言葉の森新聞2010年2月1週号 通算第1113号
文責 中根克明(森川林)

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■■2月11日(木)は休み宿題
 2月11日(木)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php


■■3月9日作文の日。記念コンクール(再掲)
 3月9日は作文の日です。言葉の森では、作文の日を記念して下記の要領でコンクールを行います。
○テーマ……「私の記念日」
○受付期間……2010年2月1日〜3月31日
○発表……2010年4月1日
○応募方法……パソコンで入力したものを「ネット作文コンクール」のページから送ります。
http://www.mori7.info/conc/
○応募資格……だれでも可(言葉の森の生徒以外の方も受け付けています)
○字数(正味の字数です。スペースの部分は字数として数えません)
▽小1……200字以上(幼長も含む)
▽小2……400字以上
▽小3……600字以上
▽小4……800字以上
▽小5……1000字以上
▽小6……1200字以上
▽中学生…1200字以上
▽高校生…1200字以上(大学生社会人含む)
※森リンで集計しますので、字数が多い場合でも上記の規定の字数までしか採点されません。例えば、小1の生徒が200字書いても300字書いても、採点の対象になるのは200字までです。
○賞品
▽大賞……5万円相当(1名)
▽優秀賞……5千円相当(10名)
▽佳作……(若干名)
▽参加者全員に、森リンの採点結果を表示
○選考……森リンの集計をもとに言葉の森事務局が採点します。


■■12月の森リン大賞

 1.4週の「山のたより」に12月の学年別の清書の森リン大賞を載せました。
 全学年の作品は、「森リンの丘」というページで見ることができます。
http://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php


■■言葉の森と他の作文教室との違いについて
 言葉の森以外の作文教室があちこちにできてきました。
 言葉の森を受講されているみなさんの中には、どういう違いがあるのか知りたいという方も多いと思いますので、これから少しずつそういう記事を載せていきます。
 そして、どちらがいいかと迷われている方がいましたら、それは間違いなく言葉の森の方がいいということも言っておきたいと思います。
 私自身、自分の子供2人を小1から高3まで言葉の森でほかの先生に教えてもらって、子供たちがとても成長したと思っているからです。
 ほかの作文教室ですと、まず高3まで指導できるカリキュラム自体がないでしょうし、そのように長い間教えていてしかも作文を好きにさせる指導力はたぶんないと思うからです。


■■言葉の森と他の作文教室等の違い(その1)

■最古参の作文教室

 言葉の森が30年前に作文教室を始めたとき、作文の教室というのは全国で一つもありませんでした。作文教室という名前で広告を出したのは言葉の森が最初だと思います(笑)。
 私は当時から、英語や数学は自分で勉強すればいいし、国語は本を読んでいれば自然にできるようになる、しかし作文は他人からの評価が必要だと考えていたので、作文教室は作文だけの専門の教室でした。
 ですから、指導法はすべてオリジナルでした。そして、言葉の森の指導法を多くの人に知ってもらうために、教材をホームページですべて公開していました。大手の通信教育の人が指導法を聞きに来たので、教材を渡して説明したこともあります。

■最先端の技術を使う

 言葉の森の教材や指導法はすべてオリジナルなもので始まったので、その後の教材の開発もオリジナルに進みました。
 ちょうどインターネットがブレークする前夜でしたので、プログラミングを独学で勉強し動的なページを作ることにしました。現在はワードやエクセルで静的なページを作ることができますし、動的なページもアプリケーションソフトで作れるようになっています。しかし、当時は、日本語の情報さえも少ない時代でしたので、すべて最初から勉強しなければなりませんでした。そのため、言葉の森のページには、いまだに使いにくいところがかなりあると思います。(^^ゞ
 その代わり、言葉の森には、ほかのところでは決してないようなユニークなページもあります。例えば、漢字の使い分けのページです。
http://www.mori7.info/musi/123456.php
 漢字を入れると自動的にルビがつくというプログラムなので、海外で日本語を勉強する人たちに評判になっています。また、小学校の先生方も学年別にルビを振るときに、このページをよく利用してくれているようです。

■充実した電話指導

 言葉の森の指導のユニークな点は、通信教育なのに電話指導があるということです。言葉の森はもともと通学の教室からスタートしたので、その延長で通信指導でも先生と生徒のコミュニケーションを大切にしたのです。
 通信教育で電話指導を行う条件として、教材をすべてウェブ化しておく必要があります。言葉の森の教材は、ほぼ毎学期内容を改訂しているので、講師が全学年の教材を即座に見るためには、最新の教材がすべてウェブで見られるようになっていなければなりません。
 もう一つ条件は、休講や欠席への対応が必要だということです。電話指導する場合の難問は、講師が急に休んだとき、生徒が急に休んで他の日にふりかえをするとき、電話がうまくつながらないなどのトラブルがあったときに、即座に対応がしなければならないことです。しかも、これらはよく授業開始の直前に発生します。^^; 
 電話指導の1分前なのに、講師から、「急にパソコンが壊れたので(あるいは電話が故障したので、子供に熱があるので)今日の電話ができない」という連絡が入るときがあります。そうすると、すぐに全国の講師で代講できそうな人を探さなければなりません。
 突然の休講や欠席や事故に対応するためには、講師が指導を共有できている必要があります。その週の作文の課題をどう教えるかということ以外に、担当の先生がこれまでにどういう指導して、その子がどういう作文を書いていたのかということを即座に知る必要があるのです。また、全国の講師に連絡して、その場で担当できる人が対応するという体制にするためには、その前提として、講師どうしの助け合いの文化が必要になってきます。
 以上のような理由で、通信教育での本格的な電話指導は、ほかの教室ではやっていないのだと思います。


■■ハワイの「あお」先生の教室新聞と作品展の動画
 ハワイで作文教室を開いているあお先生から、教室新聞が届きました。
http://www.mori7.com/mori/m20100101.html
 そのあお先生がハワイで開いたイラストの作品展がyoutubeで見られます。最後の方の画面で頭にレイをつけて登場するのがあお先生です。
http://www.youtube.com/watch?v=vZteN5ngZY4


■■低学年は密着で

 小学1年生の男の子のお母さんから、「暗唱の自習をなかなかしない」という質問がありました。
 低学年のうちは、密着してお母さんのすぐ近くで読むようにして、1回読み終えるたびに、「よく読めたね」「上手、上手」「その調子」「はい、あと○回」「もう一息」「うまくなってきた」「さあ、ラスト○回」などの声かけをしてあげてください。その際、読み間違いなどは直さずに、読み方の注意もせずに、ただ褒めてあげるだけにした方がいいです。
 どんなにたどたどしい読み方でも、回数を繰り返すうちに自然にスムーズになっていき、そのうちに見ないでも言えるようになります。そうなると、自分でも、やればできるものなんだという自信がつきます。
 わずか10分だと思って(最初はもっと時間がかかるかもしれませんが)、その間は密着して聞いてあげてください。
 つまり、最初はつきっきりでやることが大事です。お母さんがすぐそばにいれば、だれでもしっかりやります。しかし、そのとき注意やアドバイスは一切せずに、ただ明るく褒めて励ますだけにします。
 やがて数日で、子供が自分でできるようになるので、そうしたら密着は必要ありません。しかし、ときどき褒めて励ましてあげてください。


■■暗唱は作文とセットで

 暗唱という勉強の仕方に効果があることがわかってきました。しかし、今心配しているのは、この暗唱の学習が学校などでも取り入れられるようになり、勉強のスタイルとして常態化してしまうことです。
 暗唱は、親や先生が子供のころにやっていない勉強法なので、ついその効果だけに目を奪われてしまいがちです。すると、暗唱の自習が、人よりもいかに速くいかに多く暗唱できるかという競争になることも考えられます。競争によって、暗唱に力を入れるというのは最初のうちは効果がありますが、やがて弊害がでてきます。それは、じっくり考えるとか自分で考えを作り出すとかいう要素なしに、覚えることだけが目的になってしまうからです。
 江戸時代にも、素読という暗唱の勉強法はありました。そのころに暗唱のしすぎという弊害がなかったのは、子供たちが日常の遊びや仕事の中で、自分で考え判断し作り出す経験が豊富にあったからです。
 現在は、そうではありません。勉強以外の時間の多くを、非創造的なテレビやゲームやテレビやインターネットに費やしている子も多いのです。。
 自分で作り出すものがない中で、覚え込むことだけに力を入れると、人間の成長は歪んできます。
 吸収する勉強は、発表する勉強とセットにすることで初めてバランスよく力のつくものになるのです。これをわかりやすく比喩的に説明すると、次のようになります。
 まず、食べるだけで運動しないという生活をしていれば、次第に体が太ってきて、ますます運動が苦手になります。その一方で、食べることだけは得意になります。勉強にあてはめると、覚えることだけが得意になるという状態です。
 もう一つは、食べずに運動するという生活の仕方です。食べないので力が出ません。そこで、自分の無理のない最小限の範囲で運動をするようになります。勉強に当てはめると、本を読まないので、作文も細々としか書けないという状態です。食べずに運動するというのは、やがて食べないし運動もしないということと同じになります。
 最後に、食べて運動するという生活です。食べたものが運動によって血や肉となるので、どんどん力がついてきます。食べることと運動をすることが相互作用で発展していくので、どちらも楽しくなります。勉強に当てはめると、読書も作文もどちらも進んでいくという状態です。勉強と遊びとの対比で言えば、「よく学びよく遊べ」の状態と言ってもいいでしょう。
 運動というのは、国語の場合は作文ですが、数学や英語の場合は、問題を自分で考えることや文章を自分で作ることになります。それも、既にある答えを再現するような記憶力に依拠した問題や文章ではなく、自由に自分で考える問題や文章です。
 言葉の森の暗唱は、作文指導を充実させるために始めました。作文とセットでない暗唱は、暗唱のための暗唱になります。このような暗唱も最初のうちは効果がありますが、やがてやり過ぎによる弊害も出てくるでしょう。そうならないために、暗唱は作文という創造的な勉強とセットで行う必要があるのだと思います。


■■ウェブで見る教材(その2)

5、住所シール http://www.mori7.com/mine/lavel.php?maisuu=12_tori_juusyo
・作文用紙や封筒用紙に貼るためのシールです。シール台紙がない場合は、白い紙に印刷して、はさみで切り取り、のりを使って作文用紙に貼ってください。
・ユーザー名、パスワード、生徒コード(ユーザー名と同じ)を入れ、「スタート」が「1」になっていることを確認し、海外の生徒の場合は、「海外の生徒も表示する」にチェックを入れ、表示ボタンを押します。
6、項目シール http://www.mori7.com/mine/lavel.php?maisuu=tori_koumoku
・作文用紙に貼るためのシールです。シール台紙がない場合は、白い紙に印刷して、はさみで切り取り、のりを使って作文用紙に貼ってください。
7、学習の手引 http://www.mori7.com/mori/gate.php
8、暗唱の手引 http://www.mori7.com/mori/mori/annsyou.html
・暗唱の練習は体験学習中は行いません。入会後、先生が説明します。
9、用紙類
○作文用紙低(小2以下の低学年用) http://www.mori7.com/mori/gate/sakubunn_tei.pdf
○作文用紙(小3以上の高学年用) http://www.mori7.com/mori/gate/sakubunn.pdf
○自習用紙(暗唱の自習をする場合) http://www.mori7.com/mori/gate/jisyuu.pdf
○構成用紙(小3以上の構成図用) http://www.mori7.com/mori/gate/kousei.pdf
○封筒用紙(郵送で送るときの封筒) http://www.mori7.com/mori/gate/huutou.pdf


■■中学生、高校生の暗唱のコツ

 中学生、高校生の暗唱は難しいと思います。一つの理由は、中学生のころからちょうど単純記憶から理屈で理解する記憶に移り変わる時期になるからです。しかし、それよりも大きなもう一つの理由は、暗唱する文章が説明文だということにあります。説明文のために、文章の流れがつかめないというのが、中学生、高校生の暗唱が難しい大きな原因になっています。
 事実文は、自然に暗唱の順序が頭に入ります。例えば、こういう文章です。
「あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川上から大きな桃が……」
 このような事実中心の文章は、内容がすべて時系列の映像になるので、順序を間違えることはまずありません。
 ところが、説明文は違います。例えば、次のような文章です。
「わずか一粒の種から一万個以上もの実をつけたトマトの巨木がある。遺伝子組み換えなどの新しい技術により、このようなトマトができたのかと想像されるかもしれないが、そうではない。このトマトは、一本の根幹から何千もの枝が分かれて、トマトの実を結ぶ。」
 このような説明中心の文章は、それぞれの文の前後が入れ替わっても意味が通じます。文の前後に厳密な必然性がないのです。
 しかしこういう説明的な文章でも、歌の歌詞としてならば比較的容易に覚えることができます。それは、文の流れを音の流れとして把握できるからです。
 このため、暗唱は、黙って覚えようとするのではなく声に出して自分の耳で聴いて覚えるということが大事です。説明文であっても、何度も反復して音声を聞いていると、自然に覚えることができるようになるのです。
 説明文の暗唱を早くできるようにするもう一つのコツは、出だしの言葉をイメージ化して覚えておくことです。
 まず、体の一部に順番をつけます。「1番=頭、2番=おでこ、3番=左目……」といった具合です。または、自分が家から学校に行くときの道順でも構いません。「1番=玄関、2番=信号、3番=コンビニ……」という感じです。
 あるいは、順番のすでに決まっているものに結びつけることもできます。言葉の森の課題の名前は、植物名のアイウエオ順になっているので、それに結びつけることもできます。
 「アカシア、イバラ、ウツギ、エニシダ、オリーブ、カキ、キンモクセイ、クリ、ケヤキ、コブシ、サツキ、シオン、ススキ、セリ、ソテツ、タラ、チカラシバ、ツゲ、テイカカズラ、トチ、ナツメ、ニシキギ、ヌルデ、ネコヤナギ、ノギク、ハギ、ヒイラギ、フジ、ヘチマ、ホオ、マキ、ミズキ、ムベ、メギ、モモ、ヤマブキ、ビワ、ユーカリ、ベニバナ、ヨモギ、ライラック、リンゴ、ルピナス、レンギョウ、ローレル、ワタスゲ、ピラカンサ、プラタナス、ペンペングサ、ポプラ、ガジュマロ、ギンナン、グミ、ゲンゲ、ゴムノキ、ザクロ、ジンチョウゲ、ズミ、ゼニゴケ、ゾウゲヤシ」
 言葉の森の広場の名前は動物名になっています。
 「アカトンボ、イワツバメ、ウズラ、エミュー、オオムラサキ、ガチョウ、カッコウ、キビタキ、ギンヤンマ、クサヒバリ、グンカンドリ、ケイマフリ、ゲンゴロウ、コオロギ、ゴリラ、サイチョウ、ザリガニ、シジュウカラ、ジラフ、ズグロカモメ、スズムシ、セセリチョウ、ゼブラ、ゾウガメ、ソウシチョウ、タマムシ、チドリ、ツグミ、テントウムシ、トキ、ナイチンゲール、ニイニイゼミ、ヌートリア、ネオンテトラ、ノビタキ、ハナムグリ、ヒグラシ、フラミンゴ、ヘラジカ、ホタル、マツムシ、ミツバチ、ムクドリ、メジロ、モンシロチョウ、ヤマバト、ビーバー、ユリカモメ、ベニシジミ、ヨシキリ、ライチョウ、リス、ルリタテハ、レミング、ロバ、ワタオウサギ、ピパ、プレーリードッグ、ペリカン、ポインター」
(や行は「やびゆべよ」、わ行は「わぴぷぺぽ」としています)
 順番をつけたら、文の出だしをその順番にイメージ的に結びつけます。先ほどの「わずか一粒の……」の文章を体に結びつける例で言うと、「輪(「わずか一粒」の「わ」)が頭につきささった」「イノシシ(「遺伝子」の「い」)がおでこにぶつかってきた」「木の実(「このトマトは」の「この」)が左目に入ってきた」などと、イメージ化した言葉を体の一部に結びつけると、出だしの部分をすぐに覚えることができます。
 出だしの部分さえわかれば、あとの文は音の流れとして覚えているので自然に口から出てきます。これが説明文の暗唱のコツです。
 暗唱のように一見敷居が高そうに見える勉強は、このような方法で「簡単にできた!」という感覚をつかむことが大事です。簡単にできるようになると、おもしろさが分かってきてさらに続けてみようという気になります。(ただし、小学生の事実文はこのような工夫はあまり必要ありません。事実中心の文章はただ音読を繰り返すだけでも覚えることができるからです)


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