言葉の森新聞2009年12月4週号 通算第1108号
文責 中根克明(森川林)

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■■【重要】清書は先生に送る形も可
 これまで、手書きの清書は、新聞社などに直接投稿するようにお願いしていました。これは、多くの人が優れた清書を書いているので、それを発表する機会を多くするためでした。この結果、これまで先生に送っていた清書を新聞社に直接送ってくれる人が増え、何人も人の作品が朝日小学生新聞などに掲載されるようになりました。
 しかし、一律に投稿をお願いするやり方だと、「投稿するほどの作品ではないので結局書かない」という人も出てきました。
 そこで、12月の清書からは、新聞社に直接投稿する形でも、先生に送る形でも、どちらでも選べるようにしました。なぜ先生に送る形に一本化しないかというと、先生に送った作品が生徒に返却されてから新聞社に投稿するような形にすると、季節的な話題の作品は時機がずれてしまうことが多いからです。
 12月の清書からは、新聞社に直接投稿しても、先生に普段の作文と同じように送っても、どちらでも結構です。先生に送られた清書は、翌月1週の作文と一緒に返却します。そのあと投稿してもかまいません。また、新聞社に投稿したコピーを先生にも送るという形をとることもできます。


■■【重要】清書のパソコン入力はできる人だけで
 これまで、清書はできるだけパソコン入力をしてくださるようにお願いしていました。これは、自分の書いた作文を記録に残し進歩のあとがわかるようにすることと、森リンによる採点で客観的な評価がわかるようにすることという二つの目的がありました。
 しかし、おおむね小学校4年生未満の生徒は自分でパソコン入力ができない人がほとんどなので、お父さんやお母さんの手をわずらわせる結果となっていました。
 そこで、これまでもパソコン入力は任意でしたが、12月からは更にゆるやかに「パソコン入力は無理なくできる人だけがすればよい」という形にします。したがって、「山のたより」に掲載されていた森リン大賞なども、「山のたより」には印刷せずにウェブ上で見られるような形に変更します。


■■【重要】森リン大賞の表示の仕方を変更

 これまで、4週の「山のたより」には、パソコン入力の清書の中から森リンの総合点の高い作品を森リン大賞として数点掲載していました。これは、作文の客観的な評価として自分の作文がどれぐらいの位置にいるかをわかりやすくするためでした。
 しかし、点数の高い作品を掲載することは、子供たちの競争心を不必要にあおる面もありました。作文の実力は、ほかの教科の勉強とは異なり上達にかなり時間がかかるため、ほとんどの子は、上手な作文を見せられてもそれが励みになるよりもマイナスになる面の方が強く出ます。
 具体的には、何人もの保護者の方から、「森リン大賞の作品を見て、同じ学年の子がこんなに上手な作文を書いているのに、うちの子があまりにも下手なのでがっかりした」というような声を聞きました。教育で大事なことは、自分の子供のいいところを見ることですから、他人と比較して自分の子供の悪い面を見て直そうとする人が増えるのは、本来の意図とは大きく食い違ってきます。
 そこで、12月から、「山のたより」には、森リン大賞の上位の生徒の題名や点数だけ表示するようにし、作品はウェブでだけ見られるようにしました。
 また、「山のたより」には、パソコン入力した生徒の自分の過去の清書の点数の流れが分かるような形にしました。他人との比較ではなく、自分の進歩の比較として見てくださるといいと思います。
 しかし、作文力は1年間かけてやっと森リンの点数が数ポイント上がるようなゆるやかなものですから、数ヶ月の作品の比較では進歩というよりも、作文の出来具合による点数の違いがわかるということが主になると思います。


■■【重要】12.4週の暗唱チェックは1〜9番
 12.1週から新しい暗唱の仕方を始めました。(したがって、11月下旬から言葉の森に入会された方でまだ新しい暗唱の仕方の説明を受けていない方には、1月以降に順に説明していく予定です)
 この暗唱の自習はオプションですので、時間的な都合などで暗唱の自習ができない人は無理にしなくても結構です。そのかわり、毎週の作文課題の準備として、書くことを決めておく、感想文の場合は長文を読んで考える、必要があれば似た話を家族に取材する、などはしっかりやっておいてください。

 暗唱をしている人は、12.1週、12.2週、12.3週と300字の暗唱をして、12.4週は最後の仕上げとして1〜9の約900字を暗唱します。長文を見ないで、ほとんど間違いなくすらすらと言えれば完成です。
 しかし、1〜9の900字暗唱は、それまでの3回の300字暗唱がそれぞれすらすら言える状態になっていないとなかなかできません。
 12.4週は、担当の先生が900字の暗唱チェックをしますので、自信のある人は900字暗唱に挑戦してください。まだ自信のない人は、900字全部ではなく、自信のある部分だけの暗唱でもかまいません。


■■【重要】1月からの課題フォルダに1〜3月の暗唱長文が入っています

 1月からの課題フォルダの最後の方のページに、1〜3月の毎月の暗唱長文が載っています。
 通信コースの生徒で、自習で暗唱オプションを選択した人は、1.1週には、1月の暗唱長文の1〜3番を暗唱できるようにしておいてください。
 通学コースの生徒には、課題フォルダにあるものとは別の暗唱長文を渡します。
 1〜3番の約300字の暗唱の仕方は、これまでと同じように、1週間の中で1日目に1を30回、2日目に2を30回、3日目に3を30回、4567日目に1〜3を10回という形でやっていくと、毎日10分ほどの時間で1週間で300字の暗唱が楽にできます。しかし、やり方はこれ以外にも自分のやりやすい方法でやってくださってかまいません。


■■新学期の課題フォルダのルビなどにミス

 新学期の長文でいくつかミスがありました。申し訳ありませんが訂正しておいてくださるようお願いいたします。
●エニシダの1.1週「土(ど)」→「土(つち)」●エニシダの1.4週「急に明るくなっちゃたんでね」→「急に明るくなっちゃったんでね」●ヘチマの3.4週「えつ、今なんて言ったの」→「えっ、今なんて言ったの」●レンギョウの1.1週「偽(にせ)」→「偽(ぎ)」●ゼニゴケ2.4週「自然を『あれは』と感じ」→「自然を『あはれ』と感じ」●高3読解マラソン集「陰(かげ)と陽」→「陰(いん)と陽」


■■12月23日(水)は休み宿題(再掲)
 12月23日(水)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php


■■新学期の教材を発送しました
 新学期の教材は、12月16日に発送いたしました。
 国内の生徒で25日になっても届かない場合はご連絡ください。
★項目・住所シールは
1月1週の山のたよりと
一緒に送ります。
12月末に発送予定です。★


■■12月の作文送信は28日までに
 12月29日(火)から、ホームページのデータが一斉に入れ替わります。インターネットを利用して作文を送っている方は、12月の課題を12月28日(月)までに「作文の丘」から送信してください。それ以降は正しく送信できなくなる可能性があります。


■■12.4週は読解問題と清書。幼稚園生は普通の作文
 第4週は、読解問題と清書と投稿です。
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。項目シールは、予備のものを使ってください。
 小学1年生以上の生徒は、第4週に読解問題と清書と投稿を行います。
 読解問題の時間がかかるため清書や投稿の時間が取れない場合は、清書や投稿を省略してもかまいませんが、できるだけ読解問題と清書の両方をやっておいてください。


読解問題の仕方
 今学期より、読解問題は課題フォルダに入っていますが、4週の「山のたより」の末尾にも載っています。この読解問題は、課題フォルダにはさんである読解マラソン集から出しています。
 読解問題の答えを作文の丘から送信する人は、作文の丘に答えを入れる欄がありますから、清書と一緒にそこから送信してください。
 読解問題の答えを作文用紙に書く人は、作文用紙に問題と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。読解問題の用紙は返却しませんが、選んだ番号と正解は山のたよりに表示されます。
 低学年の生徒で、問題を全部解くと時間がかかりすぎると思われる場合は、最初の方の問題だけを解いて提出してくださっても結構です。

 読解問題をインターネットから送信することもできます。送り方は、下記の「清書の仕方」をごらんください。


手書き清書と投稿の仕方
 手書きの清書は、担当の先生に送っても、小学生新聞やコンクールなどに直接投稿しても、どちらでも結構です。中学生以上は、自宅でとっている一般紙などに投稿してください。先生に送った清書は、先生が見たあと1週の作文と一緒に返却します。返却されたあと投稿することもできます。
 投稿に使う清書は、言葉の森の作文用紙に書いても、市販の原稿用紙などに書いてもどちらでも結構です。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。


◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20091204#14405

パソコン入力清書の仕方
 4週の清書は、パソコンで入力したものを送ることができます。しかし、これは必ずしも全員がする必要はありません。生徒が自分で入力できない場合は、お父さんやお母さんが代わりに入力しても結構です。このパソコン入力の清書から、その月の森リン大賞が選ばれます。
 パソコン入力清書をインターネットから送信する仕方は、「学習の手引」をごらんください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php
 送り方の簡単な手順は次のとおりです。
1、パソコンで作文を書きます。
2、書いた作文の文字画面をコピーします。
3、言葉の森のホームページの「作文の丘」に行き、生徒コードとパスワードを入れます。
4、本文のところにコピーしたテキストを貼りつけます。
5、読解問題の答えを送る場合は、問題と書いてあるところで答えを選択してください。
※、清書を送る場合、週は必ず「4週」を選択してください。ほかの月や週を選択すると、その月と週の作文と講評が上書きされてしまいます。

 清書の仕方をまとめると、次のようになります。いずれを選択しても結構です。
1、手書きでも書き、パソコンでも入力する
2、手書きだけで書き、パソコンでは入力しない
3、手書きでは書かず、パソコンでだけ入力する
4、(読解問題に時間がかかった場合)手書きでも書かず、パソコンでも入力しない

パソコン清書の森リン大賞の作品は、下記のページに掲載されています。
http://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php


■■受験作文には飛び切りの実例と表現で
 受験の数ヶ月前になってから作文の試験のために受講するという方からよく聞かれます。「今からでも実力はつきますか」。答えは、もちろん「もう実力はつきません」。
 作文力が数ヶ月で上達するということはありません。これが数学などの教科であれば、一ヶ月みっちり勉強することで劇的に成績を上げることもできます。しかし、作文は、それまでの生活の中で積み重ねてきた経験や読書や考えたことの総合的な力ですから、短期間で実力が変わるということはないのです。
 しかし、「今持っている実力で最高の作文を書くようにすることはできます」ということも言います。本当は、大事なのは実力ですから、そういう裏技的なことはしたくないのですが、昔言葉の森の生徒だったという人などに、どうしてもと頼まれるとなかなか断れません。
 あるとき、やはりそういう生徒が来ました。昔言葉の森の生徒でその後海外に行き、今度帰国して大学入試で小論文の試験を受けるのだそうです。試しに作文を書いてもらうと、高校生レベルの文章が全然書けません。絶対に合格しない実力でしたが、指導を始めることにしました。
 出されそうなテーマで何本か作文を書いているうちに、いい体験実例がいくつか出てきました。そのうちの一つに絞り、「いいか。どんなテーマが出てもこの体験実例を書け」(笑)。更に何本か書いているうちに、いい表現といい感想も出てきました。これも同じく、「どんなテーマが出ても、この表現と感想を書け」。ほかのことを書くとボロが出てくるので、最高の実例と表現と意見だけで字数を埋めるようにしたのです。
 その後の練習は、いろいろなテーマを、同じ実例と表現と意見で書いていく練習です。その結果は、奇跡的に合格。試験の場で、その子の最もいい面だけを出してきたのです。もちろん入学後は苦労すると思うので、「これから本をしっかり読むんだよ」と言っておきました。
 以上は極端な例ですが、この書き方は、受験で作文を使う人には同じように当てはまります。作文試験のコツは、自分の最もいい面を文章として出していくことです。言葉の森新聞にも書きましたが、特に表現の工夫は今からでもできるので、自分なりの最高の表現を用意して試験に臨むようにしてください。


■■物語文の国語力は、共感して読む力
 ときどき、国語の成績のことで相談を受けることがあります。先日も、子供の国語の成績が悪いというお母さんから、悪かったというテストのファクスを送ってもらいました。そのテストを分析して、電話でお母さんに話し始めると、「実は、私はまだその問題を読んでいないんです」という話でした。
 このように、ほとんどのお母さんが、テストの点数だけを見て、中身を見ていないということがあります。模試などでは、分野別に漢字が何点、物語文が何点、説明文が何点などと分けて表示してくれるものもありますが、そういう表面上の分析よりも、まず親が中身を自分の目で見る必要があります。
 これは、国語に限らずほかの教科についても言えることです。また、入試についても、模試の偏差値などよりもずっと確実にあてになるのは志望校の過去問の出来具合です。点数のように加工されたデータに左右されるのではなく、もともとの生のデータに直接当たってみることが大切なのです。
 さて、ほかの教科はよくできているのに国語だけがおもわしくないという場合、意外と多いのが時間不足という原因です。前半がよくできているのに後半に×が多いという場合は、明らかに時間不足です。
 国語力のある子は、問題文を気合いを入れて一回だけ読み、設問にも一発で答えるような解き方をします。国語力のない子は、何度も繰り返し読むような読み方をするので、どうしても時間が不足してくるのです。
 問題文の読み方には、コツがあります。一つは傍線を引きながら読むことです。印象に残ったところに線を引いて読んでおくと、再読する必要があったとき必要な箇所がすぐに見つかります。
 もう一つは、特に物語文を読むときのコツですが、その物語に没入し状況をありありと実感しながら読むことです。こういう読み方をすると、微妙な設問に対しても問題文にいちいち戻らなくても答えることができます。
 速く読む力、共感して読む力は、国語の勉強によってではなく、読書の経験によって作られます。小学校の中学年までは、勉強よりも読書を優先した方がいいというのはこうした理由からです。
 大学入試センター試験などでも、説明文の読み方と物語文の読み方はちょっと違います。説明文は、知的に理解して読んでいけばいいので、ある意味で内容を要約しながら読むような読み方で読んでいけます。
 しかし、物語文はあらすじをまとめながら読むものではありません。その物語が描いている場面に入り込み、自分もその物語の中を生きているような感じで読むものです。そのような読み方をすると、登場人物の微妙な心情も手に取るようにわかってきます。そして、この読み方は、まさしく読書によって培われる読み方なのです。


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