言葉の森新聞2012年2月2週号 通算第1211号
文責 中根克明(森川林)
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■■2月11日(土)は休み宿題
2月11日(土)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。電話0120-22-3987(平日9:00-19:50)
電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php
■■朝ご飯前に音読→暗唱
勉強の時間帯には、コツがあります。音読や暗唱の自習はほんのわずかな時間なので、毎日確実にできる時間帯を確保しておくことです。いちばんいい時間帯は朝ご飯の前で、音読を2、3分で済ませてから、そのあと暗唱をするという流れがやりやすいと思います。
■■合格した子、不合格になった子それぞれに
受験の合格のうれしいお知らせが次々と届いています。晴れて志望する学校に合格したみなさん、おめでとう。
合格した子は、これまでの勉強の習慣を急にやめるようなことはせず、読書を中心に同じようなペースでこれからも勉強に取り組んでいってください。
不合格になったみなさんは、がんばった結果の不合格なら、それが必ず将来自分のプラスになるのだと確信してください。これは、単なる慰めの言葉ではなく、世の中を真剣に生きてきた大人の人なら、だれでもそういうことを知っているのです。
過去の言葉の森記事です。
■本当の合否は、数年後にわかる
今年、中学入試を作文試験で受けた子から不合格の連絡がありました。よく書ける子でしたし、教科の成績もよかったはずで、勉強もよくがんばっていましたから、本人も納得できない気持ちがあったと思います。
しかし、試験とはそういうものです。実力があっても、運が悪くて不合格になることもあります。大事なのはそれからです。
不合格になったとき、勉強をやっていて自信があった子ほどくやしい思いをします。そのくやしさがばねになって、これからの勉強に生きてきます。すると、早い子では1年もたたないうちに、第一志望に不合格になっていてかえってよかったと思えるようになってきます。そして、ほとんどの子は、3年後、又は6年後の次の入試のときにはすっかり、その最初の不合格を克服して、逆に、「あそこで不合格になっていたから、それをばねにして自分が成長したんだ」と思うようになってくるのです。
そして、そのように自分が成長するだけでなく、不合格になったことの痛みを知っているので、自分よりも弱い人に対しても優しい気持ちを持てるようになります。
また、いつか、自分が大人になり、人の上に立つようになったり親になったりしたときに、部下や子供の失敗をより大きな視野で見てあげられるようになるのです。
ですから、合格不合格の結果は、ただ第一ラウンドが終わったということに過ぎません。不合格になった人が、いつまでもその不合格をひきずって、「あそこで合格していれば、もっといい人生だったかもしれない」などと思っていては、第二ラウンドでも不合格です。たとえ、第二ラウンドではまだすぐに立ち直れなくても、第三ラウンド、第四ラウンドで、「あそこで不合格になっていたから、かえっていい人生になった」と思うようになる日が来ます。
本当の合格不合格は、何年もたってからわかってきます。そして、あとからわかった合格が、本当の合格なのです。
■■幼稚園年長~小学3年生の保護者の皆様へ
■毎日の自習の習慣作りを
幼稚園年長~小学3年生のころは、だれでも好きなことを自由に書ける時期ですから、作文の勉強を特にする必要はあまり感じないと思います。しかし、このあと、小学校高学年から、中学生、高校生へと進むと、作文の勉強は小論文の勉強へと発展していきます。
言葉の森では、大学受験生の小論文・現代文の指導につながるかたちで小学生の作文の勉強を位置づけています。小学生のときに上手な作文を書くことが目的なのではなく、大人になってからも必要な表現力と思考力を育てていくことが指導の目的です。
国語の勉強は、学校で習う範囲よりも日常の生活の中で身につける範囲の方がずっと大きい特殊な勉強です。英語や数学は、学校や塾で勉強すればそれに応じて成績は上がりますが、国語は、生活の中で年齢に応じた読書の習慣をつけていかなければ塾や学校でいくら勉強をしても、その効果は限られています。
小学校の低学年の時期は、この学習習慣を無理なくつけることのできる最も大事な時期です。学校の勉強だけしていれば十分なこの時期に、家庭で毎日決まった勉強をする習慣をつけ、特にその中でも年齢に応じた読書の習慣をつけていくことが、その後の勉強の進み具合に大きく影響します。
言葉の森では、毎日の自習として、1日10分程度の暗唱や音読の自習を生徒にすすめています。暗唱や音読は、簡単にできてしかも文章力・読解力の上達に大きな効果のあるものです。いい文章を暗唱できるということは、そのまま自分が書く作文にも自然にその文章のリズムを応用していくことができるということです。
現代は、知的に理解すればそれで終了というかたちの勉強が多いので、暗唱の効果ということはなかなか理解されにくいようですが、国語の学習はほかの教科の勉強とは異なり、頭で理解するだけでなく心でまるごと感じとるという要素が必要ですので、ぜひ毎日の自習に取り組んでいってくださるようお願いします。
暗唱や音読は、できるだけお母さんやお父さんが近くで聞いてあげるようにしてください。
また、読書は低学年のうちに毎日の習慣として身につけておくものです。習慣として定着させるためには、本を読む日があったり読まない日があったりするような読み方ではなく、毎日欠かさず読むということが必要です。自分で読むことがまだ難しいうちは、お母さんやお父さんが読んで聞かせてあげてください。
■■小学4~6年生の保護者の皆様へ
■作文教室と塾との両立を
現在の受験体制のもとでは、高学年になるにつれて、塾などに通わないと学習がしにくくなるという状況があります。しかし、学習の主体はあくまでも家庭学習にあります。家庭学習での主体性がないと、塾のスケジュールに流されたり、志望校の受験とは部分的な関係しかない偏差値に左右されたりしてしまいます。(毎年、偏差値の高い学校に受かり、低い学校に落ちるという現象がありますが、それは、偏差値が志望校の過去問の傾向には対応しているわけではないということを示しています)
小学生も高学年になると、塾に通う時間が増え、一時期、言葉の森との両立が困難になることがあります。しかし、両立が困難な時期は、大体数カ月で終わり、そのあとは、時間的に忙しくはなるものの、再び同じようなペースで学習を続けていけるものです。
言葉の森では、6年生の中学受験前から作文教室での学習を続け、中学入学後もそのまま学習を継続している生徒が多数います。
作文の学習は、ちょうど高学年から「説明文」「意見文」の段階に入り、思考力を要求されるようになります。この段階の学習は学校などでもあまりなされず、本格的な国語力をつける点でとても重要なものです。
言葉の森では、曜日・時間の変更は、随時できるようになっています。また、通信指導による学習も、他の教室の通信指導と比べて、きわめて継続しやすいものになっています。(通信指導では、毎週決まった時間に担当の先生からの電話があります。そのため、通信学習にありがちな「出し忘れ」がなく、時間的にも余裕をもって学習することができます。更に、通信の時間は、平日午後3時~9時、土曜午前9時~12時の間で、本人の都合に合わせて自由に選ぶことができます)
高学年になり、塾の時間が増えて忙しくなった方も、曜日の変更や通信クラスへの移動などで、できるだけ両立させていけるように工夫していってくださるようお願いします。ただし、塾によっては両立が時間的に困難になるところもあります。そのためにやむをえず退会される場合は、中学入学後のなるべく早い時期に再開されることをおすすめします。
■■中学生の保護者の皆様へ
■中学生の作文学習は小論文の前段階です
文章表現力・読解力のうち、意見文を書く力と論説文を読みとる力は、中学生以降に本格的に伸びる分野です。小学生の間に既に意見文を書いたり読んだりする段階にまで進んでいる生徒もいますが、全体的にみて、構成の形式を身につけたり文章を要約をしたりすることが精一杯で、内容のある意見文を読み書きすることのできる生徒はかぎられています。これは、表現力・読解力に、まだ、本人の内面的な成長が伴っていないためです。
小学6年生までに学習する、生活文中心の作文と、物語文中心の読書は、表現力・読解力の半分にすぎず、もう半分は、中学生以降の意見文・論説文の練習によって完成します。
しかし、実際には、中学・高校では、作文・読書の学習はほとんどなく、あるとしても、その多くは、小学校の延長のようなかたちでおこなわれています。
また、中学生の時期は、作文の学習がいちばん続けにくい時期でもあります。その理由は、(1)中学生の時期が、無邪気に出来事を書くわけにもいかず、かといって、自由に意見文を書くほどには語彙が充分ではないという過渡的な時期にあたること、(2)宿題や定期テストなど、外から拘束される勉強の時間が比較的多くなり、自主的な勉強の時間がとりにくくなること、(3)中学校自体も、作文や読書の指導をほとんどしなくなるので、学習の意義やきっかけを見つけにくくなること、などという事情があるからです。
現在の受験体制のなかで行なわれる勉強は、人生にとって価値のある分野というよりも、点数の差がつきやすい分野に重点がおかれがちです。もちろん、基礎的な知識を身につけるという点で、点数で測られるような勉強も大切ですが、生涯にわたって役立つのは、考える力、読書する力、勇気や思いやりなど、点数の差のつけにくい、したがって現在の受験体制の中では、重点の置かれにくい分野です。
しかし、最近では、大学入試でも小論文や面接が重視されてくるなど、単なる知識の量よりも、それらの知識を活用する力を評価するようになってきました。中学生での作文・読書の学習は、小学生の学習の延長としてではなく、高校生以降の小論文学習や論説文読書の先取りであるという前向きの姿勢をもって取り組んでいくことが大切です。
中学生が、作文の学習を継続していけるように、言葉の森では、学習の時間に弾力性をもたせています。具体的には、(1)曜日・時間の変更や振替は、いつでもできるようにしています。(2)テスト期間中の欠席は、その前後にふりかえることができるようにしています。(3)帰宅がおそい生徒、通信学習を併用して学習ができるようにしています。
3月から4月にかけては、決まった時間に授業を受けることがむずかしいことも多いと思いますので、出席できるときに出席するというかたちにして、新しい生活のペースを早く作っていってくださるようお願いします。
●中学生から受講料が変わります
小学生までの受講料は8,200円でしたが、中学生からは受講料が8,700円になります。4月の引き落とし分から受講料が変わりますので、ご了承ください。
■■高校生の保護者の皆様へ
■大学受験問題を中心に学習をしていきます
高校生からの教材は、大学入試問題が中心になります。これは、実際に小論文や国語の問題で出された文章を読んで、小論文を書くものです。
高校生の教材になると、国語の力は、めきめきついてきます。これは、高校生が、中学生までと違って自分で自覚をして勉強することができる年齢になるためです。
高校生の場合、言葉の森での作文の学習は、次のような意義を持っています。(1)国語の読解力をつけること、(2)小論文の力をつけること(推薦入試では、内申と小論文と面接で合否が決まるところが増えています)、(3)社会人になってからも必要な文章表現力をつけること、以上の三点です。
言葉の森で小論文の学習をしていれば、予備校などで特別に小論文の勉強をする必要はありません。逆に、予備校や通信教育の小論文では勉強が進まない生徒が、高3の終わりになって、言葉の森にやってくるというケースが、例年数多くあります。
高校2年生までは一般的な小論文の勉強をしますが、高校3年生の後半からは、志望校の出題傾向に合わせた小論文課題も取り入れて学習していきます。
●高校生からも受講料は変わりません
高校生からの受講料は、引き続き中学生と同じ8,700円です。
■■大学生・社会人の皆様へ
■年齢に応じて考える力は更に向上します
作文力・読書力は、大学生や社会人になっても伸びていく学力です。その点では、記憶力中心の学力とは性質が異なります。しかし、現在の日本では、大学生時代に、思考力や読書力を伸ばす学習はあまりなされていません。また、大学によっては、他の大学との交流が少なく、勉強への知的刺激が高校時代より少なくなってしまう場合もあります。
言葉の森の教材は大学生になっても継続できるように作られていますので、課題の最後の「ゼニゴケの山」まで大学生・社会人になっても言葉の森での勉強を続けていくことができます。
大学生・社会人の受講料は、中学生・高校生と同じ8,700円です。継続する場合の手続きは、特に必要ありません。
●卒業後も言葉の森と連絡を取れるように
しかし、大学生・社会人の場合、マスコミに受験するために作文の試験があるとか別の大学の編入試験を受けるために小論文が必要であるなどという場合を除き、大学生は作文の勉強を続ける動機に乏しくなることも事実です。
そのために、言葉の森では、facebookなどで卒業生と交流できる場を設けています。卒業される方は、facebookに登録して言葉の森のfacebookページにアクセスしてくださるようお願いします。
■■漢字や計算の勉強より、読書と対話
実は、言葉の森に来ている子には、優秀な子が大勢います。受験直前まで普通に作文を書いていて、中学、高校、大学入試に合格するという子がよくいます。それも、最難関と言われる中学、高校、大学です。
もちろん、そういうことをすすめるつもりはありません。受験の前は、受験に関係ない学習は少し休んでいいのです。
しかし、勉強の基本は底力です。本当によくできる子は、勉強だけでなく、生徒会活動も、部活動も、趣味も余裕を持って熱心にやっています。
言葉の森の最初の出発点は、作文教室ですが、それを国語教室のような勉強的なものにはしないという方向を決めていました。というのは、国語も数学も英語も、普通に学校で勉強していれば、みんなできるようになって当然だからです。
しかし、作文はそうではありません。自分ひとりでは、評価も採点もできません。そして、作文が自分でも上手だと思っている子でも、それをどう伸ばせばいいかということがわかりません。だから、作文教室は、勉強の不足を補完するような教室としてではなく、新しい勉強を創造する教室として始めたのです。
だから、ほかの教室のように、中高一貫校の入試や、高校、大学の推薦小論文に対応するために、学習塾の一環として作文指導を始めたのではありません。(もちろん、受験にも十分に対応できるように、入試用のオリジナルな作文課題が既に1000近くありますから、どこの塾や作文教室よりも作文指導は充実しているはずですが)
そして、長年の作文指導の試行錯誤ののちに、作文力の本質が読む力と考える力であり、それは、週に何回か教室に通うことによってではなく、家庭での日常的な生活の中にあることがわかってきました。
国語力も同様です。よく、幼稚園のころから漢字や計算の塾に通い、学年で習う漢字や計算よりも何年も先まで学習している子がいます。その一方で、そういう塾には通わずに、家でのんびり自分の好きなことをして本を読み、家族と楽しい対話をしている子がいます。
小学校低学年のころは、塾で勉強している子の方が進んでいるように見えますが、中学年、高学年になるにつれてその差はだんだんとなくなり、やがて、中学生、高校生になると、塾での勉強よりも家庭でのんびり読書と対話を楽しんでいた子の方がずっと力がついてくるのです。
今日も、小学校低学年の子供のお父さんから、電話の相談がありました。「漢字や計算は小さいころからやっているからよくできるが、読解が苦手らしい」というのです。みんな、同じような勘違いをしています。漢字や計算は、普通に人並みにできていればそれで十分です。そんなところで先取りする必要はありません。
そのかわり、勉強の点数にのらない読書や対話で子供たちの考える力を伸ばしていくことが大事です。それが、結果的に読解力、作文力に結びつき、子供たちの将来の学力の最も確実な基礎になっていくのです。
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