言葉の森新聞2019年11月4週号 通算第1588号
文責 中根克明(森川林)
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■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
■小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■4週目の読解問題(小1以上)
小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。
時間のある人は取り組んでください。
言葉の森ホームページの「読解マラソン」のページには、全8問の問題とそれに対応した長文がありますが、課題フォルダには問題数をしぼり、問7と問8の2問だけ掲載しています。
これは、この2問をじっくり解いて満点にすることが目標だからです。
問1~6も含めた全問を解きたい方は、読解マラソンの「問題のページ」で他の長文と問題をごらんください。
ただしその場合も、当てずっぽうで解くのではなく、必ず全問正解になることを目標に解くようにしてください。
http://www.mori7.com/marason/ki.php
■■11月29日、30日は休み
11月29日(金)、30日(土)は、第5週のためお休みです。
先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。
■■創造発表クラスの体験募集――未来の社会とこれからの教育
物事を大きく考えると、遠い将来か近い将来かは別としていずれ入試制度というものはなくなります。
今、2020年の教育改革に向けて記述力重視という方向で改革が進められていますが、これは全く小手先のもので、客観的な評価が難しいということ以上に大きな問題は、120字程度の記述試験では、高校生が少し練習をすれば誰でも合格点を取れるような文章が書けてしまうことにあります。
また英語の四技能の評価も、やがて無意味なものになります。
AIの利用による自動翻訳が進めば、「読む」「聞く」「書く」「話す」いずれの能力も、携帯でカバーできるようになる未来が考えられるからです。
堀江貴文さんは、ある番組の中で、「センター試験で何が悪い。よくできている」と言っていました。
これは私も同意見で、旧来の教育に関しては、センター試験はよく作られたものだったと思います。
このセンター試験の限界を克服するものとして出されているのが現在の教育改革ですが、もともと古い教育体制にもとづいて出されている改革でですから、小手先の改革ではかえって完成度の高いセンター試験よりも劣った試験にならざるを得ないのです。
では、これまでの古い教育体制を超えた、その先にあるものは何かというとそれは入試というものがない教育なのです。
なぜ、入試のない教育が可能かというと、オンラインの教育であれば、生徒が自由に自分の好きな授業を聞き、自由に勉強し発表するような教育が主流になるからです。
リアルな教育は、行事のようなものだけになります。
このようなオンラインの教育においては、定員制というものがないので、入試をする必要はありません。
そして、互いの発表の中で、次第に同じ興味を持った生徒たちや同じレベルの生徒どうしが集まり、コミュニティを作り、切磋琢磨をするというような教育がこれから生まれてくるのです。
このときに価値ある学力は、答えのある勉強で他の人よりも何点か多い点数を取るというようなこれまでの学力の延長にあるものではありません。
それは、センター試験でも、記述力重視の試験でも同じです。
未来の教育において、最も価値あるものは創造力という学力なのです。
この大きな見取り図が、これからの教育を考える際の重要な前提になります。
しかし、そういう大きな話が信じられない人は、それでもかまいません。
もっと身近なところで言えば、これからの社会に出て活躍できるのは、AIに代替されるような受験学力の優れた人ではなく、個性がありその個性で世の中に影響を与えられるほどの実力を持った人です。
個性だけでは不十分です。
人と違っているというだけでは、誰でも最初から多かれ少なかれ違っているからです。
違っていることが、ほかの人から一目置かれ、その違いによってその個性の分野で第一人者になっているというような創造力のある個性が必要になるのです。
では、そのような個性と創造力を子供時代から育てるためにはどうしたらよいかというと、それは三つあります。
第一に、創造に価値があるという考え方をすることです。
上手にできた人真似より、下手でもいいから自分流がよいという価値観を持つ必要があります。
これまでの教育では、自分で考えて×になるより手本どおりにやって○になった方が勝ちという考えがあったので、これまでとは正反対になるということです。
第二は、個性を学問として追求していくことです。
子供であれば、自分の好きな勉強という方向で個性を発揮することです。
なぜなら勉強(学問)の世界は、無限に広がっているからです。
第三に、その個性を発表する場があることです。
個性は、他の人との関わりの中で磨かれていくからです。
その発表する場の一つが、創造発表クラスです。
この創造発表クラスで面白い研究を発表し合う子供たちが、知的な友達になるというのが、これからの理想的な教育のイメージです。
よい学校に進む利点は、よい友達に出会う可能性が高いということだと思います。
しかし、今の学校教育体制そのものが行き詰まりつつある中で、受験秀才の中によい友達がいるかというとそういうことは必ずしも言えません。
優れた個性を持つ面白い友達は、特定の学校にはいないと考える方が自然です。
だとすれば、オンラインで小学生のころから個性的創造的な発表を通して一生付き合える友達を作っていくことが、未来の教育の一つの理想の姿になってくると思います。
この大きな構想のもとで、言葉の森では創造発表クラスを運営しています。
創造発表クラスは、これまでは、小学中学年以上にならないと、なかなか自分の力で発表する研究はできないところがありました。
しかし、今度、小学1年生からでも創造的な発表ができるようなせいかつ文化コースを作りました。
低学年のうちから創造的な発表という面白い勉強に慣れ、それを小学校中学年高学年に進むにつれてより学問的なレベルにまで高め、それとともに、そこで出会うほかの子供たちと理想の友達関係を作っていけるとよいと思います。
せいかつ文化コースは、月曜から金曜の18時から18時45分です。
このコースは、小学校低学年の人を中心に募集しますが、他の創造発表クラスでは小学校中学年や高学年の生徒も募集しています。
せいかつ文化コースの体験学習を希望される方は、下記のフォームからお申し込みください。
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せいかつ文化コース以外の創造発表クラスの体験学習は、下記のフォームからお申し込みください。
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■■作文読解クラスの体験学習募集――作文は、書く力の前に考える力をつけることが大切
作文というものには、三つのステージがあります。
一つは読む力、もう一つは考える力、そして、最後に書く力です。
作文の勉強というと、多くの人はこの書くところだけで考えます。
だから、作文の指導というのは、書いた結果である作文を添削することに重点が置かれてしまいます。
添削で直るのは、書く力の中でも表記を正しく書くという書き方の部分ですから、添削によって大罪が増えたり主題が深まったりすることは期待できません。
だから、作文の勉強は、書く力をつけるという勉強の前に、読む力、考える力をつける必要があるのです。
書く力が直接現れるのは、誤字のない、正しい表記を、必要な字数で、ある時間内に書くという場合です。
これは練習を重ねることによって誰でも身についていきます。
この書く力以上に大事なのが読む力です。
読む力というのは感想文に限らず、題名課題の作文の場合でも当てはまります。
例えば、「私の友達」という題名が出されたときに、その人が持っている友達の経験、読んだ友達についての文章、他の人に聞いた友達に関する話などが、これまでの読む力になっています。
読む力という材料がなければ、よい作文は書けません。
逆に、友達というものに関する材料が豊富にあれば、それだけでその作文は半ば書けたことになるのです。
この読む力と書く力は違うという例はわかりやすいと思いますが、もう一つ大事なことは、考える力と書く力も違うということです。
作文というものは、その性質上、一次元的な方向で書かれていきます。
ところが、考えることは、ある考えから別の考えに飛躍したり、また他のことを突然考えたりというような二次元的な広がりで進んでいきます。
この一次元的な書くことと、二次元的な考えることの違いがあるにもかかわらず、ほとんどの人が考える過程を書く過程と一緒に行います。
そのために、書くことによる一次元的な制約が、考えの二次元的な広がりを妨げる場合があるのです。
考える力をつける二次元的な広がりをもつ勉強は、構造図を書くことです。
構想図を書くことに慣れない人のために、言葉の森では、題名課題に入る小3から6まで、 予習シートというものを渡しています。
この構想図又は予習シート書く中で考えを深めるところが、作文の勉強で一番重要なところなのです。
では、考えるとはどういうことかというと、それはその人が持っているさまざまな材料を構成する力です。
材料の幅が広いほど、構成する力が必要になってきます。
例えば、異なる意見AとBあり、両方を材料として使うとすれば、その両方をつなぐ考えを創造しなければなりません。
これが考える力のもとなのです。
考える力を伸ばすためには、異なる材料を仕入れておくことが大切です。
それは、読む力として身につけていく面もありますが、作文の場合はすでに一つのテーマが決まっていてそれに対して読む力をつけるということですから、対話とか他の人の発表を聞くとかそういう勉強が役に立ちます。
この考える力を作文指導の中に生かすのが、友達どうしの発表と交流です。
作文を書く前に自分が予習してきたことを発表するという機会があれば、発表するために事前に自分なりに考えたり家族に取材をしたりする必要が出てきます。
すると、その分材料が豊富になり、考える力が必要になってきます。
また、予習の発表で同学年の生徒が同じテーマについて予習してきたことを発表すれば、それは他の人の異なる材料や意見を知るという機会になりますから、ここでもまた自分の考えがふくらんできます。
この予習の発表を作文の勉強の中心にしていくために、少人数のオンラインクラスがあります。
先生と生徒の個別の作文指導では、先生との対話の中で話が広がりますが、少人数クラスの中ではそれに加えて友達どうしの対話の中で考えが深まります。
この少人数のオンラインクラスの作文という勉強が、これからの作文学習の中心になっていきます。
個別指導で事後的な添削が中心になりがちな従来の作文の勉強ではなく、事前の予習を互いに発表しあうことで考えを深めるという新しい作文の教育がこれから広がっていくのです。
オンライン作文のプレ受験作コースの体験学習を募集しています。
プレ受験コースは、小学4、5年生の受検作文を目指す人がが中心で、月曜から金曜の17時から1時45分のクラスで行います。
また、このほかに、小中学生のオンライン作文クラスも募集しています。
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