言葉の森新聞2007年11月4週号 通算第1008号
文責 中根克明(森川林)
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■■11月23日(金)は休み宿題(再掲)
11月23日(金)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php
■■【重要】来年から、毎月第4週は読解問題を中心に
来年から毎月第4週の勉強を次のようにしていきます。
これまでは、清書として、自分がその月に書いた作文の中でよくできたものを書き直す勉強でした。手書きの清書はホームページ(以下HP)に掲載していました。
新学期からは、読解の問題を中心に勉強をします。読解の問題に時間がかかる場合、手書きの清書はしなくてもいいです。
また、手書きの清書にかわって、パソコンで清書を入力できる場合はパソコンで入力してください。手書きの清書はHPに掲載しませんが、パソコンの清書はHPに掲載します。
清書の優秀作品は、手書きの清書も含めてこれまでどおり印刷します。
読解問題の対象学年は、小学1年生以上です。幼稚園生の方は、これまでどおり清書(作文)を書いてください。
この変更の理由は、
・手書きの清書を今の日程でスキャナ読み込みしてアップロードすることが難しくなったため
・手書きの清書は1ヶ月しか保存しないが、パソコンの清書は何年でも保存できるので、指導のアドバイスがしやすくなるため
・読解問題や記述問題を作文の勉強と並行して行うようにしたいため
です。
今回の11.4週は、まだ読解問題はありませんが、どういう問題が出るのかという参考のために、問題例と解答を11.4週の「山のたより」に掲載しています。この問題は提出する必要はありませんが、時間のある方は試しにやってみてください。
今回の問題例は、問題文も少なく選択式の問題を中心にしていますが、新学期からの問題は問題文も増え記述式の問題も入れていきます。
なお、この変更に伴い、読解マラソンのページの問題は、この毎月第4週の問題に統合していく予定です。
<<えa/974み>>
■■11.4週の清書から、HPアップロードはパソコン清書のみに(再掲)
11.4週の清書から、次のように変更します。(HPはホームページのこと)
これまで | これから |
---|
・手書き清書→1か月分のみHPで閲覧可 (小2以下は印刷配布)
・パソコン清書→すべての月にわたってHPで閲覧可
・優秀作品→小3以上の手書き清書パソコン清書から選抜して印刷 | ・手書き清書→HPでは閲覧できません (小2以下の印刷配布もありません)
・パソコン清書→すべての月にわたってHPで閲覧可(変わらず)
・優秀作品→全学年の手書き清書パソコン清書から選抜して印刷 |
したがって、手書きの清書はHPで見られなくなりますので、残しておきたい場合は、先生に提出する前にコピーをとっておかれるとよいと思います。
また、清書は、できるだけパソコンで入力してHPにアップロードしておかれることをおすすめします。
■■古文書(ミニー/さらだ先生)
先生はここのところ、仕事で古文書(こもんじょ)に触れ合っています。「触れ合う」 と言っても読めるわけではないのですが、県の文書館(もんじょかん)で古文書のマイクロフィルム撮影のための整理をしているのです。古文書と言うのは、昔の書簡、手紙や覚書(おぼえがき)、商売の出納帳、簡単な地図などな、いろいろなものをさします。先生が整理しているのは栃木県にある市の、いわゆる昔からの商家や、地主、そして県の役人さんのおうちが所蔵していたものを県が保護しているものです。江戸時代や明治時代のものが多いのですが、毎日毎日大切のしまわれた袋から出しては、しわくちゃになった和紙をていねいにのばしていきます。撮影しやすいように数を数えたり、折曲がったものを直したり…。 とっても地味な仕事です。時にはわけのわからない粉が落ちてくるし、紙のあいだには、蚊とかの虫がつぶれてくっついていたり…。 わあ、いつの蚊なんだろう? なんて叫んだりしています。古文書を見ていて驚くのは、昔の人は本当にじょうずできれいに毛筆で書いていること! どの書もそうなのです。みんな達筆だったんだなあ! と感心します。また、紙が高価ものだったのでしょう!? 半分に折って何枚か重ねて冊子にしたものには、袋状になっている中にさえ、文字が書かれています。裏返して使ったことがわかります。貴重紙を大切に使ったのですね。さらさらさら、と昔の人々が筆を使って書いていく様(さま)を頭に描きながら毎日毎日袋を開けています。
<<え2613み>>
そんな中の手紙や、はがきを見ると、本当に日常的なやり取りなのですが、こんなふうに残っていると、どんな家族やお友だちを持っていたのか、伝わってきます。そして、必ずその冒頭には、相手への健康を気遣う文が添えられています。今の時代、縁遠くなってしまった手紙ですが、こんなふうに後々にも残っていくなんて結構いいなあ! と改めて思いました。
「だんだん朝晩冷え込むようになってきましたが、風邪などおひきになっていませんか…」 と誰かに手紙を書いてみようかと考えています。
みんなも季節の変わり目で体調くずす時期だから、気をつけてね!
<<え602み>>
■■イグ・ノーベル賞(ゆっきー/かき先生)
さて、先日から、ノーベル賞受賞の発表が行われています。小学3年生の生徒さんは、7〜9月の長文集で、この賞を設立したアルフレッド・ノーベルの伝記を読みましたね。長文を読んでいるときは、こんな賞をどうやったらもらえるんだろう? と思っていたことでしょう。しばらく、テレビや新聞で、この賞のことが話題にあがると思うので「ノーベル」というカタカナを見つけたら、お父さんやお母さんに、くわしいを聞いてみましょう。ちなみに10月10日に発表された化学賞の内容は、「固体表面の化学反応に関する研究」です。あまりにも難しいテーマで、私の頭の中は??? ですが……。あと、長文に賞金のことがのっていましたね。さて、この賞金はいくらでしょう? なんと約1億8千万円だそうです。こんな大金、一生、目にすることはないだろうなぁ……。
そんなノーベル賞には、なかなか手が届かないとして(いえいえ、みんなの中で、将来、ノーベル賞を受賞する人がいるかもしれませんね)、もうひとつのノーベル賞なら、みんなも受賞できるかもしれません。それは、「イグ・ノーベル賞」という1991年から始まったユーモアにあふれ、科学への関心を高めた研究におくられる賞です。ちなみに、これは、本物のノーベル賞とは関係ないので、賞金はありませんが……。でも、アメリカのハーバード大学で授賞式があったり、式には本物のノーベル賞受賞者もゲストとして招待されているそうです。そんなイグ・ノーベル賞の選考基準は「人々を笑わせて、考えさせる」だそうです。おかたいノーベル賞に比べ、ずいぶんと親しみが持てそうな気がしませんか?
今年、化学賞に日本人が選ばれたのですが、テーマはなんと「牛ふんからのバニラの香り成分の抽出」。つまり、牛のうんちから、バニラアイスクリームのにおいのもとの「バニラ」を取り出した、という研究です。笑いはもちろんのこと、「え〜!!!!」とひっくりかえりそうな研究ですね。これから、アイスを見たとき、思わず「牛のうんちにも入っているのか……」と、ためらってしまいそうです。でも、おいしそうだからペロっとなめるだろうけれどね。
ほかにどんな研究があったのか調べてみました。
「カラオケの発明」 「たまごっちの開発」
「自動的に犬の言葉を人間の言葉に翻訳する機械の開発」
「足のにおいの原因物質は何か」
以上、日本人の受賞テーマ
たまごっちを持っている人も多いのではないかな? これは立派な賞をもらったおもちゃなんですね。「足のにおい」の研究の答えは、「自分の足がくさいと思っている人の足はくさく、思っていない人の足はくさくない」だそうです。答えだけ聞いていると、なんだ、と思いそうですが、その答えに行き着くまでの、データ集めや実験が大変なのでしょうね。
今度は海外の受賞テーマの一例です。
「シーツにしわがいくしくみ」
「なぜ、人々は、黒板につめを立ててこする音を嫌うのか」
「集合写真を撮るときに、だれも目をつぶっていない写真をとるためには、何人いる場合で何枚撮れば確実かの計算法」
「ニシンがおならでコミュニケーションをとっていることの発見」
なんだか、テーマを聞いただけで笑えてきて、元気が出てきそうです。「研究」「発明」と聞くと、なんだか難しいことをしないといけないような気がしますが、発想を変えて、「楽しく過ごすためにはどうしたらいいかな?」「これが解決したら、すっきりするんだけどなぁ」と思えることを探したらテーマが見つかりそうです。ほら、「マンガを読んでいてもお母さんにおこられなくてすむ方法」とか、「好きな人の心が読みとれる機械の発明」「カナブンはさわれるのに、ゴキブリがさわれない理由」など、まだ、世界の人が発見していないテーマは、たくさんあるでしょう。みんなも未来のイグ・ノーベル賞を目指さして、研究をしてみましょう。もし、選ばれたら、アメリカへの授賞式の交通費をごほうびに出してあげますよ〜!(なんと、イグ・ノーベル賞の授賞式の交通費は自分で出さないといけないらしい……。)
<<え2007/312み>>
■■『仏つくって魂(たましい)入れず』(かな/やす先生)
『仏つくって魂(たましい)入れず』
みなさんは、このことわざを知っていますか?
『努力して物事をほとんど成しとげながら、最も肝要な一事が抜け落ちているということ。肝心な一点が抜けていたら、完成したとは言えない』
これが、その意味です。いくら一生懸命がんばっても、一番たいせつなことが抜けていたらダメ。だから、それを忘れないようにしようね、ということわざです。さて、この「仏」という言葉を「作文」におきかえてみてください。
『作文書いて魂入れず』
項目もばっちり入れて、字数もクリアした作文。でも、何かが足りない。きちんと完成したような気がしない。そんな作文にはこの「魂」が抜け落ちているのかもしれません。
<<え599み>>
そう、作文にとって一番大切なこと。それは、この「魂」の部分です。「魂」と言う言葉がむずかしければ、「心」と思ってください。あなたの思い。このことをみんなに伝えたい、という強い気持ち。それが作文を良くするエネルギーになります。ちょっと想像してみてください。ここに二つの作文があります。ひとつは、
「別に書きたいこともないけれど、出さないとおこられるから、まあアイウエオに毛のはえた程度のことでも書いておくか」
という気持ちで書いた作文。もうひとつは、何かに深く感動して、
「ぜひこのことを作文に書きたい! 他の人にもわかってもらいたいんだ!」
と思って書いた作文。どちらが良い作文になりそうかは、もうわかりますよね。
<<え599み>>
だから作文名人になりたい人は、ぜひふだんから、「魂」をきたえておいてください。腹がたてば、おおいに怒り、悲しいことがあれば、おいおいと泣き、うれしいことがあれば、とびあがって喜べるような心でいてほしいと思います。つまり、感動する心ですね。そして、その気持ちを原稿用紙にぶつけてみてください。先生は、伝えたいことを文章にするとき、いつもあるアニメのシーンを思い浮かべます。それは、「ドラゴンボール」というアニメの中で、主人公の悟空が「元気玉」を投げるシーンです。
<<え599み>>
悟空は強敵と戦うとき、元気玉のもとになる、小さな光を両手にかかげていますね。そしてこう言います。
「みんな、おらに元気をわけてくれ!」
その声にこたえて、地球上のみんなが思いをこめると、そのパワーがどんどん悟空のもとに集まり、元気玉を巨大にふくらませていきます。小さかった玉が、だんだん大きくなり、かかえきれないほど巨大になって光り輝いたとき、悟空はそれをエイッと投げつけますよね。すると、みんなから集めたパワーが炸裂し、かなわないと思った強敵にも打ち勝つのです。
<<え599み>>
先生は作文も、「元気玉」だと思っています。心に宿った小さな感動。それを、まわりの人とのかかわりの中で、だんだん大きくふくらませていき、大きなエネルギーになったところでエイッと投げる。敵ではなくて、原稿用紙に向かってね。みんなもぜひ、心の中で「元気玉」を作って、作文用紙にぶつけてみてくださいね。
<<え2007/266み>>
■■恐竜博物館(こみこみ/こみこ先生)
みなさんは、日本で恐竜の化石がたくさん発掘されているのを知っていますか? 私は、日本の恐竜化石の約八十パーセントが発掘されていると言われる福井県の勝山市にある恐竜博物館へ行き、ある展覧会を観てきました。「クジラが陸を歩いていた頃〜恐竜絶滅後の王者〜」という興味深いタイトルに引き寄せられるように、私は、会場へ向かいました。
まず出迎えてくれたのが、全長二十五メートルのシロナガスクジラの大きさを体感できるタペストリーです。その大きさに圧倒されつつ、まるでかけっこのスタートからゴールまでクジラが寝そべっているようなそんな不思議な感覚に私は、思わず尾っぽから頭まで走り抜けてみたくなりました(笑)。
展覧会の会場には、この特別展のためにニュージーランドやドイツから集められた何十体ものクジラ達の実物標本が床に、壁に、そして天井から吊り下げられて出迎えてくれていました。その大きさと迫力に、私は、思わず口をぽかんと開けたまましばらく見入ってしまうほどでした。
そして恐竜が絶滅した約五千万年前の広い暖かい海に現れた「泳ぎ歩くクジラ」と言われるアンブロケタス・ナタンスという原始クジラのことを知ることができました。しっかりとした四本足を使いながら水陸を行き来しながら生活していたクジラの祖先の存在は、とても神秘的で、今まであまり身近に感じなかったクジラがぐっと私の身近に感じられるようになったとても貴重なひとときでした。
<<え7353み>>
みなさんも興味のある生きものについて図鑑や本やインターネットでたくさんのことを調べてみて下さい。
「もっとくわしく知りたい。」
「これは、どうして?」
と興味や疑問がわいてきたら、実際にその生きものを体感できる動物園・水族館・博物館などの足を運んでみましょう。学芸員さんや係りの方に感じていた疑問を質問するのもいいですね。きっと今までよりも、その生きものをもっと身近に感じて、もっと好きになれますよ。
<<え2006/115jみ>>
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