生徒の皆さん、こんにちは! 「言葉の森」を始めてから、毎週(まいしゅう)文を書く、ということになれてきましたね。一人ひとりが、自分の学校生活、スポーツや部活(ぶかつ)、家での食卓(しょくたく)や遊びの様子、大人っぽい考えごとを見つけ出し、「こんなことがあったよ」、「あんなことがあったよ」と、作文の中に書き込(こ)んでくれています。おかげで実(じつ)に豊かな時間が、みんなの毎日を作っているのだなぁと、わかります。まるで貝がらが何年もかけて、すてきな真珠(しんじゅ)をゆっくり、じっくり作っているみたいだな、と、先生は感じています。
「言葉の森」は、小学生時代に「記念(きねん)」となるような作品をどんどん書いてほしい、という願いをこめて指導(しどう)しています。中学生、高校生の方も、今、どういう体験(たいけん)をし、何を感じ何を思ったのかを書き込むことは、意見文(いけんぶん)を書く上でとても大切ですね。項目(こうもく)でいうと、「体験実例(たいけんじつれい);小学生では“自分だけがしたこと”」部分(ぶぶん)です。素晴らしい意見文には必ず良い体験実例がセットになって入っています。長文を読んでいてもそう思いませんか?
皆さん、ではどうすれば記念となる作文を書くことができるでしょうか。むずかしく考(かんが)える必要(ひつよう)はないので安心してください(笑)。それは、「今/今週/今月」を「記念に残そう」と思って、作文を書いていくこと、これに尽(つ)きるからです。「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言がありますが、逆に言うと、「自分の心のうちにあるもの」を書けばいい、ということなのです。自分が見たもの、聞いたもの、思いついたものを紙にのせてあげるだけでいいのです。先生は、そのお手伝いをしています。皆さんがそれらを作文用紙(さくぶんようし)にのせやすいように、です。
「今+今+今=未来」、とある心理学者(しんりがくしゃ)が言っていました。「記念」となる作品を残せるのは「今」だけです。それこそが未来を作っていくのですね。「今、何を書こうかな」という気持ちに素直(すなお)に書いてみたらいいですね。先生のためにでも、言葉の森のためにでも、お家の人のためにでもなく(笑)、「自分のために」。 背伸(せの)びしても、しなくてもいいです。無理をしても、しなくてもいいです。「今」を残すこと、それが良い作品の第一の心得(こころえ)であり、作文を「とても意味(いみ)のある時間」にする、とっておきの方法なのです。作文の日を、「今/今週/今月」を記念に書きとめる、大事な時間にしてみてはいかがですか?
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枝 6 / 節 14 / ID 7633 作者コード:inoro
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