連休も終わり、またいつもの生活がもどってきました。楽しいお休みを過ごしたことでしょうね?! 先生の家では、この春仙台に行った長男が帰ってきてにぎやかなお休みとなりました。「お兄ちゃん、やせたんじゃあない?」 と妹に言われ、お風呂上りに体重計にのってみると、3キロやせていたようです。料理本を片手にごはんを作ってはいたようですが、自炊のひとり暮らしはなかなかたいへんみたい。おかげで、先生の作ったごはんを「おいしい、おいしい!」 と食べていました。「親のありがたみ」 をほんの少しだけわかったようです。
「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった。」
「親ゆずりのむてっぽうで、子どものときから、そんばかりしている。」
さて、この二文はなにの小説の【書き出し】でしょう?
前者は、多くの人々がこの一文をそらんじることのできる川端康成(かわばたやすなり)の「雪国」 です。実際にこの「雪国」 を読んだことがなくても、この冒頭(ぼうとう)だけは知っている! という人がたくさんいるみたいです。この一文で、読者の目の前にも、暗いトンネルから抜けたあと、ぱあっ! と雪国の景色が広がります。この美しい書き出しは、たったの一文なのに私たちを本の中にひきつけていきます。
後者は、夏目漱石(なつめそうせき)の「坊ちゃん」 の書き出しです。この本を読んだことがある人もたくさんいるでしょうね。「いったい、どんな人なの?」 とちょっとびっくりするよね。そして、「おもしろそう!」 なんて興味(きょうみ)がわき、次の文へ目が移っていきます。
どちらの文も日本を代表する文学者の作ったものですが、みなさんも同じように「言葉の森」 で【書き出しの工夫】(小学3年生ごろから) をしていることに気づきます。
「今日○○ちゃんとなわとびをしてあそびました。」 とか、
「私は毎朝七時におきます。」 というように作文を始めるのではなく、書き出しに会話、色、音、情景(じょうけい)を入れていきます。
「やったぁ! 二重とびができた!」
今日の休み時間、○○ちゃんとなわとびをしました。
「ジリリリリ」
めざまし時計が鳴りひびいています。
という【書き出し】にすると読み手はぐっと引きつけられますね。楽しいよね?! 手紙を書くときも同じことが言えます。「お元気ですか?」 の一文で始めるのはちょっとさびしいね。その前に、「街の木々の緑があざやかにかがやいています。」 「今日ふっと○○ちゃんのことを思い出し、ペンを取りました。」 の文が最初に書いてあると、とてもすてきにか感じます。そう、【書き出し】はとてもたいせつなものだということがわかりますね。そして、その【書き出し】を工夫することは、楽しい作文へとつながっていきます。みんなもどんどん【書き出しの工夫】をしてみて! そして先生をどんどんあなたたちの書いた作文へひきこんでいってほしいなあ!
「えっ! なにがあったの?」 とちょっとおどろいたり、ぱあっ! とその情景が先生の目にうかぶような一文をつくってみてね。楽しみにしています。
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枝 6 / 節 14 / ID 7923 作者コード:sarada
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