本当に暑いですね。もう夏休みの真っ最中、というような気になってきます。そういえば、梅雨明けもまだなんですね。こんなに暑くていいのかしら・・・。
さて、みなさんは五味太郎さんの本を読んだことがありますか。たぶん、一冊か二冊は必ず知っていると思います。わたしは、五味さんの本が大好きです。今日は、その中の一冊を紹介しましょう。
「さる・るるる」という本です。ちいさな絵本です。おさるさんが、歩いてくるページで始まります。そこに一言、「さる・くる」。次は、おさるさんがりんごの木をみています。ここにも一言、「さる・みる」。こうして、おさるさんがやったことがいつも一言で言い表されていきます。「さる・ける」「さる・とる」というふうに。「くる」「みる」「ける」「とる」は、みんな動作をあらわす言葉ですね。こういう言葉を、動詞といいます。そして、動詞はみんな、最後がウ段の音で終わるという特徴をもっています。(「書く」「飛ぶ」「笑う」・・・どれもみんな、言い終わった後の口が「ウ」の形になっているでしょう? )
この本のストーリーは、すべて「さる・(動詞)」という文で進んでいきます。しかも、ただ動詞というだけでなく、さるの「る」にあわせて、みんな「○○る」という動詞なのです。そして、なんといっても、その話のおもしろいこと! 五味さんは言葉あそびの天才だと思うのですが、ただの言葉あそびで終わるのでなく、ストーリーがものすごくおもしろいことが、彼の本の魅力なのではないでしょうか。わっはっはという笑いではなく、くすくすっと笑ってしまう要素がいっぱいつまっているのが、五味太郎の世界なんです。
今紹介した本には、「さる・るるる one more」という続編や、「ばく・くくく」という第二弾もあります。読んだことのない人は、ひまつぶしにぜひ読んでみてくださいね。
  
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枝 6 / 節 10 / ID 6735 作者コード:kirara
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