言葉の森新聞2013年11月1週号 通算第1295号
文責 中根克明(森川林)

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■■11月4日(月)は休み宿題

 11月4日(月)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。New!


■■1月の学力テストの募集(国内生徒対象)
 言葉の森では、小中学生の生徒が自分の実力を把握できるようにするために、4月、8月、12月、1月の3~4回にわたって、家庭でできる全国学力テストを実施しています。(12月は小6・中3のみ)
 小1~3は国算、小4~6は国算理社、中1~3は国数英理社で、小4~6と中2~3は、非受験型と受験型のいずれかを選べます。
 受験料は、小1~3が2,000円、小4~6が2,600円、中1~3が3,000円で、希望される方は受講料と一緒に引き落とします。参加は自由で、受験する月も自由に選択できます。
 全国学力テストですので、お子様が現在学習塾に通われている場合、その塾と同じテストになる可能性もあります。特徴は、学力テストのあとに実力強化問題集としてPal、Paljr、BPalなどの小冊子(A4サイズ)が配られることです。同じ学力テストだった場合は、通われている塾の方の学力テストを優先してくださって結構です。
 詳細とお申込みは、ウェブからお願いします。(お電話でも受け付けています。)
http://www.mori7.com/gakute/


■■
11月からの新しい企画

 言葉の森では、11月から次のような企画を立てています。これらは、いずれもオープン教育のページで具体化し、言葉の森のホームページで紹介していきます。
 言葉の森のホームページの更新をすぐに確認できるようにするには、言葉の森のフィード(のマークのあるところ)をYahoo!などのRSSリーダーに登録しておくと便利です。
●家庭での遊びや行事の紹介など実行課題の充実
 低学年の作文課題は、これまで「自由な題名」が中心でした。しかし、自由な題名で、「今日のこと」という題名ばかりが続くと、電話指導の前に書くことを準備するということを意識しなくなってきます。ときどき電話指導の際に、先生が、「今日は何を書くの」と聞くと、「まだ決めていない」というような生徒も多かったのです。もちろん、これではいい作文は書けません。
 そこで、主に低学年の生徒を対象に、家庭で簡単に行える遊びや日本の行事を紹介することにしました。親子で楽しく遊びや行事を行ったあと、「これを作文に書いてみるといいかもね」というような働きかけができると思います。

●全教科自習アドバイスとミニ検定試験の実施
 勉強の基本を自学自習です。人に教えてもらうよりも、自分で参考書を読み問題を解き答え合わせをして、わからなかったところだけ人に聞くというやり方が最も能率のよい勉強法です。しかし、その自学自習を家庭でひとりで行っていると、自分の現在の水準や目標がわからないので意欲が低下してきます。
 そこで、言葉の森では、小1~中3の全教科の自習アドバイスを行うとともに、定期的にミニ検定試験を行うことにしました。当面、漢字の読み検定、英語暗唱検定、算数数学問題検定、長文暗唱検定などを行っていく予定です。
●公立中高一貫校等の受験講座のオンエア化
 現在、受験コースで受講されている小6、中3、高3の生徒を主な対象にした受験講座をウェブで放映する予定です。これは、生徒の具体的な作品をもとに、今後どういうところに力を入れていったらいいかというアドバイスを行っていくものです。
 作品アドバイスを希望される方は、作文をファクスでお送りください。(対象は、小6、中3、高3(浪人生含む)の言葉の森の生徒。お送りいただく作文は、1人1点まで。匿名で作品の一部を表示させていただくことがあります。希望者多数の場合は、受験コース受講中の生徒を優先させていただきます。


■■現在の情勢と言葉の森の今後の計画

 少し前までは、世界は危機の可能性の中にありました。自然災害、テロと戦争、感染症拡大、経済危機のそれぞれが起こり得る状況があったからです。
 しかし、ここ数年で、未来の暗い可能性は小さくなり、その反対の明るい可能性が広がってきました。明るい可能性とは、平穏になる自然、平和な世界の到来、すべての人の豊かさの実現、科学技術の飛躍的発展、人間の隠されていた能力の開花などです。
 だから、今大事なことは、現在もなお残る否定的な情勢に対する準備をしつつ、明るい未来に向けての準備を進めていくことです。
 当面、可能性の高いものは、世界的な経済危機でしょう。その大きなものの一つは米国の倒産です。もう一つは中国の内乱です。米国の倒産は、日本に金融的な危機を引き起こすでしょう。中国の内乱は、日本に難民の流入をもたらすでしょう。それらによって、今なお経済の不況と競争の激化に苦しむ日本は、大きな国難に直面するでしょう。
 これらの情勢の変化に機敏に対応できるように、言葉の森は今後、広報活動に力を入れていきたいと思います。主な分野は、第一にfacebook、第二にホームページ、第三にgoogle+です。(第一、第二、第三というのは重要度の順ではなく、ただ並べた順番です。以下同じ)
 また、言葉の森の組織における人間のつながりを強化していく必要があります。組織の主なものは、第一に森林プロジェクト、第二に言葉の森の講師、第三にオープン教育です。これによって、生徒や保護者とのつながりを更に緊密なものにしていきたいと思います。
 一方、実際の業務における重点は、未来の展望とのつながりで考えていく必要があります。業務の重点は、第一に実行課題(遊びや行事の作文課題)、第二に自習検定(家庭学習の促進と検定試験)、第三に公中講座(公立中高一貫校の受験対策の講座)です。
 未来の展望は、短期的には、作文文化を普及させるための研究開発を進めることです。開発の重点は、第一にプレゼン作文、第二にオープン長文、第三に森リンテクノロジー(作文のように主観性の高い分野を客観化する技術)です。
 長期的な展望は、日本に創造教育を広げ、ネット+家庭教室の新しい寺子屋を広げ、世界に普遍的な日本文化を広げていくことです。
 これらの計画を実現するために、今後、それぞれの分野で、ネットを利用した会議を定期的に開いていく予定です。


■■プレゼン作文発表会の経過と今後

 プレゼン作文発表会の動画は、10月下旬にアップロードする予定です。
 今回は、通学教室の生徒が中心でしたが、動画を見てもらえればどんな感じかわかるので、次回からは通信の生徒もウェブで参加できるようになると思います。
●プレゼン作文発表会始まる
 これからの時代は、偏差値で輪切りにして評価するような不自然なことは次第になくなっていきます。そのかわり登場するのが、それぞれの個性を生かした発表です。他人との勝ち負けや優劣を競い合うのではなく、それぞれの個性を十分に発揮していく時代になるのです。
 ペーパーテストを試験の中心にすると、勉強しかできない生徒が合格するようになります。しかし、小論文や面接を中心にすると、テーマと本人の相性による偶然に左右されすぎます。そこで出てきたのが新しい推薦入試や特色入試です。
「東大推薦入試、京大特色入試の賛否」(朝日新聞社)
http://webronza.asahi.com/national/2013042600001.html
 これらの推薦入試、特色入試の本質はプレゼンテーションです。本人の個性を存分に生かしたものを評価するのですから、間違いがありません。学力の面は、センター試験や将来の到達度試験で担保できます。
 つまり、これからは、自分の持ち味をしっかり主張できる人が求められてきます。なぜなら、そういう人こそ社会で活躍できる人だからです。
 ということを考えつつ、今回の通学教室の作文発表会は、絵と写真と音楽を組み合わせたプレゼン作文発表会にしました。通信の生徒からも、親子で作った力作のプレゼン作文が送られてきました。みんな、堂々と個性あふれる発表をしていました。
●プレゼン作文発表会続く
 作文は、文章で表現することですから、文章はそのための手段です。では、何が目的かというと、その文章によって伝えたい中身です。だから、その中身をよりよく伝えるために、文章以外の絵や音楽があってもいいのです。(厳密に言うと、文章は単なる手段ではなく、文章によって中身が生まれる面もありますが。)そういう意図で始めたのがプレゼン作文発表会です。
 今回は初めての試みなのでどうなるかと思ったら、どの子も、すばらしい発表をしてくれました。しかも、小学1年生から中学3年生までが共通の場で発表するので、異なる年齢による話の広がりがまた面白い。(生徒には高校生もいますが、今回は受験生も多かったので、発表会には参加していません。)
 みんな、上手に発表できることがわかったので、今後は、このプレゼン作文発表会に合わせて、普段の作文にも絵や写真をできるだけ用意しておくように勧めたいと思います。そうすると、作文の記録自体が、子供たちのいい記念になるでしょう。
●プレゼン作文発表会終わる
 10.4週の通学教室のプレゼン作文発表会が終わりました。どの子も力作の発表で、絵や写真以外に、実物を持ってきたり、話に合わせた音楽を流したりと、見ごたえ聞きごたえがありました。
 これからの勉強の目標は、他人と競争して点数や順位を争うようなものではなく、みんなが互いに自分の得意分野を発表し合うようなものになると思います。競争の方が、一見がんばれるような気がしますが、そこで出てくるエネルギーは一時的だからです。自分らしい創造的な発表をするためのエネルギーは、もっと持続的です。
 更に大事なことは、発表の中で、人間が自立した全体的な役割を持てることです。一般に、勉強というものは、正解が先生や教科書の側にあり、子供はいつもその正解を目指す部分的な存在です。
 これに対して、遊びというものは、子供が自立した全体的な存在として世界と関わる経験を与えてくれます。だから、遊びは面白く、勉強はつまらないのです。この意味で、発表は、勉強でありながら一種の遊びです。
 人間の能力は、学校での成績を見ている限りでは、大きな差があるように見えます。しかし、社会に出て何年かすると、小中学校時代の成績と、社会人としての仕事ぶりとはほとんど関係がないことがわかってきます。
 では、何がその人の仕事ぶりと関係があるかというと、それは意欲的な生き方という性格的なものです。
 その意欲がどこから来るかというと、全体的に行動した経験からです。だから、いい仕事をしている人は、子供時代何かに熱中して遊んだ経験を豊富に持っているのです。
 ロボット犬アイボを作った天外伺朗さんは、子供時代は野山で遊んでばかりいたそうです。そして、大学でもグライダーに乗って遊んでばかりいました。だから、学生時代の成績は悪かったのですが、社会人になってから独創的な仕事を次々としていきました。
 勝ち負けの時代は、もうすぐ終わります。これからは、個性の時代です。しかし、それは個性のある人が勝ち、個性のない人が負けるという意味ではありません。個性のある方が楽しいから、個性を発揮して生きていく人が多くなる時代なのです。
 その個性を、作文という勉強の中で生かしていくために、これからプレゼン作文発表会を更に充実させていきたいと思います。


■■中学入試、高校入試の受験志望理由書の書き方(過去の記事の再掲)
 志望理由書の書き方ということで、書店にはいろいろな本が出ています。書く内容は、それらを参考にしていただくことにして、ここでは、それらの本にはあまり書いていないことを説明したいと思います。

 第一は、子供任せにしないことです。志望理由書は本人が書くという建前になっていますが、小6や中3の子供に任せて、いいものが書けるはずはありません。と書くと言いすぎですが、ここはやはり親が全面的に協力して内容を煮詰めていくことです。
 第二は、明るい内容、面接で話題にしてほしい内容に絞ることです。明るさというのは、志望理由書以外に、作文の試験の場合も重要です。文章がうまければよいというのではなく、自分の好ましい人柄がにじみ出るように書いていくことが大事です。
 第三は、勉強の話を中心にしていくことです。学校は勉強をするところです。それなのに、部活や友達や趣味の希望をたっぷり書いてしまう人がいます。学校で青春を楽しみたいという気持ちはわかりますが(笑)、勉強をしにいくのだという原点を大事にしておかなければなりません。その学校に入ったら、どんな勉強を何のためにどういうふうにやっていきたいかということを書いていくことです。
 第四は、書くスタイルです。よく直接鉛筆で書いて、手書きの原稿を推敲している人がいますが、それでは十分な推敲はできません。まず最初に、自分が普通に書くぐらいの字の大きさで、読み手にとって見にくくない程度の文字で2、3行手書きで書いてみます。そして、1行の平均的な字数を数えます。そのあと、その字数と行数に合わせてパソコンで下書きを書いていきます。パソコン上で推敲を十分に行ってから、最後は手書きで清書をするようにします。
 第五は、書いたものは、必ず書いた本人以外の他人に見てもらうということです。本人がアピールしたいと思っていることと、相手に実際にアピールすることとは違います。どういう内容がアピールするかというと、ひとつは挑戦したことがわかる話、もうひとつは継続したことがわかる話で、これらに客観的な裏づけのあるデータを入れて書きます。客観的なデータとは数字や固有名詞のことで、例えば、「○年間、○○の委員長を務め、○○という工夫をして、○○パーセントの成果を上げた」というような書き方です。

 志望理由という言葉から、自分の希望を中心に書いてしまいがちですが、未来の話はだれも同じようなものになりがちです。自分らしい過去の実績を盛り込みながら書いていくことが大事なのです。


■■受験に勝つために、そして、受験後にも(過去の記事の再掲)
 例年、「受験生は、夏休み前までに過去問を」と、もう何十年も言い続けているのに、あいかわらず秋から過去問に取り組むという人がかなりいます。
 受験勉強は、情報戦です。旧日本軍と同じように、情報戦で戦略的に既に大きく後れをとっているのに、個々の戦闘でだけがんばるという勉強の仕方をする人が多いのです。
 夏休み中に、自分流の勉強をした人と、ただ漫然と塾や予備校の夏期講習に通った人とでは、大きな差が出ます。夏休み中に自分流の勉強をするために、夏休み前の過去問分析が欠かせないのです。
 夏休み前までの模試はあてになりませんが、夏休み後に行われる模試は、ほぼ正確に実力を反映します。
 受験を左右するのは、偏差値ではなく総合点です。まだ過去問に取り組んでいない人は、過去問を、答えを書き込みながらでもいいので、全教科解いてみて、どの教科でどのぐらい得点するかという作戦を考えていきましょう。
 塾や予備校でも、過去問は仕上げにやると言っているところが多いようですが、それは、生徒が早い時期に過去問に取り組むと対応しきれなくなるという教える側の都合によるものです。
 受験に全責任を負っているのは、本人と保護者だけです。他人に頼らずに自分の判断で勉強に取り組んでいきましょう。

 国語の成績を上げるコツは、ある意味で簡単です。一つは問題文を読む練習をすることです。もう一つは、選択問題の解き方のコツを学ぶことです。選択問題の解き方は、1、2時間もあればすぐに理解できます。
http://www.mori7.com/index.php?e=769
 さて、人生で大事なのは、受験に勝つことでありません。受験が終わったあと、どういう勉強をして、どういう人間になるかということです。
 受験に合格することを目的にしてしまうと、合格したあとに勉強が途絶えてしまいます。
 合格することが目的なのではなく、合格後、又はたとえ第一志望に合格しなかったとしてもその後、社会に出て立派な社会人になり、世の中に貢献していくことが本当の目的なのだと今から話しておくといいと思います。


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