言葉の森新聞2022年12月3週号 通算第1735号
文責 中根克明(森川林)

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■■学力8割、個性2割の生き方――「未来の大学入試はどうなるか」の記事を見て

●動画:https://youtu.be/peatT-9pGOI

 言葉の森のオンラインクラスでは、勉強のほかに、読書力、発表力の時間があります。

 勉強の方の中身は、反転学習です。
 家庭での毎日の自主学習で学んできたことを、先生が授業の中でチェックします。
 だから、きわめて効率のよい学習になります。

 読書紹介と発表では、全員に発言する時間があります。
 どの子も、それぞれ個性的な紹介や発表をします。

 このように勉強と読書と発表を両立させている授業はほかにはありません。
 オンラインクラスは、学力8割、個性2割のペースで進めているのです。

 言葉の森の生徒は、学校でも好成績の子が多いです。
 中学、高校、大学の合格校も、かなりレベルの高いところが多いです。
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=19
 勉強もでき、個性もあるという子が多いのです。


 私は、人生には、二つの大きな道があると思います。

 ひとつは、勉強して、いい大学に入り、いい就職をして、安定した生活を目指す道です。
 ほとんどの人が、この方向で生きていくと思います。

 しかし、この安定の道には、いくつかの問題があります。
 それは、与えられた仕事をこなす人生は、面白くないし、成長しないし、今後はどうなるかわからないということです。
 高度成長経済時代は、与えられた仕事であっても、面白いし、成長するし、将来の発展性がありました。しかし、今後の低成長時代には、それが逆に回転する可能性があります。


 もうひとつの道は、個性を生かし、自分なりの仕事を始める道です。
 これは、未知の要素が多い道です。
 ほとんどの人は、この道を頭の片隅で考えるだけで、その方向で生きようとする人はまずいません。

 この独立の道には、いくつかの特徴があります。
 それは、独立の道は、面白いし、成長するし、工夫次第で発展するが、不安定で苦労が多いということです。
 しかし、日本の社会では、失敗しても生きていけないことはありません。
 我慢すればどんな仕事もあるし、実力があれば再起することもできます。


 ここで大事なことは、どちらかの道しか選べないということではないということです。
 ほとんどの人は、決められた勉強もしっかりするし、自分の個性を生かした時間もたっぷり過ごしています。
 だから、学生時代は、両方がんばっていくといいのです。

 しかし、社会に出るときには、どちらかを選ばなければなりません。
 片手間でできる仕事というのは、ほとんどありません。
 そして、結婚をして子供のいる生活が始まれば、方向転換することはまず無理になります。


 だから、私は、社会に出るときには、独立の道を選ぶのがいいと思います。
 最初は会社に就職をするとしても、将来の独立のために、その独立の手段になる会社に就職すると考えていくのです。

 そのためには、学生時代の勉強は、勉強と個性を8対2ぐらいの割合で進めていくことになると思います。
 そして、会社に入るにせよ独立するにせよ、大事なことは、学力だけでなく、発表力、読書力を育てていくことです。


 オンラインクラスの読書紹介や発表の様子を見ていると、生徒によっては、どこの学校に行こうが、どういう会社に入ろうが、必ず自分らしい実力を発揮するだろうということを感じさせる子がいます。
 それは、勉強の成績を見ているだけではわからない、その生徒の本当の実力です。


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▽参考記事(ダイヤモンド・オンライン)
「これからの中学受験生が直面する「2030年の大学入試」の見取り図」
https://diamond.jp/articles/-/313261

 基本的な方向は、ここに書かれているとおりだと思います。
1.少子化で誰でも大学に入るようになる。その際、大学は、生き残りのために一般入試よりも早めの推薦入試、AO入試を増やす。
2.トップ2割の大学の入試はほぼ変わらない。
3.だから、大学入試は二極分化していく。

 しかし、私は、もっと先のことを考えています。
 それが上に述べた記事です。


■■学力8割個性2割の続き――創造力の時代がなぜ来るか、そのために何をするか
●動画:https://youtu.be/AykGnMHP_yo

 学生時代は、学力8割個性2割で生活し、社会人になるときは自分の個性を生かす方向で独立するというのが、これからの人間の生き方の基本になってくると思います。

 そんなのはまだ早いと思う人がいるかもしれませんが、これは歴史の流れを見ればわかることです。

 今、人類の生産力は、人類全体の消費に必要な量をはるかに上回っています。
 だから、誰の役にも立たない軍需産業が盛んになっているのです。

 人間が熱心に必要と思うものの多くは、マイナスをゼロに戻すものです。
 健康産業も、教育産業も、ほとんどがそうです。
 だめなものを普通に戻すというのは、わかりやすいし、常に需要があるのです。

 しかし、マイナスをゼロに戻しても、世界は豊かにはなりません。
 大事なことは、ゼロをプラスにすることです。
 未来の健康産業や教育産業は、そういうものになるでしょう。

 ゼロをプラスにするための答えはどこにもありません。
 マイナスからゼロに戻すときのゼロは、誰にでも見える答えです。
 ゼロをプラスにするためには、創造力が必要なのです。

 軍需産業以外にも、世の中に、何も生み出していない仕事は数多くあります。
 具体的に書くと差し障りがありますが、ひとつだけ書くと、例えば広告産業などがそうです。
 正しい情報が伝わることが大事で、広告の情報がどれだけ伝わっても、世界には何のプラスもありません。

 人類の生産力が、人類の消費力を上回っているから、多くの無駄なものが生まれています。
 その無駄なものが多すぎるために、豊かな生産力が人々の豊かさに結びついていないのです。
 しかし、やがて、これは是正されるでしょう。

 正しいことが伝わると、世の中は自然にその方向に変わります。
 今は、インターネットの力で、正しい情報が流れるようになりました。
 Twitterは民間企業ですが、正しい情報を流す方向に転換しているように見えます。
 やがて、他の情報メディアも、次第に正しい方向に向かうでしょう。
 先日、雑誌プレジデントで、これまでマスメディアに載らないであろうと思われた記事が掲載されていました。
 メディア全体も、内部の力で、今大きく変わろうとしているのです。

 さて、豊かな生産力、正しい情報と並行して生まれているものは何かと言えば、それはAIやロボットの技術です。
 現在、文を入れると絵をかいてくれるソフトが出ています。下手な絵を上手にかきなおしてくれるソフトもあります。質問すると、正しい答えを返してくれるソフトも生まれています。自動翻訳ソフトも、深層学習によって実用的なものになっています。

 ということは、これまでの画家、作曲家、文章家、翻訳家などの仕事が能率的になる一方、それらの仕事全体のニーズはこれから急速に減っていくということです。
 自動運転が実用化されると、運転手の仕事がなくなるということは以前から言われていますが、配達の仕事、レジ打ちの仕事なども、やがてなくなるでしょう。
 教育に関しても、ただ教えるだけの仕事は必要がなくなります。
 ちょうど明治維新のあとに、それまでの剣術や馬術の練習が必要なくなり、剣術や馬術が単なる趣味の文化に変わっていったように、今後、多くの仕事が形を変えていきます。

 しかし、それを否定的なことと考える必要はありません。
 世の中が豊かになる一方で、仕事が減ると、その結果、所得が減り消費が減ります。
 供給だけが豊かになり続け、需要が減り続けるという負の循環に対処するためには、需要を人為的に増やす必要があります。
 ケインズの時代には、それは公共投資や戦争でした。
 現代は、国全体の公共投資や戦争ではなく、国民一人一人に対するベーシックインカムです。

 これからの時代を考える前提として、ベーシックインカムの時代が来ると考えておくといいのです。
 その時代に必要になるのは、個性と創造力です。

 しかし、ここで大事になるのは、創造力の底辺に広い学力の土台があることです。

 創造力というと、多くの人のイメージとして、絵をかいたり、音楽を作ったり、文章を書いたり、スポーツをしたりということが思い浮かべられると思います。
 しかし、そういう創造力は底辺の狭い、自分の身体だけを主な底辺とした創造力です。

 幅広い底辺とは何かというと、それは幅広い学力なのです。
 小学校から中学、高校にかけて学ぶことは、人類がこれまで積み上げてきた知の共有財産です。
 この共有財産を広く自分のものにすることが、その人の創造力のより個性的な進歩につながります。

 その学力の底辺と創造力の高さの比が、今は8:2ぐらいだろうと私は考えているのです。


■■言葉の森には、なぜ成績のよい子が多いのか
●動画:https://youtu.be/MOoQylma4T0

 言葉の森に来ている生徒には、優秀な子が多いです。
 特に、低学年で言葉の森に来る生徒はそうです。

 言葉の森は、作文と国語を中心に、算数数学や英語やプログラミングや創造発表という幅広い教育を行っています。
 だから、作文や国語が苦手な子が来るかというと、そういうことはありません。
 むしろ、作文や国語の得意な子が多いのです。

 もちろん、苦手な子も来るので、苦手な子にも十分対応できます。
 作文が超苦手だったという子が、体験学習で親も子も驚くほど書けるようになったという例は数え切れないほどあります。
 なぜ、そういうことができるかというと、簡単に言えば教え方が科学的だからです。

 低中学年から言葉の森に来た子は、大学入試でもかなり難しいところにすんなり入っています。
 合格情報を見てもわかるように、東大、早稲田大、慶応大などに入っている子は、毎年います。
 卒業した生徒が、連絡してきてくれるのです。

 なぜ、言葉の森にそういうよくできる子が多いかというと、これは、言葉の森のホームページに文章ばかりが載っているからではないかと思います。
 こういう文章を読んで共感できる保護者の方は、学力がかなり高い人です。

 作文や国語が苦手だからという理由で来る場合でも、そういう文章理解力のある保護者の言う「苦手」ですから、実態は「普通」か「普通の上」で、もともとの学力はかなり高いのです。

 面白いことに、作文の体験学習のときに、子供に、「作文は得意、苦手、普通のどのくらい?」と聞くと、ほぼ8割の子が「苦手」と答え、2割の子が「普通」と答えます。
 「得意」と答える子はまずいません。みんな謙虚です。

 ところが、「普通」と答える子は、すべてよく書ける子です。
 「苦手」と答える子は、普通かよく書けるかのどちらかです。
 みんな、学校の勉強で、作文が苦手だと思い込んでいるだけなのだと思います。

 言葉の森は、作文が苦手な子にも、得意な子にも対応できますが、これは、教科の勉強についても同様です。
 言葉の森が学力の高い子にも対応できるのは、いい成績を取る以上のことを目指しているからです。
 それが、思考力、創造力、共感力を育てるという目標です。


■■不登校の子も参加できる――個性を生かす創造発表クラス、土曜日10時開講
●動画:https://youtu.be/km71RfD9vaU

 今、学校に行かない子が増えています。
 私が知っている範囲で言うと、そういう子供たちは、みんな優秀です。
 普通に勉強すれば、学年のトップクラスに入るような子たちばかりです。

 勉強もできるし、考え方もしっかりしているし、コミュニケーション力もあるし、何も問題がないどころか、みんなのリーダーにもなれるような明るい性格の子供たちです。
 子供たちと言っていますが、私が知っているのは、主に中学生ぐらいの生徒たちです。

 そういう恵まれた素質を持つ子供たちが、学校に行っていないことを自分のマイナス面であるかのように感じて、萎縮していることがとてももったいないと思います。

 創造発表クラスは、もともと自由な創造的な発表をするクラスとして作りました。
 ただ、教材もカリキュラムもないので、生徒も先生もやりにくいところがあるかもしれません。

 しかし、私は、教材やカリキュラムがなくても楽しくできるのが、創造発表クラスの本来の姿だと思っています。

 これまで、創造発表クラスでは、とても優れた発表がありました。
 ちょうど小学5、6年生ばかりが集まった5人ぐらいのクラスがありましたが、毎回どの子も個性的な発表をするので、熱で学校を休んだような子も、創造発表クラスだけは参加するというほどでした。その子たちは、学校の勉強もとてもよくできました。


 今後、土曜日10:00に読書と対話をセットにした創造発表クラスを開設します。

 この創造発表クラスでは、次のような形で授業を進めていきます。

 最初は、読書紹介です。今読んでいる本をお互いに紹介します。
(これはどの講座でもやっていますが。)
 そのあと、質疑応答をして、次に、各自のやっていることを発表してもらいます。
 この発表が創造発表クラスの中身です。

 発表の内容は、何でもいいのです。
 大事なことは、自分の本当に好きなことを発表することです。参考書のコピーのようなことを発表をするのではありません。

 名前のとおり創造ですから、ほかの人がやっていないことを発表することです。レベルは低くても高くても構いません。
 新しいことをやろうとすれば、失敗することも多くなります。その失敗も創造です。
 要は、自分の好きなこと、ほかの人のやっていないこと、というのが基本です。

 発表することがまだできていない場合は、授業の中で、みんなの発表を聞きながら、自分の発表の準備をするか、途中経過までを発表するという形で参加できます。
 発表が目的ではなく、発表という結果を目標にして、創造する過程が本当の目的です。


 私は、オンラインクラスの仕組みを作った最初のころ、もう10年以上前になりますが、この創造発表クラスの仕組みを作りました。
 私は、自分のうちの子2人が小学1年生のときに、2人をそれぞれ言葉の森の作文教室に入れました。
 うちの子は、ほかの習い事は、何もしませんでした。
 しかし、そのときに、創造発表クラスのようなものがあれば、そのクラスにも必ず入れたと思います。

 作文と創造発表と読書は、同じような性格の勉強です。
 学校の普通の勉強は、やればすぐできる勉強です。
 数ヶ月か、長くても1年間集中して取り組めば、中3までの学校の勉強はすぐに追いつけます。
 それは、答えの決まっている勉強だから、本気でやればすぐにできるようになるのです。

 しかし、多くの子は、その退屈な勉強の過程で、それなりに文章を読んだり、問題を考えたりして頭を使います。
 だから、勉強で成長するのではなく、勉強に取り組む過程で成長しています。
 大事なことは、何に取り組むかではなく、取り組むこと自体なのです。

 その取り組みを、させられる取り組みではなく、自分から進んで選ぶ取り組みにするのが、創造発表クラスの勉強です。

 土曜日10時の創造発表クラスの対象学年は、小学校高学年から高校生までとします。
 小学5年生以上になると、考える力がつくので、自分なりの創造ができるようになります。
 創造発表クラスの勉強のあと、大学に入り好きな勉強をして、社会に出て活躍することまでがゴールです。

 このクラスは誰でも参加できますが、特に、学校の勉強に飽き足らない人、学校にあまり行っていない人が、主に参加するといいと思います。
 もちろん、学校に仕方なく行っている人も参加できます。
 仕方なくというのは、学校の勉強はつまらないが、好きな人がいるから行っているというようなことです。私がそうでした(笑)。


■■メディアに取り上げられた言葉の森ーー作文、国語、低学年の勉強法
●動画:https://youtu.be/t89XKPaTtDk

 これまで、メディアに取り上げられた「言葉の森」の記事を紹介します。

 過去の記録は、こちらです。
https://www.mori7.com/as/759.html


「東洋経済オンライン」
英語より「問答力」!元外資系パパの教育哲学
https://toyokeizai.net/articles/-/18374
(名前は出ていませんが、ここで紹介されている作文教室は言葉の森です)

「日経デュアル」
低学年 説明文の本こそ読み聞かせ 論理的に考える力を
https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/101900011/110200149/?n_cid=nbpxwoman_sied_ssealist

「東洋経済オンライン」
プロに聞く「子どもの作文力」劇的に上げる方法
https://toyokeizai.net/articles/-/348162

「東洋経済オンライン」
国語の「読解が甘い子」が激変する具体的な方法
https://toyokeizai.net/articles/-/338023

「ダイヤモンド・オンライン」
「子どもの脳を耕せる」たった1つの親の習慣
https://diamond.jp/articles/-/249740
(これは一部に引用されているだけです)


■■ゴールは大学入試ではなく、35歳までに見つけるもの――正攻法の子育てとは何か
●動画:https://youtu.be/AI5WQCb3Vg4

 ひろゆきさんが、「35歳までに見つけないと手遅れになる」という記事を書いていました。
 それは、何かというと、一日中そのことを考えているような仕事を見つけるということです。
 仕事のことを考えるのは仕事の時間だけにして、あとは自分の好きなことを自由に考えたりしたりしているというのではありません。


 人間の成長や幸福ということを考えると、このひろゆきさんの話は、多くの人が納得できると思います。
 一日中考えているのは、別に仕事でなくてもいいのです。
 子供の教育であっても、趣味であっても、研究であっても何でもいいのですが、35歳までにというのはひとつの目安になる年齢だろうと思います。

 私は、子育てというのも、このように子供が35歳になったときに一日中考えているような仕事を見つけられるようになることを目標にするといいと思います。
 もちろん、そのころになると、子供はもうすっかり親の手から離れていますから、直接の子育てというでのはありません。
 その土台作りを、小学生のときから考えていくということです。


 こう思ったのは、子供の教育に関して、近い目標だけをゴールにしている人が多いように感じることがあったからです。

 子供が小学生のときは、当面のゴールは中学受験になる人も多いと思います。
 中学生になってからのゴールは、中間テストや期末テストになり、やがて人によっては高校入試がゴールになります。
 そして、高校生になると、大学入試がゴールになり、このゴールが最も本格的なゴールになります。

 そして、無事に大学入試が終わると、ゴールを達成したので、あとは学生生活を楽しむということになる人という人が多いと思います。
 親も、子供が大学まで行けば、もう心配はないという感じになりますが、本当のゴールは、そのあとにまだ続いています。

 その本当のゴールとは、35歳になったときに見つける自分の人生の方向性です。


 ときどき、テストで時間切れになったら、何でもいいから選択肢に○をつけてくるとか、テスト前の一夜漬けで出そうなところを教えてもらい山を張るとかいうことを言う人がいます。
 しかし、その後の長い人生で役立つのは、こういう目先の損得とは正反対の生き方です。
 そういう正攻法の生き方を教えるのが、子育てのいちばんの基本になると思います。


「ひろゆきが「35歳までに見つけないと手遅れ」と語る、残酷な事実」
https://diamond.jp/articles/-/314025


■■国語の「勉強ができない人」の勉強法は、辞書で調べたり段落をまとめたりすること――自習室の活用で毎日の読む勉強を中心に
●動画:https://youtu.be/KSk1yaqYv9A

 勉強ができる人とできない人の勉強法の差というものがあります。
 結論を言うと、勉強ができる人は、大雑把にやって何度も繰り返す勉強の仕方をしています。

 これは、プログラミングの勉強でも同じです。
 先に進める人は、曖昧なところはとりあえず飛ばして先に進むことができる人です。
 先に進んでいると、前のことがわかるということが多いのです。

 反対に、勉強ができない人の勉強法は、最初から完全に理解しようとすることです。
 あるところでつまずいたら、そこを必ず解決して、その解決のあとに先に進もうと考えることです。

 この方法は、一見、正しいように見えます。
 しかし、それは、勉強ができない人の陥りがちな方法です。
 この方法のいちばんの欠点は、つまずいたところを解決しようとして、そこにとどまっているうちに、次第に嫌になって勉強全体を諦めてしまうことです。

 国語の読解力をつける勉強法でも、同じように、よい勉強法と悪い勉強法があります。

 先に、悪い勉強法を説明します。

 悪い勉強法は、理屈の上では、もっともらしく見えると思います。
 その方法は、第一に、文章全体を読む前に、その文章の中の個々の段落を理解し、段落全体を読む前にその段落の中の個々のわからない単語を調べるという方法です。

 このように細分化していく勉強法は、一見理屈にかなっているように思えます。
 だから、多くの人がこういう勉強法を取ります。
 しかし、この勉強法のいちばんの弱点は、時間がかかることと、つまらない勉強の仕方なので飽きてしまうことです。
 勉強するのがロボットであれば、こういう勉強法は有効かもしれません。
 しかし、勉強は、人間がしているのですから、飽きてやめてしまえば結果は生まれません。

 では、読解力をつけるよい勉強法は何かというと、それは繰り返し読むことなのです。
 ただし、読解力には二つの面があり、ひとつは読む力をつけること、もうひとつは解く力をつけることです。
 解く力をつける勉強法は理詰めの勉強法です。
 これは、理詰めに解く方法を身につければ、誰でも成績が上がります。
 しかし、子供たちの多くは、理詰めに解く勉強をする前に、読む力が不足していること多いのです。

 読む力をつける勉強は、まず全体を読むことです。
 そして、自分がわかるところだけを理解していきます。
 そのようにして、1冊の問題集を読み終えたら、そのあと、また最初のページからその問題集を読みます。
 こうして、1冊の問題集を5回以上繰り返し読みます。
 読むときに、自分のよく理解できたところに傍線を引いておくと、繰り返し読むときに参考になります。

 どうしてもわからないところは、先生に聞いてもいいかもしれませんが、そういうことはあまりありません。
 読む力がないうちは、わからないというところ自体がよくわからないからです。
 しかし、何度も繰り返し読んでいるうちに、わかるところが次第に増えてきます。

 わかるところが増えてくると、わからないところもはっきりしてきます。
 そのわからないところは、辞書を引いて調べたり、先生に聞いたりすればいいのです。

 読む力のある人は、みんな、そのような勉強の仕方をしています。
 先生に教えてもらうのではなく、自分で何度も読んでいるうちに、わかるところが次第に増えてくるという読み方をしているのです。

 世の中のほとんどの勉強は、同じような仕組みになっています。
 教えてもらって理解するという方法も確かにあります。
 しかし、それ以前に、まずその勉強を繰り返すことが大事なのです。

 言葉の森の国語読解の勉強法は、第一は問題集読書です。第二は読解検定の解説です。
 成績がなかなか上がらない人は、この二つのうちの問題集読書が不足していることが多いのです。

 問題集読書は、家で毎日やることが大事です。
 授業のある日だけ読んでも力はつきません。

 そこで、今考えているのは自習室の活用です。
 自習室に先生が待機していて、生徒が入室し勉強し退室するところまでを記録します。
 また、何の教材を何ページから何ページまでやったかを記録します。
 その記録を毎回保護者にメールで連絡します。
 この自習室は、もちろん無料です。

 本当は、保護者が毎日、子供の勉強をチェックできればいいのですが、今は保護者も忙しいので、毎日のチェックはなかなかできません。
 だから、その勉強の経過だけをチェックしてくれるところがあればいいと思いました。

 ただし、ここで注意していただきたいのは、時間を基準にして勉強をさせないことです。
 小学生のころのように、まだ勉強の自覚がない年齢のときに、時間を基準にして勉強させると、子供は終わる時間を気にしてだらだら勉強をするようになります。
 勉強は、ページ数を基準にしてさせていくことが大事です。

 ただし、ページ数を基準にする場合は、子供が無理なくできるページにすることと、もし決めたページ数が早く終わったとしても決して追加をさせないことです。
 早く終わったから追加をするという勉強のさせ方をしていると、この場合もすぐにだらだら勉強するようになります。
 親の勉強のさせ方が大事なのです。

 もうひとつは、確認テストの活用です。
 これから使う新年度の問題集には、確認テストが付いています。
 その確認テストを定期的に行い、生徒の定着度を見ていくようにします。

 これまでも、担当の先生は、生徒の学習記録をもとに問題チェックをしていましたから、生徒の定着度はわかっていますが、それを保護者にも共有できるように数値化していくということです。


 勉強ができない人の共通点ということで、ひろゆきさんが、同じような内容の記事を書いていました。

「勉強ができない人」のたった1つの特徴
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4c5898af6a21b75d25ea7f0b254545428684647









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