時的に遅れる場合があります。ご了承ください。
■■アンケートのお願い
8.1週の山のたよりにアンケート用紙を添付しています。特に記入事項がない場合はご提出いただかなくても結構です。アンケートの「ひとこと」の欄は、ホームページの「父母の広場」に匿名で掲載させていただきます。
ホームページにも、アンケート用のフォームを設置しています。
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■■「がんばらない。あきらめない。」(はちみつ/おと先生)
急に暑くなり、水不足を心配するようなかんかん照りが続いたかと思うと、大雨に見舞われたり、いよいよ本格的な夏がやってきましたね。気温の急な変化やじめじめしたお天気に、体調をくずした人もたくさんいるようです。作文の提出もペースダウンしてしまったようです。新学期の疲れも出てきたのではないでしょうか。そんなときは無理をせずに体調を整えましょう。
どんなことでも始めるのは易しく、続けること止めることは難しいものです。新しいことを始めるのは気分も高揚していて案外楽なものです。工夫したり、計画、企画を練ることで苦労はありますが、充実感があり、楽しいので苦にならないものです。滑り出しはいきなり難しいこともしませんから、物足りないくらいです。新しいことは、興味もひきやすく欲求も大きいものです。
だんだんと慣れてくると勉強でも、スポーツでも、芸術でも、趣味でも、高度に困難になっていきます。また真新しさがない、地道な作業になってしまったりします。はっきりした目標があれば達成感もあり、次のステップへ進みやすいものですね。目的が明確だったり、好きでないとなかなか続きません。
ですが続けなければならないこと、続けたほうがいいことがあります。「才能がある」といいますが、持って生れた才能やセンスと同時に、「単純なことつまらないことを続けていけること」こそが才能だと思います。
頑張りすぎると息切れします。最近、雑誌でいい言葉をみつけました。「がんばらない。あきらめない。」です。無理をしないのは大事ですが、同時にあきらめないことも大事なんだなぁ、と。「がんばらない」だけではつまりません。「あきらめない」がいっしょになることで、気負わず続けていくということになるのだと思います。
■■海にちなんだことわざ・四字熟語(クマのプーさん/さと先生)
<<え888み>>
7月18日は「海の日」ですね。この祝日は、私が子供の頃はありませんでした。
平成8年に、「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」として7月20日が国民の祝日「海の日」になり、平成15年から7月の第三月曜日になりました。というわけで、夏休みの前にひと息……三連休です。
さて、今月は海に関係のあるのことわざ・四字熟語を紹介します。
<<え3930み>> 井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわず たいかいをしらず)
自分の考えがとてもせまく、広い世界にはいろいろなことがあるのを、何も知らないでいるたとえです。見聞がせまいこと。
<<え3931み>> 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)
ものごとがうまくいかない時は、気長に待っていれば、そのうちによい事が訪れる、ということ。
<<え3929み>> 海に千年 山に千年(うみにせんねん やまにせんねん)
苦労を経験して抜け目がないこと。
<<え3932み>> 百川帰海(ひゃくせんきかい)
あらゆる川は、すべて海に流れ込むように、方々に散逸しているものが一か所に集まる、人民の心が一点に集中すること。
<<え3933み>> 海内無双(かいだいむそう)
並ぶ者がないほど優れた人物。
私の住んでいるところは、以前歩いて海水浴にいけたそうです。今では、埋め立ててマンションや工場が建ち、もうすっかり様変わりしてしまいましたが。みなさんは、海の近くですか。山の近くですか。
■■虫めづる君(はつこ/そうよ先生)
私は今アゲハのさなぎがいる飼育ケースを横に置いて、この学級新聞を書いています。実は羽化の瞬間をみたいがために、この二日間は夜中の2時から起きてるんです。図鑑には、羽化は明け方にはじまることが多い、と書いてあるの。われながらなんでこんなに夢中になるのか少しあきれてるんだけど、蝶の完全変態をどうしても見届けたい、という好奇心が抑えられないのです。
羽化が近づくと、羽がすきとおってみえるんだって。たしかに側面のところが、黒っぽくなってきてアゲハのあの美しい羽をたたんでいることをうかがわせます。今夜こそ「そのとき」がくるかもしれない!
さなぎくんへ(お手紙)
とても寂しいんだ。まもなく蝶になって、君は飛び立っていくんだもの。君を世話したひと月あまり、たくさんの感動と驚きを経験したんだ。今のさなぎの姿も背中から見ると、まるで両手を胸のところであわせている童女のようだね。なんてかわいいのだろう。
私は君に夢中だった。特に君のあしが大好きだったんだよ。胸の部分についている胸脚と、腹の部分についている腹脚の二種類があるんだよね。君はこの腹脚で、葉っぱのへりや、また食べつくした葉っぱの芯をしっかりとはさみながら上手に移動していたね。どんな細いところも踏み外さず渡りきったね。君は実にくいしんぼうだったから、葉っぱをきれいに食べつくしてしまうんだ。みかんの葉っぱって広葉樹だよ。でも君の食べた後の葉っぱはみんな針葉樹みたいになってしまったね。葉っぱの芯しか残さないんだ。
そんなあやういところの方向転換をする様はすごかったね。君はどうやら後退はできないらしい。枝の先まで行き着いて、さてこれからどうするのか、と見守っていると君は頭を自分のしっぽの方へうんと振りかえるように伸ばして、まず上体を胸脚でしっかりと支えたね。体がこんなに曲がったり、伸び縮みすることにも驚いたけど、体がUの形になりJの形になり見事に方向転換してIの形になったときは、思わず拍手したよ。すばらしい芸当をみせてくれたね。君の脚は手の役目もするし、どんな無理な体勢になっても、きちんと足場をはさみこむという仕事をわすれないんだね。
そして、これほどの仕事をする脚はデザインも優れていたね。白い線がでていたけど、あれはナイキのマークを意識していたのかな。シューズをはいているみたいでかっこよかったよ。君の成虫になったときの羽の模様はとても素敵だけど、実は青虫のときからおしゃれには気を使っていたんだね。
さなぎになっている今も、君はかつての一番後ろの腹脚で体をしっかり支えているじゃないか。細い糸とそのかつての腹脚の一点のみで10日間もじっとしている。最後の最後まで君の脚は役に立つんだね。
君はまもなく美しいアゲハになるんだ。もうすぐお別れだから手紙を書いたよ。楽しい思い出をありがとう。脱皮、がんばってね。
はつこより
青虫の飼育を経験したおかげで、図鑑は調べるためだけの本だと思っていたけど、物語のように読めることが分かったの。青虫の成長は神秘的で、ドラマチックで、手品のようで、でも全て現実、ノンフィクションなのです。
ね、育ててみたくなったでしょ?ゲームやテレビよりずっと面白いよ!
■■今年の夏は一度きり(うるっち/かん先生)
7月になりました。みなさんがこの学級新聞を読む頃には、待ちに待った夏休みがはじまっているでしょうか? 学校に塾にお稽古事にといそがしい毎日を送っているみなさん、夏休みくらいはゆっくりできるのでしょうか? 夏休みだからってのんびりしてなんかいられないよ、部活もあるし、夏期講習もあるし、という声も聞こえてきそうですね。でも、特別どこかへ出かけなくても、日常生活にはキラキラと光る瞬間が思いがけなくたくさん転がっているものです。
私が生まれ育った地域は夏に雷の多いところです。毎日、もくもくとわきあがる入道雲を遠くに眺めながらプールに通った記憶があります。そしてゴロゴロとかすかに聞こえる雷鳴とともに真っ黒な雲が広がり、夕立に降られながら家に帰ることもよくありました。近所の神社の大木や、自動販売機に雷が落ちたこともあります。とにかく夕立は夏の風物詩でした。雷が激しくなってくると電力会社が一時的に送電を停めていたのでしょう、よく停電していました。停電するともちろん真っ暗です。そうすると決まって祖父が奥の部屋からろうそくを持ってきて、茶の間にろうそくを灯すのです。家族みんながここに集まり、停電が終るまでを過ごします。激しい雨音や鋭い稲光に「落ちたかな? 」「早く電気つかないかなあ。」と口々に言いながらも、楽しい時間が流れていました。おやつの時間ではないのにお菓子が出てくるところもたまらなく特別な気もちになったものです。子どもはみな緊急事態が大好きだと思うのですが、私も例に漏れず、この時間がとても好きでした。ほの暗い中でお菓子を食べていると、ポッと突然電気がついて現実に引き戻されます。お菓子もすぐに片付けられてしまうのです。非日常の時間が終わり、「つまんないの。」と舌打ちしながらほんのり明るくなりかけた空を眺めると虹がでていたこともよくありました。夏には家族で旅行に行った特別な思い出もたくさんあるのですが、幼い頃の夏の思い出といえばまっ先に浮かぶのがあの、ろうそくを囲んだ停電の時間なのです。
何年後かに振り返ったときにしみじみと懐かしく思える、そんな何気ない日常を、今、みなさんは過ごしているのですね。今年の夏休みはどんな出来事がみなさんを待ち受けているのでしょう。夏は毎年やってきますが、みなさんが過ごす今年の夏は一度きりしかありません。部活に励んだ夏、受験勉強で大変だった夏、たくさん本を読んだ夏、どんな思い出が心に残るかは人それぞれですが、生きている今、この瞬間を大切にしほしいなあと願ってます。楽しい夏休みになりますように!!
<<え1305み>>
■■これからの100年(けいこ/なら先生)
<<え6709み>> 1ヶ月ほど前に「20世紀の予言7割的中 2004年度版科学技術白書」という新聞記事を目にしました。その予言は、20世紀になったばかりの1901(明治34)年1月2・3日、報知新聞に掲載されたものだそうです。開国して30年余りたった日本は、欧米の技術や文化を取り入れて国を強くしようと必死でした。1894年には日清戦争(清:以前の中国)・1904年には日露戦争(露:ロシア)が起こっています。二つの戦争には勝っていますが、一方で、与謝野晶子のように文学界には反戦の気運も強くなっていました。そういう時代の予言ですが、23項目のうち、17項目が実現または一部実現しているそうです。
<<え4859み>> 【無線電信電話】【遠距離の写真】【写真電話】これらは、インターネット・携帯電話などのことでしょうか。先生が小さいころ、マンガの中に腕時計型電話が出てきました。SFマンガで未来の社会を描いているものです。(ん? 年代がばれてしまうかな。)今や、携帯電話は当たり前。日本の携帯電話の契約台数は2004年で約8500万台だそうです。【買い物の便利な方法】の項目では、【写真電話】のおかげで遠距離にある品物を鑑定し、売買の契約を整えることができるようになるとも予想しています。これはインターネットショッピングのことでしょうか。
<<え4879み>> 【7日間世界一周】当時、世界一周旅行には80日ほどかかったそうです。【東京神戸間2時間半(鉄道の速力アップ)】も予言されています。新幹線のぞみを使うと所用時間173分……いい線いっています。
【暑寒知らず】暑さ寒さを調整して、ほどよい空気を送り出す機械が普及するとのこと。これはまさにエアコンです。エアコンのおかげで、暑い夏も涼しく過ごせますが、排気で外はますます暑くなっています。このことは予想できなかったのでしょうね。
こんなふうに、技術面での予想はかなり当たっていて驚いてしまいます。私自身はマンガの腕時計型電話も「しょせん、マンガの中だけ。」と思いました。明治時代は、技術が発達していなかった分、想像のスケールも大きかったのでしょうそして、その想像力の大きさが創造力につながったのかもしれません。
<<え2224み>> おもしろいものもありました。【人と獣の会話自在】動物の言葉の研究が進み、小学校には動物語科ができ、人と犬猫猿とは自由に対話できるようになるそうです。なので、犬が人のお手伝いさんのように動いてくれるようになるとか。そういえば、バウリンガルというおもちゃが発売されましたね。犬の言葉が日本語に翻訳されるというものでした。……もしや、人間(飼い主)が犬のお手伝いさんになってしまったのかな?
<<えa/2820み>> 実現していない予言にはどんなものがあるでしょう。【蚊およびノミの滅亡】衛生状態が向上し、蚊やノミは絶滅するはずだったのですが……。21世紀になったこの夏も、蚊はずいぶん活躍していますね。
【暴風を防ぐ】では1ヶ月前に暴風を予測し、それを防ぐ手段も完成する・地震は免れないけれど、建物や道路は破壊されないものができるとあります。しかし、台風や大雨を事前に防いだり進路を変えたりすることはいまだできません。耐震・免震構造の建物も開発されていますが、地震による被害は、阪神淡路大震災・少し前の新潟地震などでも多く報告されました。読んだ紹介記事でも「自然の脅威は予想以上に手ごわいといえそうだ」とまとめています。自然の力を制御するというのは難しいということでしょう。
<<えa/2563み>> 予言の自然関係の項目は、技術の向上により……となる、という考え方が主体です。残念ながら、予言的中はしておらず、技術を凌駕する力を自然は持っているようです。これからの時代は、技術開発と環境保護という、今までは対立していた概念を、同時に実現させていくことが大切になるのだ、という思いを強くしました。
<<えa/461み>>
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