言葉の森新聞2022年9月4週号 通算第1724号
文責 中根克明(森川林)
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■■新学期の教材を発送しました
9月20日~21日、国内の生徒さんに新学期の教材を発送しました。
27日になっても届かない場合はご連絡ください。
受験コースの課題フォルダは、今月末までに発送します。
■■9月29日(木)・30日(金)は休み
9月29日(木)・30日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
■■総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る
●https://youtu.be/eMFu8MIhWr4
総合学力クラスの勉強を教えていて、気が付いたことがあります。
これは、他の国語読解、算数数学、英語などのクラスでも同様です。
それは、家庭学習を毎日していて、週1回の授業のときは、その延長で参加している子と、家庭学習をほとんどしていずに、週1回の授業に出ることが勉強だと思っている子の違いです。
小学1年生から4年生までの勉強は、難しいところはほとんどありません。
大人が見れば、すぐに答えられるようなことばかりです。
だから、この時期は特に、家庭で毎日勉強する習慣をつけることが大事なのです。
子供が勉強した結果を、親があとで見て、本当に理解できているかどうかを、いくつか質問してあげればいいのです。
もし、子供がうまく答えられないときは、軽く教えてあげます。
決して、その場で理解させようと思って、重く教えないことが大事です。
理解というものは、時間のかかるものです。大人から見てどんなに簡単に見えることであっても、初めてそのことを知る子供にとっては、理解するまでに時間がかかります。
だから、軽く教えて、また別の日にも軽く教えてと、何度も同じことを軽く教えているうちに、理解できるようになります。理解には時間がかかるのです。
そのような家庭学習を、どの教材でやるのかは、迷うところです。
その場合、市販の教材にもいいものはたくさんありますが、塾専用の教材を使った方が安心できます。
学年と難易度に応じて1冊の問題集を決め、それを毎日の家庭学習でやっていけばいいのです。
家庭での学習は、決して長くやらないことが大事です。親がものたりないと思うぐらいの時間がちょうどいいのです。
勉強時間を長くとれば、子供の学習は進みます。
しかし、低学年のときに親のペースで勉強させられた子は、学年が上がり、小学4年生ぐらいになると、親の指示に従わなくなることがあります。
自分の意思で勉強しなければならない時期に、勉強に飽きてしまうことがあるのです。
だから、低学年の勉強は、できるだけ子供の意思を尊重して、子供のペースでやっていく必要があります。
ときどき、子供は、「面白いから、もっとやる」と言うことがあります。
このとき、親は、それを止めさせた方がいいのです。勉強だから、長くやる分にはかまわないと思って、子供の希望のとおりにやらせると、その勉強にやがて飽きてしまうからです。
これは、ペットのしつけをするときと似ています。
犬に面白いおもちゃを与えると、夢中になって遊ぶことがあります。
それをそのままずっと、犬が満足仕切るまで遊ばせておくと、やがてそのおもちゃには興味を示さなくなります。
大事なことは、やりすぎてはいけないということなのです。
こういう家庭学習のコツは、お父さん、お母さんが、自分自身も家庭学習をしていた経験があればわかります。
しかし、今のお父さん、お母さんは、塾に通って勉強していた人が多いので、家庭で自分のペースでやるということが今ひとつよくわからないということがあります。
塾に行くと、宿題を出してくれるところがあります。というか、宿題を出す塾がほとんどです。
すると、その宿題をこなすことが、家庭での勉強になります。
これは、学校の宿題でも同じです。宿題があるから勉強をする、宿題がないから勉強しないという家庭が意外と多いのです。
2014年、千代田区立麹町中の校長になった工藤勇一氏は、着任2年目に夏休みの宿題ゼロを打ち出し、以後は段階的に減らして、4年目に宿題を全廃しました。
宿題は、提出することが目的になってしまうと考えたからです。
そして、定期テストを廃止し、固定担任制を廃止し、行事を生徒主体にすることで、それまで無気力だった子供たちが、主体的に学習や行事に参加するようになりました。(「致知」10月号)
塾の宿題にしても、学校の宿題にしても、出される宿題は全員一律です。
その宿題が必要でない子がほどんどだからです。
そして、その宿題をこなすことが、学習の目的になります。これは勉強というよりも、単なる作業です。
勉強は、自分のペースでやるものであって、学校や塾から言われたことをそのままやるものではありません。
だから、あくまでも家庭学習が基本です。
その家庭学習のきっかけとして、学校や塾があるのです。
それをどう生かしていったらいいかは、次回に。
■■総合学力クラスの勉強(2)――国語の勉強法
●https://youtu.be/iItWEmMi-08
オンライン4人クラスの授業を、どう家庭学習に生かしていくかということについて説明します。
家庭学習を主に親がコントロールできるのは、小学1年生から3年生ぐらいまでです。
だから、この時期に、家庭学習の習慣をしっかりつけておくことが大事です。
総合学力クラスの国語の家庭学習は、問題集読書の音読です。
毎日2ページから5ページぐらいを目安に、問題集の問題文を音読します。
ページの途中で文章が切れて、次のページに行っている場合は、その切れているところで止めてかまいません。
人間の頭は、途中までしか読んでいない文章の続きを翌日読むことになっても、頭の中で前の文章と後の文章をつなげることができるからです。
もちろん、最後まで読みたいという場合は、次のページまで読んでもかまいません。
しかし、自習で大事なのは、やることがはっきり決まっていることですから、その日の文章の長さによってやることがまちまちになるよりも、決めたページ数まで読むとしておいた方がいいのです。
音読については、近くで保護者がその音読を聞くことがあった場合、決して注意しないことが大事です。
子供の音読を聞いていると、ほぼ百パーセント、親は何かひとこと言いたくなります。
しかし、注意をすると、音読は上手になりません。
ときどき、「読み間違いがあっても注意しないのですか」と聞かれますが、私は、いつも、「そうです」と答えています。
注意するかしないかということよりも、親が注意しようとする姿勢で聞いていることに問題があるからです。
親は、いつも笑顔で子供の音読を聞いていて、子供が読み終えたら、それがどんなに下手な読み方であっても、「読むのが上手になってきたね」とか、「難しいのよく読んでいるね」とか言って褒めていればいいのです。
褒めていると、子供の音読は必ず上手になります。
オンラインクラスの国語の授業では、先生は、その子がそれまでに読んだ範囲の文章について、どんなことが書いてあったか質問します。
問題集読書で同じ文章を何度も読んでいる子は、もとの文章を見ないでも、どういうことが書いてあったかを言えます。
文章を見て、先生に聞かれたことを探さないと答えられない子は、文章を読んでいません。
問題集読書は、1冊を5回以上繰り返して読み、どの文章のことを聞かれても大体の内容を言えるようになることが目標です。
このような問題集読書の復読という勉強法を家庭だけで独自にやることはまずできません。子供が飽きるからです。
だから、ほとんどの子の国語の勉強法は、国語の問題集を解くことになるのです。
国語の問題集を解くのは、一種の作業ですから、子供に任せておけば勉強をしているように見えます。
しかし、問題集を解くだけでは国語の力はつきません。問題文を繰り返し読むことだけが読む力をつける方法です。
家庭では、「来週の国語の授業のときに、先生にちゃんと答えられるように、問題集は毎日音読していこうね」という声掛けをして、子供の音読を続けさせ、音読が終わったら、「難しいのをよく読んでいてえらいね」と毎回褒めてあげるようにします。
これが、国語の家庭学習の方法です。
■■桃太郎があるき出したから、犬と猿と雉が来た
●https://youtu.be/Xl-HVA32AEk
桃太郎の話を、昔、私は、いろいろな個性のある仲間がその個性を生かして協力することで敵に勝つという話だと思っていました。
しかし、その後、考えが変わりました。
犬と猿と雉(きじ)が仲間になるのは、物語の前半の重要な箇所ですが、なぜかれらが仲間になったのかというところの考えが変わってきたのです。
それは、桃太郎がたまたまキビダンゴを持っていて、犬と猿と雉がおなかがすいていたから仲間になったという単純な話ではありません。
大事なことは、桃太郎が、まずひとりで出かけたということなのです。
出発する時点で、桃太郎には、道の先に、犬と猿と雉が待っているという情報はありませんでした。
たったひとりで出かける覚悟で出発したあとに、たまたま犬と猿と雉がやってきたのです。
あとから振り返ると、まるで桃太郎が、みんなの協力を計画的に考えて行動を始めたように見えますが、本当はひとりの行動が最初にあり、その行動に引き寄せられて、偶然犬と猿と雉がやってきたのだというのが真相です。
大事なのは、行動の一歩を踏み出したことであって、入念に計画を作ったことではないのです。
だから、若い人で、これから何かを始めようとするときは、詳しい計画や協力できる仲間を最初に考えるのではなく、まず自分ひとりで出発することです。
もし、桃太郎の目的地が鬼ヶ島ではなく、その先にあるもっと遠い困難なところであったら、どうなったでしょう。
犬と猿と雉のあとに、今度は馬がやってきたのです。たぶん。
そして、更にもっと遠い困難なところが目的地であったら、どうなったでしょう。
馬のあとに、今度は龍がやってくるのです。
このように、「桃太郎」は、ひとりの行動が次々に新しい展開を生み出す物語として読むことができます。
大事なことは、まず桃太郎がひとりで歩き出したということなのです。
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