言葉の森新聞2019年12月4週号 通算第1592号
文責 中根克明(森川林)

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■■12月30日(月)、31日(火)は休み
 12月30日(月)、31日(火)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。

■■1月1日~7日、13日は休み宿題
 1月1日(火)から7日(月)までは、休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。年末は28日まで。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。

 また、1月第2週の13日(月)も、成人の日の祝日となり、お休みです。
 カレンダーの関係で、月曜日はお休み宿題の日が長く続いてしまいますが、よろしくお願いいたします。


■■第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。


清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
 内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。

 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。


清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。

 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。


小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。


■■4週目の読解問題(小1以上)
 小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。
 時間のある人は取り組んでください。
 言葉の森ホームページの「読解マラソン」のページには、全8問の問題とそれに対応した長文がありますが、課題フォルダには問題数をしぼり、問7と問8の2問だけ掲載しています。
 これは、この2問をじっくり解いて満点にすることが目標だからです。
 問1~6も含めた全問を解きたい方は、読解マラソンの「問題のページ」で他の長文と問題をごらんください。
 ただしその場合も、当てずっぽうで解くのではなく、必ず全問正解になることを目標に解くようにしてください。
http://www.mori7.com/marason/ki.php


■■新しいオンライン教育――人間の触れ合いのあるオンラインがリアルな教育を超える
 オンラインクラスの教育は、単なる通信指導よりも、さらには個別電話指導よりも、また逆に教室での通学指導よりも、大きな可能性を持っています。

 ここでオンラインクラスの教育とは、ほかの教育機関がやっているようなビデオのオンラインやマンツーマンのオンラインではありません。
 そういう一斉指導のオンラインや、個別指導のオンラインは、リアルな教室でも同じようにできることですから、特にオンラインでやるメリットというものはありません。

 従来のオンラインのメリットと言われるものは、場所が離れていても参加できるということと、一斉指導の場合は優れたビデオ教材を見られるというメリットで、それはそれでいいことですが、それだけのことでしかありません。

 新しいオンライン教育とは、少人数で生徒どうしの交流があることと、先生と生徒の双方向のやりとりがあることが重要な条件になっているオンラインです。
 なぜかというと、子供の教育は、一定の人間関係の中で行われるからこそ、学習面も含めたトータルな成長に結びつけることができるからです。

 人間関係の中には、学習内容以外のことも入ってきます。
 例えば、人前で発表するとか、その発表に質問を言うとか、その質問の仕方とか、その質問に対する回答の仕方とかいうようなことが学習内容以外のことです。
 そのやりとりの中で、気の合う人も出てくれば、あまり気の合わない人も出てくるでしょう。
 また、同じことを言うのにも、人によってさまざまな個性があるということにも気がつくでしょう。

 そういうリアルな人間関係は、学習にとっての夾雑物なのではなく、むしろ学習をより豊かにしていく可能性を持つものです。
 ただし、その可能性は、逆に働くこともあります。
 例えば、話の合う子供どうしが集まったクラスは盛り上がりますが、話のあまり合わない子供どうしが集まると、そのクラスは活気が出てきません。しかし、その場合でも、何かの拍子に活発なやりとりができるようになることもあります。
 こういう、さまざまな人間関係があることが、子供の教育にとっては大事で、それが同時に学習の意欲につながっていくのです。

 優れたビデオ教材を見るだけでは、学習の意欲というものは出てきません。
 それは、カラフルな通信教材が届くだけでは、学習の意欲が出てこないのと同じです。
 人間の意欲は、人間関係のやりとりの中で出てくるからです。

 電話による個別指導も、先生と生徒の人間関係の中で行われるからこそ、子供が意欲的に取り組むようになります。
 しかし、電話指導は、先生と生徒の1対1であることと、10分間の電話指導のあとは本人任せになってしまうという弱点があります。

 その弱点を克服し、先生と生徒の間だけでなく生徒どうしのやりとりがあり、10分間ではなく45分間の授業があるオンラインクラスが、今後の教育の新しいスタイルになってくるのです。

 オンラインクラスは、運営の仕方によっては、リアルな通学のクラスよりも優れた教育ができます。
 それは、生徒が増えれば増えるほど、同学年の同レベルの生徒が集まるクラスを作ることができるようになるからです。

 ただし、残念ながら、言葉の森のオンラインクラスはまだそこまでは行っていません。
 一部に、そういうクラスはありますが、クラスによっては学年やレベルの違う生徒が一緒に勉強する形になっています。

 もちろん、言葉の森の通学の作文教室も、小学生の横に高校生がいて勉強するようなスタイルでずっとやってきて、それで高校生は、東大、早稲田、慶應に合格するような成果を上げてきましたから、学年が混在することはそれほど根本的な問題ではありません。
 しかし、できるのであれば、同学年同レベルの生徒のやりとりの中で勉強できるクラスを増やしていきたいと思っています。

 このオンラインクラスの運営は、大手の学習塾ではなかなかできません。
 それは、オンラインの少人数クラスがいくつもある中で、生徒の欠席に伴う急な振替授業や、先生の急な休講代講などの対応ができないからです。
 急な休講とは、授業の直前に、先生から急に「授業ができなくなった」という連絡を受けるような場合です(笑)。それはパソコンの故障とか、子供の怪我とかいろいろな場合があるからです。
 言葉の森がその対応ができるのは、先生どうしの連携があるからです。

 言葉の森がこれから目指す教育の大きな方向は、三つあります。
 第一は、オンラインの少人数作文クラスです。
 第二は、やはりオンラインの創造発表クラスです。
 第三は、同じくオンラインの自主学習クラスです。


■■発表と質問感想で勉強が進むオンラインの作文クラス――新しいオンライン教育2
 オンラインの作文クラスは、少人数の生徒が全員が参加できる形で作文の予習の発表をし、オンラインで作文の実習をし、併せて先生が個別指導も行うクラスです。

 発表の時間や質問感想の時間もあるので、個別指導の時間は電話指導のときよりも短くなりますが、事前指導は動画で見てもらうようにして、事後の添削講評の話だけをするので、それほど時間はかかりません。

 通常の電話指導の場合は、事前指導の時間が長くなりますが、その事前指導のほとんどは課題の説明になるので、それは動画で見てもらった方が合理的なのです。

 大事なのは、事前の予習です。
 あらかじめ課題を見て似た話を考え、両親に取材し、材料を準備してきます。
 その準備を発表するのが予習の発表です。

 予習の発表の時間は、1人2分です。
 その予習の発表のあと、ほかの人からの質問や感想を聞きます。
 質問や感想を言うためには、それぞれの予習の発表をよく聞いていなければなりません。
 これが、聞き取る力を育てることに役立っていると思います。

 中高生になると文章力のある生徒は、特に準備をしなくても、課題のヒントを読み、そのヒントに沿って作文を書いてしまいますが、それでは本当の力はつきません。
 予習を発表するとなると、ただヒントを見ただけでは、自分のオリジナルな話はできませんから、どうしても、自分なりに解釈した話や集めた材料を準備してくることになります。
 その準備の段階で力がつくのです。

 オンラインの作文では、45分間の時間がありますから、その時間の中で15分程度の作文実習の時間が取れます。
 通常の電話指導だと、先生の電話説明のあと、一休みしてあとで作文を書こうという生徒も出てきます。いったんこういう習慣がついてしまうと、作文を書くというのは負担の大きい勉強なので後回しにすることが常態化してきます。
 リアルな教室で作文を書くように、その場で書くということが大事なのです。

 作文の実習を全員が一斉にしている間、先生が一人ひとりの生徒を別の部屋(Zoom会議室の別の部屋でブレークアウトルームと言います)に呼んで、前回の作文の講評を話します。

 全員の個別指導が終わると、作文の実習はいったん中断して、全員の読書紹介を行います。
 読書紹介も、持ち時間は1人2分です。
 低中学年の生徒は、その本でいちばん面白かったところを中心に話してもらいます。あらすじまで話すと、話が長くなってしまうからです。
 しかし、高学年の生徒の中には、短い時間でうまく全体の内容まで説明する子もいます。

 この読書紹介のあとも、質問と感想を話してもらいます。
 ここで、「同じ本を読んだことがある」とか、「その本を読みたい」とかいう話がよく出てきます。
 ほかの人の読んでいる本に刺激を受けて、自分も同じ本を読んだということもときどきあります。

 子供の読書習慣をつけるために、有料の習い事があるようですが、読書好きの子はたぶんそういうところには行きません。
 自分が本を読むのが楽しいから読んでいるだけで、わざわざ本を読むために何かのイベントに参加するということはしないからです。
 読書好きな子にとっていちばんいいのは、手軽にできる読書紹介と質問感想です。

 作文クラスは、電話通信のクラスもオンラインのクラスも、4週目には読解問題が2問できるようになっています。

 また、4週目の清書をパソコンで入力すると、自動採点ソフトによる「森リン」の点数が出ます。
 小学6年生以上、中学生、高校生になると、この森リンの点数が勉強のひとつの目標になってきます。

                                      <<え2009/216み>>





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