言葉の森新聞2019年11月3週号 通算第1587号
文責 中根克明(森川林)
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■■11月23日(土)は、休み宿題
11月23日(土)は、休み宿題です。
先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日9時~19時50分、土曜9時~11時)
電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
■■創造的な教育文化が日本を発展させる(前号からのつづき)
これまでの工業生産では、物を作る人と使う人が分離していたので、売る人が高く売りたいと思っても、買う人は安く買いたいと思うのが普通でした。
そして、供給の競争が激しくなるにつれて、物は次第に低廉化していきました。
しかし、文化産業においては、買う人が売る人にも成長していく可能性があるので、「もの」は高く買うことができます。
そして、売るものは文化で、個性に応じてさまざまに多様化していくものですから、供給は過剰になるということがありません。
今の茶道や華道のような完成された文化は、裾野が広いと同時に、頂上が狭く限られているために、教わる人がそのまま教える人になるという可能性は、あるとしてもかなり少ないものです。
しかし、これからの新しく生まれる多様な文化産業においては、裾野は狭いものの頂上はそれに比べてゆとりがあるので、教わる人がそのまま教える人に成長する可能性は高くなります。
そして、インターネットの世界では、裾野はロングテールとして広がっていきます。
かつての茶道や華道の文化では、その場所に来られる人しかその文化を学ぶことができませんでしたが、オンラインの世界では、地球の果てからでも学びに来る人がいます。
多様な文化と広い裾野、そして、その文化を教える個性的な教育。これが未来の教育文化産業として日本のGDPを発展させていく道なのです、
工業製品の時代には、意図的なスクラップ化が行われました。
しかし、文化産業の時代に行われるのは、スクラップ化ではなく高度化です。
「道」の文化を目指す高度化を進めるために,教える側は、日々精進しなければなりません。
教わる人が、数ヶ月学んで満足するような講座では、「道」の文化にならないからです。
スクラップ化は、GDPを引き上げるために資源を浪費し環境を破壊する面を持ちました。
それに対して、高度化がGDPを引き上げる道は、より高度な教育とより高額な価格ですから、資源にも環境にも影響を及ぼすことなく経済だけを豊かにすることができます。
さて、では、この新しい教育文化産業は、どこで生まれるのでしょうか。
私は、それを森オンラインのような少人数のオンライン学習で、創造発表クラスのような個性と創造性を学習の中心とした教育で行っていきたいと思っています。
子供たちはさまざまな個性を持っています。
その個性を育て発揮させるお母さんが、教える側の先生になり、個性的な教育を行っていくようになるのです。
やがて、お母さんではなく、子供自身が教える側に成長するかもしれません。
しかし、それは先の話ですから、当面は、今の子供とお母さんが、学ぶと同時に教える力もつけ、新しい個性的な学習文化を作っていきます。
ところで、個性を生かした創造的な学習は、今後の教育の土台ですが、それだけでは不十分です。
個性と創造の土台の上に、読み書き考えるという本質的な学力があり、更にその上に、英語・数学・理科・社会のような現実的に学ぶ必要のある学力があります。
そして、また読み書き考えるという学力の左右には、さまざまな経験と、さまざまな実行があります。
この「現実の学力」を自主学習クラスで、「読み書き考える力」を作文読解クラスで、「個性と創造」を創造発表クラスで行い、「経験」を合宿教育で行い、実行は本人に任せ、教える先生は森林プロジェクトで募集するという計画を考えています。
■■なかなか上達しない、そして、モチベーションが低いという相談
先日小学3年生の生徒のお父さんから相談のメールがありました。
子供が長い間作文の勉強をしているのになかなか上達しているようには見えない、そして、モチベーションが低く作文を書く気が見られない、というのです。
この「なかなか上達しない」、そして、「モチベーションが低い」ということの原因は、これまで何度も書いているようにほとんどの場合たったふたつだけです。
それは、親が子供の作文をあまり褒めていないこと、毎日の自習をあまりしていないことです。
逆に言えば、毎日の長文の音読と読書を続け、子供の書いた作文を無条件に褒め、音読も無条件に褒めていれば、だれでも必ず上達します。
もちろん、作文力の上達は、他の教科の勉強と違いかなり時間がかかります。
それは、読む力をつける勉強も同じです。
読む力、書く力、考える力は、知識の力ではなく、どちらかと言えば運動系の力なので、長い期間の練習が必要です。
その長い期間の勉強をするために、褒め続けることが必要なのです。
子供の作文を見ると、誰でも欠点がすぐに目につきます。
最初のうちは、親も我慢して褒めると思いますが、やがて褒めることに飽きて、間違っているところやおかしいところの注意を始めるようになる人が多いのです。
作文は、欠点を直して上手になる勉強ではありません。
では、決定は直さくていいのかといえば、直さなくていいのです。
そのかわり、読む力をつける毎日の長文の音読と読書に力を入れていくのです。
読む力のついた子は、書き方の注意をされたときでも一瞬で直ります。
読む力のないうちは、同じ注意を何度されても直りません。
そして、注意を受けるたびに書くことが苦手になっていくのです。
もちろん、もう少し短期間で作文を上手に書かせるコツもあります。
それは、親が似た話をしてあげるなどして書くことを準備してくることです。
言葉の森でも、最初は全く書けないような子が、短期間で上手に書けるようになることがあります。
そこに共通しているのは、予習シートをしっかり書き、お父さんお母さんにいつも似た話を取材してくることです。
お父さんお母さんに似た話を取材してくるくらいですから、子供が書いた作文は、親も関心を持って読むようになります。
そして、子供が書いたものを自然に褒めるようになるのです。
この、褒めることと、音読と読書の自習をすること、書くことの準備をしていることだけが、作文の上達で重要なことなのです。
■■最強の勉強法、自主学習クラスの新しい学習システム
オーバーな表現ですが、最強の勉強法というのにはちゃんとした裏付けがあるのです。
成績が、比較的よい方とは言っても普通だった生徒が、自主学習で勉強をしてからぐんぐん実力をつけていくというケースが、小学生でも、中学生でも、高校生でも、更には大学生でも同じようにあったからです。
もし、それらの生徒が、学習塾や予備校に行って先生の話を聞いて勉強をするようなやり方で学習していたら、成績はそこそこにしか上がらなかったはずです。
家庭教師に教えてもらうのであれば、教師の教え方によってかなり差がありますが、ほとんどの先生は、やはり学習塾と同じだったはずです。
その理由は、勉強が先生のペースで教えられるからです。
小学1、2年生であれば、先生が教える形で全く問題がありません。むしろ、勉強の内容は誰も同じ基本的なことですから、その方が能率のよい勉強ができます。
しかし、子供が小学3、4年生になるころから、得意と苦手の差が出てきます。
小学5、6年生になると、その差は更にはっきりしてきます。
すると、先生が先生のペースで教えるよりも、生徒が生徒のペースで勉強した方がずっと能率がよくなるのです。
学習塾などで行う勉強のもう一つの弱点は、その授業時間が終わると、生徒が勉強が終わった気分になってしまうことです。
1時間なら1時間教えてもらうと、その日の勉強はもう終わりです。
時間の枠組があるので、その枠組までは確実に勉強の時間が確保できます。
しかし、それは、その枠組を超えて勉強する必要がないと思ってしまうことにつながるのです。
だから、塾も学校も宿題を出します。
すると、子供はその宿題も、新しい枠組として勉強しますが、その宿題が終わればそれ以上何もすることがないということになるのです。
宿題があると、子供は確かに勉強をします。
親も、「宿題をやりなさい」と言うのは簡単です。
しかし、宿題に頼る勉強をしていると、宿題がないときは勉強しなくていいとなってしまいます。
だから、勉強は他人に頼ってやるものではないのです。
しかし、自分のペースで勉強するのは、何をどうやるのか方向を見つけるのが難しいというのも事実です。
その方向を試行錯誤しながら自分の力で進めることができるのは、やはり高校生になってからです。
しかし、小中学生でも、方向のアドバイスをしてあげて、子供が自分のペースで勉強する仕組みを作れば、それが最もよい勉強の仕方になるのです。
自主学習クラスは、以上のような意図のもとで行っています。
従来の勉強法とは全く違うやり方ですから、教える側にもいろいろな試行錯誤がありました。
いちばん能率がよいのは、生徒が自分で勉強し、先生があとでそれをチェックすることなのですが、先生がつい教えたくなってしまうのです。
また、生徒どうしの緩やかな交流は必要ですが、その交流の時間が長くなると、自分で勉強することが後回しになります。
これらの問題は、Zoomのブレークアウトセッションを利用すれば、うまく解決できることがわかりました。
少し細かい話になりますが、生徒全員がブレークアウトルーム1という部屋で勉強している間に、先生が一人ずつブレークアウトルーム2に呼んで、個別の話をするのです。
また、先生がそれぞれの生徒と行う個別の話を充実させるためには、生徒があらかじめ学習の予定を入れておく必要があります。
先生は、その予定の記録を見て、その生徒がそれまでにやった勉強内容の中から重要なところをチェックするのです。
先生が生徒の勉強内容をチェックするためには、生徒と先生が同じ教材を持っていなければなりません。
その仕組みももちろん作りました。
2020年の教育改革で教材は大きく変わりますが、それにもすぐに対応できる体制を作りました。
自主学習クラスの学習内容は、第一に自分ひとりでは勉強しにくい国語です。第二に学年が上がるにつれて差がつきやすくなる算数数学です。
この国語、算数が基本ですが、勉強の仕方は同じですから、英語も理科も社会もプログラミングもすべて同じやり方で学習することができます。
だから、オンラインクラスで毎日勉強するようになれば、学校に行かなくてもいいぐらいです(笑)。
これは冗談ではなく、たぶん将来は、学校はリアルな交流のために行く場所になり、勉強は家庭で、又は複数の家庭が合同で行うようになると思います。
子供たちの中には、ノーパソを持って近くの公園に行き、木陰で勉強するような子も出てくるでしょう。
青空オンライン教室です。
そして、オンラインで一緒に勉強する相手は、近所にいる子だけでなく、東南アジアにいる日本の子供たちということにもなるのです。(時差の関係で、アメリカにいる子供たちと一緒に勉強するには、日本は朝になります。)
現在、オンラインの自主学習クラスの無料体験学習を募集しています。
当面、重点的に募集するクラスは、月曜日から金曜日の19:00~1945のクラスですが、ほかの曜日・時間のクラスももちろんあります。
今回募集するクラスの対象学年は、主に小学4、5年生で、しっかり勉強するつもりでいることが条件です。(つもりでいいです。)
今回募集するクラスの中心になるコースは、公立中高一貫校対策全科コースですが、個別指導がメインなので、学年の違う生徒や目的の違う生徒が入ってもかまいません。
ただし、学年や目的があまり違うと全体の交流があまりできないので、当面は他学年、多目的のクラスであっても、生徒の増加によって学年別、目的別のクラスに随時分けていくようになります。
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