言葉の森新聞2025年1月4週号 通算第1836号
文責 中根克明(森川林)
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■■1月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
1月29日(水)・30日(木)・31日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■受験が間近になったときこそ、新しいことをせずに、これまでの反復を
●動画 https://youtu.be/b7xSE8Ykj1g
受験が間近になると、新しい教材で新しいことをやりたくなるものです。
新しいことをすると、勉強がはかどる気がします。
それは、できる問題を解く時間が増えるからです。
しかし、いくら形が新しくなったとは言え、できる問題を解いているのでは力はつきません。
大事なことは、これまでやった勉強を反復し、特に数学ではこれまでにやった問題集を完璧に仕上げることを目標にすることです。
できなかった問題をできるようにするのは、できる問題を解くよりもはるかにくたびれるものです。
しかし、何冊もの問題集を8割から9割できるというのでは成績はあがりません。
1冊の問題集を100%できるようにすることが大事なのです。
■■共通テスト国語第1問の解説
選択問題の解き方は、「そう言っているものを選ぶ」のではなく、「そういうことは必ずしも言っていない」というものを除き、残ったものを選ぶという解き方になります。
言葉の森の読解検定も同じような問題の作り方ですから、読解検定で高得点を取ることを目指すのが国語の共通テストの勉強の仕方になります。
こういう選択問題を作る人は、かなり苦労していると思います。
選択肢の中に、微妙に合っていないものを入れなければならないからです。
しかし、こういう瑣末なところで差をつけることを目的とした国語の勉強は、いずれ時代遅れになります。
国語力は、このような読解の細かい選択問題で評価するのではなく、また短い要約問題や記述問題で評価するのでもなく、読書力と作文力で評価すべきです。
作文力の評価は、言葉の森のAI森リンでやっていくことができます。
読書力は、言葉の森が今開発しているAI読書検定の仕組みでできるようになると思います。(先の話ですが)
●問1.漢字の問題
1.雑貨……外貨
2.散策……策謀、模索
3.呈した……贈呈
4.一掃……掃除
5.忌まわしい……禁忌
・難しい漢字ではないので、漢字の勉強よりも、読書で語彙力をつけること。
●問2.「観光地住民の『戦略』は常に綱渡りである」
1.「観光者の所属する社会の制度に規定されているために」などとは言っていない。ほかにも多数。
2.「そのまなざしにもてあそばれる事態を招きかねない」がちょっと変かなあ。
3.「おぞましい部分を好んで観光の対象とする観光者」とは言っていない。
4.おかしいところがないので○。
●問3.「観光において『見る』ことは問題含みであるだけでなく、とくに「する」こととの対比において、価値のないものとみなされてもきた。
1.「プーアスティが旅に命をかけてきた旅人に意味を見出したことによって」とまでは言っていない。
2.「観光で重視すべきは観光地住民の生活を体験することであり」などとは言っていない。
3.おかしいところがないので○。
4.「見る側の観光者が無意味な存在に貶められた」とは言っていない。
●問4.「ことはそれほど単純でもない」
1.「その土地の生活を体験するプログラムを人気の観光商品に押し上げることにつながり」とは言っていない。
2.おかしいところがないので○。
3.「かつても旅人による能動的な旅を再現する観光を要求することにつながり」などとは言っていない。
4.「観光地社会に対する無理解さを反省した新しい観光を実践することにつながり」とは言っていない。
●問5.「ともに踊る」
1.「複数の視点を組み合わせることにより新しい研究が可能になる」が変。
2.おかしいところがないので○。
3.「他の観光客とともにあることが観光地の価値を高めるという観光のあり方」がおかしい。ほかにも。
4.「見る人とする人とが互いに高度なやり取りを行っている観光体験のありよう」が変。
●問6.「観光における『見る/見られる』を考えるうえで、サファリパークは示唆的である」
1.「グアムなどのリゾートでは、ゲスト側の文化的なメガネを通したまなざしがホスト側に押し付けられる」とは言っていない。
2.おかしいところがないので○。
3.「主役はそこに暮らす動物であり」とは言っていない。
4.「観光者相互のコミュニケーションのあり方に注意を促す点で」ということでない。
▼問題はこちら(東進のページより)
https://www.toshin.com/kyotsutest/data/2756/kokugo.pdf
■■森リン点における語彙の評価の説明
●動画 https://youtu.be/561p4rcxwuo
森リンによる作文の評価は、語彙力の評価を中心にしています。
人間の感覚で、「読み応えのある作文」と感じるものは、語彙の評価において点数が高いことと相関関係があります。
しかし、人間は、その感覚の理由を説明できません。
「何となく、こちらの作文の方がよく書けている」というところまでしか言えないのです。
しかし、森リンの語彙の点数を見ると、その「よく書けている」という理由が数値となって表されます。
それは、ほんのわずかの数値の差であることが多いのですが、それでも客観的な評価ができるので、今後の作文の勉強の方向がわかります。
ところで、語彙力は、すぐに伸びるものではありません。
数学や英語は、がんばればがんばっただけ成績が上がるのも早いのですが、作文や読解はそうではありません。
それは、作文力や読解力は、知識や方法によって身につける力ではなく、トータルな日本語の力によって身につけるものだからです。
日本語力の基本は、読書の量と質です。
作文や読解の勉強は、まず本を読むことから始まるのです。
しかし、知識や方法として作文や読解を上達させる道もあります。
作文の場合は、森リン点を参考にすることです。
■思考語彙は、説明や感想を書く力です。
作文のそれぞれの段落の結びに、自分なりの思ったことを書くとか、最後の段落の感想や意見を短く終わらせずにじっくり書くとかいう方法が役に立ちます。
■知識語彙は、調べたことや知識やデータを実例として取り込むことです。
調べなければわからないような実例は、難しい実例であることが多いので、難しい言葉が多い作文は、自然に知識語彙が高くなります。
■表現語彙は、多様な語彙を使うことです。同じことを説明する場合でも、同じ言葉ではなく多様な言葉を使って書くと表現語彙が高くなります。
表現語彙は、主に社会実例と関係があるので、硬い多様性とも言えます。
■文化語彙は、やはり多様な語彙ですが、主に体験実例に基づいた語彙と関係があるので、柔らかい多様性と言っていいと思います。
■字数は、学年の200倍が基準なので、小1は200字、小2は400字、小6以上は1200字を基準としてください。
字数がそれ以上長くても、語彙の点数には関係しません。
森リン点を上げることを目安にして、作文の勉強を進めていきましょう。
■■【合格速報】佐久長聖高等学校
●佐久長聖高等学校 O.S.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます。受験中でもしっかり作文の提出をしている努力家の生徒さんです。
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