言葉の森新聞2014年7月4週号 通算第1331号
文責 中根克明(森川林)

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■■4週目の読解問題を2問「山のたより」に表示
 4週目の長文をもとにした読解問題を2問、山のたよりに表示しています。時間のある人は取り組んでみましょう。
 問題数を少なくして、問7と問8の2問だけにしたのは、じっくり読んで満点になるように解くことが大事だからです。
 全問を解きたい方は、「問題のページ」で長文と問題をごらんください。
▼山のたよりの表示の例

★4週目の読解問題(例)
 清書の週に、時間のある人は、4週目の長文を読んで読解問題をしてみましょう。
※問題が問7、問8となっているのは、問1~6を省略してあるからです。
※「読解マラソン集○番」と書いてあるのは、課題フォルダのその月の4週目の長文のことです。
※問1~6も含めた全問は、ウェブで見て解くことができます。( http://www.mori7.com/marason/ki.php )

問7 読解どっかいマラソン集4番「授業じゅぎょう参観さんかん日だといって、」を読んで次の問題に答えましょう。
 ○と×との組み合わせが合っているものの数字を書きなさい。 
A 亜紀あきは、今日の授業じゅぎょうによって、絵美といっしょにアメリカンスクールに行くかもしれなかった
B 亜紀あきがあまりうしろをふりむくので、亜紀あきのママは近くに寄っよ てきて、「まえをむいていなさい」と言った
1 A○ B○   2 A○ B×   3 A× B○   4 A× B×

問8 読解どっかいマラソン集4番「授業じゅぎょう参観さんかん日だといって、」を読んで次の問題に答えましょう。
 ○と×との組み合わせが合っているものの数字を書きなさい。 
A 絵美は、国語の教科書を読むのが得意とくいではなかった
B 亜紀あきは、絵美に「日常にちじょう」の読み方を教えたかったが声には出さなかった
1 A○ B○   2 A○ B×   3 A× B○   4 A× B×



■■7.4週は「感想文」ではなく「清書」です(ミスプリントの訂正)
 今学期の課題フォルダの7.4週の表示に、「★清書」のほかに「今週は感想文の週です。」という説明が出ていました。これはミスプリントです。7.4週は清書だけです。
 なお、8.4週と9.4週も同じ表示になっていますが、いずれも4週は清書だけです。


■■読解問題の採点が一部正しく表示されていません
 6.4週の読解問題の採点が、一部正しく表示されていないところがあります。
 現在、採点を修正中ですので、しばらくお待ちください。


■■清書の森リン点が表示されていない場合
 7月3週ごろ、言葉の森の掲示板に海外から大量のスパム投稿があり、サーバーが一時著しく遅くなっていました。そのころに、「作文の丘」から作文を投稿された方の森リン点が表示されていない場合があります。その場合は、言葉の森事務局までお知らせください。
 なお、現在、言葉の森の掲示板は、メールとパスワードで登録された人だけが投稿できるように改良しているところです。


■■7月29日(火)・30日(水)・31日(木)は休み
 7月29日(火)・30日(水)・31日(木)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。

■■第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は、読解マラソン集にある読解問題をしてください。


清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。


清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。

●朝日(あさひ)小学生新聞の投稿先
 104-8433東京都中央区築地3-5-4朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
(毎日(まいにち)小学生新聞は、作文よりも俳句を中心に掲載しているようです。) 
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。


手書き清書の送り方
 手書きの清書も作文と同じように先生に送ってください、翌月の1週の作文と一緒に返却します。
 パソコンで清書を入力した場合、手書きの清書は必ずしも先生に郵送などで送る必要はありません。 
 手書きの清書のスキャン画像を作文の丘からアップロードした場合も、先生に郵送などで送る必要はありません。


■■読解問題の答えの書き方、送り方
 清書が早く終わり時間に余裕のあるときは、読解マラソン集で読解問題をしてみましょう。
 読解問題は、小学校高学年以上の生徒が、国語の選択式問題のコツをつかむために作られています。高校生の場合は、センター試験などの選択式問題と同程度の問題です。ですから、小学校4年生以下の生徒は、無理に読解問題に取り組む必要はありません。
 問題を解く時間が取れない場合は、読解問題は省略するか最初の2問だけをやる形でも結構です。適当に全問やっても勉強にはなりません。じっくり取り組める範囲で取り組んでください。
 読解問題の答えを作文用紙に書く場合は、問題の番号と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。
 読解問題の用紙は返却しませんが、選んだ番号と正解は山のたよりに表示されます。
 読解マラソンの問題のページから答えを送信すると、その場で採点結果が表示されます。
(この場合、作文用紙に答えを書く必要はありません)
※図解の説明は、「学習の手引」の「10.読解問題と清書の仕方」をごらんください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■パソコン入力清書の送り方
 4週の清書は、手書きで清書をした場合も、そのあと、できるだけパソコンで再入力したものを「作文の丘」から送ってください。これは、作文の進歩を生徒が実感できるようにし勉強の意欲につなげていくためです。
 清書を送る場合、週は必ず「4週」を選択してください。ほかの月や週を選択すると、その月と週の作文と講評が上書きされてしまいます。感想文を清書にする人は、三文抜き書きや要約の部分は省略するか、自分の言葉に直して書くようにしてください。
 ワードなどのワープロソフトは改行の際のスペースが正しく表示されないので、いったんメモ帳などにコピーしてメモ帳の上でスペースをつけてからインターネットで送るようにしてください。
 自宅でパソコン再入力ができない場合は、先生に(有料で)パソコン入力を依頼することもできます。その場合は、手書きの清書の住所シールの余白に「入力依頼」とご記入ください。
(入力依頼の料金は1文字1円で、翌月の受講料に加算して引き落としいたします)
 パソコンからの清書の送り方は、「学習の手引」の図解を参考にしてください。わかりにくいときは事務局に直接お電話をしてお聞きください。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■グローバル化とネット化の先にあるローカルな触れ合いの教育

 これまでの社会は、機械化によってコストを削減し、豊富な商品を安価に大量に提供することを中心として発展してきました。そして、機械化しにくい人間の手間がかかる部分は、グローバル化によって安い人件費を利用する方向に進んでいました。更に、ネット化の進展は、それらの商品をハードな物材からソフトなサービスに広げる方向に進んできました。
 教育において現在行われているのは、次のようなものです。第一は、少数の有名講師の優れた授業をネットで広範に配信するサービスです(MOOCなど)。第二は、ゲームと同じぐらいに資本をかけて作り込んだ魅力のある教材をオンラインで提供するサービスです(今、googleやamazonが取り組もうとしていること)。第三は、グローバルな労働市場で最も人件費の低いところから調達した人材を使った教育サービスです(ネット英会話教室など)。
 この動きのプラスの面は、よい商品が安価に大量に世界に普及することです。しかし、それに伴って、その商品を提供する企業は、世界で数社に絞られるという寡占化の状態が生まれます。それは、ソーシャルネットワークやネットショッピングなどネットサービスの分野で既に起きていることが、教育の世界にも広がっていくということです。現在は、やがて世界の教育市場が1社か2社の巨大な企業に支配されるスタート地点にあるのです。
 しかし、もっと大きく考えれば、世の中の動きは既にその先を志向しています。
 優れた安価な商品を大量に提供する社会とは、豊かな消費の社会です。商品の価値を構成するものは、エネルギーと人間の労力と方法です。コストを削減する方向とは、エネルギーを効率よく利用するための設備に資本を投下し、機械科とグローバル化によって人件費を削減し、システムを普段に刷新する方法を開発するという方向です。
 この方向から生まれるものは、巨大な資本を有する寡占化された少数の企業、購買力の低下した多数の消費者、方法の開発に従事できる少数の知的エリートという社会です。しかし、この結果、飽和した消費によって、生産と消費のサイクルが回らなくなってきつつあるというのが今の先進国の姿です。優れた商品を安価に大量に提供する豊かな社会は、消費の側から行き詰まりつつあるのです。
 この行き詰まりを打開する道は、人間が、企業に勤めて得た給料で消費を行うという生活から抜け出て、その代わり自らがひとりの生産者となる役割を果たすようになることです。それが、今、先進国で起きているミニ起業への関心です。
 多くの人がミニ起業家として生産者となることのできる市場は、グローバルな市場ではなくローカルな市場です。また、その産業は、資本や設備を必要とする産業ではなく、つまり人件費を削減する産業ではなく、むしろ人件費を増やすことを志向する産業です。それは、地域の個性と個人の個性を生かし、その個性との交流を喜びとする個性的な消費に支えられた産業です。それが、観光、教育、文化などの産業です。
 教育に関して言えば、これからの教育は、ネット化、ゲーム化、グローバル化によって単一の市場に統合される方向が進むと同時に、その正反対の方向として、ローカル化、自給自足化、触れ合い化が進みます。
 言葉の森が、目指しているのは、この触れ合いを重視した教育です。それは、講師と生徒との対話を生かした作文指導、幼児期からの親子の交流を促す幼児作文コース、ネットでつなぐ家庭学習の寺子屋オンエア、自然と友達との触れ合いを増やす自然寺子屋合宿、作文の交流を行うプレゼン作文発表会、そして、ミニ起業としてそれらの教育サービスを提供する森林プロジェクトです。
 行き詰まりつつあるグローバル化の流れの先に、人間が自ら生産し、その生産物とサービスを、互いの交流によって消費し合うローカルな新しい市場が生まれてきます。そして、日本発のその新しい市場と産業が、これから世界に広がっていくのです。


■■小学校低学年の音読長文に、難しすぎるものがあるのはなぜか

 言葉の森の課題集の長文は、この7月から大幅に変更しました。これまでの暗唱長文と読解マラソン長文を一緒に組み込んだため、長文の中には、かなり難しいものも入るようになりました。
 低学年のお母さんから、「子供も読んで理解できないし、親でも理解できないような難しい長文を読むのはなぜか」という質問がありました。この質問は当然です。
 そこで、まずこの言葉の森のホームページの記事で、「なぜ難しすぎる長文を読ませるのか」という説明を先に書いておきたいと思います。
 読書については、子供の好きな易しい楽しいものをたくさん読むというのが基本です。自分の好きな本の多読というのが、読む力と書く力の基礎になります。
 易しい本であっても、本をたくさん読んでいる子は、文章を読むことが速くなりますし、また文章を書くときもリズム感のある滑らかな文章を書くことができます。
 難しくためになる本を少ししか読まないよりも、易しくちょっとくだらないと思われるような楽しい本をたくさん読んでいる方が、読解力も表現力もつくのです。
 しかし、読む力には、多読のほかにもう一つの読み方が必要です。それが精読です。
 その学年の子供にとっては難しい内容と表現の盛り込まれた文章をじっくり読むという読み方も必要なのです。しかし、この精読というのは、個々の単語の意味を調べて、書かれていることを逐一理解してじっくり読むということではありません。そういう勉強的な読み方をしても、時間がかかってくたびれるだけで、読む力はつきません。
 精読とは、ただ繰り返し読むことです。別の言葉で言えば、精読とは、難読の復読という読み方なのです。
 易しく楽しい多読と、難しい精読とが、読む力をつけるための読み方の両輪です。
 ところが、この難しい文章というのは、低学年には低学年なりに難しい文章があり、中学生や高校生にはそれなりに難しい文章があり、大学生や社会人になってもそれなりに難しい文章がある、というふうに果てしないものです。
 そして、大学生になって、その大学生なりに難しい文章を読める人は、考える力がつきます。しかし、ほとんどの大学生は、そういう難しい本は読みません。同じように、中学生や高校生も、その中学生や高校生なりに難しい本を読むような生徒はほとんどいません。しかし、中学生や高校生は、入試問題という手頃な難しさの文章があるので、勉強として読んでいくことができます。
 この難しい文章を読むときに大事なことは、「わからない言葉があっても、理解できないところが多くても、何しろ最後まで読んで、その文章に慣れる」という姿勢で読むことです。
 ほとんどわからない文章でも、最後まで読み切ると、必ずその人なりに理解できたという核のようなものができます。その核がたとえ小さくても、自分なりにわかったところがある、ということが大事なのです。
 (つづく)


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