言葉の森新聞2014年12月4週号 通算第1351号
文責 中根克明(森川林)
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■■【重要】海外生徒の教材は、次回からウェブ閲覧方式に
郵送を希望される場合は有料に
海外の生徒の毎学期の教材は、これまで郵送する形で行ってきました。
しかし、近年、教材が届かないというケースが増えてきました。再送してもなお届かなかったり、届いても大幅に遅れたりするケースも出てきました。
そこで、誠に申し訳ありませんが、次回4月から、海外の方の教材は、ウェブでごらんいただき各家庭でプリントしていただくような形ににしたいと思います。(1月からの教材は、郵送で既にお送りしています。)
4月からの教材で、従来のように郵送を希望される場合は、郵送の実費をいただくような形になります。再送の場合は、再送の実費もいただくようになります。
いろいろご不便をかけて申し訳ありませんが、4月からの教材のウェブ閲覧方式をご了解くださるようお願い申し上げます。
■■12月23日(火)と1月1日(木)2日(金)3日(土)は休み宿題(再掲)
12月23日(火)と1月1日(木)2日(金)3日(土)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。電話0120-22-3987)
電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。
■■新学期の教材を発送しました
新学期の教材を12月16日(月)~18日(木)に発送しました。
国内の生徒で25日になっても届かない場合はご連絡ください。
■■1月からの課題フォルダで暗唱長文の重複があった場合
昨年7月から、教材をシンプルにして、課題フォルダの中に、これまでの暗唱長文と読解マラソン長文を組み込むようにしました。
これは、いろいろな冊子があると、なにをどうやるのかわからないという声があったためです。
しかし、このために、暗唱長文が一部重複してしまうケースが出てきました。もし1月からの課題フォルダで、暗唱長文の重複などがありましたらご連絡ください。
■■暗唱長文集と読解マラソン集はウェブに掲載
教材をシンプルにするために、学期ごとにお送りする教材は、昨年7月から「課題フォルダ」だけにしています。
従来の「暗唱長文集」「読解マラソン長文集」をごらんになりたい方は、ウェブで表示してくださるようお願いいたします。
http://www.mori7.com/mine/as.php (暗唱長文集)
http://www.mori7.com/mine/dm.php (読解マラソン長文集)
■■読解マラソン長文集などの冊子郵送の今後
「暗唱長文集」「読解マラソン長文集」を従来のように冊子として送ってほしいという要望があるため、現在対応の仕方を次のように考えています。
(1)基本は、ウェブにあるものを各自で印刷してご利用ください。(ただし、これはオプション教材なので、通常の授業に必要なものではなく任意にご利用いただくものです。)
(2)冊子としての郵送を希望される方には、ウェブからお申し込みいただき、郵送実費をいただくような形にします。
(3)今後、オプション教材を増やしていく予定ですので、それらも同様にしていく予定です。
■■12月の作文送信は28日(日)までに
12月29日(月)、ホームページのデータが一斉に入れ替わります。インターネットを利用して作文を送っている方は、12月の課題を12月28日(日)までに「作文の丘」から送信してください。それ以降は正しく送信できなくなります。
■■低学年の自由課題の生徒に実行課題集を送付
小2までの作文課題は、ほとんどが「自由な題名」になっています。これは、低学年のうちは手持ちの材料が少ないので、テーマを決めると書けなくなることが多いからです。
そのかわり、低学年の課題の生徒には、1月からの実行課題集(A4で4ページ)をお送りしています。この実行課題集は、ウェブで見ることもできます。海外の方はウェブでごらんくださるようお願いいたします。
http://www.mori7.com/jk/
実行課題集を参考に、家庭で子供と一緒にいろいろな経験をし、それをもとに作文を書いていくとよいと思います。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
■朝日小学生新聞の投稿先
104-8433東京都中央区築地3-5-4朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
(毎日小学生新聞は、作文よりも俳句を中心に掲載しているようです。)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■手書き清書の送り方
手書きの清書も作文と同じように先生に送ってください、翌月の1週の作文と一緒に返却します。
パソコンで清書を入力した場合、手書きの清書は必ずしも先生に郵送などで送る必要はありません。
手書きの清書のスキャン画像を作文の丘からアップロードした場合も、先生に郵送などで送る必要はありません。
■■4週目の読解問題(小1以上)
小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。時間のある人は取り組んでください。
問題数を少なくして、問7と問8の2問だけにしたのは、じっくり解いて満点にすることが目標だからです。
問1~6も含めた全問を解きたい方は、「問題のページ」で長文と問題をごらんください。ただし、その場合も、必ず全問正解になることを目標に解いてください。
http://www.mori7.com/marason/ki.php
■■本質教育、実力教育、創造教育、文化教育(その1)
「春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。
冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。」(枕草子)
「枕草子」のような文章は、これまでは、国語という教科の中の古典の勉強として、受験勉強の一部のようなものと考えられていました。しかし、これは、受験勉強としてではなく文化の勉強として行われていくものです。
文系の人だけが勉強すればいいのではなく、日本人であれば、理系の人も含めて誰でも、日本文化の共通の教養として味わい身につけていくものです。
そのようなことを、本質教育、実力教育、創造教育、文化教育という形で述べていきたいと思います。
現在、勉強というものは、単線的にとらえられています。
小学1年生で習う漢字の書き取りや算数の四則計算という初歩の教育の発展した延長に、難度の高い受験勉強があるように思われています。
しかし、勉強の本質は、もっと複線的、多面的、重層的なものです。その重層性は、本質教育、実力教育、創造教育、文化教育という言葉で表されます。
それを樹木になぞらえると、本質教育が幹や枝、実力教育が葉、創造教育が花、そして文化教育が実と言ってもよいでしょう。根の部分は、教育の前提になる体力や健康で、それを支えるのが周囲の安定した平和な環境です。
■■本質教育
本質教育とは、勉強の基礎です。かつて読み書き算盤と呼ばれていたような、その後の教育の土台を作る国語と算数の教育です。
現在、この本質教育が、ひとつの危機に陥っています。かつての日本は、国民の経済格差が最も少ない国のひとつでした。しかし今、経済格差の拡大に伴う形で、教育の格差が広がっています。
PISAの推移を見ると、昔は、点数の分布の傾斜が緩やかで、成績の低い子でも他国に比べればそれほど低くはないという状態でした。今は、低い子は途上国の低い子よりも低いという状態になっています。
教育の現場では、少学校低学年で先生の言うことを聞けない子が増えているようです。先生の指示ができないということは、教育の前提が失われているということです。これは、先生の指導の力量の問題ではありません。ある集団に、言うことを聞けない人が何パーセントかを超えていると、その集団はもう誰によってもコントロールできないようになります。
最近は、このように先生の指示がよく聞けない子を、学習障害などというレッテルを貼って済ませている面がありますが、これは障害ではなく教育の失敗としてとらえる必要があります。
この本質教育の土台は、学校ではなく家庭にあります。家庭の教育が失敗しているのです。
しかし、それを単に親のせいにすることはできません。家庭での教育は、どの家庭でも多かれ少なかれ欠点を持っています。それは、親がたったひとりで試行錯誤の中で子育てをしなければならないからです。
(つづく)
※つづきは、言葉の森のホームページに掲載しています。 http://www.mori7.com/
■■受験直前でも国語の成績は上げられる(つづき)
■国語の勉強法(その1)(つづき)
【前号まで】
国語の力をつけることは、実は難しくありません。しかし、学習塾などで授業として行うような形の勉強には向いていません。国語は主として家庭学習の中で力をつけていくものです。言葉の森でも、国語の勉強を直接教えるわけではありません。しかし、勉強の方向は自習という形でアドバイスをしています。このアドバイスを実行した子は確実に力がついてきます。(つづく)
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これまで聞いた話では、小6のときに教科の中でいちばん苦手だった国語が、中学3年生になるころにはいちばんの得意科目になっていたという生徒がいます。また、どうしても国語の成績が伸びなかった小6の生徒が、アドバイスのとおりに勉強をすると、受験の後半で国語の成績だけが伸びたという話がありました。また、高校生で国語の成績がいちばん悪かった生徒がアドバイスのとおりに勉強をしたら、一挙にトップクラスの成績になったという話がありました。もともと国語の好きだった高校3年生の生徒の場合は、大学入試でも国語だけは常にほぼ満点近い成績を取れるので、勉強全体に余裕がありました。
では、それはどういうアドバイスだったかというと、まず第一は、難しい文章を繰り返し読むことでした。
この反対の勉強法が、易しい文章を読むこと、問題を解くこと、です。
ついでに言うと、最も悪い勉強法が、易しい文章を繰り返し読むことです。その典型的な例が漫画やテレビを繰り返し読んだり見たりすることです。(笑)漫画やテレビそのものが悪いのではありません。よくないのは、それを繰り返し読んだり見たりすることで、その一方で漫画やテレビ以外にまともに読んでいるものがないことです。
難しい文章を繰り返し読む際の教材でいちばんよいものが、過去の入試問題です。学習塾によっては、過去問を受験直前にやって実力の判定に使うというところがあります。受験生や親自身も、過去問はそういう使い方をするものだと勘違いしている人がかなりいます。しかし、それは過去問のいちばんもったいない使い方です。過去問は受験勉強のスタートのときから、勉強の中心の教材として使うものです。特に、国語という教科は学年の差がないので、いつからでも使うことができます。
市販の問題集よりも過去問の方がいいのは、作られている問題の質が違うからです。国語の問題は、解釈によって正解と不正解の幅があります。だから、入試問題の場合は正解が一つに限定されるように、細部まで緻密に作られます。その結果、理詰めで考えることのできる良問が多くなるのです。
(つづく)
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