1月の学級新聞から、むり先生の話を紹介します。
今日は私の読書体験をお話ししましょう。私の今までの人生で一番読書をした時期は実は小学2年生の時です。どういう理由だったか忘れてしまいましたが、2学期のはじめに「今学期は100冊本を読む」という目標をたてました。しかも、絵の多い本やうすい本は数えないという条件までつけたのです。2学期は120日もありません。ですから1日1冊は読むつもりでなければ目標は達成できません。(そうい計算は全くしていませんでした。ただ100という数字がすごくかっこよかったから目標にしたのです。)私は読書も好きでしたが、外で遊ぶのも大好きで、毎日暗くなるまで外で遊んでいたので、この目標はかなり無理がありました。11月を過ぎてさすがに目標達成があやしくなってきて、私は学校の図書館でまるで本屋さんで立ち読みをするように立ったままで本を読みました。そうすると不思議と速く読むことができました。そのかいあってこの目標はなんとか達成できたのです。あれほどまじめに熱心に本と取り組んだことは、受験勉強に励んだときも、大学の文学部に進んだときもありませんでした。(^ ^;)あの時読んだ本は題名すら覚えていませんが、あの読書体験がその後の私の読解力や作文力など日本語の力の土台となったのだと信じています。
あれから30年以上たって言葉の森の講師を始めるまで、私は本当に読書から遠ざかっていました。でも、この間からもう一度100冊に挑戦することにしています。さすがに120日で100冊は無理ですが、常に途切れることなく読書しつづけようと思っています。とはいえ、まだはじめたばかりなので実は3冊しか読んでいません。今なら簡単に追い越せますから皆さんも100冊に挑戦してみませんか。そして、「先生より早く100冊クリアしたよー」と自慢してください。
|
|
枝 6 / 節 12 / ID 5523 作者コード:muri
|