言葉の森新聞2022年11月3週号 通算第1731号
文責 中根克明(森川林)

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■■11月23日(水)は「休み宿題」
 カレンダーに記載してあるとおり、11月23日(水)は祭日のため「休み宿題」となります。
 作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」http://www.mori7.com/mine/ike.php
 作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。


■■発表力を伸ばす教育が、頭をよくする。授業に主体的に参加する子ほど力が伸びる

●動画:https://youtu.be/EYoOdD9kRAQ

 「何か質問がありますか」と言うと、すぐに、「はい」と手を挙げる人がいます。
 そこまででなくても、「○○さん、どうですか」と聞くと、すぐに自分の考えを言える人がいます。

 そういう人は、仕事のできる人ですし、グループで仕事をするときもリーダー的な役割を果たせる人です。
 これは、頭のよさももちろんありますが、それ以上に、いつも主体的に行動できる姿勢を持っている人だということです。

 しかし、こういう発表の練習をする場は、今の教育ではほとんどありません。
 むしろ、日本では、授業中に質問するような人は、先生から煙たがられることがあります。
 「出る杭は打たれる」という文化の中では、黙って素直に聞いているだけの人が生まれやすいのです。

 言葉の森のオンライン4人クラスでは、発表の機会が数多くあります。
 まず、授業の最初の読書紹介がありまです。
 自分の読んでいる本をわかりやすく紹介するというのは、かなり難しいことですが、小学校高学年になると、その本の要約を簡潔に述べつつ、印象に残ったところを説明し、自分なりの感想を言うというところまでを短時間でわかりやすく説明する子が増えてきます。

 先日、小学5年生のお母さんから、「子供が、病院で、自分のことをわかりやすく医師に説明したので、その先生に褒められた」という投稿がありました。
 ほかの人の前で、自分の言いたいことを具体的にかつ簡潔に述べることができるというのは、慣れていないとなかなかできません。

 オンラインクラスでは、授業の中身も、生徒の説明を重視しています。
 先生が教えるのではなく、先生はむしろ質問役で、子供が説明する時間が長いのです。
 こういう授業スタイルは、35人の生徒のクラスではまずできません。

 オンラインクラスでは、授業の最後の締めくくりの時間に、「一人一言」という時間を設けることがあります。
 これは、今日のことでも、昨日のことでも、未来のことでも、自分が思っていることでも何でもいいので、一人一言のスピーチをする時間です。
 この時間帯に、子供たちの個性が出ます。
 勉強という答えの決まった世界では、個性はほとんど出せませんが、自由な一言の時間には、誰もがそれぞれ個性的な自分らしさを発揮します。

 これからの教育では、このような答えのない時間に、自分らしい個性を出すことが大事になってきます。
 こういう発表型の勉強で育った子には、今の学校や塾での勉強は、物足りなさを感じることが多いと思います。

 発表の時間は、勉強の知識を吸収する時間に比べて、おまけの時間のように思う人がいるかもしれませんが、実は、この発表の時間は、単なる勉強の時間よりもずっと頭が活性化しています。
 発表と参加を中心とした主体的な学習で、頭自体がよくなっていくのです。


■■学習記録のページの欄に、繰り返しの回数を入れられるようにしました
 学習の基本は、同じ教材を繰り返し勉強して、その教材の中身を確実に頭に入れることです。
 1、2回やって理解した気持ちになっても、それはそのときだけの理解であって、自分のものになっていないことが多いものです。

 これは、読書も同じです。
 特に、説明文や意見文の読書は、1回目に読んだときは、自分が既に知っていることに近い内容しか頭に入っていません。

 説明文や意見文の本は、印象に残ったところに線を引きながら読み、2回目以降は、その線を引いたところだけを繰り返し読んでいくといいのです。

 問題集や参考書も、大事だと思ったところに線を引きながら読み、2回目以降は、線を引いたところを重点に読んでいくようにします。

 オンライクラスの学習記録の欄は、これまでページ数しか記録するところがありませんでしたが、今度、読んだ回数も記録できるようにしました。

 国語読解、算数数学、英語の勉強をしている人は、ページ数とともに、回数も記録するようにしてください。

 回数の大事なことは、読み聞かせでも同じです。
 幼児は、読んでほしい本を何度も親にせがみます。
 何度も読んでいると、その絵本の文章がすっかり頭に入り、暗唱できるようになります。
 そのぐらい繰り返し読む本があると、そこで幼児の思考力は伸びるのです。

 よく、「同じような本ばかり読んでいるから、たまには違うジャンルの本を読んでほしい」と言う保護者の方がいます。
 気持ちはわかりますが、子供が同じような傾向の本を読んでいるときは、そこで考える力がついているのです。
 違うジャンルの紹介してあげるのはいいことですが、本は満遍なく読むことがいいのではありません。
 その子の好きな本を繰り返し読むような読み方がいちばんいいのです。


■■勉強ができるようになる子の特徴――早めにクラスに入り、にこにこ参加する
 将来よくできるようになるという子の特徴があります。
 それは、オンラインクラスで、授業時間の前にやや早めに参加してくる子です。

 授業が始まってから、いつも少しだけ遅刻して入ってくる子もいます。
 そういう子は、今は成績がよくても、将来あまりできるようになりません。

 時間に早めに来るか遅めに来るかという差は、準備の差です。
 早めに入ってくる子は、その日の授業の準備がよくできています。
 少し遅れて入ってくる子は、準備があまりできていないことが多いのです。

 これは、オンラインクラスに限らず、その子の生活習慣になっています。
 だから、遅刻しがちな子は、生活のどの分野でも遅刻しがちになります。

 クラスの授業が始まってから、にこにこした顔で参加する子がいます。
 そういう子は、よくできる子です。
 なぜにこにこしているかというと、いざ自分の発言が求められることがあったらすぐに対応しようという気持ちで参加しているからです。
 授業に前向きに取り組む姿勢があるから、自然ににこにこした顔で参加するようになるのです。

 これも、その子の生活習慣ですから、にこにこ顔で参加する子は、他の分野でも常に前向きに参加しているはずです。
 だから、自然にいろいろな面で力がついてくるのです。
 もちろん、顔とは関係なく主体的な子もいますが、大体において積極的に取り組もうという子は、明るい顔で授業に参加しています。

 大人は、つい成績や点数のようなわかりやすいところに目を向けがちですが、本当に大事なことは、点数には出ない、主体的な姿勢の方です。

 高度成長時代には、社会にエスカレーターのような仕組みができていました。
 最初のエスカレーターにうまく乗れたら、その先ずっと安心だということがあったのです。
 しかし、今の社会にもまだ残っているように見えるエスカレーターは、もはやあてにはなりません。
 近い将来、エスカレーターは実はなかったということが明らかになるでしょう。

 エスカレーターのない時代に必要なことは、目の前の階段を登り続ける意志です。
 それが、前向きに生きる姿勢です。

 いつでも前向きに生きる子供の姿勢を育むものは、お母さんの褒め言葉です。
 どんなときも、子供のいい面を見てあげると、子供は自然に前向きに生き、主体的に参加する気持ちを育てていきます。

 注意されながら育った子は、小さいころは成績がよくても、肝心の自信が育ちません。
 だから、いざというときに、挑戦しない方を選んでしまうことが多いのです。

 答えのない時代に生きる上でいちばん大事なことは、失敗を恐れず挑戦する意識です。
 人間は、勉強によって育つのではなく、小さな挑戦の積み重ねによって育つのです。


■■褒めて育てれば頭脳が成長し、叱って育てれば頭脳が退化する
●動画:https://youtu.be/PC5YxjfiwRE

 厳しいお母さんのもとで厳しく育てられた子は、低学年のころは成績がいいのです。
 しかし、学年が上がってくるにつれて、伸び悩んでくるように見えます。
 その理由は、叱られた分だけ頭脳が萎縮してしまうからだと思います。

 特に、夜寝る前に叱るのは、子供の肉体的な成長にとってもマイナスになります。
 もし、夕方叱ることがあっても、夜寝る前にはその倍ぐらい楽しく褒めてあげることが大切です。

 叱るというのは、親がまだ未熟だからです。
 悪いのは子供ではなく、これまでそういうふうに子供を育ててきた親の方だと自覚することが大切です。

 社会で名を残した人で、母親が厳しかったということはあまり聞きません。
 逆に、母親は無条件に優しかったという人が多いのです。

 例えば、野口英世の母がそうです。
 無学であっても、英世のことをこころから愛して育てていました。
 母からの手紙を見ると、そのことが感じられます。
 英世自身も、母親を心から尊敬していました。

▽母から英世あての手紙
 https://www.mori7.com/izumi/gazou/2022/11120721400.jpg

 昔、作文の一斉体験学習で、「たとえを使ってみよう」という課題を出すことがありました。
 「お母さんは」と書くと、ほとんどの子が「おにみたい」と言いました(笑)。
 「お父さんは」と聞くと、「ゴリラみたい」とか、「かいじゅうみたい」とか言う子が多く、こちらはバラエティに富んでいました。

 もちろん、これはみんな冗談ののりで言っていたのでしょうが、私は、最初、そういう母親のたとえの答えを聞いたとき、意外に思いました。
 母は、優しいのが普通だと思っていたからです。
 しかし、今の母は、子供から鬼みたいと思われていることが多いのです。

 では、なぜ母が鬼みたいになったのかというと、それは、今の競争社会の中で子育てをしているからです。

 もちろん、子供のしつけに関しては、母も父も、鬼のようになっていいのです。
 そういう場面は、滅多にありませんが、しつけは、社会生活を送るために必要なことだからです。

 しかし、競争社会で生き残ることを目的にすると、叱り方が、人に負けないように叱るということになってきます。
 その叱り方は、歪んだ叱り方です。
 そして、そういう叱り方は、日常化することが多いのです。

 子育てでいちばん大事なことは、子供が幸福を感じる時間を長くすることです。
 未来の準備のために、苦しい時間を我慢することではありません。

 そういう幸福な子供時代を過ごした子ほど、将来の社会生活でも自分らしい幸福を感じながら生きていくのだと思います。


■■新年度からの教材について――2月から変更予定の教材あり
●動画:https://youtu.be/QQ-FaVtKppQ

 新年度からの教材を一部変更します。
 改訂版になるものもあるので、正式に変更するのは2月からになりますが、今の時点で新年度の教材を注文し使っていただくこともできます。
 ただし、改訂版は2月以降にご注文ください。

 変更する教材は下記のとおりです。

(1)国語:これまでの小4~小6の国語、質の高い難問のあるよい問題集でしたが、確認テストがなかったので、同レベルの問題集の確認テストがある教材にします。

(2)算数:これまでの小2~小6の算数は、標準的な問題が中心でしたので、難しい受験対応の問題も入っている教材にします。
(ただし、基本問題や標準問題だけをやる形で進めてもいいです。)

(3)英語:これまでの小5~小6の英語は、確認テストがなかったので、確認テストがある教材にします。

 ▼2023年度から変更する教材(中学生の教材は、変更なし)
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┃教科┃学年┃2022年度 ┃2023年度         ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃国語┃小2┃ウィンパス国語┃ジュニア新演習国語上下    ┃
┃国語┃小3┃ウィンパス国語┃ジュニア新演習国語上下    ┃
┃国語┃小4┃エフォート1 ┃中学受験新演習国語上下    ┃
┃国語┃小5┃エフォート2 ┃中学受験新演習国語上下    ┃
┃国語┃小6┃エフォート3 ┃中学受験新演習国語上下(改訂)┃
┃  ┃  ┃       ┃               ┃
┃国語┃高2┃プログレス2 ┃プログレス現代文2(改訂)  ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃算数┃小2┃ウィンパス算数┃ジュニア新演習算数上下    ┃
┃算数┃小3┃ウィンパス算数┃ジュニア新演習算数上下    ┃
┃算数┃小4┃ウィンパス算数┃中学受験新演習算数上下    ┃
┃算数┃小5┃ウィンパス算数┃中学受験新演習算数上下    ┃
┃算数┃小6┃ウィンパス算数┃中学受験新演習算数上下(改訂)┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃英語┃小5┃ウィンパス英語┃標準新演習英語        ┃
┃英語┃小6┃ウィンパス英語┃標準新演習英語        ┃
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※ただし変更以前の2022年度の教材も使用できます。
※教材注文のページは、まだ変更が完了していませんので、ジュニア新演習小2・小3の注文はしばらくお待ちください。













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