言葉の森新聞2009年10月1週号 通算第1097号
文責 中根克明(森川林)

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■■10月1日(木)から新学期
 10月1日から新学期が始まります。10月からの教材の説明は、課題フォルダの表紙の裏側に書いてあります。
 教材の説明は、「学習の手引」にも載っています。
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■■7月〜9月の賞状を同封
 9月1週の進級試験で、字数が規定以上、構成・題材・表現・主題の4項目のうち3項目が◎で1項目が○以上、の人には認定証を同封しています。字数賞・自習賞・作文賞・皆勤賞は、金賞10クラウン、銀賞5クラウン、銅賞1クラウン、賞外0クラウンです。認定証は10クラウンです。
 金賞は点数の上位10%、銀賞は10〜20%、銅賞は20〜80%。それ以外は賞外です。
 それぞれの賞で点数がなかった人や、6月1週に在籍していなかった人には、賞状は入っていません。
 なお、3ヶ月の学期の途中から入会された方は、日数の関係で賞状の点数が低くなっております。次の学期からは、正しく表示されるようになりますのでご了承ください。


■■10月12日(月)は休み宿題
 10月12日(月)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php


■■10月から小3以上に構成用紙
 10.1週の「山のたより」には、新学期の項目シール、住所シールとともに、小3以上の生徒に構成用紙を入れています。
 これは、新学期から構成図を書くときに使います。
 なお、今回は小2以下の生徒にも構成用紙が送られてしまいますが、小2以下の生徒は構成図を書きませんので、絵をかくときなどにお使いください。
【構成図の書き方】
 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。
 したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。
 枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
 構成用紙は、構成図の書き方に慣れるために使います。構成用紙を使わずに、白紙に自由に構成図を書いてもかまいません。

構成用紙の見本構成用紙を使って構成図を書きます。
頭の中にあるものをそのまま書くとき。構成図で書くとき。
初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
思いついたことを矢印でつなげていきます。関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
枠からはみだしてもかまいません。全部うまったらできあがり。

【構成図のサンプル】


■■よい教え方、よくない教え方
 長文暗唱の自習をするとき、低学年では最初のうち、お母さんの助けが必要なことがあります。
 そのときの教え方で、よい例とよくない例を紹介します。これは、あらゆる家庭学習に共通しています。
よくない教え方よい教え方
子供の反応
「さあ、長文の暗唱をするよ」
(暗く、いかにも苦しい勉強が始まるかのように言う)
「さあ、長文の暗唱をするよ」
(明るく、いかにも楽しいことが待っているかのように言う)
「えー! なんで」
(いやそうに)
「なんでかというとね……」
(くどくどと説明する)
「はい、大人が子供のために言っていることに『なんで』なんて言わないの」
(あっさり)
「なんで、○○○なの」
(と更に続く)
(更にくどくどと説明する)

「さあ、この100字を読んでみて」
「ほら、『なんで』って言わないの(笑)」
(子供の理屈につきあう必要はありません。ただし、子供が心から疑問に思っていることについてはしっかり説明します)
「さあ、この100字を読んでみて」
「○○○、○○○○○」
(だらだらと読み、ときどき読み間違いがあるが気がつかない)
「そこは、○○じゃなくて、□□でしょ」
(と注意してしまう)
「あ、じょうずに読めたね」
(注意はせずに、感心して褒める)
「○○○、○○○○○」
(何度も同じところを読み間違える)
「ほら、○○じゃなくて、□□でしょ」
(そのつど注意してしまう)
「じょうずに読めるね」
(注意は全くせずに、ただ感心して褒める)
「ねえ、まだやるの?」
(いやそうに言う)
「そうだよ。これをしなきゃ読む力がつかないから」
(真面目に返事をする)
「はい、続けて言ってみよう(笑)」
(子供の言葉にはとりあわず、単純に明るく続けさせる)
「○○○、○○○○○」
(いやいや読み出し、また読み間違える)
「ほら、しっかりやらなきゃいつまでたっても……」
(真面目に注意する)
「ようし、どんどんじょうずになってきた」
(注意は一切せずに、感心したように褒める)
「ねえ、まだやるの?」
(たまに、思い出したように言う)
「そうよ。これを読んでいたら、勉強ができるようになるんだから」
(そのつど真面目に答える)
「はい、あと10回ぐらい。がんばろう」
(子供の言葉にはとりあわず、明るくスポーツの練習のように続けさせる)
「○○○、○○○○○」
(何とか30回読み終わる)
「ほら、がんばってやればできるんだから」
(いかにも苦しいことがやっとできたかのように言う)
「ようし、できた。じゃあ、見ないで言ってみよう」
(いかにもできて当然だったかのように明るく言う)
「○○○、○○○○○」
(ところどころ間違えながら暗唱する)
「うーん、ちょっと○○のところが違ったけどね」
(できなかったところを一応注意する)
(親も子もくたびれる)
(翌日も真面目にやる)
(だんだん負担になってくる)
(親子げんかになる)
「すごい! よくできた。この調子」
(注意は一切せずに明るく褒める)
(親も子もさわやかな達成感)
(翌日もスポーツのように明るくやる)
(いつの間にか力がつく)


■■小6で要約が難しいとき
 小6の保護者の方から、「自由課題のときはよくできたのに感想文になると難しくなった。特に要約がなかなかできない」というご質問をいただきました。
 以下は、そのお返事です。

 書きにくいときは、教室にお電話をしてくだされば、更にわかりやすく説明します。
 要約は、小学6年生では実はかなり難しい作業です。じっくりやろうとすると、ほとんどの子は、かなり長い要約になってしまいます。しかし、この長い要約になってしまう子は、実は国語力のある子なのです。
 要約ができるかどうかは、年齢的な問題ですので、今は苦労しているように見えても、学年が上がるとずっと楽にできるようになってきます。
 小6の要約では、内容を把握して大事なところを抜き出すというような高度なことを要求してもほとんどの子はできません。要約らしい外見を整えるために、長文全体の始め、中、終わりから一文ずつ抜き書きするということで十分です。
 いわゆる三文抜き書きという形で、要約らしい雰囲気を作れればいいということです。学年が上がり、文章を構造的に読む力がついてくると、その要約らしい外見に内実が伴ってきます。
 このやり方であれば、どんな子でもほぼ百パーセント、要約ができるようになります。 (中略)
 ですから、小6の要約は、三文抜き書きと同じで、とりあえずはどこでもいいから三文を選んで形だけできていればいいと考えてください。
 力を入れるのは、要約よりも、むしろ似た話で題材を広げることの方です。似た話で、本人の体験ばかりでなく、お父さんやお母さんの経験を取材して書くようにすると、感想文の内容が充実してきます。
 要約や三文抜き書きの方法を説明するときは、あまり勉強的な話にせずに、作業的な話にするのが大事です。
 実際の電話指導では、こんな感じです。
「えーと、この長文の最初の方の一文ね。ここがいいかなあ。あ、こっちでもいいや。『○○○○○……』という文を最初に書いておいてね。
 それから、次はこの長文の真ん中あたり、えーと。ここでいいかな。『□□□□□……』。この文を二番目に書いておいてね。
 それから最後は、この長文の終わりの方。どこでもいいけど、ここかな。『◇◇◇◇◇……』。これを三番目に書いておいてね。
 今、先生が選んだところをそのまま抜き書きしていけばいいけど、○○君がもっと別のところを選びたいというのであれば、それを書いておいてもいいからね」
 いかにも、簡単な勉強のように思えてきます。
 一般に作文が上手に書けるのは、小4までです。小5以降は課題が難しくなるので、なかなかうまく書けません。
 更に、中学生になると、小学校高学年のころよりももっとうまく書けなくなります。
 小学校高学年から中学生にかけては、文章を書くための語彙が、文章を読むための語彙の比べて相対的に少なくなってしまうためです。
 このことは、本人もうすうす感じるので、小5から中2にかけては、作文を書くことが負担になってきます。
 しかし、この時期に、読書や長文音読などを気長に繰り返しながら作文を書いていると、また中学3年生のころからいい文章が書けるようになってくるのです。
 長い展望を持って、あまり負担にならないように楽しくやっていてください。


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