言葉の森新聞2008年5月4週号 通算第1032号
文責 中根克明(森川林)

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■■5月29日(木)・30日(金)・31日(土)は休み
 5月29日(木)・30日(金)・31日(土)は第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替もお休みとなります。

■■5.4週は読解問題と清書。幼稚園生は普通の作文
 5月4週は、読解問題と清書です。幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。項目シールは、予備のものを使ってください。
 小学1年生以上の生徒は、第4週に読解問題と清書を行います。
 読解問題の時間がかかるため、清書の時間が取れない場合は、清書を省略してもかまいません。
 なお、清書が保存されると勉強の記録になりますから、生徒又は家族がパソコン入力ができる場合は、パソコンで書いた清書を作文の丘から送ってください。


読解問題の仕方
 「山のたより」についている読解問題は、課題フォルダにはさんである読解マラソン集から出しています。
 読解問題の答えを作文の丘から送信する人は、作文の丘に答えを入れる欄がありますから、清書と一緒にそこから送信してください。
 読解問題の答えを作文用紙に書く人は、作文用紙に問題と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。住所シールは、清書の1枚目にはってください。問題の方にははりません。


清書の仕方
 今月の清書のうち、上手に書けたものは、翌々月第1週に優秀作品としてプリントされます。
 清書は、パソコンで書いても手書きで書いてもどちらでも結構です。
 パソコンで書きインターネットから送信した清書は、ホームページに保存されます。
 パソコンで清書を書いて送信した場合、手書きの清書は提出する必要はありません。
 インターネットからの送信の仕方は、「学習の手引」をごらんください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php#129
 手書きの清書を提出する人は、清書がホームページに表示されなくなりますので、先生に送る前にコピーしておかれることをおすすめします。
 よく書けた清書は、自分で小学生新聞などに投稿してください。ただし、同じものを複数の新聞社に送らないようにしてください。
 新聞社などに投稿する場合、手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を新聞社への投稿用に、コピーを言葉の森の先生への提出用にしてください。パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして新聞社へ投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)


◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20080504#12407
 これまでの優秀作品は、「入選清書」のページでごらんください。
http://www.mori7.com/seisyo/nyuusenn.php


■■【重要】6.1週作文進級テスト。先取りも可
 6.1週に、作文進級テストを行います。
 提出が遅れた場合は進級できません。(6月8日ポスト投函まで)
 課題フォルダの字数・構成・題材・表現・主題の●印が全部できていることが合格の条件になります。(表現の項目などで「たとえ」と「ダジャレ」など二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いていってください。中学生以上の時間制限については、今回は採点の基準にしませんが、できるだけ時間内に書き上げる力をつけていきましょう。
 手書きで作文を書く人は、項目ができたところにシールをはっておいてください。
 パソコンで作文を書く人は、キーワードを入れておいてください。
 小学生の場合は、提出する前に、おうちの方が字数と項目シールをチェックしてあげてくださるとよいと思います。
 小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。4月以降に受講を開始した生徒も、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。ただし、いずれの場合も、賞状は出ますので、できるだけ字数と項目ができるように書いていってください。
 6月8日ポスト投函が締め切りですので、6月1週に作文が書けない人は、5月中に6.1週の作文試験を先取りして行ってください。


■■自然学習力の源泉は意欲
 生物は、自分の体内に自然治癒力を持っています。そして、自然の成長力によって成長していきます。
 人間の勉強についても、本当は、人間がもともと持っている自然学習力又は知的好奇心のようなものが源泉になって、人間に何かを学ばせているのだと思います。
 その自然学習力については、まだ研究が十分ではないので、現代の教育技術は、テストやスモールステップやイメージ化などのさまざまな方法によってその自然学習力を引き出そうとしています。
 しかし、いちばん大事なことは、何のために勉強するかという目的のところにあるように思います。その目的は、初めは自分の個人的な利益のようなところにあるでしょう。しかし、いつまでもその個人的な利益が目的のままである人は、次第に新しいことを学ぶ意欲を失っていきます。目的の達成度に応じて、自分の目的もまた成長していく人は、学習に対する意欲を持ち続けることができます。
 では、その目的の成長を決めるものは何でしょうか。
 現代の生物学は、この疑問対して重要なヒントを提供しています。松本元(まつもとげん)氏は、「愛は脳を活性化する」(岩波科学ライブラリー)の中で、「脳からのどんな情報出力も、自らの内部世界にあらかじめ存在するものによる」と述べています。
 つまり、私たちが学ぶものは、全く新しいものではなく、既に自分の中にあるものが発展したものなのです。
 人間は、子供時代には、自分と環境の区別をはっきり持っていません。例えば、お父さんやお母さんが言ったり行ったりすることは、そのまま自分の発言や行動と同じものとして受け取られます。この時期に、人生の最も骨格になる生きる方向のようなものを子供たちは身につけていくのです。
 そして、その後、読書や対話や経験によって、少しずつ自分の中身を育てていきます。しかし、成長するにつれて、自分の中身は次第に固定化し、やがて、自分を基準にして外界や他人を客観的、批判的に受け取るようになります。そして、学ぶことは努力を要するものとなり、やがて自分の成長がついていかなくなったときに学ぶことをやめていくのです。
 このように考えると、子供時代に、人間や社会の価値を小さく学んだ子は、その小さい自分を成長につれて大きく育てていくことは次第に難しくなると思います。子供時代に、両親や読書を通して、人間や社会のより大きな価値を学んだ子は、最初は小さい目標からスタートしたとしても、その目標の達成に応じて、自分の目的を更に大きなものに育てていけるでしょう。つまり、子供は、自分の中に既にあるものとして新しい成長の道を進んでいくことができるのです。
 かくして、大人が子供に伝えることのできる最も大事なものは、大人が持っている大きな感動なのではないかと思ったのです。


■■畑仕事1年生(たんたん/はらこ先生)
           <<えa/533み>>
 太陽に向かって、背のびするように葉を広げる野菜のなえ。葉の色や、くきの長さは、毎日見るたびに変化します。(←☆書き出しの工夫)
 畑仕事にチャレンジしはじめてから、5カ月がたちました。生まれて初めて作った野菜は、かぶです。童話「大きなかぶ」のように「よいしょ、よいしょ」といいながら、3才の息子と引っぱりたいと思いましたが、できたのは親指の先ほどの小さなかぶ。息子が2本の指で軽々と引っこぬきました(T_T)。
                  <<えa/2831み>>
 私が畑仕事を始めた理由は、幼児向け絵本「14ひきのねずみ」シリーズの生活にあこがれたからです。おじいさんとおばあさん、お父さんとお母さん、それに10ぴきの子どもたちが、森の中で山いもをほったり、かぼちゃを育てたり、ピクニックをする話です。生きるために食べる。食べるために家族全員が協力する、というすがたを見て、食べ物が簡単に手に入る現代のありがたさが身にしみました。(←☆どうしてかというと)
 とはいえ、日本の食料自給率はわずか40%。半分以上は外国からの輸入にたよっています。それなのに、食料全体の30%は食べ残しとして捨てられているという話も耳にします。とくに私が住んでいる東海地方は結こん式がハデで(たしかにそうかも)、ひろうえんの料理もたくさん出るので、その食べ残しの量が全国で一番多いそうです。(←☆データ実例)
                        <<えa/2842み>>
 スーパーに行けばいつでも買える野菜や肉ですが、実はたくさんの原油やお金をつかって外国から運んでいるのです。外国が「日本に輸出するのは、もうやめた」と言えば、たちまち日本人は食べる物がなくなってしまいます。最近ではバイオ燃料といって、トウモロコシやサトウキビなどを原料にしてガソリンの代わりにしようという動きが出てきています。そうなれば人間の口に入る食料が減り、車はトウモロコシを食べて走るけど、人間はおなかがペコペコという社会になるかもしれません(@_@);(←☆聞いた話)
 土地や気候と、人間の体は一体であるという意味で、身土不二(しんどふじ)という言葉があります。「一里四方(一里は約4キロ)のものを食べていれば安全」という昔の言い伝えを祖母から聞いたことがありますが、まさに身土不二の意味と重なります。みなさんも学校でお米作り体験などをしたことがあるでしょう。自分たちで作った作物は、大事に残さず食べますね。近くの土地で作ったものを食べられる幸せを感じ、自然のめぐみに感しゃすること。これが今の私たち日本人に必要なことではないでしょうか。(←☆ことわざや名言の引用+☆一般化の主題)
 とれたての小さな小さなかぶを使って、みそ汁を作りました。あまい葉っぱには、おひさまのにおいと土の香りがつまっているようでした。(←☆動作情景の結び)
                                 <<えa/2846み>>
 私が最近はまっている畑仕事について、作文の課題を意識しながら書いてみました。学年が上がり、新しい課題もありますが、書く練習をすればすぐに慣れてきます。いっしょにがんばりましょう!
           <<えa/533み>>


■■平和の祭典、オリンピック(ひまわり/すぎ先生)
 今年は4年に一度のオリンピックの年。8月に中国の北京で開催されます。ギリシャのオリンピアで点灯された聖火は、世界の21か国を経由し、北京まで運ばれるそうです。現在、リレーの真っ最中ですが、チベット独立問題が暴動に発展している不安定な状況の中、聖火リレーを妨害する動きが出ています。ロンドンでは妨害を行った数十人が拘束され、パリでは一時的に聖火が消される事態となり、サンフランシスコでは急遽予定外のルートを通るなど、混乱が続いているようです。開会式欠席を宣言する国が現れたり、オリンピック出場を見合わせる有力選手などが出てきて、ニュースを見ていると、北京オリンピックの先行きは、暗雲が立ちこめているように感じられます。
<<え2006/82jみ>> オリンピックのボイコットというと、1980年のモスクワオリンピックが思い出されます。ソ連のアフガン侵攻に抗議し、多くの西側諸国がオリンピックに参加しませんでした。日本も不参加を決めた国の一つです。日本の場合、最終決断を下すのが遅く、最も被害を受けたのは出場が決まっていた選手たちでした。その日のために、どれほど過酷な練習を積んできたことでしょう。このモスクワオリンピックでは、スポーツの祭典と政治の関わりが浮き彫りになりました。

 紀元前に始まった古代オリンピックは、ギリシャ全土をあげて行われ、ギリシャ各地の都市国家群はたとえ戦争中であっても休戦して参加しなければならなかったそうです。オリンピアでの競技中はあらゆる敵対行為が停止していました。近代オリンピックの第1回は、1896年のアテネオリンピックです。「古代オリンピックの概念を生かし、各国から選手が集まり競技を行う、平和のための祭典」という思想のもと、回を重ねるごとに参加国も増えていきました。しかし「参加することに大きな意義がある」「平和のための祭典」という考えが忘れられてしまうと、オリンピックは危機に瀕することになります。実際、過去に戦争によってオリンピックが開催不可能になったこともありました。
<<え2006/115jみ>> 北京オリンピックには、さまざまな問題が立ちはだかっているようです。政治情勢だけでなく、開催地の環境汚染も大きな問題となっています。しかし、中国政府も環境汚染にさまざまな対策を打ち出しており、北京オリンピック開催を機に、国際的に見た環境汚染レベルを強く意識し始めたとすれば、大きな前進でしょう。
 オリンピックと政治を切り離すことは、現代ではなかなか難しいのかもしれません。しかし、古代オリンピックの精神を思い出し、開催国も参加国も、自分の国のことだけでなく、人類全体、地球全体のことを考え、過去のオリンピック中止やボイコットの歴史を繰り返さないようにしたいものです。


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