言葉の森新聞2006年2月4週号 通算第924号
文責 中根克明(森川林)

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■■長文問題によって長文音読の習慣を
 1月から長文の問題を出すようにしました。
 子供たちの反応はおおむね良好で、特にこれまで長文音読の自習をしていた子は、成果が認められるので喜んでいるようです。
 子供の適応力というものは、いつも感心しますが、難しい漢字もそのまま丸ごと読んで覚えてしまいます。
 従来の勉強法は、わからないものはまず理解してというやり方でした。理解するということは大事なことですが、二つの弱点があります。
 まず一つは、勉強の初期の段階で理解を優先すると、かえって壁が高くなるということです。例えば、新しい分野の勉強を始めるような場合、わからないながらもまず何冊かの本を丸ごと読み終えて、頭の中に考え方の枠組みを作るということが大切です。これを最初のページから逐一理解しながら進もうとすれば、かえって途中で挫折してしまうでしょう。新しいジャンルの本を読む場合でも、まず何しろ最後まで読み切るということが大事です。最初のページから確実に理解して進もうとすれば、途中で嫌になってしまいます。長文音読は、長文の理解よりも、すらすら読めるようになることを優先した勉強です。こういう勉強法があるのだということを知ることも、子供たちの勉強にプラスになると思います。
 理解する勉強法のもう一つの弱点は、表面的な理解でその勉強が身についたと勘違いしてしまうことです。例えば、掛け算や割り算の仕方を理屈で理解しても、それが自分の体の一部のように自由に使えるようになっていなければ、実際の勉強では役に立ちません。理解したあとに、何度も反復練習をすることによって、その理解が知的な理解ではなく、身体的な理解になっていきます。長文音読も、もし長文の内容を知るだけであれば一回読めば十分です。しかし、その長文が自分で自由に使えるようになるためには、何度も反復して身につける必要があります。
 読書も同じです。気に入った本を何度も読めば、読む力が自分のものになります。いろいろな本を次々と読むよりも、一冊の本を何度も読む方が力がつくのです。
 長文音読は、このように繰り返しの勉強を身につけるという役割もあるのです。ただし、同じものを何度も繰り返し読んでいると、子供たちは必ず飽きてきます。人間は、同じことには飽きるようにできているので、自然に変化を求めます。声色を変えたり、ふざけて読んだり、早口で読んだり、いろいろな読み方で読みます。これは子供なりの飽きない工夫なので、あまり極端でないかぎりは、そのまま認めてあげるとよいと思います。


■■2.4週は清書
 毎月第4週は清書です。担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、作文用紙に清書してください。(一度清書したものは、清書しないように注意してください。また、ほかの人の作文を写して清書にすることのないようにしてください)

 清書は、次の月の4週の「山のたより」に掲載されます。
 清書の意義は、次のとおりです。
(1)これまでに書いた作品をよりよいものに仕上げること(小学生の場合は字数を増やす、表現を更に工夫するなど、中学生以上の場合は字数を短くまとめるなど)
(2)他の生徒の清書を読む機会を持つこと(自分の清書を他の生徒に読んでもらう機会を持つこと)
(3)新聞社に投稿する機会を作ること
 このほかに、(4)パソコンで入力する練習をする、(5)他の生徒の前月の清書に対して感想を書く、などに取り組むこともできます。
【注意事項】
◎清書は、黒いペンで書いてください。
(鉛筆だと薄すぎたり、濃すぎたりして、うまく読み取れない場合があります)
◎左上に、バーコードシールをはってください。
◎バーコードシールは、その月のものを、ページ順に、まっすぐにはってください。
◎絵や感想だけの用紙にも、バーコードシールをはってください。
◎1枚の用紙の裏表を同時に使わないでください。
◎独自の用紙を使う場合は、作文用紙と同じサイズにコピーを取り直してください。
(バーコードシールのないものや間違ってはられているものは、印刷日程の関係で翌々月のプリントになりますのでご了承ください)

 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するものがない場合もあります。そのときは、自由な題名で作文を書いて送ってください。
 清書は、2〜5人のグループ(広場のグループ)ごとにプリントして、翌月の4週に、「山のたより」と一緒にお渡しします。この清書は、インターネットの山のたよりでも見ることができます。
 用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。色はプリントには出ません。
 感想文を清書する場合は、最初の「三文抜き書き」や「要約」はカットするか、簡単な説明に変えておく方が作品としてまとまりがよくなります。
 中学生以上の人が清書を新聞社に送る際の字数の目安は、500字程度です。長すぎる場合は、新聞社の方でカットされて掲載されることがあります。字数を縮めるときは、いろいろなところを少しずつ縮めるのではなく、段落単位でまとめて削るようにしていきましょう。第一段落の要約と第三段落の社会実例は削除し、名言や書き出しの結びなどの表現の工夫も削除し、第二段落の体験実例と第四段落の意見だけでまとめるようにするといいと思います。
 清書は、ホームページから送ることもできます。作文をホームページから送るときと同じように送ってください。

 よく書けた清書は、自分で新聞などに投稿してください。二重投稿になる可能性があるので、教室の方からの投稿はしません。(港南台の通学生徒の場合は、教室から投稿します)
 手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を投稿用に、コピーを提出用にしてください。
 パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)
●朝日小学生新聞の住所
104−8433 東京都中央区築地3−5−4 朝日小学生新聞 「ぼくとわたしの作品」係 御中
●毎日小学生新聞の住所
100−8051 東京都千代田区一ツ橋1−1 毎日小学生新聞 さくひん係 御中


■■チャレンジ!(めもま/けい先生)
 みなさん、新学期が始まって(二学期制の人たちはなんだか、ちょっと、不思議な感じがしますね。)、どんなことを想っていますか?
「今年はピアノが上手に弾けるようになりたい!」
「算数の難しいパズルがすらすら解けるように挑戦したい!」
「ネコと話をしてみたい!」
「おもしろいダジャレをいっぱい考えたい!」
「おいしい料理が作れるようになりたい!」
「ラグビーやサッカーをいっぱい練習して、うまくなりたい!」
「俳句の次は和歌に挑戦しようかな?!」
などなど、やってみたいことがたくさんありますね〜。
どんどん、チャレンジしてくださいね。
「なんと言っても、みんな若いんだから!」そう言って、ポンと、肩をたたいてみたいな。毎週電話でお話しますが、お顔を見て、目を見て話すことができなくて、ちょっと残念ですね。
 今年頂いた年賀状の中には、今年の干支「戌(いぬ)」にちなんだお話を書いてくださった方が何人かいました。助産婦さんからの年賀状には「犬は安産だから、今年も赤ちゃんが無事にたくさんうまれるといいな!」とか、あるかたは「犬には嘘がないから。犬は素直にうれしさ、悲しさ、怒りを表現するから、そういう心を見習いたい」ということを書いくださいました。
 私もそう言えば、もう20年ほど前に出会った詩を思い出しました。東京の自由が丘という街にあった小さな喫茶店。そこで時々親友とお茶を飲んだのですが、素敵な詩が壁に掲げてありました。みなさんにご紹介します。

〜やなせたかし作〜
(すばらしい詩をたくさん書いている方です。一方、アンパンマンの産みの親でもあります。)
小犬がぼくに頭をすりつける
うれしそうにはねまわる
しっぽをちぎれるほどふって
全身でよろこんでいる
まるでたよりないこのぼくに
無限の愛を示している
あぁぼくもそんな風に
おもいきり人を信じ
全力をあげてよろこんでみたい

 この詩に感動して、若かった親友と私は、早くお店に着いた方が必ず、この詩が見える席をとることにして、いろいろぺちゃぺちゃとおしゃべりしたものです。ある日このお店にいったら、なんといつのまにか閉店していました。
「あの詩のパネルはどうしたんだろうね?」そう話しながら、さびしくなりました。
 でも、実はあまりに感動したので、私はこの詩を覚えていたし、大切な手帳に書き写してありました。2006年、戌年にちなんで、私も手帳をまた開きました。今年は、若かりし日の想いを再び思い起こして、やってみたいことに積極的にチャレンジしたいと思います。

<<え2006/1み>>


■■自分のこと好きですか?(ほたる/ほた先生)
【自分のこと、好きですか?……「あいのり」特番から】

 今年一番の話題は、こんなタイトルで始まりました。「あいのり」って、知っていますか? 毎週月曜日の夜11時という遅い時間に、フジテレビでやっている番組です。遅い時間ですし、一般人の若い男女が外国を旅しながら恋愛する、という内容なので、きっと小学生以下のみなさんは見たことがないでしょうね。
 私は割合この番組が好きで、近頃けっこう見ています。まず、「彼氏、彼女がほしい」男の子や女の子(十代の終わりから二十代はじめ)が、いっしょに外国を旅します。行くところはさまざまで、アフリカもあればヨーロッパ、中東など、地球を何周かする勢いです。移動は飛行機ではなく原則として陸路です。ワゴン車に乗って、お世辞にも快適そうな旅とは言えません。行く先々で、彼らはいろいろなものを見ます。アフリカでは貧しい人々を、ロシアではチェルノブイリ原発事故の跡地にも立ち寄り、いまだその後遺症に苦しむ人々にも会いました。アクシデントも起こります。途中で病気になり、現地の病院に入院するメンバーもいます。
 その中で、ルールはただ1つ、「誰かを好きになって告白すること。」OKをもらえたら、いっしょに帰国できます。「ゴメンナサイ」だったら、1人で帰国しなければなりません。そして、その帰国したメンバーの代わりに、また新しく、日本から恋愛志願の若者がやってくるのです。
  
 さて、きっと若い人達は(笑)その恋愛のドキドキをいっしょになって楽しんでいるのでしょうが、私みたいなオバサンは、今さらそこには参加できません。それなのにその番組を面白いと思うのは、旅をしていく中で成長していく若者の姿や、非日常的な旅の中で思わずさらけ出される1人1人の性格が、とてもよくわかるからです。
 そこでタイトルに戻りますが、年末のゴールデンタイムに、「あいのり」の特番が放送されました。この時メインになっていたある男の子「ヒデ」は、19才からなんと足かけ3年、14カ国も、この番組と共に旅を続けていたのです。彼がこんなに長く旅を続けていたのは、もちろん「告白」ができなかったからです。しかしこの特番で、彼は3年越しにようやくある女性に告白し、日本に帰っていきました。残念ながら、彼の想いは通じませんでしたけれど。彼が恋した相手は、同時に告白したもう1人の男の子とカップルになってしまったのです。
 「あいのり」に出てくる男の子、女の子たちは、こんなことをしてまで相手を探そうというくらいですから、どこか人とは違った子が多いです。何か心に傷を持っていたり、何かに挫折していたりして人とうまくつきあえなかったり、そこで「人生を変えたい!」と思ってやってくるのです。「ヒデ」もそうでした。最初はどこかオドオドして、周りからも浮いていて、自分でもそれをもてあましていた感じだったのが、最後には堂々と、まっすぐな心のこもった告白をして、見事に敗れて去っていきました。かっこよかった。
 その「ヒデ」の言葉が印象的でした。

「初めは自分に自信がなくて、自分のことも好きではなかった。でも、旅の中で自分のことも好きになれて、好きになった人に自分のことをおすすめすることができて、よかった。」

 人を好きになるって、まずは自分のことを好きにならなくちゃ、できないことなんだな。さらに告白するのって、「私はこんなにいいところがあるよ、こんなことをしてあげられるよ、だからいっしょにいてください」って、相手に自分を「おすすめ」することなんだな。

 それを強く感じた特番でした。がんばれ、若者。ふられはしたけれど、「ヒデ」も、もう以前の彼じゃない。きっと新しい人生を、また歩き続けていくことができるでしょう。
  <<え882み>>


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