言葉の森新聞2014年1月4週号 通算第1306号
文責 中根克明(森川林)

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■■1月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
 1月29日(水)・30日(木)・31日(金)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。

■■自習検定は、1月4週(1月22日~28日)にウェブで

 1月の自習検定は、1月18日に受付を締め切りました。
 申し込まれた方は、1月4週(1月22日~28日)に下記のページで検定試験を受けられます。
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 1~3月は、学年の終わりの時期なので、算数数学などの試験範囲が途中からになっています。4月からは本格的に取り組めるようになります。


■■受験コースの生徒の最後の準備は

 受験コースの生徒のみなさんは、これまでに書いた作文をファイルしておきましょう。そして、自分なりによく書けたと思ったところにカラーペンで線を引いておきましょう。
 これからの勉強は、その線を引いたところを毎日一度は目を通すことを中心にしていきます。時間があれば、同じテーマで、時間を測り、元の文章を見ずに同じような作文を書き上げる練習をしておきましょう。
 試験会場には、これまでの作文のファイルを持っていきます。試験が始まるまで、線を引いたところを繰り返し見ておきましょう。
 試験が開始されたら、テーマを見て、自分がこれまで書いた作文の中で使えそうな表現や意見があれば、それを原稿用紙の余白に小さくメモします。
 作文は、これまでの自分の文章の蓄積をあてはめてくるようなつもりで書いてきましょう。あてはめるものがなければ、そのまま自分の実力を信頼して書いていきます。


■■第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は、読解マラソン集にある読解問題をしてください。


清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。


清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●朝日(あさひ)小学生新聞の投稿先
 104-8433東京都中央区築地3-5-4朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
(毎日(まいにち)小学生新聞は、作文よりも俳句を中心に掲載しているようです。) 
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。


手書き清書の送り方
 手書きの清書も作文と同じように先生に送ってください、翌月の1週の作文と一緒に返却します。
 パソコンで清書を入力した場合、手書きの清書は必ずしも先生に郵送などで送る必要はありません。 
 手書きの清書のスキャン画像を作文の丘からアップロードした場合も、先生に郵送などで送る必要はありません。


■■読解問題の答えの書き方、送り方
 清書が早く終わり時間に余裕のあるときは、読解マラソン集で読解問題をしてみましょう。
 読解問題は、小学校高学年以上の生徒が、国語の選択式問題のコツをつかむために作られています。高校生の場合は、センター試験などの選択式問題と同程度の問題です。ですから、小学校4年生以下の生徒は、無理に読解問題に取り組む必要はありません。
 問題を解く時間が取れない場合は、読解問題は省略するか最初の2問だけをやる形でも結構です。適当に全問やっても勉強にはなりません。じっくり取り組める範囲で取り組んでください。
 読解問題の答えを作文用紙に書く場合は、問題の番号と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。
 読解問題の用紙は返却しませんが、選んだ番号と正解は山のたよりに表示されます。
 読解マラソンの問題のページから答えを送信すると、その場で採点結果が表示されます。
(この場合、作文用紙に答えを書く必要はありません)
※図解の説明は、「学習の手引」の「10.読解問題と清書の仕方」をごらんください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■パソコン入力清書の送り方
 4週の清書は、手書きで清書をした場合も、そのあと、できるだけパソコンで再入力したものを「作文の丘」から送ってください。これは、作文の進歩を生徒が実感できるようにし勉強の意欲につなげていくためです。
 清書を送る場合、週は必ず「4週」を選択してください。ほかの月や週を選択すると、その月と週の作文と講評が上書きされてしまいます。感想文を清書にする人は、三文抜き書きや要約の部分は省略するか、自分の言葉に直して書くようにしてください。
 ワードなどのワープロソフトは改行の際のスペースが正しく表示されないので、いったんメモ帳などにコピーしてメモ帳の上でスペースをつけてからインターネットで送るようにしてください。
 自宅でパソコン再入力ができない場合は、先生に(有料で)パソコン入力を依頼することもできます。その場合は、手書きの清書の住所シールの余白に「入力依頼」とご記入ください。
(入力依頼の料金は1文字1円で、翌月の受講料に加算して引き落としいたします)
 パソコンからの清書の送り方は、「学習の手引」の図解を参考にしてください。わかりにくいときは事務局に直接お電話をしてお聞きください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■子供たちのこれからの勉強を大きなデッサンで考える

 未来の社会は、創造性が大きな価値を持つ社会です。これからの社会では、今よりももっと個性が重視されるようになります。しかし、その個性は、ただ人と変わっているというだけの個性ではなく、その個性によって世の中に何か新しいものを付け加えることができるという創造性のある個性です。
 創造性のある個性の多くは、現代の科学技術や科学的知識によって支えられています。だから、子供たちの勉強には、一方で能率よくすべての教科を学び、もう一方で自分だけの豊かな創造的時間を過ごすことが必要になります。
 そこで、言葉の森が考えている教育のひとつが、効率教育です。自宅での自習を基本に、毎月の自習検定で全教科を無駄なく身につけるという勉強です。
 効率教育とは別に、言葉の森がこれまで行ってきたもうひとつの教育が創造性を育てる教育です。作文を書くという勉強は、もともと創造的なものですが、これを作文だけの学習で終わらせずに、次のような学習と結びつけて行おうとしています。
 第一は、毎日の長文音読と毎週の親子の対話です。長文の音読は、理解のための思考力語彙力を育て、親子の対話は表現のための思考力語彙力を育てます。
 第二は、プレゼン作文です。作文をただ文章として書くだけでなく、画像や音声と組み合わせて、発表する作文として完成させていきます。この発表が、子供たちの個性と創造性に更に磨きをかけます。
 第三は、これから取り組む実行課題です。言葉の森では、小学3年生から題名課題や感想文課題で作文の練習をします。これまで、小学2年生までの低学年の生徒は、題名課題に取り組むのが難しいため自由な題名で作文を書いていました。これを、題名課題ではなく、実行課題として取り組むようにします。実行課題とは、遊び、行事、お手伝い、行儀作法など、日常の家庭生活の中で取り組める課題です。その実行課題を、作文の題材として生かすことができるようにしたいと思っています。
 以上の、効率教育と創造教育を担う主体は、当面は言葉の森ですが、未来の社会では、教育はもっと多くの人の手によって身近な生活の中で担われるものになってきます。子供に読ませたい文章、子供に身につけさせたい知識や技能に、親がもっと深く関われるようになってくるのです。
 言葉の森では、そういう草の根の教育作りの土台として、今オープン教育のプロジェクトを行っています。ここで多くの人の手によって教材を改良するとともに、創造的な作文を発表する場を作りたいと思っています。


■■要約の簡単な練習法。要約の練習の前にすることは音読と対話

 ある教育サイトで、「要約がうまくできない」という小学5年生の保護者からの相談がありました。
 要約の練習をなぜするのかというと、うまく要約していい点数を取るためではありません。要約しようとすることによって、文章を理解し、それをまとめて表現する力をつけるためです。だから、形だけの要約ができることにはあまり意味がありません。
 文章の終わりには結論のようなものがあることが普通ですから、終わりの方を中心に書けば、形の上で要約(要点)らしいものが書けます。しかし、それでは何の力もつきません。
 要約力をつけるには、まず読み取る力をつけることです。そのためには、ある程度の難しさを持つ文章を何度も音読する必要があります。
 なぜ黙読ではなく音読なのかというと、何度も読むという繰り返しの勉強は、声に出すという形のあるものにしないと、実行できないことが多いからです。
 何度も音読していると、難しい文章であっても、その文章の全体像が大体わかってきます。
 次に、その読み取った内容をまとめて表現する練習です。
 そのための手軽で効果のある方法が、読み取った文章の内容を身近な人(親や先生)に説明することです。その際に大事なことは、上手に説明できたかどうかという結果ではありません。説明しようとして言葉を探すという過程が大事なのです。
 ここを多くの人は勘違いして、上手に言えればよくできたと思い、上手に説明できなければ駄目だと思ってしまいます。そうではなく、上手に説明できないという過程が勉強の中身です。だから、読み取った内容の口頭による説明は、上手にできないからこそ、気長に励まして聞いてあげることが大事なのです。
 難しい文章であれば、その子が日常生活で決して使わないような言葉を使って説明しなければなりません。例えば、「日本と欧米の文化の比較」などという言葉は、小学生が日常生活で普通に話題にする言葉ではありません。しかし、国語の長文には、そういう言葉や考え方が頻繁に出てきます。そのような普段使わない言葉を使って説明することによって表現力がついてきます。
 だから、聞き手として大事な姿勢は、子供の説明が下手でも、「もっとわかるように話しなさい」などとは決して言わず、「うんうん」と優しくうなずいて聞いてあげることなのです。
 この音読と説明、そしてその説明をもとにした対話が、要約の前提となる勉強です。
 そして、実際の要約はどうするかというと、要約を要求される字数に応じて、選ぶ文の数を決め、その選んだ文をつなげて書くことです。
 要約や記述の練習の中心は、すばやくまとめる力をつけることです。そのために大切なのは練習回数です。練習回数を増やすためには、評価を簡単にすることです。子供が要約した文章を、親が元の文章と照らしあわせてじっくり添削しようとすると、練習回数が増やせません。親は、その要約文の全体の意味が通じるかどうかだけを見ておけばいいと割りきって、子供の要約練習の回数を増やした方が要約の力はつきます。
 親がじっくり見てあげる余裕があれば、先に元の文章を読んで大事なといころをあらかじめいくつか選んでおき、それを子供の書いた要約と照らし合わせるようにするといいでしょう。


■■小学校低学年までは日本語を確実に。日本語の特徴は母音言語

 欧米の言語文化で育った人は、虫の声を雑音としてしか聴きません。だから、雑音で感情が動かされることはありません。雑音は無視していればいいので、聴こえていても聴こえていないのです。欧米では、人間の言語だけが聴くに値する音声で、それはもっぱら理解するための言語です。
 日本語では、虫の声が感情に響いてくるように、人間の声も理解だけではなく感情を伴って入ってきます。心と言葉が一致しやすいのが日本語です。
 この日本語脳が形成されるのが、ちょうど小学1年生から小学3年生にかけてだと言われています。ところが、こういう科学的研究が遅れているために、小学校の低学年までの時期に英語漬けの教育をしてしまうことがあるのです。

 外国語の学習は、日本人の場合は小学4年生以降が最適だと考えられています。しかも、それは中学英語の先取りのような勉強的な英語ではなく、英語の本を読むような英語に慣れる教育として行われる必要があります。
 小学校低学年の時期に子供を海外で育てる家庭や、父親と母親のどちらかが日本語以外の言語である家庭では、生活の中での日本語教育に、より一層の力を入れていく必要があると思います。


■■【再掲】感想文の準備に、「森の予習室」のおすすめ
 感想文の課題に取り組むときに大事なことは、予習をしておくことです。
 予習の仕方は、まず第一に、生徒が課題の長文を毎日音読しておきます。毎日音読をしていると、その長文の内容全体が頭に入ります。
 次に、生徒がその長文を、お父さんお母さんに説明します。その際、説明が下手でも注意などはしないようにしてください。
 そのあと、お父さんお母さんが、その長文の内容と似た話を、お父さんやお母さん自身の体験談を中心に話してあげます。そうすると、長文の理解が具体的になり、感想文が楽に書けるようになります。
 お父さん、お母さんがせっかくいい話をしてあげても、子供がそれを感想文の中に書かないこともよくあります。しかし、話した内容は子供の心の中に残っているので、別の機会にその話が生きてきます。
 親子の対話は、勉強のつもりでやらずに、楽しい雑談のような感じでやっていくことが大切です。そのためには、お父さん、お母さんが話をすることを楽しむことです。
 そういう話のヒントが、オープン教育の学年別「森の予習室」に載っています。家族の話の参考にしてください。また、いい話があれば、自由に投稿してください。
http://www.mori7.com/ope/



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